「私は主人公《ヒロイン》と出会って、初めて本当の愛を知ったんだ!」
「そ、そんな・・・」
翌朝。
「キャー! ひ、人が死んでる!!!」
主人公《ヒロイン》が無残な死体で発見された。あちこちに多数の傷があり、直接の死因となった大きな傷はないものの、出血多量で死んだのは明らかだった。
容疑者には全員がアリバイがあった。犯人は誰か?
「私は主人公《ヒロイン》と出会って、初めて本当の愛を知ったんだ!」
「そ、そんな・・・」
翌朝。
「キャー! ひ、人が死んでる!!!」
主人公《ヒロイン》が無残な死体で発見された。あちこちに多数の傷があり、直接の死因となった大きな傷はないものの、出血多量で死んだのは明らかだった。
容疑者には全員がアリバイがあった。犯人は誰か?
貴族が通う学院。その卒業パーティ。
「君との婚約を破棄させてもらう!」
「君にあれこれ言われるのはうんざりだ。」
「私は主人公《ヒロイン》と出会って、初めて本当の愛を知ったんだ!」
「そ、そんな・・・」
ざわ、ざわ、ざわ・・・
突然、王子が幼いころからの婚約者、
あきれたものもいたが、とりあえずその場は収まり、卒業パーティは終了した。
多くのものは、卒業後、そのまま領地に戻った。婚約者の
何人かは学院の寮に残った。 平民出身で、戻る領地のない主人公《ヒロイン》も寮に残った。
翌朝。
「キャー! ひ、人が死んでる!!!」
女子寮で
国王「貴族の御子息を預かる学院で、殺人、しかも息子(王子)の想い人となれば一大事だ。
ワルキューレ卿、調査してくれ。この
「承りました。全力を尽くします。」
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まず、犯行の現場である、女子寮の周辺を調査した。季節柄、あたりは雪に覆われ、昨晩出入りしたような新しい足跡はない。犯人は女子寮にいた人物の内部犯行ではないか?
「A嬢、あなたは昨晩、どこにいましたか?」
「私は、この部屋にB嬢とずっと一緒にいたわ。学院の思い出を話し込んでいたの。いつの間にか一緒に寝ちゃってたけど。」
「B嬢、あなたは昨晩、どこにいましたか?」
「私は、友達のA嬢の部屋に行って、学院の思い出や、これからの領地の話とかをしていたわ。気が付いたら、A嬢の部屋でそのまま寝ちゃってたわ。恥ずかしい。」
(略)
「K嬢、あなたは昨晩、どこにいましたか?」
「わたしは、ちょっと嫌なことがあって、ずっと自分の部屋に籠(こも)っていたわ。部屋の外には出ていないわ。もし出歩いていたら、隣のJ嬢が気づくはずよ。」
「J嬢、先ほどはどうも。隣のK嬢が部屋から出たか、わかりますか?」
「いいえ、出てないと思うわ。ドアを開けたら音がするはずだもの。何も聞いてないわ。」
女子寮に残っていた容疑者には、全員がアリバイがあった。外部の人間の出入りはない。犯人は誰か?
(シンキングタイム)
「わかりました。全員に
これは、足跡を残さぬような、隣国の凄腕の殺し屋の仕業でしょう。動機は、将来の王妃を殺して、我が国の混乱を狙ったもの。おそらくそうでしょう。」
「しかし、もう一つの真実があります。それは・・・・」
「A嬢、あなたは主人公《ヒロイン》に婚約者のH騎士を奪われ、婚約破棄され、主人公《ヒロイン》に恨みを持っていますね。」
「・・・・」
「B嬢、あなたは主人公《ヒロイン》に婚約者のI子爵を奪われ、婚約破棄され、主人公《ヒロイン》に恨みを持っていますね。」
「・・・・」
(略)
「K嬢、あなたは主人公《ヒロイン》に婚約者の外務卿の息子であるR卿を奪われ、婚約破棄され、主人公《ヒロイン》に恨みを持っていますね。」
「・・・・」
「ここにいる全員が、主人公《ヒロイン》に恨みがある。あなた方は、全員が共謀してアリバイを作り、全員が主人公《ヒロイン》に恨みを晴らしましたね。
だから11も傷がある。F嬢、あなたは力がないでしょう。あなたがつけた傷では、相手は死にませんよ。」
「・・・・」
「結構。何も答えずとも結構。 あの主人公《ヒロイン》の所業を知れば、恨みに思うのも無理からぬこと。
私としても、あのような|売女(ばいた)と、それに騙されるような王子が将来の王と王妃とあっては、この国の将来が不安だ。
国王には、隣国の殺し屋が犯人だと報告します。いいですね?」
「・・・・」
----
「陛下。犯人がわかりました。隣国の殺し屋が、将来の王妃を殺害して、我が国の混乱を狙ったものと思われます。学園の警備を厳重にすることを進言します。」
「そうか。ご苦労だった。」
----
婚約破棄の舞台となる、パーティー会場。事件が起これば、古典的推理モノである、閉ざされた館の典型に思えた。そこから犯行の動機を考えると、こういう形になった。
トリックの元ネタは、古典的名作のアレ。なんか列車のやつ。
登場人物の名前考えるのがめんどくさいお。もうA嬢とかエヌ氏でよくね?
追加後書き
「なぜ(4)? 間の番号は?」
「掌編(3-800字)だったので投稿できないお」