『今回は俺が特別な問題を用意した。ちなみに誰でも答えられるような簡単なものなので是非とも全員に正解してほしい』
第1問
問 次の単語について簡潔に説明せよ。
『ヤンデレ』
土屋康太の答え
『相手への好意が強く高まり過ぎた結果、病的な精神状態になってしまうこと。もしくはそうした精神状態』
岡崎大悟のコメント
流石は同志。完璧な答えを出してくれて嬉しく思う。
ちなみに補足しておくとこれは『エロトマニア』もしくは『クレランボー症候群』という精神疾患として医学的に証明されている。豆知識として覚えておくといいだろう。
坂本雄二の答え
『霧島翔子』
木下秀吉の答え
『木下優子』
岡崎大悟のコメント
まぁ間違ってはいないな。及第点で点をやろう。だが俺的には優子より霧島の方がヤンデレとしては好みで
木下優子の答え
『何か言い遺す事はあるかしら? 大悟?』
岡崎大悟のコメント
痛くない方でお願いします。
※突然ですが、問題作成者の岡崎大悟さんが行方不明となってしまったので、今回はここまでとさせていただきます。
―――明久視点。
時は過ぎて週末。
雲一つない抜けるような青空。夏特有の気候の暑さ。うん、今日は絶好のプール日和だ。
「おはよー。皆」
「おはようございます明久君。良い天気で良かったですね」
校門前には既に姫路さんと秀吉が立って待っていた。
この二人の水着姿が休みの日に見られるというだけで今日は最高の気分でいられそうだ。
「……………!!(カチャカチャ)」
「……………(カチッカチッ)」
すると、その脇に二つの人影があることに気がついた。あれはムッツリーニと大悟の二、三次元コンビ?
「ムッツリーニ、大悟。おは―――」
「話しかけるな、気が散る」
「……………今、忙しい」
ムッツリーニと大悟は鬼気迫る表情でカメラや撮影機器の手入れをしたり、スケッチ用の道具を準備したりしていた。
多分女子達の水着姿を写真に収めたり二次元風のイラストにしたりするんだろう。相変わらず我欲を満たす為の行動が速い男達だ。
「でもさ、大悟はともかくムッツリーニは無駄になっちゃうんじゃない?」
「……………なぜだ?」
「いや。だってムッツリーニは鼻血で倒れちゃうじゃないか」
清涼祭の時もチャイナドレスで鼻血の海に沈んだんだ。露出の多い水着姿でムッツリーニが意識を保てるはずがない。
「ふっ………明久。お前は相変わらず浅はかだな」
「……………全くだ。甘く見てもらっては困る」
そう肩を竦めるムッツリーニと大悟。
「俺達が二度も同じ過ちを繰り返すと思ったら大間違いだぜ? 見せてやれよ同志」
「……………ああ(コクリ)」
ガサッ
「「輸血の準備は万全(だ)」」
「うん。最初から予防を諦めてるあたりが潔いよね」
どや顔で血液パックを取り出した二人に、僕はただそう言葉をかけることしか出来なかった。
「でもさ、こんな輸血パックなんてどこで手にいれたの?」
「「……………(サッ)」」
質問に対し、二人は顔を背けた。
こういうのって医療関係者しか扱えない物だったと思うんだけど、一体どんなルートで入手したのだろうか。
でもこれで救急車を呼ぶような事態は避けられるだろう。
「準備と言えば、ワシは今日の為に水着を新調してきたぞい」
不意に秀吉がそんな事を口にした。
その心ときめく発言に僕ら三人が目を見開き、期待の眼差しを向ける。
「えぇっ!? どんな水着!?」
「……………!!(ワクワク)」
「さすが相棒だ! 俺達の期待に応えられ―――」
「トランクスタイプじゃ」
「「「男物じゃないかぁぁあああっ!!!」」」
僕らは悲しみのあまり、同時に地面に突っ伏した。
男物!? トランクスタイプ!? どうして秀吉はそんな愚行を犯してしまったんだ!? それじゃあ僕の秀吉の可愛らしい水着姿が拝めるって言う切なる願いも全て水の泡じゃないか!!
「……………見損なった………!!」
「相棒!! お前ともあろう者が………血迷ったのか………!!」
「酷いよ秀吉! 僕らが嫌いになったの!?」
「なぜワシは責められておるのじゃ………?」
畜生! 秀吉だけは僕を裏切らないと信じていたのに!
いや、まだだ! こっちには秀吉の性格を知り尽くした百戦錬磨のオタクこと大悟がいる! なにか策を打ってあるに違いない!
そう思い大悟の方を見てみると、
「同志よ………この世には神様なんていないんだな………」
「……………所詮、神は人間の妄想が造り出した偶像の産物」
血の涙を流してムッツリーニと体育座りで落ち込んでいた。あの状態になっているってことは代えの水着なんかは持ってきていないのだろう。クソォッ! 打つ手なしか!!
こうなったら、僕がなんとか他の水着を調達して―――
「バカなお兄ちゃん、おはようですっ!」
「わわっ!?」
後ろの方から声が聞こえて、急に背中に何かが飛びついてきた。
「あ、あれっ? 葉月ちゃん?」
「えへへー、二週間ぶりですっ」
この天真爛漫な声は、美波の妹の島田葉月ちゃんだ。清涼祭以来だから、確かに二週間ぶりの対面になる。
「この子ったら、着いてくるってきかなくて………」
「あ、美波。おはよう」
少し遅れて美波がやって来た。
なるほど、だから来るのが少し遅かったのか。
「……ねえ、土屋と岡崎はなにがあったの?」
美波が横で負のオーラを漂わせながら落ち込む二人を見てそう僕に訊いてきた。
ワケを話すと、美波は『相変わらずね、あの二人も』と呆れるような視線を二人に対して向ける。
「あれ? お兄ちゃん達、どうしちゃったのですか?」
「うーん、ちょっと今さっき悲しい事があって落ち込んでるんだよね」
そりゃあもう悲しくて仕方がないことが。
「そうなのですか………あっ、じゃあ葉月がお兄ちゃん達を慰めてくるですっ!」
「え? 葉月ちゃんが?」
「はいっ。任せてくださいですっ!」
葉月ちゃんがそう言って二人に駆け寄る。
いやいや、いくら天使の様な葉月ちゃんでもあそこまで落ち込むムッツリーニと生粋の二次元オタクの大悟を励ますのは少し無理じゃないかな。
「エッチなお兄ちゃん! 大悟お兄様! 泣いちゃダメですよ? 笑顔ですっ」
「あぁ? なんだよ。俺を気安くお兄様などと呼ぶ不敬も―――ふぉぉぉおおおおおおっ!!! マイエンジェル葉月ちゅわぁぁあああんっ!!」
「……………? ………!?(ブッシャァァアアアッ)」
葉月ちゃんが二人に抱きついた瞬間、大悟は歓喜の叫びを狂ったようにあげ、ムッツリーニは鼻血を噴水の様に噴き出した。うん、二人ともどうやら元に戻ってくれたようで良かった。
「あれ? 坂本はまだ来てないの? ウチが最後だと思ったのに」
「いえ、もう来ていますよ。今職員室に鍵を借りに行って―――あ、丁度戻ってきたみたいです」
「おう、これで全員揃ったようだな」
「……おはよう」
校舎の方から雄二と霧島さんが歩いてきた。前の宣言通り、本当にちゃんと声をかけていたようだ。
「んじゃ、早速着替えるとするか。そしたらプールサイドに集合だ」
「はーい!」
雄二の言う通り、一旦男女に分かれる。姫路さんと美波と霧島さんが女子更衣室に、僕と雄二とムッツリーニと葉月ちゃんを肩車した大悟が男子更衣室に―――
「―――っておい待てやキモオタ」
「なんだ?」
「君はなにをナチュラルに葉月ちゃんを連れていこうとしてるんだ。それに秀吉もこっちは男子更衣室だよ?」
「え? ダメなのか? 合意の上なんだが」
「雄二。警察呼んで」
「おう、ちょっと待ってろ」
「待て!! 通報はやめるんだ二人とも!」
慌てて僕らをとめにかかる大悟。最近コイツのロリコンぶりにもかなり拍車がかかっている。だから手遅れになる前に僕らの手で社会から根絶するべきだ。葉月ちゃんの為にも。
「えへへ。冗談ですっ」
「ワシは冗談ではないのじゃが………?」
「ほら、遊んでないで行くわよ。葉月、木下」
「お主まで!? 嫌じゃ! ワシ一人女子更衣室に混ざるのは嫌じゃ!」
「………木下。もし雄二の前で脱いだら………」
「どうしてそうなるのじゃ!?」
でも一緒に着替えたりしたら、ムッツリーニが皆の水着姿を見ることなく天に召されちゃうしなぁ………。本人はそれで満足かもしれないけど。
「大丈夫だ秀吉。ほれ」
雄二が向こうを指差してそう言う。
その先には男子更衣室、女子更衣室とあるのだが、更にその先にもう一つの部屋を示す看板があり、そこには―――
『秀吉更衣室』
―――秀吉っていう、性別なんだ………。
――――大悟視点。
「やっぱり女子はまだ着替え終わってないか」
「そうみたいだね」
「……………(コクリ)」
「当然だろう。男と女では水着の難易度に大きな違いがあるからな」
トランクスタイプの水着に着替えた俺達四人はプールサイドで女子を待っていた。特に明久とムッツリーニはその瞬間を今か今かと待ち望んでいるようだ。
暇だ。片手腕立て伏せでもして時間を潰そう。
「ムッツリーニ。心の準備は出来てる? 命に関わるからね?」
「……………問題ない。同志のアドバイスを元に、イメージトレーニングを256パターン済ませてある」
「その結果は?」
「……………そして256パターンの出血を確認した」
「致死率100%じゃないか」
あれは大変だった。俺は同志に頼まれ、様々なジャンル(王道、グロ、アブノーマル問わず全て)のエロゲーをやらせることでありとあらゆる場面に柔軟に対応させるという作戦を計画、実行したのだ。まぁ途中大量出血で死にかけたことが何回かあったがな。はっはっは。
「……それにしてもよ。やっぱり凄い体してるよな、お前」
「あん?」
突然雄二が俺のバルクアップした大胸筋をペタペタと触りながらそう呟く。
「確かに、一体どんなトレーニングをしたらそんな漫画みたいなマッチョ体型になるんだろうね? 血管が浮き出てるじゃないか」
「……………鉄人以上」
続けて明久と同志も言葉をかける。確かに今日の為にいつもより徹底的に絞り込んで来たが、別にそこまでこの身体を不思議がる必要はないと思う。全く何を言っているのやら。
「当たり前だ。三次元とはいえ年頃の女子に身を晒すんだぞ? だらしない体つきなんぞしてたら男としての恥だろうが」
「おお。大悟が久しぶりにマトモな正論を………」
「久しぶりは余計だコラ」
最後の明久の言葉にツッコミを入れる。
ちなみに俺が身体をこうして鍛える理由は至極真っ当なもので、この世界に存在する全てのロリ少女達と二次元の女の子をこの鍛え抜かれた肉体を用いて守る為だ。過酷な格闘技の稽古だろうと、文字通り血の滲むような筋力トレーニングだろうと全てこなしてきた。この鍛え抜かれた鉄板の肉体はその勲章という訳だ。
「二次元とロリはこの世界の宝だからな。それを守るのは俺の使命のようなものよ。分かるだろ?」
「うん。多分世界中探しても、そんな理由で体鍛えてるの大悟だけだと思うよ」
「人間の思い込みもここまで来ると尊敬に値するな」
「おいおい止せよ。照れるじゃないか」
少し言い方に違和感を感じるが、褒められているという解釈でいいだろう。良かったな俺の筋肉達よ。
と思っていると、更衣室の方から人影が駆け寄ってくるのが見えた。
「お兄ちゃんたちー、お待たせですーっ!」
ハッ!? この麗しき美声は我が愛しきマイエンジェルの葉月ちゃんではないか!! さてさて、彼女は一体どんな水着を身に纏っているのかお兄様が直々に確かめてあげ―――んんっっ!?
「あ、葉月ちゃ―――んんっ!?」
ブルンッ←(葉月ちゃんの大きく揺れる胸)
「「「ブゲボファッ!?(ブシャァァアッ)」」」
俺達三人は一斉に鼻血を出して倒れる。
「あ、あれって犯罪じゃね………?」
「………………弁護士を呼んで欲しい」
「そんな馬鹿な……………ロリ巨乳が三次元に存在していたなんてっ………!」
「お前ら………。小学生の水着でそこまで取り乱すな」
雄二のツッコミが入る。
そ、そうだよな。別にロリ巨乳がいたからなんだというのだ。俺にとっては家族よりも見慣れているほど日常茶飯事なものではないか。危ない危ない………どうやら突然の事で冷静さを欠いていたようだ。
さて、改めてマイエンジェルの姿を確認するとするか。どれどれ?
ふむふむ、昔ながらのスクール水着にその小柄な身体には不釣り合いな程の大きなボイン。そして弾けるような葉月ちゃんの笑顔。なるほど―――あっという間に結論が出た。
「マーベラス(ブシャァァアッ)」
「うん。懲役は二年程度で済みそうだね」
「……………実刑はやむを得ない(ボタボタボタ)」
「お前ら冷静なフリしてるだけだろ」
これが冷静でいられる訳がないだろう。ロリ巨乳の魅力を知らないから雄二はそんなことが言えるのだ。
見たまえ。この葉月ちゃんのふくよかかつ美味しそうななおっ―――ん?
「は、葉月ちゃん。そ………」
「こ、こら葉月っ! お姉ちゃんのソレ、勝手に持って行ったらダメでしょ!? 返しなさいっ!」
俺の言葉を遮って更衣室から出てきたのは、胸元を手で隠した島田だった。
そしてその視線の先には―――不自然に膨らんだ葉月ちゃんの腹部がある。ま、まさか………!?
「あぅ。ずれちゃいました」
ゴソゴソと何かをまさぐる。すると中から出てきたのは胸の詰め物………いわゆるパッドだった。
その事実に俺は落胆する。ああ………そりゃそうだよな。よくよく考えれば島田の妹なんだし、そっちの方が不自然だよな。さらば俺の儚い夢。
すると、そのパッドを島田が勢いよく奪い取った。
「イタズラしちゃダメ! これ高かったんだからね!」
「………美波。それっていわゆるヌーブラァァァアアア!!?」
「忘れなさい!! 今見たもの全部記憶から抹消しなさい!!」
「記憶以前に僕のありとあらゆる関節が粉々に抹消されるぅぅううっ!!」
明久に見られ、恥ずかしさからか関節技をかける島田。
その後は颯爽と霧島が雄二の目を突いたり俺が美ボディに鍛え上げた姫路ややっぱり可愛い俺の相棒(女物水着バージョン)が現れたことで場が混沌と化したりしていたが、正直俺にはそんなものどうでもよかった。それよりも―――
「ふぇぇ………大悟お兄様の筋肉、とっても大きいですっ!! 葉月、触ってもいいですか?」
「勿論構わないよ。思う存分触ってくれたまえ。見よ! この美しい逆三角形をっ!」
「ふわぁ………とっても硬いですっ! さすが大悟お兄様! カッコいいですっ!」
「ああ~葉月ちゃんマジ天使なんじゃぁあ~~~もっと褒めちくり~~」
「褒めるですか? 分かったですっ。大悟お兄様は偉いですっ! よしよし~~♪」
「感無量ッッ!!!(ブシャァァアッ)」
―――マイエンジェルとの至福の一時を過ごすことの方が先決なのだから。全く、小学生は最高だぜ!!
――――――明久視点。
「あの、明久君」
軽く準備運動をしてプールに入ろうとすると、姫路さんに声をかけられた。
「ん? なに、姫路さん?」
「明久君は水泳は得意ですか?」
「うん。まぁ人並みには泳げると思うよ。姫路さんは?」
「それが、実は全然泳げないんです」
「あ、そうなの?」
ある意味予想通りだ。姫路さんには悪いけど、上手く泳げる姿があまり想像出来ない。
「ん? 瑞希って水泳苦手なの?」
すると、隣で座っていた美波が僕らの会話に入ってきた。
「はい。水に浮くくらいしか出来なくて………」
「それならウチが教えてあげよっか? 水泳得意だから」
「本当ですか? よろしくお願いします」
得意気に胸を張る美波に対して低姿勢で接する姫路さん。
このやり取りがいつもと逆の立場を見ているようで面白い。いつもはAクラスの姫路さんがFクラスレベルの美波に勉強を教えてあげているのに、今の状況はまるで―――
「―――美波がAで、姫路さんがFみたいだよね」
「寄せて上げればBくらいあるわよきっと!!」
「ぐべぁっ!?」
何!? なんでいきなり殴られたの!?
そう思ってるうちに、僕はそのままプールへと落下し、水中へと沈んだ。
『………雄二。ちなみに私はCクラス』
『何を言ってるんだお前は?』
急いで水面に上がると、離れた場所で雄二と霧島さんが不思議な会話をしていた。ムッツリーニが妙に目を輝かせているのが謎だが。
「バカなお兄ちゃんっ」
「ん? 葉月ちゃん?」
見ると、浮き輪に掴まった葉月ちゃんが僕の所まで泳いで来ていた。
「えへへー。お兄ちゃん、葉月と遊ぶですっ」
「うん。でも葉月ちゃん、大悟と遊んでなかった?」
「それが………一緒に遊んでいたら突然鼻血を出して気を失っちゃったんです………」
そう言う葉月ちゃんの視線の先には、やけに恍惚な表情をして仰向けになって倒れるキモオタの姿があった。
おそらく葉月ちゃんへの興奮度が限界値を超えて理性がショートしてしまったのだろう。まさにロリコンここに極まれりといったところだ。
「葉月。何か悪いことをしちゃったのですか?」
「ううん。葉月のせいじゃないし、全然心配しなくていいよ。どうせすぐに復活するさ」
僕としてはあのまま一生眠っててくれてもいいんだけど。
「それよりも、葉月ちゃんはなにして遊びたい?」
「はいっ。葉月は『水中鬼』がしたいですっ」
水中鬼? 普通の鬼ごっことは違うみたいだけど、水中でやる遊びなのかな?
「どういうルールなの?」
「水中鬼は、鬼になった人がそうでない人を追いかけるです。それで、鬼が他の人を水の中に引きずり込んで溺れさせたら勝ちですっ!」
「鬼だ! それは確かに鬼だ!」
最近の小学生は恐ろしい遊びを考えつくものだ。
「でも葉月ちゃん。その遊びは危ないなら、やっちゃダメだよ」
「あぅ………。ダメですか?」
「ちょっと見ててごらん。霧島さーん!」
水中鬼がどれほど危険かを教えてあげる為、霧島さんを呼ぶ。
「………なに?」
すると、霧島さんはすぐにやって来てくれた。
「雄二と水中鬼っていう遊びをやって欲しいんだ。ルールは簡単で、雄二を水中に引きずり込んで、溺れさせたあとで人工呼吸をしたら霧島さんの勝ち」
「………行ってくる」
小さく頷くと、霧島さんは静かにプールサイドへと上がり、素早い動きで雄二をプールの中に投げ飛ばした。
『な、なんだ!? 一体何がおこ(ガボガボガボ)』
そのまま霧島さんの手で深く沈められていく雄二。
「ね? 危ないでしょ?」
「うぅ………、はいです」
わかってくれて良かった。こうして命の尊さを学んで貰えるのなら、雄二の一人や二人くらい安いもんだ。
「がはっ! てめぇか明久がぼぉっ!?」
「………雄二。しぶとい」
「しょ、翔子! 俺になんの恨みがあって(ガボガボガボ)」
意地でも雄二を溺れさせて人工呼吸がしたいのか、霧島さんは雄二の頭を無理やり水中へと押さえつける。
やれやれ、雄二も往生際が悪いなぁと思っていると、
「あれ? 代表?」
聞いたことのある声がプールに響いた。確かあの子は………、
「………愛子」
「Aクラスの工藤さん? どうしてここに?」
「ボク? ボクは水泳部だから」
そう言う彼女の名は工藤愛子さん。そのボーイッシュで爽やかな雰囲気とは裏腹に自称保健体育の実技が得意という、ムッツリーニとは対照的な性格の女の子だ。
僕らとは先日の強化合宿の時以来の対面となる。へぇ、水泳部だったのか。
「それに、他にも何人か来てるよ。ほら」
「え?」
見てみると、そこには新たに二人の女子の姿があった。
『お姉さまっ! どうしてプールに行くのなら美春に声をかけてくれないのですか!? 美春はこんなにもお姉さまのことを愛していますのに!』
『美春!? どうしてアンタがここにいるのよ!?』
『美春にはお姉さまを害虫から護る為の特別な情報網がありますから!』
一人は美波を追いかけているDクラスの清水美春さん。そしてもう一人は―――
『………さて、言い訳をたっぷりと聞いてあげようかしら? 二人とも』
『『……………(ガクガクガク)』』
―――大悟と秀吉を正座させ、禍々しいオーラを放つ木下優子さんだった。
今回はここまでです。次回でプール編は終わるかと思います。
今回の主な登場人物
明久←姫路のボンキュッボンな水着姿にメチャクチャ興奮した。後々大悟が協力していたことを知り深く感謝する。
雄二←水中鬼の被害者。ギリギリ溺れずに済む。
大悟←葉月ちゃんLove。ちなみに身体つきはオリバと同等レベル。
秀吉←店員には普通のトランクスが欲し(ry
ムッツリーニ←写真に収める前に撃沈。
姫路←明久の視線にまんざらでもない様子。
島田←来年にはきっと大きくなってるはず
霧島←人工呼吸がしたかった。残念。
それではまた次回。感想、意見などありましたらよろしくお願いいたします。
原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?
-
入れろ、絶対に
-
別に入れなくてもいいよ