バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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バカテスト 現代社会

問 以下の問いに答えなさい。
『日本の民法における結婚適齢は何歳か答えなさい』


姫路瑞希の答え
『男性は18歳、女性は16歳』

教師のコメント
正解です。さすがですね、姫路さん。


岡崎大悟の答え
『許せない。そんな男女(ショタ&ロリ含む)の愛を邪魔する壁など即刻取り払われるべきです』

吉井明久の答え
『愛があれば、年の差は関係ありませんよ』

土屋康太の答え
『真実の愛は不可能を可能にする』

教師のコメント
夢と希望をありがとうございます。補習室で西村先生が待っていますのですぐに向かうように。



第二十五問 幼女の笑顔こそ明日への活力

ーー大悟視点ーー

 

~前回のあらすじ~

常夏コンビを追いかけてたらお化け屋敷で変態二人に遭遇しましたとさ。

 

「「へ、変態だ!」」

「「どっちもな」」

 

「この野郎! 必殺恋のアキちゃん☆回天魚雷アタックを食らいやがれ! 雄二、いくぞ!」

「おう、任せろ、大悟!」

「二人とも、その必殺技はやめよう! 名前を聞く限り一番の被害者は僕のような気がする!」

 

そしたら、明久を持ち上げている間に逃げられた。畜生め。

 

 

ーーー

 

 

ーー明久視点ーー

 

 

「んで、三回戦は不戦勝だったと」

「うん。なんか対戦相手が食中毒で棄権したんだ」

 

Fクラスにて、大悟が奢ってくれた焼きそばとたこ焼きを食べながら、僕は言う。

先輩達を逃がしてしまったあの後、メイド服から着替えた僕は、急いで召喚大会へと向かった。しかし待っていたのは相手が棄権という拍子抜けの結果だった。

 

「なぁ、食中毒って、まさかとは思うが、姫路の‥‥‥」

「‥‥‥そうじゃないと僕は思いたいよ」

 

うちの店でハズレを引いた客ではないと信じたい。うん‥‥‥そう信じよう。

 

「でもありがとう大悟、お昼奢ってくれて。こんなにカロリーを摂取したのは久しぶりだよ」

「あ? あぁ、気にすんなよ。流石にお前があの喫茶店で塩水頼んだの見たらちょっとな‥‥‥」

「しょ、しょうがないんだよ。仕送りにも限りがあるし‥‥‥趣味にはお金がかかるのは大悟が一番良く知ってるでしょ?」

「それはそうだが‥‥‥せめて最低限の生活水準は残しておけよ。じゃねえとお前‥‥‥例の姉さんとやらが来ちまったりするんじゃねえのか?」

 

うぐっ! そ、それは困る‥‥‥。もしあのアブノーマルかつ厳しい姉さんが今の僕の生活状態を見たらとんでもないことになる。それに学校の成績も重なれば、間違いなく僕の一人暮らしは終わりを迎えてしまう。

やっぱり、大悟の言う通り少し食費にも当てた方がいいかも知れないな、と考えていると、店で接客をしていた雄二が声をかけてきた。

 

「休憩は済んだか、明久、大悟。ならそろそろ戻ってきてくれ。ここらで一発新しい事をやるぞ」

「新しいこと? どういうこと雄二?」

「明久。教室をよく見てみろ」

 

言われた通り教室を見回すと、あの先輩達の妨害の影響なのか午前中に比べて客は少なく、ちらほら空席も見られる。

でも設備は完璧だし、飲茶も烏龍茶も申し分ない。接客だって特におかしなところは無いと思うけど、雄二はこれ以上何をやろうというのだろうか?

 

「雄二、何か良いアイデアでもあるの?」

「任せておけ。中華とコレでは安直過ぎる発想だが、効果は絶大なはずだ」

 

そう言って雄二が取り出したのは、刺繍も見事なチャイナドレスが四着。一つは水色と白のチャイナドレス、二つ目は赤いチャイナドレス。三つ目は純白のチャイナドレス。そして最後はやけに裾が短い露出高めのチャイナドレスだった。

 

「ほう。若干裾が短いような気もするが、見事な衣装じゃのう」

「ホントだね。でも雄二、そんなのどこで手に入れたの?」

 

気になり、僕はぽろりと口にする。

 

「ああ。これはさっき岡崎兄妹とムッツリーニに用意してもらったものだ」

「ちゃんと着る人用にサイズは合わせてありますよー」

「この程度、造作もないぜ」

「‥‥‥‥‥一般技能」

 

そう言って三人が僕と秀吉にグーサインを示す。女性用のチャイナドレスを作ることが一般技能なんてことは初めて聞いたけど、彼らにとってはそうなんだろうな。

 

「じゃ、じゃがこれならば確かにインパクトはあるじゃろうな。これを着て宣伝用にするのじゃな?」

 

確かに姫路さんや秀吉が着たらインパクトは絶大だろう。しかもあのダイゴブックスとムッツリ商会によって作られたチャイナドレスだけあってクオリティもかなり高い。王道だけど、悪くない作戦ーー

 

「ああ。コレをーー明久が着る」

 

それはインパクトが絶大過ぎる。

 

「ちょっ‥‥‥! お願い、許して! メイドと魔法少女のコスプレの次にチャイナドレスまで着たら、きっと僕はホンモノだって皆に認識されちゃう!」

「大丈夫だろ。どうせお前の女装趣味なんざ学年中が認知済みなんだからよ」

「そうですよ! 明久さーーアキちゃんさんなら今更チャイナドレスを着たところで誰も不思議に思いませんっ! ノーカウントってやつです!」

「無理がありすぎるよっ! それにしっかりカウントされちゃうよ!」

「‥‥‥‥‥(スッ)」

「ムッツリーニ! 今すぐそのカメラをしまうんだ! 後天ちゃんは即刻その呼び方をやめるんだ!」

 

全く油断も隙もあったものじゃない。楽しい学園生活の為にも、これ以上の変な悪い噂は避けたい。ただでさえ無駄に有名人になりつつあるんだから。

 

「僕はもう絶対に女装なんてしないからね!」

「何言ってやがる! お前から女装を取ったら一体何が残るっていうんだ!?」

「そうですそうです! アキちゃんさんは唯一といっていいほどの長所を消し去るつもりなんですか!? そしたら貴方の価値は駄々下がりなんですよ!? もっと自覚を持ってください!」

「‥‥‥‥‥」

「明久。そんな全てに絶望したような顔をして泣くな」

 

そんなことないよね? 僕にはもっと人間として良いところがあるよね?

 

「まあ冗談はこのくらいにして、これは秀吉と姫路と島田と大悟妹に着てもらう」

 

なんだ~冗談だったのか。ビックリしたぁ~。

 

「よ、良かったぁ~」

「「「チッ、冗談か」」」

「儂が着るのは冗談ではないのかのぅ‥‥‥?」

「あれ? でも天ちゃんも着るの?」

「はい。どうせなら女子は多い方が良いでしょう? それに大悟兄がお世話になってるクラスの為なら喜んで手伝わせて頂きますよ!」

 

そう言ってニコッと笑う天ちゃん。ちょっと癖はあるけど、こんな外道キモオタの妹とは思えない優しさだ。

 

 

「たっだいま~! って、なんだ。アキってばメイド服脱いじゃったんだ」

「あ‥‥‥残念です。可愛かったのに‥‥‥」

「お兄ちゃん。葉月もう一回見たいな~」

 

 

と、三人娘が帰宅(?)した。

 

「あはは。残念ながら、ただで人のコスプレを見られるほど世の中は甘くないよ?」

「そういうことだ。というわけで姫路に島田、クラスの売り上げの為に協力してもらうぞ」

 

獲物を逃さないように、チャイナを片手に退路を断つ。

 

「やれ! 明久!」

「お前の力を見せてやれ!」

「オーケー! へっへっへ、今こそ大悟から習った格闘術を見せてやる! さぁ二人とも! 僕のコスプレを見たんだからそっちも大人しくこのチャイナ服に着替え痛ぁっ! マジすんませんした! 自分チョーシくれてましたっ!」

 

速攻で美波に倒された。

 

「弱いな、お前‥‥‥」

「しかも一撃かよ」

 

雄二と大悟が呆れたように言う。それにしても、どうして美波は男の僕より攻撃力が高いんだろう?

 

「どうしてまた、急にそんなことを言い出すのよ? 前に須川はチャイナドレスを着たりすることはない、って言ってたと思うけど」

 

美波が渋い顔をする。

 

「まぁまぁ落ち着けよ島田。それに明久が言ってたぜ、姫路と島田ならチャイナドレスが似合わないワケが無いってな? そうだろ?」

「え? あぁ、うん。似合うと思うよ」

 

「「えっ!?」」

 

「それに、お前この前俺と秋葉原に行ったときチャイナドレスを着たコスプレイヤーを見て『大悟‥‥‥チャイナドレスってさ、最高だよね。今度チャイナドレスを着た女の子の同人誌を頼めるかい?』って言ってたじゃねえか」

「ちょっ! 大悟! どうして今そんなことをばらすのさ!」

 

「「っ!?」」

 

よりにもよって姫路さん達の前で僕の新しい性癖をバラされるとは。けど確かにこの前大悟と新しいゲームを買うために秋葉原に行ったときに見かけたチャイナドレスはとても魅力的で、エロかった。

けど、正直に言うのはなんか恥ずかしいし、ここは上手くお茶を濁す感じで誤魔化そう。

 

「大好ーー愛してる」

 

「‥‥‥お前ってさ、良い意味でも悪い意味でも嘘がつけねぇよな」

 

おかしいな? 台詞の選択を間違えたかな?

 

「よし、なら取引をしようぜ姫路、島田。やってくれるのなら、その褒美としてチャイナ姿の二次元版明久のエロタペストリーを特別価格でくれてやろう!」

「「やりますっ!」」

 

大悟の取引という言葉に途端に目の色を変えた姫路さんと美波。そんなにタペストリーが好きなのかな? でも途中で一ヶ所聞こえなかった部分があったけど、何て言ったんだろう?

 

「し、仕方ないわね。店の売り上げの為に、仕方なく着てあげるわ」

「そ、そうですね! お店の為ですしね!」

 

姫路さんと美波がそれぞれ服を手に取ると、こそこそと大悟に何か耳打ちをした。

 

(岡崎、そのタペストリーはどれくらいで出来そう?)

(ざっと見積もって二週間ってところか。カラーの有無や解像度、表情やポーズなんかはそっちの要望に任せる)

(に、二週間ですか‥‥‥わかりました。それまでにお財布は暖めておきますね)

 

「お兄ちゃん、葉月の分は?」

 

と、突然葉月ちゃんがキョロキョロしながら尋ねる。

 

「え? 葉月ちゃんも手伝ってくれるの?」

「お手伝い‥‥‥? あ、うん! 手伝うから、あの服葉月にもちょうだい!」

 

なんて良い子なんだ。美波の妹とは思えない。

 

「けど、ごめんね。気持ちは嬉しいんだけど、葉月ちゃんの分は数がーー」

「うぉぉぉおおおおおーーっ!!(チクチクチクチク)

「‥‥‥‥‥!!(チクチクチクチク)」

「えっ!? ムッツリーニ! 大悟! どうしてそんな凄い勢いで裁縫を!? っていうかムッツリーニはさっきまでいなかったよね!?」

「か弱き幼女の笑顔こそ!」

「‥‥‥‥‥明日への活力!」

 

そう言いながら高速でチャイナ服を縫っていく二次と三次を統べる男二人。なんだろう、格好いい台詞に聞こえるけど、凄く格好悪い。

 

「それじゃ、三回戦が終わったら着替えますね」 

 

時計を見ると、もうすぐ姫路さん達の試合が始まる時間になる。そして、会場に向かうため二人が教室を出ようとすると、雄二がそれを止めた。

 

「いや、今着替えてもらいたい」

「「え?」」

「宣伝の為だ。そのまま召喚大会に出てくれ」

 

そういえば、召喚大会の三回戦からは一般公開が始まるんだった。折角人が集まるのだから宣伝をしておいて損はない。

 

「こ、これを着て出場しろって言うの‥‥‥?」

「流石に恥ずかしいです‥‥‥」

 

二人ともチャイナドレスを手に困った顔をしている。メディアを含めた観衆の前で、その格好で動き回るのは流石に抵抗があるのだろう。

でもこれは姫路さんの転校を防ぐためも含まれてる。是非ともやってもらいたい。

 

「二人とも、お願いだ」

 

言って頭を下げる。姫路さんの為に、というわけじゃない。僕自身が姫路さんの転校を認めたくない。つまりこれは僕の単純なるわがままだ。それなら僕が頭を下げるのは当然のこと。

 

「明久‥‥‥。お前は本当にーーチャイナが好きなんだな‥‥‥」

 

敢えてそれは否定しないが。

 

「もしかして吉井君、私の事情を知ってーー」

「仕方ないわね。クラス設備の為だし、協力してあげるわ。ね、瑞希?」

「あ。は、はいっ! これくらいならお安い御用です!」

「それならすぐに着替えて会場に向かってくれ。自分達がFクラスの生徒だってことを強調するのを忘れずにな」

「オッケー。任せておいて。行くわよ瑞希」

「はいっ」

 

チャイナドレスを抱えて教室を出ていく二人。あっちは任せておいて大丈夫だろう。

 

「よし、これで何とかなりそうだな」

「そうだね。姫路さんと美波なら喫茶店の宣伝とFクラスの美人レベルのPRも出来て一石二鳥ーー」

 

「お、お主らっ! 何をしておるのじゃっ!?」

 

すると突然、隣で秀吉が慌てたような声を出した。

 

「どったの、秀吉?」

「なんだ? まさかまた問題を起こすようなヤツでもーー」

 

僕と雄二が声のした方を見るとーー

 

 

「んしょ、んしょ‥‥‥」

「‥‥‥ぷはぁっ、よいしょっと‥‥‥」

 

 

「‥‥‥‥‥!!(ボタボタボタ)」

「我が魂はぁぁ‥‥‥めるたんと共にありぃぃいい‥‥‥(ガクッ)」

『『『うぉぉぉおおぉぉおぉぉっ!!!』』』

 

 

まさかの教室のど真ん中で着替え始めた葉月ちゃんを見て大悟が気を失い、天ちゃんを見たムッツリーニが大量の鼻血を垂らして、更に周りではクラスメート達が二人の生着替えに歓喜していた。

 

「ちょ、何やってんだお前ら! 特に大悟妹!?」

「は、葉月ちゃん! 天ちゃん! キミ達もこんなところで着替えちゃ駄目だ! ちゃんと女子更衣室で着替えないと!」

「あっ、そうなんですね。分かったですっ」

「別に前を見られてるワケじゃないですし、あたしは下着くらい構いませんけどね、ムッツリーニさん?(グイッ)」

「‥‥‥‥‥!?(ブシャァァアァァッ!)」

「そんなのダメだよっ! あぁっ! ムッツリーニが出血多量で死んじゃう!」

「おい! 大悟の心臓が止まってるぞ! 誰かAEDを持ってこい!」

 

致死量レベルに出血しているムッツリーニと、死にかけている大悟二人は、心から幸せそうな表情をしていた。

ちなみに、ムッツリーニと大悟がいなかったら僕も天ちゃんの生着替えを見てみたかったというのは内緒。

 

 

 

ーーー

 

 

ーー大悟視点ーー

 

 

『ここの胡麻団子やっぱり美味しいねー』

『そうだねー。噂じゃ危ないって聞いたけど、全然そんなことないね』

『しかも見ろよあの赤いチャイナ服の子、ここの女子生徒レベルたけぇぞ‥‥‥』

『小中学生のチャイナ姿ktkr』

『あの子と結婚したい』

 

姫路達が試合から戻ってきてから少し経ち、中華喫茶は少しずつではあるものの盛況ぶりを取り戻していった。最初は明久と雄二がチャイナ服に着替えた葉月ちゃんと秀吉と愚妹を連れて校舎内を歩き回ってきたらしい。良い宣伝効果だ。俺も葉月ちゃんと手を繋いで歩きたかったよこん畜生め! 

そして試合会場では姫路と島田がチャイナドレスで試合をすることで更にそれが呼び水となり、客がぞろぞろと舞い込んできたようだ。やっぱり皆チャイナドレスが好きなんだなぁ。

 

「良かったのう大悟よ。これで店の方はなんとか解決じゃの」

 

ホールからチャイナドレスを着た秀吉が話しかけてくる。やべぇ、何この可愛い生き物。三次元に少しでも興味があったらこのまま襲いかかってる所たぜ。

 

「そうだな。この調子ならすぐに遅れを取り戻せるだろうな」

「それに先ほどと比べて女性客も増えておるようじゃ。おそらく味についての噂も流れ始めたのじゃろうな」

 

「ふっふーん! このあたしが手伝っているのですから当然ですよ!」

 

と、横からひょこっと天が俺と秀吉の間に割り込んできた。

 

「どう大悟兄? あなたの可愛い可愛い妹がチャイナドレスを着ていますよ?」

 

と言ってそれっぽいポーズを取る天。

 

「あぁ、うん。そだな」

「え?」

「は?」

「それだけ?」

「なにがだよ」

「妹がチャイナドレスを着てるんだよ?」

「見りゃ分かるわ」

「違うよっ!」

 

急に怒鳴る天。なんなんだよ一体。

 

「もっと褒めてよっ! 兄らしくもっと妹を褒め称えろ! もっとデレデレしなさいっ!」

「馬鹿かテメェは」

「うーわ、なにこの馬糞頭の兄うーわ、もうあたしやる気なくしたわー、大悟兄の心ない言葉で傷ついたわー、これはもう立ち直れないわー」

 

誰が馬糞頭がこの野郎。でもせっかく着て貰ったワケだし、流石になにも言わないのは可哀想か。

 

「あー、お兄ちゃん天のチャイナドレスが見れて嬉しいな。可愛いし実に似合ってる。流石俺の自慢の妹だなー」

「ありがと~♪ 大悟兄大好き~♪」

 

急に笑顔になり、そのまま仕事に戻っていった天。なんなのアイツ、前々から思ってたけどブラコンなの? 

 

「‥‥‥‥‥同志(クイックイッ)」

 

すると、突然同志が俺を呼んだ。

 

「どうした? 何か困りごとか?」

「‥‥‥‥‥烏龍茶の茶葉か切れた。それに餡子も残り少ない」

「なに? それなら教室の近くの空き教室に在庫が置いてある筈だが?」

「‥‥‥‥‥明久に取りに行ってもらってる。けど遅い」

 

同志に言われ、ホールを見ると確かに明久の姿が見えない。空き教室はここからそこまで距離があるわけじゃねぇし、何かあったのだろうか?

 

「しゃあねぇな。ちょっと行ってくら。少しの間任せるぞ」

「‥‥‥‥‥(コクリ)」

 

そして、俺はFクラスを出て廊下を早足で歩いて目的の場所まで向かう。しかし何故か明久はおらず、扉は閉められていた。

中にいるのか? と思い俺は空き教室の扉を開ける。

 

「おい明久。なにやってんだお前は、早くストックを持ってこいよ」

「あ、大悟。丁度よかった」

 

そこには明久と一緒に見たことないヤツラがいた。おそらく他校の生徒かなんかだろう。見た感じ俺らと同年代くらいのチャラそうな男三人だが、何をしていたんだろうか?

 

「おい、なんだコイツら?」

 

眉をしかめ、俺は明久に訊く。

 

「よくわからないけど、大悟と殴り合いがしたいみたいなんだ。だから後は宜しくね」

「はぁ? なんだそりゃ?」

 

俺が戸惑っていると、明久は俺を無理矢理教室の中に引き入れ、そのまま廊下に出て扉を閉めてしまった。

 

「おい明久、説明しろ。なにがどうなってんだ?」

 

「なぁ、コイツどうする?」

「面倒だから一緒にやっちまおうぜ」

 

そんな会話が目の前で聞こえる。随分と物騒な話し合いをしているようだ。

すると、そのうちの一人がいきなり拳を固めて俺に殴りかかってきた。

 

「お前に恨みはねぇけど、ちょっと大人しくしてくれや!」

 

ーーあぁ、やっと分かった。そういう輩ね。全く、久しぶりだなぁ。

 

 

 

 

「恋のプリティー☆三連コンボ」

 

バキッ! ボコッ! グシャッ!

 

 

 

 

ーー十秒後ーー

 

 

「クソッタレ! 覚えてやがれっ!」

「てめぇの面、忘れねぇからな!」

「夜道に気を付けろよ!」

 

そう言って立ち去るチンピラ達。いや弱すぎるだろ。俺一発しか殴ってねぇぞ?

 

「お疲れ、大悟」

「あぁ。にしてもなんだったんだアイツら?」

 

「おいお前ら、ムッツリーニが早くしてくれと言ってたぞ。それにさっきやけにボコボコになってた連中を見かけたんだが?」

 

と、俺達を探しに来たらしく雄二が登場した。

 

「なんか急に殴りかかってきてな。意味が分からねぇ」

「僕も襲われそうになったし、一体何だったんだろうね?」

「売れ行きがよくなったFクラスの妨害でもしに来たんだろ」

「あはは。そんな理由で絡んでくるバカはいないよ」

「そうだぜ。うちの学校の生徒でもねぇのに、んなことしてヤツラになんの得もないだろ」

 

どうだかな、と言い雄二は茶葉と餡子を抱えて来た道を引き返す。明久もそれに続いて喫茶店へと戻っていった。んじゃ、俺もーー

 

 

「おや、ここにおられましたか。岡崎君」

「あ?」

 

 

突然聞こえた澄んだ丁寧な口調。誰だろうか、俺は声のした方を向く。

そこにいたのはーー

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥‥高城さん?」

 

 

 

 

 




皆さんホントに感想や評価をしてくれてありがとうございます。

それがモチベーションになります。感想もっとくださいな?

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
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