バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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バカテスト 国語

【第一問】
『  』内の私がなぜこのような痛みを感じたのか答えなさい。
父が沈痛の面持ちで私に告げた。
『彼は今朝早くに出て行った。もう忘れなさい』
その話を聞いた時、『私は身を引き裂かれるような痛みを感じた。』彼のことは何とも思っていなかった。彼がどうなろうとも知ったことではなかった。私と彼は何の関係もない。そう思っていたはずなのに、どうしてこんなにも気持ちが揺れるのだろう。


姫路瑞希の答え
『私にとって彼は自分の半身のように大切な存在であったから』

教師のコメント
そうですね。自分の半身のように大切であった為、いなくなったことで『私』はまさに身を引き裂かれたかのような痛みを感じたということです。


吉井明久の答え
『私にとって彼は自分の下半身のように大切な存在だったから』

教師のコメント
どうして下半身に限定するのですか。


土屋康太の答え
『私にとって彼は下半身の存在だったから』

教師のコメント
その認識はあんまりだと思います。


岡崎大悟の答え
『やっぱり神様なんていなかったから』

教師のコメント
その答えは別の意味でアウトです。



強化合宿編
第三十七問 盗聴なんて頭にきますよ!


ーー大悟視点ーー

 

「優子」

「えっ? な、なに、大悟?」

「お前、何か隠してるだろ」

「えっ!? か、隠し事? そんなのしてるワケないじゃない、何言ってるのよ」

「ならなんでそんなに落ち着きがねぇんだ?」

「べっ、別にいつも通りだけど? 何もおかしくなんてないわ」

「優子。お前にプレゼントがあるんだ。受けとってくれるか?」

「うん♪」

 

サッ

 

「バカがーーって、ウォークマンじゃねぇか」

「あっ! ちょっと待って、それはーー」

「なんだ。なら別に隠す必要ねぇじゃねぇか。どうせお前のことだからBL系のドラマCDでも入ってーー」

 

 

ーーポチッ《この俺、岡崎大悟は世界中の何よりもーー木下優子を愛しているっ!!!》

 

 

「‥‥‥‥‥」

「‥‥‥別におかしくないでしょ?」

「今日これは預かっておいて放課後に返してやる」

「そんな! まだ凛花さんに聞かせてないんだから待ってよ!」

「余計に待てるか! こんなモン母さんに聞かせてどうしようってんだ!」

「凛花さんに聞かせれば実質的に合意の上になるでしょ? そしたら大悟は永遠にアタシのものになるじゃない♪」

「俺自身に決定権がないんだがーーん? ポケットにあるそれはなんだ?」

「あ、これは別に普通のよ」

「どれどれ‥‥‥『愛しの大悟監禁観察日記』。‥‥‥何コレ」

「アタシと大悟の新婚生活を想像して書いたの♪ ちなみに今は1642日分まで出来上がってるわよ」

「そうか、じゃあこの内容が現実にならんようにしなくちゃあな」

「大丈夫♪ こんなことしなくても、アタシは大悟と幸せな未来を築けると思うから」

「目をどす黒くして言われても説得力ないぞ」

「ちなみに、子供は二人で男兄弟がいいわ」

「なんでだよ?」

「兄弟同士での禁断の淫靡関係って‥‥‥最高じゃないかしら?」

「お前は実の息子たちに何させようとしてんだ‥‥‥」

「あ、女の子が生まれたらその時に考えるわ」

「どっちも普通に育てろ! ったく‥‥‥一回ちゃんと病院で診てもらった方がいいのかもな」

「え‥‥‥でもまだつわりは来てないし‥‥‥そもそもまだアタシは処女でーー」

「産婦人科じゃねぇよ馬鹿野郎」

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

「同志ー!! 同志同志同志ィィィイイイ!!!」

 

俺はFクラスの教室に勢い良く入室し、真っ先に目的の人物がいるであろう席に駆けていった。

 

「‥‥‥いきなりどうした? 同志大悟」

 

目の前で一眼レフカメラを弄りながら俺にそう尋ねた小柄な体格の男、土屋康太。その俺にも匹敵するほどの妄想力の高さと性に対する知識と執念。俺とは嗜好が正反対ながらも、その性欲に対する揺るぎない探求心。そして何よりも、二次元の良さを理解している素晴らしさに敬意と友情を表し、同志ムッツリーニと呼んでいる。

 

「実は、同志に今すぐに頼みたいことがあるんだ。大急ぎで」

「‥‥‥‥‥報酬は?」

「うむ。ダイゴブックス監修夏コミコスプレ美女名鑑集はどうだろう?」

「‥‥‥‥‥話を聞かせろ」

 

あっさり取引成立。ふっ‥‥‥なんていい目をしてやがる。俺はそんなお前が大好きだ。さて、そろそろ本題に入るとしよう。

 

「実はな、今朝優子からこんなものを回収した」

「‥‥‥‥‥音楽プレイヤー」

「ああ。そしてこの中には、何故だか全く記憶にない俺の優子に対するプロポーズが録音されていやがったのさ」

 

そして、俺は同志に聞こえるくらいの音量でそれを再生する。

もしこんなものが俺の母さんに聞かれたりでもしたら大変な事になる。あの人酔っててもシラフでも毎日のように俺に『あんないい奴がバカでロクデナシでキモオタのアンタに好意を持ってんだからさっさとくっつけ! そしてアタシに孫を見せろ!』って言ってくるような人でなしだからな。おそらく俺は有無を言わさず人生の墓場に突き落とされ‥‥‥その先は地獄だ。考えたくもない。

 

「‥‥‥‥‥何か心当たりは?」

「ねぇな。そもそもこれがいつ録音されたのかも分からねぇのにーーって同志、どうして気まずそうに目を逸らすんだ?」

「‥‥‥‥‥日光が眩しいだけ」

 

ここどっちかというと廊下側の席なんだが‥‥‥まあいいか。

 

「一応コレは取り上げておいたが、この音声はおそらく複製したもので、必ずどこかに音源があるに違いない」

「‥‥‥‥‥何故そう言い切れる」

「もしコレを優子本人がやったのだとしたら、わざわざ音楽プレイヤーなんて分かりやすい所に残すわけがない。アイツはかなり用意周到な性格だからな。常に万が一を考えてる。それこそもし紛失や故障なんかがあったら全部パァになる可能性だってあるからな。わざわざ自分で入れたもんも不用心に持ち歩くとは考えにくい」

「‥‥‥‥‥なるほど(コクッ)」

 

つまりこの音声を録音したのは他の誰かで、俺の告白をコピーして優子に渡したのだ。だが優子の周りの友人関係を思い出してもそんなことが出来そうなヤツは一人もいない。霧島は機械音痴だって雄二が言ってたし、工藤や久保にはそもそもそんなことをする動機がない。なら外部の人間の犯行じゃないか? とも思ったが、アイツにそこまでの人脈はないだろう。

てことは、盗聴犯は文月の人間かつ、俺と優子の関係性を知ってるヤツということなんだ。

 

「だから、同志にはその台詞を録音した実行犯を探してもらいたい。出来そうか?

「‥‥‥‥‥愚問だな同志。俺を誰だと思ってる(フッ)」

 

自信ありげにそう言う同志。さすがは情報収集や盗撮、盗聴のエキスパートだ。言葉の重みが違う。そう思っていると、

 

「ムッツリーニ、ちょっといいか?」

 

後方から聞こえる聞きなれた声。振り向くと、そこには俺のダチである坂本雄二がいた。

 

「雄二か。悪いが後にしてくれ。俺には時間がねぇんだ」

「何だと? なにかあったのか」

「‥‥‥‥‥同志大悟が人生の墓場に送られようとしている」

 

ムッツリーニの言葉を聞いた雄二は、何故か俺に同情するような視線を向けた。

 

「なんだ。大悟も俺と全く同じ状況か」

「何だと? まさかお前も‥‥‥」

「ああ‥‥‥このままじゃ俺は、翔子に一生囚われる人生になっちまう‥‥‥!」

 

話を聞くと、どうやら俺と同じく、雄二も身に覚えのない告白を何者かに盗聴され、霧島がそれを自分の父親に聞かせて婚約の証拠にしようとしているらしい。優子もそうだが、霧島のヤンデレっぷりも筋金入りだな。

てことは、俺の雄二の件は同一犯の可能性が高いということか。

 

「そんなワケで、ムッツリーニにはこの台詞を録音した犯人を突き止めてもらいたい。アイツは機械音痴だからな。密かに集音機を仕掛けるなんてことはできるわけがないから、木下姉と同じく、盗聴に長けた実行犯がいるはずなんだ」

「しっかし、犯人は何を考えてやがるんだ。俺や雄二の結婚を助長するような真似しやがって。なんの目的があるんだ?」

「さぁな。だが少なくとも、犯人は俺たちをーー」

 

 

「助けてムッツリーニ! 僕の名誉の危機なんだ!」

 

 

すると、いきなり誰かが俺たちのところに倒れ込むように駆け寄ってきた。見ると、それは俺のダチでありFクラスを代表するキングオブバカでお馴染みの吉井明久だった。

 

「後にしろ。今は俺たちが先約だ」

 

雄二が明久の行く手を遮るように身体で邪魔をする。

 

「あれ? 雄二、大悟?」

「悪ぃな明久、こっちは急ぎなんでな」

「そうなの? ムッツリーニ、何の話をしていたの?」

「‥‥‥‥‥雄二と大悟の結婚が近いらしい」

「雄二と大悟の結婚? そんな既に決まっていることより、僕の方が重要だよ! このままじゃ僕が学校中に女装趣味の変態として認識されそうなんだ!」

「なんだと明久テメェ! お前が女装趣味の変態なんざ、それこそ今更だろうが!」

「そうだ! どこにも間違いなんてねぇだろ! 事実なんだからよ!」

「黙れこの妻帯者共! 人生の墓場へ還れ!」

「うるさいこのド変態! とっととメイド喫茶へ出勤しろ!」

「そんでそのままアキちゃんとしてデビューしちまえ!」

 

「「「‥‥‥‥‥」」」

 

「‥‥‥‥‥傷つくなら三人とも黙っていればいいのに」

 

な、泣いてねぇよ! これは昨日の泣きゲーのエンディングを思い出してしまったが故だ!

 

「で、でも、まだ結婚の話程度で済んでよかったじゃないか。僕はてっきり、あのペースだともう子供が出来てることにされてるのかとーー」

「「‥‥‥明久。笑えない冗談はよせ」」

「え? なに? 笑えないの?」

 

ああ、とっても笑えない。あれ? おかしいな? もう泣きゲーのことは考えていないはずなのにまた自然と涙が出てきたぞ?

 

「‥‥‥‥‥それで、明久は?」

 

と、ムッツリーニが明久の方を向いた。どうやら事情を聞くようだ。

 

「うん。実は、僕のメイド服パンチラが全世界にWEB配信されそうなんだ」

「「「‥‥‥‥‥何があった?」」」

 

明久の内容が理解できず、思わず聞き返してしまう。

 

「ごめん。端折り過ぎた。要するにねーー」

 

 

 

ーーー

 

 

 

明久の話を簡潔にまとめると、朝学校に来たらロッカーに手紙が入っていてその内容は、これ以上傍にいる異性に近づくなという脅迫文と共に、学園祭の時の明久のメイド写真が入っていたらしい。おそらく言う通りにしなければその写真を公表するということなんだろう。

 

「ーーそんなわけで、その写真を撮った犯人を突き止めて欲しいんだ。写真を撮られた覚えなんてないから、きっと盗撮の得意なやつがこっそり撮影したんだと思う」

「なんだ。明久も俺たちと同じような境遇か」

「一体どうなってやがるんだ?」

「‥‥‥‥‥脅迫の被害者同士」

「こんなことで仲間ができても嬉しくないよ‥‥‥」

 

それに関しては激しく同意だ。こんな不憫な理由で紡がれる関係性とか嫌すぎるからな。

 

「そういや、その明久の写真ってどんなのだ?」

「ああ、うん。これなんだけど‥‥‥」

 

そう言って、俺たちは一枚ずつ明久から写真を見せてもらう。その内容は明久が着替えながらブラジャーを持って立ち尽くすものだったりトランクスのパンチラだったりする。

 

「‥‥‥これは酷いな。男の威厳もクソもねぇし、コスプレすんならちゃんと下着も女物を履けよ。中途半端な仕事しやがって」

「俺だったら恥ずかしすぎて表を歩けないほどだ」

「やめて! そんな哀れむような表情で僕の汚れた姿を見ないでぇ!」

「‥‥‥‥‥しかもコレは‥‥‥俺のよりベストアングル!」

「あぁっ! ここにも伏兵が!」

「‥‥‥‥‥安心しろ、俺は無料で撒いたりはしない」

「撒くんだ! 有料なら撒くんだ!?」

 

そんなやりとりをしていると、ガラガラと教室の扉が開く音が響いた。

 

「遅くなってすまないな。強化合宿のしおりのおかげで手間取ってしまった。HRを始めるから席についてくれ」

 

そう告げたのは担任の鉄人こと西村先生だ。手には大きな箱を抱えている。

 

「‥‥‥‥‥とにかく、調べておく」

「すまん。報酬に今度お前の気に入りそうな本を持ってくる」

「僕も最近仕入れた秘蔵コレクションその二を持ってくるよ」

「さっきのブツに俺厳選の二次元イラスト(R18)もつけておこう」

「‥‥‥‥‥必ず調べ上げておく」

 

よし、交渉も無事終了したことだし、鉄人に目を付けられないうちにさっさと席に戻るか。

 

「さて、明日から始まる『学力強化合宿』だが、大体のことは今配っている強化合宿のしおりに書いてあるので確認しておくように。まぁ旅行に行くわけではないので、勉強道具と着替えさえ用意してあれば特に問題ないはずだが、くれぐれも時間と場所だけは間違えないように」

 

前の席から冊子が配られてきたので、それを受け取る。はぁ‥‥‥合宿ねぇ。あんまり気分が上がらねぇなあ。だってよお! 合宿の間は家に帰れないからアニメもゲームもお預けってことだろう!? ふざけんな! 毎日俺の帰りを待ってくれている女の子(画面の向こう)たちを寂しがらせてしまうじゃあないか! どうしてそんな非情な仕打ちを俺に課しやがるんだ‥‥‥っ!?

 

 

「楽しみじゃのう、大悟」

「ん?」

 

 

すると、横から俺に話しかけてきたやつがいる。俺の相棒でありダイゴブックス公認の絶世美人の男の娘。木下秀吉だ。

 

「なんだ秀吉か。やけに生き生きしてんな」

「当然じゃ。学力強化が目的とは言え、皆で泊りがけなのじゃ。楽しみになるのは仕方がないじゃろう? 無論ワシとて胸が躍っておるしの」

「何言ってやがる。胸が躍るっていうほどデカくないだろ」

「いや、ワシの胸が大きくなっては困るのじゃが‥‥‥」

 

まぁ、コイツはこういった行事が好きなのは知っているが。反対に俺の心は現在停滞中だが。

 

「それに、学校行事とは言え、大悟とどこかに泊りがけということも初めてじゃろう? いい思い出が出来るとワシは思うぞい」

「そうかねぇ‥‥‥だがやっぱリアルタイム視聴を逃すのは悲しいぜ」

 

ぼやきながらパラパラと冊子をめくる。

今回俺たちが向かうのは卯月高原という場所らしい。洒落た避暑地として有名であり、ここからだとめちゃくちゃ遠く、電車やバスを使っても五時間程度かかるとか。うげぇ‥‥‥マジかよ。

 

「気をつけろよ、集合場所はクラスごとでそれぞれ違うからな」

 

鉄人のドスの利いた声が響き渡る。

 

「どうせ優子達は快適なリムジンバスとかで行くんだろうな」

「うむ‥‥‥となるとワシらは、狭いマイクロバスとかかのう‥‥‥?」

 

いや、ひょっとしたらもっと設備の悪いモンかもしれなーー

 

 

 

「いいか、我々Fクラスはーー現地集合だからな」

『『『案内すらないのかよっ!?』』』

 

 

 

あまりの扱いに全級友が涙した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

ーー強化合宿、初日目の朝ーー

 

 

車窓を流れる緑の多い風景に、都会では味わえることのないであろう新鮮な空気。それらを目で、鼻で、耳で、そして体で感じていると、いつもの街から遠く離れた土地に来ていることが強く実感出来る。なんて素晴らしいんだろうか。思わず体の奥から何かがこみ上げてくるようだ。

雲一つない青い空に、眩しく照りつける太陽。悠々と生い茂る木々。まるで母親の田舎の実家に行った時のような懐かしさを感じさせられるような一面の田畑に、せっせと農作業をしている人の姿ーー

 

 

「おぇぇええええ‥‥‥」

「全く‥‥‥しっかりするのじゃ、大悟」

 

 

ーーそして、そんな綺麗な景色の下で盛大に吐く俺。

 

「秀吉ぃ‥‥‥あとどんくらいで目的地に着くんだぁ?」

「おそらくは、あと二時間くらいじゃろう。じゃが大悟よ。ワシがあれほど念を押しておったのに、どうして酔い止めを持ってこなかったのじゃ‥‥‥」

 

秀吉が俺の背中をさすりながらため息をつく。そう、何を隠そうこの俺は非常に乗り物酔いしやすい体質で、自分で運転するバイクや自転車なんかは平気だが、それ以外は全部無理なんだ。自動車や電車はもちろん、飛行機や船なんかもアウト。今もそうだが、どうにもガタンゴトン揺れるものは体に合わず、こうして気分を悪くしちまうんだ。

本来ならそういったモンに乗る前にはいつも酔い止めを飲むのが当たり前のことなんだがーー

 

「まさか、酔い止めとヨーグ〇ットを間違えちまうとはな‥‥‥おぇぇええええ」

「どうやったら市販薬と菓子を間違えられるのじゃお主は‥‥‥」

 

そうか? 結構似てるから間違えそうなモンだと思ってたぜ。

畜生‥‥‥やっぱり昨日の夜に四日分の二次元成分をため込もうとしてオールで溜め撮りアニメ消化とエロゲー攻略と執筆をしたのは間違いだったか‥‥‥ちゃんと寝とけば少しはマシだったのだろうな。

 

「チクショウ‥‥‥もう吐きつくして胃液しか出てこねぇ‥‥‥ていうか、よく同志はこんな状況で寝てられるなぁ‥‥‥」

「どうやら疲れ取るようじゃのう。色々と調べ物をしておったとか」

 

目の前では同志がコクコクと眠っている。おそらく俺たちの依頼を一晩かけて調査しておいてくれたのだろう。なら仕方がないな。

 

「無理に起こす必要はねぇな」

「うむ」

 

さて、んじゃ俺は少しでも気を紛らわす為にこっそり持ってきたウォークマンで俺様厳選エロゲー主題歌メドレーでも聴きますかな、と思っていると、

 

「ねぇ秀吉、大悟」

 

と、突然後ろの席に座っていた明久が声をかけてきた。

 

「なんだ、明久」

「今、こっちで心理テストを皆でやってるんだけど、二人も混ざらない?」

「ほう、面白そうじゃのう。ならワシも混ぜてもらうぞい」

「心理テストねぇ‥‥‥ま、暇つぶしくらいにはなんだろ」

 

俺たちは明久の誘いに乗り、そっちの席に秀吉と集まる。そこには明久、隣に雄二。その向かい側に島田と姫路が座っていた。

ただ、なんで島田は不機嫌そうな顔をしてんだ? それに本が真ん中から引き裂かれてるんだが。

 

「それじゃ、第二問いくわよ」

 

島田が本を開く。

 

 

「『1から10の数字で、今あなたが思い浮かべた数字を順番に2つあげて下さい』だって。そう?」

「俺は5、6だな」←雄二

「ワシは2、7じゃな」←秀吉

「僕は1、4かな」←明久

「私は3、9です」←姫路

「俺ァ8、10だぜ」←俺

 

ちなみに理由はめるたんと妹のまめっこちゃんの年齢が10歳と8歳だから。

 

「えっと、『最初に思い浮かべた数字はいつもあなたがまわりに見せている顔を表します』だって。それぞれーー」

「クールでシニカル」→雄二

「落ち着いた常識人」→秀吉

「死になさい」→明久

「温厚で慎重」→姫路

「豪胆で無鉄砲」→俺

 

「ふむ。なるほどな」

「常識人とは嬉しいのう」

「ねぇ、僕だけ罵倒されてなかった?」

「温厚で慎重ですか~」

「悪くねぇ結果だな」

 

「それで、『次に思い浮かべた数字はあなたがあまり見せない本当の顔を表します』だって。それぞれーー」

「公平で優しい人」→雄二

「色香の強い人」→秀吉

「惨たらしく死になさい」→明久

「意志の強い人」→姫路

「紳士的で友達思いな人」→俺

 

「ほう。秀吉は色っぽいのか」

「姫路は意志が強いようじゃな」

「ねぇ、僕の罵倒エスカレートしてなかった?」

「岡崎君は紳士的だそうです」

「雄二が優しいってよ」

 

心理テストをネタにわいわいと盛り上がる会話。ふむ、こうやって皆で他愛のないことで盛り上がれるのも旅の楽しみの一つなのかもしれないな。

酔いも収まってきたし、何とか現地到着までは耐えられそうだなーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー五分後ーー

 

 

ボォン! バタッ‥‥‥

 

 

「‥‥‥‥‥(ピクピク)」

「「「「明久ァァアアア!!!」」」」

「あ、あれ? 急にどうしたんですか、明久君?」

 

 

 

俺たちは、再び目の前で儚い命が散っていく姿を目の当たりにした。

 

 

 

 




さぁ、始まりました。強化合宿編! この四泊五日という長い時間でどんな物語が生まれるのか? そして最後、明久の身に何があったのか? まぁ殆どの方は分かっていると思いますけどね~w


それではまた次回。

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ
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