友『TSしたら?』俺『おk、人生やり直すわ』改稿版 作:二ツ井 五時
はい、8話目でございます。
ちょっとだけしんみりしますがそこまでどんよりはしませんのでご安心を。
ではどうぞー
お遊戯会。
それは、幼稚園時代のイベントの1つ。
園児たちは先生の厳しい訓練を耐え抜き、自分の両親に自分が凄いんだよ!こんなに出来るんだよ!と、アピールするイベントである。
きっと終わったら、
「頑張ったね○○!今日はお寿司を食べに行こう!」
とか、
「凄いじゃないか!頑張ったな○○!ご褒美にお前の欲しがってた変身ベルトを買ってやろう!」
とか素晴らしいご褒美が待っている筈だ。
私?私は特に欲しい物は無いかなぁ。
母さんが喜んでくれればそれでよし!
マザコン上等!家族愛して何が悪い!
前世で親孝行出来なかったから、今世ではバリバリ孝行していく所存である。
よーし踊りも歌も完璧にするぞー!
それどころかアレンジもしちゃうぞー!!
私は意気揚々と練習を始める。
けど1人、教室の隅っこに蹲る奴がいた。
湊士君である。
何やってんだろ?また女子におままごと誘われたかな?
この間それで落ち込んでたしね。
でもそうだとしても少し雰囲気が違うような…
「湊士君、ほら、一緒に練習しましょ?」
「………」
先生が話しかけても彼は動こうとしない。
珍しい、普段なら素直に言うこと聞くのに。
その所為か先生も彼の扱いに困ってしまっているようだ。
クラスのみんなも湊士君が心配なのか自由時間になると積極的に話しかけに行くが、誰も彼も黙殺されてしまう。
どうやら今日は頑固な湊士君らしい。
仕方ない、私が行くか。
何故かは知らないが湊士君は私には色々話してくれる。
まあ、みんなよりは付き合いにアドバンテージがあるからね。
幼馴染って素晴らしい。
私は湊士君の側まで歩いていくと、湊士君は少し顔を上げてこちらを見る。
やっぱり私と話す気はあるらしい。
それならそれで好都合なので、そのまま話しかけることにした。
「みなとくん、げんきないね?どうしたの?」
「……おゆーぎかい」
「おゆーぎかい?」
「うん、おかーさん、こないんだって」
え?マジで?翼さん来ないの?
あの人息子大好きだから来ると思ってたんだけど…
「ぼくに、いもーとができるって。だからちょっとのあいだびょーいんにおとまりしないといけないって」
あー、なるほど。
それは確かに来れないなぁ。
でもまさかこの時期に入院って時期悪いなぁ。
多分入院するつもりはなかったんでしょうね。
まあ一定数には入院して、そこで産むって人も居るらしいけど。
取り敢えず翼さんにはお盛んっすねとだけ伝えとこう(最低)言わないけどね!
今は湊士君のフォロー最優先だ。
でもお母さんが来れないだけで湊士君のお父さんは来れるはずだ。あれだろうか?お父さんいやーな感じなのかな?
同性の親な上に、仕事であまり家に居なかったりする父親ってちょっと怖いよね最初の頃。
「じゃあ、おとーさんは?」
「ぼくのおとーさん、おしごといってていそがしいって」
は?(威圧)
まさかとは思うが湊士君の親父さんは働けば働いただけ家族が楽になるとか思ってる古い人なわけ?
そしてさらにまさかとは思うけど仕事ばっかりで家事してないわけ?
もしそうなら仕事場に突撃するまであるんだが?仕事場知らないけど。
「…みなとくん、きょうあさごはんたべた?」
「うん、おとーさんがつくっておいてくれたの」
あ、さすがにそこはやるのね。
ですよね。
それすらしてなかったらドン引きどころか怒りに任せて何するかわからなかったよ。
でも、それなら他の家事も夜帰ってきたらやってそう。
てゆーか仕事忙しいってだけで来ないとは言ってないんじゃ…
湊士君の口数が少ないのもあって大事な情報が私に伝わってない気がしてならない。
多分お父さん、仕事から帰ってきたら家事やってるし、なんならほとんど家の事やってるんだろうな。
あの人ちょっと会った事があるけど、両親揃って子供大好きだから、たかが仕事が忙しいだけで子供を構わなくなるなんてことは無いはずだ。余程務めてる会社がブラックじゃなければ。
でも湊士君だってまだ幼稚園児だ。
あんなすごい知識量を披露しても彼は普通の幼稚園児と何ら変わらない心を持っている。
心細くなっちゃうのも仕方ないよ。
よし!こういう時こそ!ちょっと強引な幼馴染の出番ってね!
私は湊士君の両肩に手を置いて、目線を合わせて話しかける。
「みなとくん、だいじょーぶだよ!おかーさんはこれないかもしれないけどおとーさんがみにきてくれるよ!」
「…でも」
「でもじゃない!だいじょーぶだから!もし来なかったらわたしがみなとくんのおとーさんおこるもん」
「おこるの?」
「うん!いーっぱいおこる!にどとこどものはれすがたをみのがさないようにからだにたたきこんであげる!」
「よくわからないけどこわいからやめて」
やらないよ冗談だよ冗談。
そんな風に言ってあげると安心したのか、にこりと笑って「ありがとう」と言って遊んでるみんなの方へ駆けていった。
その後のお遊戯会の練習にもキチンと参加していて、先生も安心したようだ。
いやー良かった良かった!
あの笑顔、破壊力凄いなぁ……
はーあ、顔が暑い。
いかがでしたでしょうか?
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では次回もまたよろしくどうぞー