目が覚めたらオビ=ワンになっていたがアナキンがどこかおかしい件について(白目) 作:トロロ将軍
タトゥイーンへ着いた僕は奴隷時代の主人であったワトーの元を訪ね、母が既に他の人に売られてしまった事を知った。しかしワトーに教えてもらった買い手の水分農場のラーズさん一家の元に向かうと、母は1週間前にタスケン・レイダーに連れ去られたという。僕はすぐにスピーダー・バイクを走らせタスケンのキャンプへ急いだ。
タスケンのキャンプに到着した時には夜になっていた。侵入するには絶好の時間帯だ。母の位置はフォースを使えばわかる・・・ここだ。
僕はライトセーバーでテントに穴を開け、静かに中に入る。そこには鎖で繋がれた母の姿があった。
「ママ!」
思わず大きな声を出してしまった。だがタスケンには気づかれなかったらしい。僕はほっとしつつ母の鎖を外す。
「アナキン?アナキンなの?」
「そうだよママ。助けに来たよ」
母の身体には暴行でできた無数の傷が見える、僕は母に持ってきた水を飲ませた。暴行のせいなのか衰弱している、きっと食事も睡眠も与えられなかったのだろう。
僕と母はすぐに先ほどの穴から出てキャンプから離れようとする。しかし穴を出た瞬間、目の前に巡回中のタスケンがいた。最悪のタイミングだ。目の前のタスケンは大声で他のタスケンに僕たちのことを知らせつつブラスターを向けてくる。
「ママ、走って!」
僕はライトセーバーで目の前のタスケンの腕を切り落とす。痛みに悶絶しているタスケンを尻目に僕は母と一緒に走る。後ろから何発もブラスターを撃たれるが、ライトセーバーで弾きながら逃げる。隣を見ると母が辛そうな表情で走っている。
「頑張ってママ!もう少しだから!」
僕は母を励ましつつ、飛んでくる光弾を何とか弾いていく。途中スピーダーに乗った奴等も追いかけてきたが、フォースで吹き飛ばしてやった。そうして我武者羅に走っている内に光弾が飛んでこなくなった。諦めたのだろう。母ももう限界なのか地面に座り込んでいる。
「逃げ切ったみたいだね。大丈夫?」
「大丈夫よアナキン。ありがとう。・・・大きくなったわねアナキン。立派になって」
10年ぶりにあった母にそんなことを言われ、僕はなんて返していいのかわからず頭をかいた。でも、母を助けられてよかった。
ジェダイになって母を奴隷から解放したかった。でも実際のジェダイは掟でガチガチに縛られた自由のない存在だった。幼少期に見たマスター・クワイ=ガンの自由ぶりはジェダイの中でも異端だったようだ。でも、僕はこうして母を助けることが出来た。
僕に向かってほほ笑む母を見ると高揚感と達成感が僕を満たした。さぁ、ラーズさんの所に帰ろう。
「アナキン!」
そう思った時、僕は母に突き飛ばされる。その瞬間、母の身体を光弾が貫いた。遠くに狙撃銃を持ったタスケンが見える。逃げ切れた訳じゃなかった。僕はフォースでタスケンを引き寄せると、怒りにまかせてライトセーバーを振り抜いた。そして崩れるタスケンを尻目に母へと駆け寄る。
「ママ、ママ!」
「あぁ・・・アナキン・・怪我は・・・ない?」
母は息絶え絶えになりながらも僕の心配をする。僕のせいだ。逃げ切れたと思って僕が油断したのが悪い。気が抜けていたからタスケンの射撃に気が付けなかった。
「行き・・・なさい・・アナ・・キン」
いつの間にか涙が流れていた。その涙を母が指で拭う。
「最後に・・・あなたに・・あえ・・て・・・・よか・・・・・た・・・・・・」
「ママ?」
母はそう言って目を閉じる。
「ママ、目を開けてよ・・・僕を置いて行かないで・・・・・ママ・・・」
僕の声に母はもう返事を返してくれない。涙と怒りが止めどなく溢れてくる。僕は母の手を握り大声で泣いた。
それからどのくらい時間が経ったのだろうか。気が付けば僕は母の身体と共にラーズさんの家に戻っていた。どうやって帰ってきたのかは覚えていない。
母の葬式中、ラーズさん一家はそんな僕を気遣ってか声を掛けてくることはなかった。
それから1日、僕はラーズさんの家でお世話になった。僕は食事も取らず瞑想する。母を失った時に感じた怒りは、タスケンではなく僕自身に向けられたものだ。僕にもっと力があれば。そんな考えが頭の中を駆けまわる。
「・・・助けて下さい
僕は無意識に
明日、パドメの護衛を交代するためナブーに向かわなければならない。しかし寝る気になれない僕は瞑想を続け、悲しみの感情を鎮めようとするのだった。