バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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清涼祭 アンケート

今後の学園祭の為のアンケートにお答えください。
『来年の学園祭ではあなたはどんなことをやりたいですか?』


姫路瑞希の答え
『来年もクラスメートと思い出に残るような学園祭にしたいと思います』

教師のコメント
素晴らしい考えですね、姫路さん。今回の学園祭は貴女にとって良い経験となり、心に残るようなものとなってくれたのならこちらとしても嬉しいです。大変お疲れ様でした。


土屋康太の答え
『写真館『秘密の覗き部屋』』

教師のコメント
題名からしてアウトです。


岡崎大悟の答え
『ダイゴブックスpresents『ロリッ妹カフェ ~ お兄ちゃんの為に ~』

教師のコメント
そろそろ君の性癖が分かってきたような気がします。


吉井明久の答え
『上記どちらも』

教師のコメント
君たちは打ち合わせでもしたのですか?



第三十一問 ~ 清涼祭編 エピローグ ~

ーー明久視点ーー

 

「痛てて‥‥‥。随分と殴られたよ‥‥‥」

「くそっ、アイツらめ。少しは手加減を知らないのか」

「これだから三次元はやなんだよ‥‥‥」

 

結局、僕たち三人は努力の甲斐も虚しく捕まった。あれだけの騒ぎを起こしたのだから、良くて停学悪くて退学ーーと思ってたんだけど、学園長が手を回してくれていたのだろうか厳重注意で済んだ。

ただし僕たちは顔の面積が倍になるまで鉄人に殴られ、それに加えて雄二は霧島さんにシメあげられ、大悟は木下さんにエスカ〇ボルグで嬲られまくっていたけど。

 

「ま、これであのババァも助かったんだ。感謝する気なんてさらさらないがな」

「学園長が僕らを助けてくれるのはギブアンドテイクってやつだね」

「これで退学とかにでもなったら不公平だもんなぁ」

 

それに加え、僕たちは早めに解放されている。というのも教頭室に偶然にも花火が飛び込んだおかげで、その修繕という名目でガサ入れが始まったからだ。こうなると学園長は徹底的に教頭を調べ上げて、その尻尾を掴むだろう。

 

「ま、これでババァには俺たちに借りが出来たってワケだな」

「そうだね、でも一応感謝だけはしておくよ。取引って言ってもその気持ちは忘れちゃいけないしね」

 

 

「む。やっと来たようじゃな。遅かったのう」

「‥‥‥‥‥先に始めておいた」

 

集合場所である近所の公園に着くと、既にFクラスのメンバーで一杯になっていた。特に店も取らずに簡単なお菓子とジュースだけという質素なものだが、これはこれで楽しそうだ。

ちなみにそのお菓子とジュースは全部凛花さんからの差し入れらしい。本当にあの人には頭が上がらないなぁ。

 

「お主ら、もはや学年中で知らぬ者はおらん程の有名人になってしまったのう」

「‥‥‥‥‥(コクコク)」

「‥‥‥おいおい秀吉。冗談はよせよ。俺とこのバカ二人が同列だと?」

「‥‥‥こっちだってお前らと同じ扱いだとは不本意だ」

「それは僕の台詞だよ‥‥‥」

 

僕の悪い噂がますます学園中に広まってしまった。もう在学中に彼女を作るのは無理かもしれない。

 

「あれだけのことをやっておいて、退学どころか停学にすらならないんだもの。妙な噂が流れて当然でしょ? ウチだって気になるし」

 

美波が僕と雄二と大悟にジュースの入った紙コップを手渡してくる。お礼を言ってそれを飲もうとすると、

 

 

「うぃーっす! やってるかガキどもぉ!?」

 

 

と、突然聞こえた聞き覚えのあるはきはきした女性の声。振り向くと、そこには鋭い目つきをした赤髮の女性ーー凛花さんともう一人、天ちゃんが立っていた。

 

『『『あ、姐さん!! 天お嬢様!! お疲れ様です!!』』』

「おう! ってか天。お前いつからお嬢様なんて呼ばれるようになってんだ?」

「分かんない。けどなんかオタサーの姫ってこんな感じなのかなぁ?」

 

『さあお二方、こちらのお席へどうぞ』

『いえいえ、姐さん。お嬢様。ここはこの私、横溝浩二が丁重におもてなし致します』

『いやいや、ここは『生けるおもてなし伝説』の異名を持つ、この福村耕平の所へ』

 

まさかの大悟ファミリー全員集合。大悟も思わず目を丸くしていた。ていうかクラスメート諸君。今の君たちはまるで極道の下っ端みたいに見えるよ?

 

「げっ!? なんで二人共ここにいんだよ!? 店はどうした店は!?」

「あぁ? んなもん臨時休業に決まってんだろうが! こんな面白れぇ宴会がある時に店なんかやってられっか!」

「アンタそれでも経営者か! もうちょっと自覚持て!」

「あぁ!? 大悟テメェ! 親に向かってなんだその口の利き方はぁっ!」

「いだだだだ!! 待ってくれ母さん! 散々殴られた後なのに更に絞め技は勘弁してくれぇっ!!」

「あははっ! いい気味だね大悟兄!」

「ほれ大悟、早く脱出してみろよ?」

「天も雄二も笑ってんじゃねぇぇええ!」

 

と、隣で凛花さんに腕ひしぎをかけられている大悟は放っておき、僕は改めてジュースに口をつける。

中身はオレンジジュースっぽいけど、ちょっと苦みがある。本格的なやつなのかな?

 

「そういえば、お店の売り上げってどうだったの?」

 

飲み物を持って来てくれた美波に声をかける。一応実行委員だし、一番わかっているはずだ。

すると、美波は収支の書かれたノートを見せてくれた。確かに多くはないけど、二日間で得られた額としては少なくはない。でもこの額じゃ、せいぜい畳と卓袱台が関の山だろう。やっぱり出だしの妨害が痛かったか。

 

 

「すいません。遅くなりました~」

 

 

と、可愛らしい声が僕らの後ろから聞こえてくる。姫路さんも遅れてきたみたいだ。

 

「あ、瑞希。どうだった?」

「はいっ! お父さんもわかってくれました! 美波ちゃんの協力のおかげです!」

 

そっか。転校は阻止できたんだ。良かった‥‥‥。

 

「姫路さん、お疲れ様」

「あ、吉井君‥‥‥」

 

僕の顔を見て一瞬姫路さんが微妙な表情になった気がしたけど、すぐに戻った。気のせいかな?

 

「すいません。私も飲み物を貰っていいですか? 沢山お話ししたので喉が渇いちゃったので」

「あ、うん。どうぞ」

「ありがとうございます」

 

渡した紙コップを受け取って、一気に飲み干す姫路さん。

 

「あっ‥‥‥!」

「ん? 美波、どうかした?」

「あれ? もしかして、美波ちゃんのだったんですか?」

「そ、そういうわけじゃないけど、その‥‥‥」

「美波も飲みたかったとか?」

「飲みたかった‥‥‥? そ、そうね! 瑞希、悪いけどウチも一口貰っていい?」

「あ、ごめんなさい。全部飲んでしまったので新しいものを貰ってきますね」

「新しいのじゃ意味がないじゃない‥‥‥」

 

はて、姫路さんが新しいジュースを取ってきてくれるというのに、随分と不満そうだ。一体何が気に入らないのやら。

 

「そういえばアキ。一つ言っておきたいことがあるんだけど‥‥‥」

「ん? 何?」

「昨日、変な連中から助けてくれた時、その‥‥‥」

 

恥ずかしそうに美波が俯いている。顔も真っ赤だし、何を言おうとしているんだろう?

 

「その‥‥‥、『よくも美波に手をあげてくれたな!』って怒ってくれたの、凄く嬉しかった‥‥‥」

「えっ!? あ、いや、あれは、その‥‥‥!」

「言いたかったのはそれだけっ! じゃあね!」

 

そう言って美波は走って遠くに行ってしまった。なんだろう。この妙な気分は。

 

「明久君~」

 

うん? この声は姫路さんだ。戻ってきたのかな?

 

「うん? どうしたのーーってひひひ、姫路さんっ!?」

「えへへ~、明久君~」

 

突然姫路さんが僕の腰に抱きついてきた。な、なんだ!? 一体どうしたっていうんだ!?

しかも何か柔らかいものが思いっきり僕の腰に当たっているような気がする!

 

「明久君は、いい匂いです~、うへへへ~♪」

 

僕の胸に顔を埋めてゴロゴロしている姫路さん。このままじゃマズい。何がマズいって、僕の心拍数とか理性とかが。

明らかに今の姫路さんは正気じゃない。まるで酔っぱらっているようなーー

 

「ん? 酔っ払い?」

 

チラッ

 

 

「おい母さん! これよく見たら全部酒じゃねぇか!」

「あ? なんだ大悟、今更気づいたのかよ? アタシといえば酒、酒といったらアタシだろうが! アハハハハハハ!!」

「アンタ頭おかしいのか!? 息子のクラスの差し入れに酒持ってくるとか何考えてやがる!?」

「別にいいだろうが、度数9%なんざ水みてぇなもんだろ? 問題ナッシ~ング♪」

「それは母さんだけの話だろうが! てかアンタここ来る前にも呑んでただごぼぉっ!?」

「ごちゃごちゃ言ってねぇで飲め! どうせお前も酔わねぇだろうが! ‥‥‥おい秀吉ぃ! 雄二ぃ! ムッツリーニィ! テメェらも付き合えや! 天! 三人を逃がすな!」

「はーい♪ というわけで観念してくださいね♪」

「ま、待ってくれ凛花さん! 俺たちはまだ未成ねごぼぉっ!」

「り、凛花さん! 頼むからやめるのじゃぼぉっ!?」

「‥‥‥‥‥っっ!!?(ゴクゴク)」

「あれ? お母さん。それスピリタスじゃない?」

「へ? あ、ホントだな。まいっか!」

 

 

さっぱり酒だったのかぁーっ!? 何をしてくれているんですか凛花さん!? 

 

「明久君、私は怒っているんですよ?」

 

と、頬を膨らませる彼女。怒っているって言われても、僕が何かしたっけ?

 

「むぅ~っ! 私が怒っている理由すらわからないんですねっ! そんな明久君にはこうですっ!」

「いひゃいれふ! くひがのびそうれふ!」

 

頬を思いきり左右に引っ張られた。

 

「‥‥‥約束」

「約束?」

「召喚大会から戻ってきたときにした約束ですっ!」

「ああっ! 校舎裏!」

「私ずっと待っていたのに、忘れるなんてひどいですっ!」

 

常夏コンビを追いかけるのに必死ですっかりそのことを忘れていた! そりゃ怒るよね。

 

「む~‥‥‥っ! 絶対許しませんっ!」

「そこをなんとか!」

「絶対だめですっ!」

「そ、そんなぁ‥‥‥」

 

「ーーなんて、冗談です」

「はぇ?」

 

思わぬ台詞に思わず間抜けな声をあげてしまう。

 

「実は、明久君がどうして約束を守れなかったのか、教えてもらっちゃいましたから」

「へ? 誰に?」

 

これは衝撃の事実だ、一体どこのどいつが姫路さんに事情を話したんだ?

 

「だから、私が怒っているのはーー私自身です」

 

彼女が視線を地面に送る。

 

「私、明久君が私のために頑張ってくれているのに、約束の場所に来てくれなかったことに怒っていました」

「あ、いや、それはその、姫路さんにも事情が‥‥‥」

「そんなの関係ないんですっ! 私は私のために頑張ってくれている人に対して怒っていた自分が許せないんです。だってーー」

 

一息入れて、姫路さんは顔を上げて僕に視線を合わせてくる。

 

「だって、明久君は優しい人だって、前から知っていたことですから」

 

そんな真っ直ぐに見られても、逆に僕が目を逸らしてしまう。

 

「前の試召戦争の時も、今回も、私は助けられてばかりで、それなのに私は自分の想いを伝える事ばかり考えていて‥‥‥」

「ひ、姫路さん‥‥‥」

「だから、明久君に何かお礼をしたいんですっ」

 

そう言って、彼女は持っていた缶を開けて一気に飲み干す。そのラベルには『大人のオレンジジュース』と書いてありーーってうぉおい!? またお酒じゃないか! 凛花さんお酒しか持ってきてないのか!?

 

「‥‥‥そういうわけですから、明久君」

「は、はい」

「服を脱いで下さい」

「なにゆえっ!?」

 

言動が支離滅裂だ。凄い勢いで酔っているみたいだ。

 

「今からお礼をするためですっ! 抵抗しないでください!」

「ちょ、ちょっと待ってよ! それ明らかにおかしいから!」

「おかしくありません! 皆していることですし、この方法が一番相手は喜ぶって岡崎君が言ってましたもんっ!」

 

あのキモオタ野郎! 姫路さんになんて事を教えるんだ!

そんな事を思っていると、姫路さんが次々と制服のボタンを外していく。この距離じゃうまく引き剝がせないし、色々とマズい!

そうだ! ここはヤツらの力を借りてーー

 

 

「だらっしゃぁぁああ!! なんぼのもんじゃぁぁああい!!! めるたんパワァァアアア!!」

『うぉぉおおおっ!! さすが我らが兄貴だぁぁああ!!』

『これでスピリタス七杯目突入だぁぁああ!!』

「やるのう大悟! それでこそワシの相棒じゃ!」

「オラァッ! 次の相手は誰だぁっ!?」

「次は俺が相手をしてやるぜ大悟ぉっ!」

「ほう、雄二か! 俺に酒の勝負で勝てると思うなよ!」

「はっ! その言葉そっくりそのまま返してやるぜぇ!」

「‥‥‥‥‥はじめっ!」

「「うぉぉおおおおおおおおお!!!」」

「はっははー!! 二人ともいい呑みっぷりだなぁ! こりゃあ面白くなってきやがったぜ! せいぜい頑張れよガキども! アーッハッハッハッハッ!!」

「アッハハー! やっぱりFクラスって面白ーい!!」

 

 

ーーダメだ! 誰一人として頼れる奴がいないっ! ていうかあれは何!? 明らかに高校生がやることじゃないことやってるように見えるんだけど!? 秀吉とムッツリーニまでキャラ変わってるし!

 

「とにかく、私は美波ちゃんには負けられないんですっ! だから名前だって『明久君』って呼んじゃいます!」

 

こっちはこっちで会話が成り立っていない。姫路さんってお酒弱いんだなぁ。

 

「そしてーーいつかきっとーー明久君と付き合っーー」

「もしもし、姫路さん?」

「‥‥‥ずっと‥‥‥一緒に‥‥‥」

 

急に姫路さんが尻すぼみの声になったかと思うと、そのまますぅすぅと寝息を立てて眠りについてしまった。ここまでお酒に弱いとなると、今後は飲ませないように気をつけておかないといけないな。男の前で眠っちゃうなんて危ないし。

取り敢えず、姫路さんはどこか静かな場所に移動させーー

 

 

「‥‥‥ウチが少し目を離した隙に、アンタは一体何をしてるの‥‥‥!」

「えっ!? み、美波! 違うんだ! これは別に何も‥‥‥!」

「問答無用よぉぉおっ!!」

「いやぁぁぁああああっ!!」

 

 

美波も酔っぱらっていたみたいで、攻撃に手加減がなかった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます」

「あ、姫路さん。おはよう」

 

翌朝、登校途中の坂で姫路さんに会った。朝からラッキーだ。

 

「そうだ姫路さん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「はい。なんですか?」

「昨夜言っていた、『いつかきっとーー明久君とーー』ってなんのこと?」

 

まさか‥‥‥あの言葉の真意は、と思い僕の鼓動が早くなる。一体どんな‥‥‥!

 

「すいません。私、昨夜のことーーほとんど覚えていないんです」

「へ?」

 

緊張しながら聞いた質問に対するまさかの答えに、思わず拍子抜けした。そういえば随分と酔っていたんだし、記憶がないのも当然だよね。

 

「あ、そ、そうだよね。ごめんね姫路さん」

「いえ、こちらこそ覚えてなくてごめんなさい、明久君」

「いやいや、別にーーって、あれ?」

 

どうして僕のことを同じく『明久君』って呼んでいるんだろう?

 

 

「‥‥‥雄二。婚姻届が受理されなかった。残念‥‥‥」

「そりゃそうだろ。俺は十七になったばかりだしな」

「‥‥‥だから、来年までに大切に保管することにした。今はまだ、ただの許嫁」

「翔子。今度お前の家に遊びに行っても良いか?」

「‥‥‥いいけど、婚姻届は弁護士に預けてあって家にはない」

「随分厳重な保管だなオイ!」

 

 

「ねぇ大悟? なんで昨日アタシが何回も電話したのに出てくれなかったの? まさか‥‥‥ね?」

「誤解だ。昨日は打ち上げで飲み過ぎてそんな気力がなかったんだ。流石にスピリタスをジョッキで十杯はキツかったからな」

「‥‥‥本当? やましいこととか何もないのね?」

「ねぇよ。けどまさか意外にも秀吉があそこまで酒に強いとは思わなかった。しかもあの野郎酔い潰れるまでずっと俺にベタベタ寄りかかって痛ぁぁああああ!!!?」

「ほら‥‥‥やっぱり他の子見てるじゃない。アタシに噓ついたわね‥‥‥?」

「待て優子! 他の子ってお前の実弟だろうが! なんでそこまで怒るんだぁぁあああ!!?」

「大悟はアタシだけを見ていればいいの‥‥‥そんな悪いことをするこんな手なんて要らないわね?」

「ふざけんなこの野郎ぎゃぁぁああああああっ!!!?」

 

 

どこからか聞き覚えのある声が聞こえてくる。片方は霧島さんと雄二、もう片方は木下さんと大悟だろう。雄二も大悟もいい加減二人の好意を素直に受け止めればいいのに。チケットの件でも随分足掻いていたみたいだったけど。

 

「っと、そういえば、このプレミアムチケットをどうしよう?」

 

雄二はそんな恐ろしいものは持っていられないと言って僕にくれたし、大悟も気持ちだけでも不愉快だといって受け取らなかったし。

でも、僕が持っていても行く相手が‥‥‥

 

「? どうかしましたか、明久君?」

「あ、いや。なんでもないよ」

 

無意識に姫路さんの顔を見てしまう。

うーむ、姫路さんと行きたいけど、このチケットを使ったら色々とフォローが入って、逆に気まずくなるかもしれないな。

 

「よし。これはやっぱり、必要としてる人にあげるべきだよね」

「? なんのことですか?」

「素直になれない男共と、一途な二人の女の子への贈り物ってところかな」

「???」

 

姫路さんがなんのことだかわからない、といった顔をしている。ちょっと惜しい気もするけど、これは霧島さんと木下さんにプレゼントしよう。とても喜んでくれるに違いない。

僕の方は‥‥‥とりあえず今はこの距離にいられるだけで満足だから。

 

「あっ、そう言えば、今朝は職員室に呼ばれているんでした。すいませんけど、先に行きますね?」

「あ、うん。いってらっしゃい」

 

姫路さんが小走りに遠ざかっていく。その時、

 

 

 

 

 

「ーーきです。明久君」

 

 

 

 

 

彼女が何か呟いたけれど、それは朝の喧騒と、大悟の断末魔で聞こえなかった。

 

 

 

 




最後までお読みいただきありがとうございます! これにて本編二巻にあたる清涼祭編は終了です。
途中少し投稿が止まったりモチベーションが下がったりと色々ありましたが、なんとか書ききることができました。これも全て読んでくれている皆様のおかげだと思っています!

さて、次は皆様予想されていると思いますが、如月ハイランドパーク編になります。勿論大悟がどうなるかは‥‥‥次回でどうぞ!

それではまた。

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ
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