翌日、進路希望の用紙に『第一志望 雄英』と記入した勝己は今までの遅れを取り戻す様に勉強とトレーニングに打ち込んだ。勿論、出久の見舞いは忘れずに通っていた。
学校では出久の話は持ち上がるものの受験が近付くに連れて、その存在が忘れられていくように話題に上がらなくなっていく。空席となった出久の席は最初から誰も居なかった様な静けさを見せていた。
勝己は以前ほど、悪夢は見なくなったが時折、過去の夢を見ていた。相変わらず自分がヒーローを目指した時の事は朧気だったが勝己はそんな事は問題じゃないと受験勉強に勤しんでいた。
出久は少しずつギプスや包帯が外れていったが未だに眠り続けていた。
季節は巡り、受験日が近付いても勝己は出久の病室に来ていた。当初は怯えながらも握っていた出久の手を現在は自然に握っていた。
「デク……俺はもうすぐ受験だ……」
眠り続けた事で元から細かった出久の指は更に細くなっていた。勝己は力を込めすぎない様に出久の指に自分の指を絡ませる。力加減を間違えれば折れてしまう様な気がしていたからだ。
「………行ってくるわ」
それだけ告げて勝己は手を離す。何処に受験するかも、意気込みも話さない。だが、勝己にはこれが精一杯だった。謝罪も懺悔も出久が起きてからじゃないと意味がない。だから最小限の事しか告げなかった。
病室を後にしようとすると入れ違いで引子と出会う勝己。
「あら、本当にいつもありがとうね。勝己君」
「……はい」
引子の様子も以前に比べれば窶れたものの出久が入院した頃よりも顔色が良くなっていた。出久の見た目もギプスや包帯が外れた事で心情的に少し余裕が出てきたのかも知れない。
「勝己君、受験日も近いのに出久のお見舞いに毎日来てくれて、ありがとう。出久も喜んでるわ」
「………いえ、俺が望んでる事ですから」
引子は出久が喜ぶと言うが、目を覚ませば出久は勝己を許さないだろうし、真相を知れば引子も勝己を責めるだろうと勝己は考えていた。だが、勝己は話せなかった。話してしまえば全てが終わってしまう気がしたから。
その日から数日後、勝己は雄英高校を受験した。筆記は当然のように問題がなかったし、実技も問題なくクリアした。後日届いた合格通知に投影されたオールマイトからトップ合格したと告げられた。勝己は合格した事を出久の見舞いに行った際に自身から告げる事が出来なかった。勝己の合格は眠り続ける出久に引子から告げられたが出久は相変わらず何の反応の無く眠り続けた。
季節は巡り、勝己は折寺中学校を卒業し、雄英へ入学した。
これから出久と勝己に最初に関わるキャラは?
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轟焦凍
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上鳴電気
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耳郎響香
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八百万百
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エンデヴァー