バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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バカテスト  国語

以下の四字熟語の意味を答えなさい
『魑魅魍魎』


姫路瑞希の答え
『人に害を与えようとする者の総称。また私欲の為に悪巧みをする者の例え』

教師のコメント
正解です。ちなみに魑魅は山林の気から生じる山の怪物。魍魎は山川の気から生じる川の怪物と言われています。


吉井明久の答え
『転売屋』

教師のコメント
私欲の為の悪巧みという点では間違ってはいませんね


土屋康太の答え
『コンビニでのエロ本撤廃を考えた発案者』

岡崎大悟の答え
『児童ポルノ禁止法の提案者』

教師のコメント
君達の事です。



第四十六問 ヤンデレな幼馴染みに死ぬほど(ガチ)愛されて眠れない

 ―――大悟視点―――

 

 

『ギャハハハ!! 大悟! お前合宿で男総出で覗きするなんてまた面白ぇことすんじゃねぇか! 傑作だな!』

 

『あっははは! さすが大悟兄! やることが本当斜め上だよねー!』

 

「二人揃ってゲラゲラ笑ってんじゃねぇよ! こっちにとっちゃ真剣かつ命懸けなんだからよ!」

 

 ダイゴブックスとムッツリ商会による協同撮影会を終え、俺は今旅館の公衆電話から母さんと天に電話している。何故なら「どっか一日くらいはこっちに電話寄越せ」としつこく言われていたからだ。

 本当なら携帯から連絡しようとしてたんだが、生憎あの馬鹿共によって俺の携帯電話はスクラップになっている。だからこうしてわざわざ小銭を払わなくちゃいけないとか頭にきますよ!

 でも、撮影会ではかなり良質な写真を手に入れられたから良しとしよう。俺のインスピレーションや創作意欲もかなり急上昇して最高のイラストも描けたからな。ホント姫路と相棒には頭があがらんよ。え、明久? 知らん。

 

『んで、どうだったんだ?』

 

「は? どうだったってなにが?」

 

『なにがってそんなの決まってンだろ! 目的の女子共の発展途上の裸体は覗けたのか? どうだった、どうだった!? 興奮した!? ムラムラしたか!? 欲情したか!? 大人の階段登ったか!?』

 

「アンタ息子に対してよく恥ずかしげもなくそんなこと平気で言えるな!」

 

『なにぃ!? はっ! もしや大悟お前………遂に優子と一線をこえたか!?』

 

「ちょっと待て! 今の流れをどう解釈したらそうなるんだ!?」

 

『嘘!? まさか大悟兄、優子姉のアヴァロン(意味深)にエクスカリバー(意味深)しちゃったの!? そのそそりたった乖離剣(♂)で優子姉の固有結界(♀)にゲートオブバビロン(意味深)からのエヌマ・エリシュ(意味深)しちゃったかなあ!? この絶倫王ギルハメッシュめ!』

 

『慢心ならぬ慢チンってか!? ギャハハハ!』

 

「なぁアンタら素面だよな!? 酒入ってねぇよな!?」

 

『はい! てことでそんな童貞卒業間近の愛息子、大悟にこの歌を送りま~す!』

 

『イェーイ!』

 

「人の話を聞けよ!」

 

『『あ、それチ○コ出してマ○コはめてよよいのよい♪ あズッコバッコズッコバッコズッコンバッコン♪』』

 

「よし! もういいから黙っとけアホ共!」

 

『『オ○りイクならパコらにゃあんっ♪ あんっ♪』』

 

「ドスケベ音頭はやめろ!!!」

 

 電話越しからでも分かるくらい興奮して母さんと天。

 どうしよう、俺の家族が低レベルかつ高難易度の下ネタを叫ぶ変態しかいない件について。ぬきたしとか知ってる人あんまりいねぇよ! コイツら息子や兄の学校行事をなんだと思ってやがる! 

 あとなんでこの流れで優子が出てくるんだよ! やめてくれよ! さっきあんなメールを送っちまったからマジでそうなるんじゃないかって怖いんだよ!

 

「………まぁ、覗きに関してはこの三日間全部阻止されてるな。さすがに向こうには教師陣もいるからな。最早無理ゲーに近い」

 

『なんだ、つまんねーな』

 

『私は大悟兄が優子姉に『孕めオラァ!!!』って叫びながら処女を美味しく頂いたと思って赤飯炊こうと思ってたのに……はーつっかえ』

 

「天。お前帰ったら覚えとけよ」

 

『ごめんなちゃい』

 

 ったく、どうしてうちの家族にはまともなヤツがいないんだ。俺はこんなにも常識に溢れた性格をしてるというのに←は?

 ため息を一つつき、俺は再び受話器を耳に当てる。

 

 

『でもよ大悟。やり過ぎはやめとけな。昔と違って今はそういった行為は厳しく罰せられるみたいだからよ』

 

『まだ未遂で終わってるけど、普通は覗きなんてしたら一発停学間違いなしだもんね』

 

「そんなことはとうに俺も皆も分かってる。だがそれでも俺達はこのまま引き下がるワケにはいかないんだよ。なにがなんでも女子風呂を覗いて、俺や雄二、明久を嵌めようとしてる真犯人を見つけだしてやる」

 

『そうかい。ま、お前ならそう考えてるだろうとは思ってたがな』

 

「何言ってやがる。『一度決めたことは最後まで貫き通せ』。それが母さんが俺に教訓としてきたことだろうが。俺はそれに従ってるだけだよ」

 

『ほー、いいねぇ! さすがアタシの息子だな!』

 

『ホント、大悟兄も明久さん達も良い意味で諦めが悪いよねー』

 

「それがFクラスの強みだからな」

 

『あははっ、だよね! じゃなきゃ三日間続けて覗きになんて行けないよ!』

 

『馬鹿と変態は負けず嫌いが多いからな! な、大悟!』

 

『なにせFクラスはそんな人達の巣窟だもんね!』

 

「なんだか遠回しに罵倒されている気がするんだが」

 

『失礼しちゃうな~。折角可愛い可愛い妹が誉めてあげてるんだから素直に喜びなよ~♪』

 

「それで母さん。頼んでおいたアニメの録画はやってくれたか?」

 

「ああ、やっといたよ。アタシに感謝しろよな」

 

「サンキュー」

 

『コルァ! 露骨なシカトはやめろぉ! 天ちゃん傷つくぞー!』

 

「『うるせぇよアホ』」

 

『うわーん! お母さんと大悟兄が辛辣ぅ!!』

 

 電話越しにギャアギャア騒ぐ天。ったく、毎度毎度コイツは面倒臭いな。

 でも声を聞く感じ二人とも特に変わりはないようだ。まぁだからといってなんだって話だが。

 

『………ま、でもアタシは安心したよ』

 

「あ? いきなりなんだよ?」

 

『なんだかんだ言っても、お前も随分と明久達と楽しんでるなって思ってな。そこだけが心配だったんだが……声がいつもより弾んで聞こえるぞ?』

 

「……妙なところに気づくな、母さんは」

 

『馬鹿野郎、何年お前の母親やってると思ってんだ? 息子の変化ぐらいすぐに分かるってんだよ』

 

「まぁ、楽しくないと言えば嘘になるな」

 

『へっ、素直に喜べよ。友達と一つ屋根の下でバカ騒ぎなんて誰だって楽しいもんさ。それによ……そんな思い出を作ることって、今のお前が強く望んでることだろう?』

 

「…………あんまり息子のプライバシーを詮索するのはよせよ、母さん」

 

『おっと、そいつは済まねぇな。ま、母親からの必要なおせっかいとして受け取っておけな』

 

「分かったよ。んじゃ、もうすぐ就寝時間だから切るな。じゃないと鉄人がうるせぇから」

 

『そうか、分かった。あ、じゃあ最後に一つだけ聞かせてくれ』

 

「なんだ?」

 

 

『優子とパコるならちゃんと避妊はしと「おぉーっと小銭が切れたぁぁっ!!」』

 

 

 ガチャッ、ツー…ツー…

 

 

「はぁ…はぁ。台無しだよクソが!! さっきまでのいい雰囲気を返しやがれ!!」

 

 乱暴に受話器を戻し、踵を返して部屋までの廊下を歩く。

 ちょっとでも母さんに対して感動してしまった俺が馬鹿だった! どんだけ息子の貞操観念を弄り倒せば気が済むんだよコンチクショウ!

 帰ったら報復として押し入れにある酒の中身を全部砂糖水に変えてやる! 息子の怒りをとことん思い知るがいいわ!

 

 

 ―――しかし、この時は気づく由も無かった。

 俺は知らぬ間に……とんでもない危険と恐怖に晒されてしまっているということを。

 

 

『はぁっ……はぁっ……大悟、待ってて。必ず……行くから……♡♡♡』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後俺は部屋に戻り、野郎共と修学旅行らしく就寝までの自由時間を使い一時の享楽に勤しんでいた。

 

「くらえ、ウノだ! よし、もう少しで僕が一番最初にあが」

 

「ドロ2だ」

 

「ワシもドロ2じゃ」

 

「…………同じく」

 

「ドロ4、色は青な」

 

「くそぉぉおおっ!!!」

 

 

 UNOをやったり、

 

 

「ほれ、6じゃ」

 

(くっ……俺の手札には6が三枚。場の流れとアイツの今までの動きから察するに、秀吉が嘘をついている可能性はイーブン……ここは賭けで宣言するか……)

 

「大悟。次はお前だぞ」

 

「え? あ、ああそうだったな。じゃあ俺は7だ」

 

(ああしまったぁあ! 雄二に急かされて思わず出しちまってダウトって言いそびれてしまったぁ! 仕方ない、ここはスルーするか)

 

「……………8(スッ)」

 

「9だ」

 

(次は明久か。場にはかなりのカードが溜まってる。さてどうで―――)

 

 

「じゅ、10だよっ!(ソワソワ)」

 

「「「「ダウト」」」」

 

 

(―――考えるまでもなかったな)

 

「そんな!? なんでバレたんだ!? 僕のポーカーフェイスは完璧だったのに!

?」

 

「いや、めちゃくちゃ目泳ぎまくってたじゃねぇかお前」

 

「まったくじゃ。『僕は嘘をついてます』という態度がありありと見てとれたぞい」

 

「それに10は4枚とも俺が持ってるからな。お前が嘘をつくのは確定事項だ」

 

「……………そもそも明久は賭け事に向いていない」

 

「ふ、ふんっ! いいさ! まだ勝負は始まったばか―――って誰も正しい数字を出してないじゃないかぁーっ!!」

 

((((計画通り……))))

 

 

 ダウトをやったり、

 

 

「あっ、雄二貴様! それは僕が狙っていたアイテムボックスだぞ!」

 

「はっ! なに言ってやがる! こんなの早い者勝ちで―――ってうぉおっ!? 後ろから赤甲羅がっ!」

 

「残念だったなバーカ! これで俺が一位だ!」

 

「む、トゲ甲羅を引いたのじゃ」

 

「あっ、秀吉! ちょっと待ってくれ! 今撃つのは早い! なんとか明久を一位にさせるか―――ああなんで撃つんだよチクショウ! 駄目だ間に合わねぇぇええっ!!」

 

「「よっしゃぁぁああ! ざまぁ見やがれぇぇええっ!!」」

 

「……………後ろからキラーが来てるが」

 

「「えっ、ちょ、ま―――ぎゃぁぁあああっ!!!」」

 

「二人が死んだ!?」

 

「この人でなし!」

 

 

 皆で口裏を合わせ内緒で持ってきたゲーム機を使いマリ○カートをしたりしていた。ちなみに後で鉄人にバレて全員没収された。買ったばかりなのに。

 その後も他愛もない雑談なんかをしたりして残りの時間を過ごした。そしたら時の経つのは早いもので、あっという間に就寝時間となった。

 

「ふぁぁ……そんじゃ寝るか」

 

「そうだな。明日の決戦に備えて体力を回復しねぇとな」

 

「流石に今日くらいはぐっすり眠りたいよね」

 

「そうじゃの、一昨年昨日とまともに睡眠時間を取れなかったかなの、今宵は何もおこらぬことを祈るばかりじゃ」

 

「おいおい秀吉、そんなフラグ感満載な台詞はやめてくれよな~頼むよ~」

 

「……………(コクコク)」

 

「よし、それじゃあ電気消すぞ」

 

「うん、じゃあ皆おやすみ」

 

「おう」

 

「おやすみじゃ」

 

「……………おやすみ」

 

「Good night」

 

 カチッ

 

 雄二が部屋の電気を消すと共に猛烈な睡魔に襲われる。

 俺はその本能のままに従い、自分の布団に潜り瞼を下ろす。合宿三日目にしてようやくまともな睡眠にありつけられると思うと、いつもよりすぐに意識が朦朧とする。

 

(今日くらいは……ホントにいい夢見てぇなぁ)

 

 昨日はめるたんから面と向かって『大嫌い』と言われるという最高の悪夢だったからな。そんなのはもう御免被りたい。今度こそはめるたんとのいちゃらぶドリーム、頼みますっ!

 そして直ぐに、俺の意識は暗闇へと誘われていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――数時間後。

 

 ガチャリ

 

 部屋の扉が開かれる。

 それにより、廊下に灯る明光が、扉から近い部屋の前面を微かに照らした。

 

「…………う、ううん…」

 

 丁度その場所に寝ていた俺は少しだけ意識が覚醒する。

 なんだ…誰か来たのか、とは思いつつも特に気に止めず寝返りを打つ。

 

 スタ……スタ……

 

 何者かの足音が聞こえる。

 多分鉄人あたりがちゃんと寝てるかどうか見回りにでも来たんだろう。全くご苦労なこったな。

 

 すると、その足音がピタリと止む。あーはいはい寝てますので大丈夫ですよー。だからそんなに視ないでくれます?

 

 

「はぁっ……はぁっ……♡♡♡」

 

 

 はいはい。そうやって発情した犬みたいに荒々しい吐息をしなくても―――ん? 

 これ―――鉄人じゃ、ない? そう思っていると、

 

 

「大悟……ホント可愛いっ……ふふふふふ……♡♡♡」

 

 

 欲望が滲み出るその声音に、思わず意識が鋭敏化し、ぞくりと鳥肌が立つ。え、ちょっと待って、なにこれ、メチャクチャ怖いんですけど。

 しかし、それは俺の抱いている感情とは裏腹にゆっくりと背後に忍び寄ってくる。

 

「もう……そっちから呼んでおいて寝てるなんていけないわね……なら、勝手にしちゃうから………っ♡♡♡」

 

「っ……!!?」

 

 侵入者は恐怖で固まる俺の布団に潜り込み、その身体を密着させてきた。むにゅっと柔らかい感触が俺の筋肉で固められた背中にじんわりと張り付き、首元には生暖かい吐息がかかる。

 ヤバい、このままではマジでなにかがヤバい(小並感)と直感した俺はどうにか勇気を振り絞り、ガバッと後方を向いた。

 

「誰だ! 夜這いイベントなら生憎間に合って―――っ!?」

 

「あははっ……起きちゃった? アタシよ、大悟……いえ、ダーリン♡♡♡」

 

「ゆ、優子……!?」

 

 ようやく慣れてきた俺の瞳にその正体が浮かび上がる。

 艶のある綺麗な茶髪に小動物のような可愛らしい顔立ち。俺よりも一回り小柄な体躯。そう、俺の相棒の双子の姉にして最狂のヤンデレ―――木下優子だった。

 その瞳はまるで全ての光という光を飲み込んでしまうブラックホールを連想とさせるほどドス黒い。直視してたらこっちまで気が狂いそうになる。

 

「なんで!? お前がここにむぐうっ!?」

 

「あんまり大きな声出しちゃ駄目よ? 他の人が起きちゃうからね……♡♡♡」

 

「む……むぐぐ……?」

 

「それにあんまり騒ぐと……力ずくでその口塞がなきゃいけないかしら……(スッ)♡♡♡」

 

 そう言って優子はどこからか鉈を取り出す。あ、これ大声とか出して逆らったら真っ先にズタズタに全身を斬り刻まれるやつっぽいわ。

 落ち着け、落ち着くんだ俺。取り敢えずまずは状況を冷静に分析しようじゃないか。そう思い、優子の様子を伺う。

 

「え、えっと……優子さん? 一旦離れ―――うおっ!?」

 

「すぅ……すぅ……はぁん♡♡♡ ……はぁ……大悟の匂い……しゅきぃ……♡♡♡」

 

 その瞬間、布団は剥ぎ取られ、気づけば痛みもなく仰向けにされる。あまりにも鮮やかな手際によって。ていうかコイツ…なんで浴衣姿なん? 

 優子はそんな俺の腹にうつ伏せに乗っかり、心底嬉しそうな笑い声と熱い息を漏らし顔を胸に埋めてきた。人肌特有の熱さと柔らかさに加え、女性ならではの甘い香りが俺の肢体を包む。

 

「ふふふふ……ようやく……ようやくアタシの気持ちに応えてくれるのね。でも、わざわざあんなメールじゃなくて直接言ってくれてもよかったのよ……? それとも、今までの態度の手前恥ずかしくて面と向かってじゃ無理だったのかしら? もうっ、そう言うところも可愛いんだから……♡♡♡」

 

「な、何を言って……」

 

「でも安心して……別に怒ってるとかは全く無いから。むしろ大悟がやっとアタシを見てくれる……愛してくれるって分かったんだもの。今までに無いくらい最高の気分よ……♡♡♡」

 

 頬をいつも以上に赤らめ、そう告げる優子。

 コイツは一体何を言っている? 俺が優子を愛するだと? そんな台詞を吐いた覚えなど一度も無いし、携帯だって明久と雄二に壊され―――

 

「あっ」

 

 俺は今になってようやく思い出した。

 恐らくこの現状を作ってしまったであろう原因を。

 

 

 

 

(あのメールの誤解解くのすっかり忘れてたぁぁぁああああ!!!)

 

 

 

 

 俺は激しく後悔する。だが時既に遅し。

 

 

「ハァハァ……♡ 熱い……、身体の底からも、大悟からも熱を感じる……♡♡ これが"愛"っていうものなのね……♡♡♡ 凄いわ……気持ちよくて、ふわふわして、何かがこみ上げて溢れそうになるっ♡♡♡ 駄目……もう、理性が持たないかも……♡♡」

 

 

 すると優子は俺の首に両腕を回し、腰辺りに足をエロい感じに絡ませてきた。浴衣は完全にはだけ、下着のみを着けた上半身が露になる。

 

 さて諸君。突然だがここで俺と一つクイズをしよう。

 これから俺が提示する計算式に対して妥当な答えを出してくれ。それでは早速どうぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 Q.理性が限界値なヤンデレ+誤解を招くメール+夜這い=???

 

 

 

 

 A.大抵バッドエンド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うん、普通だな(泣)。不正解だったヤツは帰って、どうぞ。

 

 ああ神様。俺は一体どこで選択肢をミスってしまったというのでしょうか。

 ってそんな事言ってる場合じゃねえ! とにかくコイツを止めないと! このままじゃ優子によって俺のバラ色二次元生活が粉々に砕けるだけじゃなく、人生そのものがコンティニュー不可のゲームオーバーになること確実だ!

 

「や、やめてくれ優子! それ以上はホントに取り返しのつかないことになる!」

 

「ふふふふふ♡♡♡ 大悟、そんな事言って無理に我慢しないでいいのよ♡♡♡ アタシのことを満足するまで好きにして構わないから……全てをさらけ出して、一緒にびしょびしょになって月の向こうまでイッちゃいましょう♡♡♡」

 

「いや我慢するのはお前のその暴走してる性欲だからな!? ていうかホント勘弁してくれマジで! そもそも俺が愛するのは二次げ」

 

 

 ザクッ!

 

 

 

「愛するのは……なにかしら?(ゴゴゴゴゴゴ)」

 

「軽率な発言をしたことを謝罪します」

 

 あと数ミリずれていたら俺は右手と永遠にお別れしていただろう。

 すると優子は、俺の顔にグイっと自分の顔を近づけてきた。互いの鼻先が触れ、獣のごとき吐息が鼻孔を擽る。

 

「前にも言ったでしょう……? 大悟はアタシのものなの。例え二次元だろうと他の雌なんて視界に入れる必要もないし許さない……そんなことしたら、大悟が腐っちゃうじゃない。だからアタシだけを見てればいいの……それが二人にとって幸せなことなの……そうでしょう? ア・ナ・タ♡♡♡」

 

「ゆ、優子…お前……」

 

「はぁ……はぁ……♡♡♡ だから……アタシももう我慢しないわ。もう他の事なんて知らない。いえ、最早学力強化合宿も覗きの件ももうどうでもいい……この瞬間を迎えられるならアタシは今回のことも水に流すし、どうなったって構わないの……♡♡♡ 幸いたっぷり時間はあるから……ふふふっ、朝までアタシと一緒に、じっくりと愛を確かめ合いましょう……大悟……愛してる♡♡♡」

 

 

 優子の甘美で誘惑的な言葉とは裏腹に、俺は全身が凍りつくような感覚になった。

 普段の明るく社交的で、誰に対してもそつがなく接する八方美人な彼女は消え失せ、代わりに眼前に映るのは同じ姿をしながらもその性質は真逆―――対象者に近づくありとあらゆるものを"害"とみなし、己の欲望と本能のみに従い、理性という抑制装置がぶっ壊れた婬獣だ。やっぱり間○桜じゃないか! いい加減にしろ! あのルートクリアするのに何日かかったと思ってんだ!

 そして、今の状態の優子はヤンデレ界隈でいうところの『末期』。つまり、もう何しても無駄だから諦めとけなのである。そんなの死ぬしかないじゃない!

 

 

「ややややめろ優子! それ以上気を高めるなぁっ! 俺はまだ純粋な童貞でいたいのでひぃぃっ!!?」

 

 

 優子の燃えるような舌が、まるで獲物を貪るような勢いで俺の首筋や顔面を這い回る。それと同時にその小柄な体躯を蠕動運動のように擦り付けてきた。

 

「んれろ……♡♡ あえ……じゅるっ……♡♡ ぷはぁっ、くちゅっ、あえ……♡♡ んはぁっ……♡♡」

 

 ぎゃぁぁああ何この子俺の体舐め回してやがるんだけどぉぉおおっ!!?

 いや、確かに成人向けアニメや漫画、エロゲーなんかじゃ前戯として全身舐め回しプレイはセオリー中のセオリーだよ!? そこでお互いに興奮を高め合わせてからフェ○チオやク○ニに移行するんだけども! ちなみにこの前やったエロゲーも幼馴染みが主人公を体育館倉庫に閉じ込めるという展開と汗だくの体操着姿といやらしいボイスが最高で………ってそんなことは今はどうでもいい!

 ていうか実際に自分がやられると寒気と不快感と恐怖しかねぇ! 

 

 

「はぁ、ああ、ふうっ、ふぅっ、ああああ……♡♡♡ 足りない……これじゃ満足出来ない♡♡♡ もっと大悟との愛を感じたいの……お願い……アタシを壊すくらいにメチャクチャにしてぇ……はむっ♡♡♡ じゅる……ちゅぱっ……♡♡♡」

 

「あばばばばば……!?」

 

 すると今度は俺の指を赤ん坊のようにしゃぶり始めた。舌が絡み付いてくる感触と唾液の温度が直に伝わってくる。

 コイツヤンデレだけじゃねぇ!! スイッチが入ってとんでもない痴女と化してやがるぅぅううっ!! 霧島よりやべぇぇええっ!!

 

 

「わ、分かった。分かったからひとまず―――」

 

 

 ガバッ!

 

 

 

「え?」

 

「ぷはぁっ♡♡ 見、い、つ、け、た♡♡♡」

 

「▲◥♤⚪♭♢◐☆◌┞┰┧┛!!?」

 

 俺のズボンが一気に引き下ろされた。次いでパンツに手がかけられる。アカンこのままじゃ俺のご立派様の封印が解かれてしまわれるぅ!

 ちょっと待って、ねぇこれ冗談抜きでマズいって!! やめるんだ! その先をやったら間違いなくこの小説死ぬから! 消されるからぁ!

 そう思った俺は咄嗟に視線を他に向ける。こうなったら誰かに助けを―――

 

 

 

『……………(ギンギン)!!!!』

 

 

 

 こちらに一眼レフを向けてこちらを窺う同志と目が合った。

 これでもかというくらい血走った眼を見開き、鼻血を出しながらビクビクと痙攣している。恐らく興奮でぶっ倒れそうになるのを全力で堪えているのだろう。流石はエロに対する執念が違うな。

 

(た、頼む同志!! 一世一代のピンチだ! 俺を助けてくれ!! 報酬ならいくらでも出す!)

 

 俺はそうアイコンタクトを送る。と、同志の口が微かに動き、その形で言葉を返してきた。

 

 

 

 

 ―――そ、の、ま、ま、つ、づ、け、ろ

 

 

 

 

 

 我欲>友人の人生

 

 どうやら俺は同志に見捨てられてしまうようだ。誠に遺憾である。

 

 

「あは……んんっ♡♡♡ 下着の上からでもこんなに………固くて……太くて……大きいっ♡♡♡ これが大悟の……じゅるり♡♡♡ くうっ、はぁっ、はぁっ、もう、我慢の限界……♡♡♡」

 

 

 ズルリと、俺の下半身の最終防衛ラインが崩される―――あ、終わった。

 俺は静かに人生の終了を悟る―――その時、

 

 

 

 

 

 

 

 

バチィッ!!

 

 

「あ……がっ!!?」

 

「!?」

 

 

 微かな電撃音が聞こえると共に、突然優子が目を見開き嗚咽を漏らした。

 そのままバタリと力無く俺の胸に倒れ込んでくる。

 

「無事か、大悟よ!」

 

 上から俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。この声は、

 

「ひ、秀吉! 起きてたのか!」

 

「うむ、近くから姉上の喘ぎ声が聞こえたから何事かと思っての。間一髪間に合ったわい……」

 

 秀吉の手にはスタンガンが握られている。どうやらあれで優子を気絶させたようだ。その顔は焦燥に染まっていることから、コイツも俺と同じく状況がヤバいと思っていたのだろう。

 

「た、助かったぜ相棒。危うく社会的に死ぬところだった……」

 

「礼など要らぬ。親友を助けるのは当然のことじゃ。それよりも……いつまで下半身を露出しておるつもりじゃ?」

 

「え――うぉぉっ!? 忘れてた!」

 

 急いでパンツとズボンを履き直し、俺のリトル大悟(♂)を封印する。少しズボンに湿った跡があるのは気のせいだと心に言い聞かせよう。

 あと隣で布団を血に染めて倒れている同志は放っておいていいだろう。

 

「しかし、姉上もとんでもない行動に出たものじゃ……まさか夜這いとはのう」

 

「ああ、しかもコイツ完全に目がイってやがった。間違いなく本気だったろうよ……おお怖い」

 

「姉上の狂信っぷりもここまでくると戦慄が走るわい……」

 

 二人揃ってはぁ、と気苦労の込められたため息を吐く。

 

「とりあえず、優子はこのまま部屋まで連れていこう。ここにいると色々と厄介だ」

 

「うむ、恐らく霧島や工藤と同じ部屋じゃろうから、理由を話せば分かってくれると思うぞい」

 

 ううむ……正直コイツに夜這いをかけられてましたなんて話したくは無いが、この際仕方あるまい。霧島や工藤なら心当たりもあるだろうし、秀吉の言葉通り信じてはくれるだろう。

 

「それじゃ、行くとするか」

 

「そうじゃの。じゃがまずは姉上の浴衣を整えねばな」

 

「そうだな」

 

 

 そして俺はうつ伏せに倒れる優子の方に視線を向けようとする。ったく、コイツは本当に昔から世話の焼けるヤツ

 

 

 

 

ヒュンッ……ザクッ!

 

 

 

 

「あ?」

 

「む?」

 

 突如俺と秀吉の間に走る衝撃。その後すぐに後ろの壁に何かが刺さる音が響いた。

 おそるおそる見ると、それは刃の部分が完全に壁に突き刺さった鉈だった。

 

 

「……………」

 

「「!!?」」

 

 

 ゾクリ……と今までに無いくらいの悪寒が俺と秀吉を襲う。震えが止まらない。

 怨霊のような禍々しいオーラを纏ったその主は、ゆらりと布団から起き上がり―――もう一つの殴殺武器"エスカリボルグ"を取り出した。 

 

 

「…………」

 

「あ、あの優子さん。これはですね、あのそのえっと」

 

「あ、姉上? 違うのじゃ。ワシは相棒の危機に駆けつけただけなのであって決して姉上を痛め付けてやろうとかそういうのは全くないのであって」

 

 

 ドンッ!

 

 

「……………(ニッコリ)」

 

「……………はい(ニッコリ)」

 

「……………うむ(ニッコリ)」

 

 

 

 

 

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!」

 

 

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ……!!!!!!」」

 

 

 

 

―――FINISH HIM,s FATALITY

 

 

 




はい。ええ、皆様のおっしゃりたいことは分かっていますよ。ですから私に向かってコンパスを投げつけるのをやめてください。
あれですよ。これまで優子のヤンデレっぷりがまだ足りないかなーと思いまして、原作でも霧島が夜這いかけてたしなら優子もそうさせようという浅はかな―――すみませんすみませんですから私をアスファルトに埋めようとしないでください。
まぁ、これもヤンデレの一つということでご理解下さい。

感想、意見などありましたらお待ちしています。

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ
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