本当はヤバイ旧約聖書 どう見ても邪神です   作:鷹-

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第二部(出エジプト記)

 その後、王国(エジプト)で一時は栄華を味わう『神に勝つ者(イスラエル)』とその子孫たち(以下『神に勝つ者(イスラエル)』の民)。

 しかし時がたち、国王が変わり、他民族である『神に勝つ者(イスラエル)』の民を奴隷として扱うようになる。

 

 

「あーそういえば、子孫繁栄させたるて『いと気高き父(アブラハム)』と『神に勝つ者(イスラエル)』に約束してたの忘れてたわ。(2:23)」

 

 (神は見守ってるんじゃなかったかよ! 奴隷になってからもう王が何代か変わってるよ!)

 

 

 王宮で育った男、マシャ(モーセ)。しかし彼は赤子の時に王女(パロの娘)に拾い上げられた奴隷の子であり、マシャ(拾われた者)と名付けられた。

 

(挿絵予定)

 二コラ・プッサン

 

 彼は長じたのちに出生の秘密を知り、奴隷を助けるために、思わず王国兵士を殺してしまう。逃亡生活を続けるマシャ(モーセ)

 

 かくして神は、『神に勝つ者(イスラエル)』の民の中から、たまたま神のいた場所に通りかかった運の悪いおっさん、マシャ(モーセ)に目を付ける。

 

「おい。俺様はオマエの先祖に約束した神だ。約束の地(カナン)に連れてってやるから、『神に勝つ者(イスラエル)』の子孫連れてこい。オマエがリーダーな」

 

「え、えっと、どちらさんで?」

 

先祖(アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神)に約束した神だつってるだろ、先祖の名前も知らねーのかよ。そうだな、俺様なんでもできるから『何にでもなれる者(ヤハウェ)』とでも呼んでくれ」

 

「い、いや、私、く、口下手なもので、とても民を導くなんて……」

 

「そんなん口が上手い奴(アロン)にやらせとけばい-だろ。魔法(神の力)が使えるようにしてやって、奇跡の杖やるから、コレで奇跡を行って(だまくらかして)連れてこい。とにかくオマエがヤレ」

 

「でも……」

 

「オマエいい加減にしろよ。ブチコロすぞ」

 

(挿絵予定)

「Burning bush」セバスチャン・ブルドン

 

(中略)

 

 そして始まるマシャ(モーセ) VS 王国(エジプト)宮廷魔術師との魔法大戦。河は血になり、モンスター(カエルやイナゴ)が召喚され、疫病が流行り、空は暗闇となった。さらに、王子、王国全土の民の長子と家畜の長子が変死する。

 神の力により、王国(エジプト)の王は既に神に操られていた。

 

(挿絵予定)

「エジプト第七の災い」ジョン・マーティン

 

(挿絵予定)

「エジプト最後の災い」エラストゥス・ソールズベリー・フィールド

 変死

 

 「もういいから出てってくれ」

 

 かくしてマシャ(モーセ)は『神に勝つ者(イスラエル)』の民を連れ、約束の地(カナン)へと旅立つ。王国(エジプト)の民衆から略奪してから出ていくのは忘れない。

 この時、『神に勝つ者(イスラエル)』の民の家にしるしをつけ、その家は通り過ぎ(過越)、それ以外の家からすべて略奪しだので、彼らは毎年コレを記念した(過越)祭りをする。イエスが最後の晩餐やってるアレだ。

 

(挿絵予定)

「最後の晩餐」レオナルド・ダ・ヴィンチ

 過越祭り(略奪記念祭)の風景

 

 (王国《エジプト》の民衆側から見るとヒドイ。「お(カシラ)、あの時は略奪でぼろ儲けでしたね」という山賊パーティみたいだ)

 

 しかし海辺に近づいた時に王国(エジプト)の追手が! 王は既に操られてるので、完全にヤラセである。マシャ(モーセ)が脱出したトコでワザと追いかけさせ、さらにギリギリのトコ(海を二つに割る)で助ける。

「見た? 見た? 今のカッコよかったろ? こんなん俺様にしっかできねーだろ。コレで俺様の凄さが王国(エジプト)の奴らに分かったろ?」

 

(挿絵予定)

「The Crossing of the Red Sea」二コラ・プッサン

(挿絵予定)

「Pharaoh's army engulfed by the Red Sea」Frederick Arthur Bridgman

 

 (神の凄さを見せつけるためだけのために、大地を荒らされ、王子と民の子と家畜の子が死んだ、王と王国(エジプト)は完全にとばっちりである)

 

(中略)

 

 約束の地(カナン)の近く。もちろん|先住民が住んでいる《カナン人、ヘテ人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人》。

 

 神「オマエラあそこ行って全員虐殺してこい」

 

(コレはひどい。ラノベ脳で読んでると、カナンの先住民が、盗賊に襲われるエルフ村にしか見えない)

 

(中略)

 

「あ? 、ダレが偵察しろなんて言った? 俺様がいつそんなこと言った?」

「偵察に賛成した奴はダレだ? オマエか? オマエもか?」

「俺様が力を貸してやるつってんのに、勝手に偵察へ行ったってことは、俺様の力を信じてねえってことだな。ああ?」

 

「連帯責任で、全員40年の放浪だ。約束の地(カナン)へ行けるのは、偵察に反対したやつと子孫だけ。偵察に賛成した奴は野垂れ死ね」

 

 (これもヒドイ。偵察は戦争の基本では? という人間の理屈は神には通じない)

 

 マシャ(モーセ)「え? 俺も? 40年? 放浪?」

 

 (モーセもとばっちり。この辺から、モーセが無茶ブリ上司の下の中間管理職に見えてくる。経験者は胃がキリキリしてくる)

 

 放浪中「こんなハズじゃなかった」「王国(エジプト)の奴隷の方がマシだった」「オマエが連れ出したせいだぞ」

 マシャ(モーセ)にぶー垂れる『神に勝つ者(イスラエル)』の(反対者)

 

 マシャ(モーセ)「ちょ、おま、オレがどんだけ苦労してると。(上司)に聞こえたらどーすんだよ」

 

 神「聞こえてんぞ」「言った奴は死ね」どんどん減る『神に勝つ者(イスラエル)』の民。

 

(中略)

 

 「もう放浪やめて、このへんで畑でも作って住めば都だよ」「肥沃そうだな」「んだんだ」

 

 マシャ(モーセ)「ちょ、おま、シーッ」

 

 神「聞こえてんぞ」「言った奴は死ね」またどんどん減る『神に勝つ者(イスラエル)』の民。

 

(中略)

 

 「あー腹減った」「ホント腹減った」「クソ不味い神の食物(マナ)しかねーし」またぶー垂れる『神に勝つ者(イスラエル)』の民。

 

 

 神「ほー、腹が減ったと」「俺様が用意したメシが不味いと」「すまんな気づかなくて」「よっしゃ、オレ様がウマイモンを腹いっぱい食わせてやろう」

 

 「やったーさすが神」「まさに神」「ステキ! 抱いて!」「肉だー」手のひら返す『神に勝つ者(イスラエル)』の民。

 

 

 「もうおなかいっぱいだ」「こんなに食べたのは久しぶりだ」「肉だー」

 「んー、聞こえんなー。腹が減ってたんだろ。もっと食べろよ。まだまだあるぞ。ホラ、俺様が食わせてやろう」

 「ちょ、ン、ムググ.....」 ..... 「パーン」 さらにどんどん減る『神に勝つ者(イスラエル)』の民。

 

(中略)

 

 マシャ(モーセ)「もうこれ以上、言うこと聞かない民を率いていくのは(心の声:もっとワガママな(上司)の言うこと聞くのは)、私には無理です。いっそ殺してください」(血涙)

 神「んー聞こえんなー」

 

 (無茶ブリ上司)『神に勝つ者』の民(言うこと聞かない部下)に挟まれ、マシャ(モーセ)の中間管理職な日々は続く。

 


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