バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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バカテスト 数学
 
第四問  問 以下の問いに答えなさい。

『(1)4sinX + 3cos3X = 2の方程式を満たし、かつ第一象限に存在するXの値を一つ答えなさい。

(2)sin(A+B)と等しい式を示すのは次のどれか、①~④の中から選びなさい。

①sinA+cosB ②sinA-cosB

③sinAcosB ④sinAcosB + cosAsinB』



姫路瑞希の答え

『(1) X = π / 6』

(2)④        』

教師のコメント

そうですね。角度を『°』ではなく『π』で書いてありますし、完璧です



土屋康太の答え

『(1) X = およそ3』

教師のコメント

およそをつけて誤魔化したい気持ちも分かりますが、これでは解答に近くても点数はあげられません。



岡崎大悟の答え

『(1) X = おそらく3』

教師のコメント

字面を変えればいいというものではありません。


吉井明久の答え

『(2) およそ③』

教師のコメント

先生は今まで沢山の生徒を見てきましたが、選択問題でおよそをつける生徒は君が初めてです。


第四問 クソ雑魚なめくじ

――――――side大悟

 

 

 

《観察処分者》。それは学生生活を営む上で成績が悪く、学習意欲の欠ける問題児に与えられるペナルティを表す名称だ。又の名をーー

 

 

『‥‥‥それって、バカの代名詞じゃなかったっけ?』

 

 

「ち、違うよっ!ちょっとだけお茶目な十六歳につけられる愛称で」

「そうだ。バカの代名詞だ」

「しかも聞いた話だと学園初らしいじゃねえか。流石明久。馬鹿の体現者に相応しい称号だな」

「黙れ大悟!あと肯定するな、バカ雄二!」

 

すると、小首を傾げた姫路が手を上げた。

 

 

「あの、それってどういうものなんですか?」

 

 

そうか、今まで姫路は学年トップクラスの頭脳の持ち主だ。観察処分者なんてもの聞いたことすら無いんだろうな。

 

 

「具体的には教師の雑用係だな。特例として物理的な干渉が可能になっている。それで力仕事といった類いの雑用をさせられるんだ」

「ま、要は教師のパシりってことだ」

「大悟!一言余計だよっ!」

 

 

そう、召喚獣というのは物に触れることは原則不可能。しかし明久の召喚獣だけは別。雄二の言う通り物に触ることが出来る。

それでよく明久は鉄人に雑用をさせられているのをよく見かける。

 

 

「そうなんですか?でも召喚獣って見た目と違って力持ちって聞きましたから、そんな事が出来るならとても便利ですね」

「あはは。そんな大したものじゃないんだよ。」

 

 

手を振って否定する明久。だが姫路の言うことには俺も賛成する。いくら教師の雑用係とはいえ、物理的干渉が可能ということは戦いにおいてはかなり有利となる。物を使った攻撃が可能になるし、壁を破壊して退路を作る事だって出来る。つまり観察処分者という肩書きを持つ明久の召喚獣は戦況によっては重要な役目を補うかも知れない。

 

 

「それに、僕の召喚獣は何故か受けたダメージや疲労の何割かがフィードバックされちゃうんだ。しかも教師の許可が無いと呼び出すことは出来ないからね。だからそんなに僕に対してのメリットは無いんだよ」

「だからこその《観察処分者》だ。生徒はコイツを見てああはならない様にしないとという戒めの役目もあるってこった」

 

 

『おいおい。《観察処分者》ってことは、試召戦争で召喚獣がやられると本人も苦しいってことだろ?』

『だよな。それならおいそれと召喚できない奴が一人いるってことになるよな』

 

 

「気にするな。どうせ、いてもいなくても同じような雑魚だ」

「雄二、そこは僕をフォローする台詞を言うべきところだよね?」

 

 

全く雄二は、それがダチにかける言葉か。仕方ねぇ、俺がフォローしてやるとするか。

 

 

「明久。気にすんな。お前は雑魚なんかじゃねえし、いてもいなくても同じなんかじゃねえ」

「大悟‥‥」

 

 

「お前は正真正銘のクソ雑魚なめくじだ。だからお前は囮として俺達の勝利の為に死ねるという重要な役目を果たせるんだ。誇りに思え」

「大悟、凄い清々しい口調で言ってるけど全くフォローになってないからね!?君は友達を盾にするっていうのか!?なんて最低な奴なんだ君は!」

 

 

声を荒げて俺に文句を言う明久。

 

 

「成る程‥‥それが明久の使い道か。流石だ大悟」

「褒めるな雄二。お互い様だ」

「‥‥‥‥明久は戦いにおいて必要な犠牲」

 

「クソっ!ここに僕の味方はいないのかよっ!?」

 

「兎に角だ。俺達の力の証明として、まずはDクラスを征服してみようと思う」

 

 

そう言って、雄二は教卓を叩いていい放った。

 

 

「皆、この境遇は大いに不満だろう?」

 

 

『おおーーっ!!』

 

 

「ならば全員筆を執れ! 出陣の準備だ!」 

 

 

『俺達に必要なのは卓袱台ではない! Aクラスのシステムデスクだ!』

 

 

『うおおーーっ!!!』

 

 

「我々は最下位だ!!学園の底辺だ!!誰からも見向きもされないこれ以上下の無いクズの集まりだ!!!!」

 

 

『うおおおおーーー!!!』

 

 

「つまりそれは!もう失うものは無いということだ!!なら、ダメ元でやってみようじゃないか! 試験召喚戦争を!!!」

 

 

『うおおおおおおおーーー!!!!』

「お、おー‥‥」

 

 

雄二の力強い言葉に鼓舞され、全員が声を上げて拳を高く掲げる。流石雄二。こんなやる気のない奴等をここまで纏めあげその気にさせるとは、かつて神童と呼ばれた男は伊達じゃないってことか。

 

姫路もそんなクラスに圧されたのか、小さく拳を作り掲げていた。

 

 

「それじゃあ明久。お前にはDクラスへの宣戦布告の使者になってもらう。無事大役を果たしてこい」

「‥‥普通下位勢力の宣戦布告って、大抵酷い目に遭うよね?」

「何言ってやがる明久。んなもん映画やドラマの話だろうが。大事な大使様にそんな失礼な真似をするわけがないだろ?」

 

「‥本当に?」

「勿論だ。俺がお前に今まで嘘をついた事があるか?」

 

 

不安そうにする明久に雄二が力強く激励する。確かに雄二は冗談は言うが嘘は言わない男だ。

 

 

「‥分かったよ。それなら使者は僕がやるよ」

「ああ、頼んだぞ!」

 

 

「明久。いいか。喧嘩でもそうだが自信に溢れてる奴ってのは妙な威圧感があってな、相手は自然と臆するモンだ。だから男らしく胸張って行ってこい!!」

「大悟‥‥ありがとう!僕頑張るよ!」

 

 

そして明久は、クラスメートの歓声と拍手に送り出され、使者らしく毅然とした態度でDクラスに向かって歩き始めた。

そんな明久の背中を見て、俺と雄二はポツリと呟いた。

 

 

 

「「ま、例外もあるけどな」」

 

 

 

「お主等も案外鬼畜じゃのう‥‥‥」

 

 

 

 

 

 

「イィィィィヤアァァァアアアアア!!!!?」

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

「騙されたよぉっ!!」

 

 

数分後、Dクラスからボロボロになった明久が帰ってきた。

 

 

「大悟!雄二!言ってたことが全く違うじゃないか!Dクラスの皆、物凄い勢いで僕に掴みかかってきたんだけど!」

「やはりそうきたか」

「Dクラスも侮れねえな」

「ぶち殺すぞコラ」

 

 

明久はリンチされたのか、顔面に青いアザを作り、制服は破かれたのか袖から先が無い。おまけに顔には油性マジックでバカだのうんこだの落書きをされていた。幾ら下位勢力からの宣戦布告とはいえここまでやるとはな‥‥

ただ俺としてはこの額に肉って書くとかこの口のあたりに『ご自由にお使いください』とか書くとかした方がいいと思う。

 

 

「やはりってことはやっぱり使者への暴行は予想通りだったんじゃないか!」

「当然だ。じゃなきゃ代表なんて務まるわけ無いだろ」

「少しは悪びれろよ!!」

「だったらやり返せばいいじゃねえか?それなら正当防衛だ」

「無理だよ!三十人以上を相手にどうしろっていうんだよ!?」

 

 

三十人?んなもん余裕だろ。不良ならまだしも、相手は喧嘩の素人なんだから。

 

 

「吉井君、大丈夫ですか?」

 

 

明久の有り様を見て姫路が心配そうに駆け寄る。

 

 

「あ、うん。大丈夫だよ。殆どかすり傷だから」

「吉井、本当に大丈夫?」

 

 

すると島田まで吉井のもとに来た。うむ、二人のヒロインに心配される主人公か‥王道ルートだな!

 

 

「平気だよ。心配してくれてありがとう」

「そう、良かった‥‥‥。ウチが殴る余地はまだあるんだ‥‥」

「ああっ!もうダメ!死にそう!」

 

 

急に腕を押さえて転げ回る明久。そのまま一回死ねばおりこうさんに生まれ変われるかもな、と俺は思った。

 

 

「そんなことはどうでもいい。それより今からミーティングを行うぞ」

 

 

他の場所で話し合いをするつもりなのか、雄二は扉を開けて外に出ていった。

 

 

「あの、痛かったら遠慮せず言ってくださいね?」

 

 

そう言って雄二の後を追うようにでていった。

 

 

「大変じゃったの」

「‥‥‥‥(サスサス)」

 

「ムッツリーニ。覗いていた時の畳の跡ならもう消えてるよ?」

「‥‥‥‥!!(ブンブン)」

「いや、今さら否定されても、ムッツリーニがHなのはもう知ってるから」

「‥‥‥‥!!(ブンブン)」

「ここまでバレているのに否定し続けるなんてある意味で凄いよ」

「‥‥‥‥!!(ブンブン)」

 

 

「ーー何色だった?」 

「みずいろ」

 

 

即答か。流石はムッツリーニ。見るところはちゃんと見ているな。

 

 

「ほら吉井。アンタも来るの」

「あー、はいはい」

 

 

ぐいっと吉井の腕を島田が引っ張った。仕方ねえ。俺もぼちぼち行くとするかな、と思い引っ張られていく明久に着いていった。

 

 

「返事は一回!」

「へーい」

「‥‥‥一度吉井には、Das Brechenーーええっと、日本語だと‥‥」

 

 

「‥‥‥調教」 

 

 

「そう。調教の必要がありそうね」

「調教って。せめて教育とか指導って言ってくれない?」

「じゃ、中間とってZüchtigungーー」

「‥‥それは分からない」

 

 

「折檻だろ?」

 

 

「それ悪化してるから。というか何で大悟もムッツリーニもそんな『調教』とか『折檻』っていうドイツ語を知ってるの?」

 

 

「「一般教養」」

 

 

「なんて嫌な教養なんだ」

 

 

ま、俺はただ同人誌作家にドイツ人の知り合いがいてその人に教えてもらっただけだが。

そんな会話をしているうちに、先頭の雄二が屋上の扉を開けて、俺達は太陽の下に出た。

余談だけど、学園もののアニメのオープニングやエンディングでよく主要キャラが屋上で空を見上げるシーンが多いけど実際はそんなこと無かったりするよな。そんな現状は実に甚だしい。

 

そして俺達は屋上の床に腰を下ろす。

 

 

「取り敢えずは、この七人で作戦会議を行うつもりだ。明久、宣戦布告はしてきたな?」

「一応今日の午後に開戦予定と告げてきたけど」

 

 

「それじゃ、先にお昼ご飯ってことね?」

「そうなるな。明久、今日の昼ぐらいはまともな物を食べろよ?」

「そう思うならパンでも奢ってくれると嬉しいんだけど」

 

 

ああ、思い出した。コイツはそんな奴だった。

 

 

「えっ? 吉井君ってお昼食べない人なんですか?」

 

 

姫路が驚いたように明久を見る。ああそうか、姫路は知らないんだったな。コイツが普段どんな食生活を送っているのかを。 

 

 

「いや。一応食べてるよ」

「‥‥‥あれは食べていると言えるのか?」

「何が言いたいのさ」

「いや、お前の主食ってよーー水と塩だろうが」

「失礼な!きちんと砂糖だって食べているさ!」

「あの、吉井君。水と塩と砂糖って、食べるとは言いませんよ‥‥‥」

「舐める、が表現としては正解じゃろうな」

 

 

皆が妙に優しい目で明久を見つめる。

 

 

「ま、飯代まで遊びに使い込むお前が悪いよな」

「し、仕送りが少ないんだよ!」

「‥‥明久。俺はお前の気持ちが分かるぜ。趣味ってのはよ、金がかかるもんだよな」

 

 

明久は今、両親が仕事の都合で海外にいるらしく、独り暮らしをしているのだが、コイツはその仕送りを全て漫画やゲームに費やしている。

俺もかなり趣味(アニメグッズ、同人誌、グッズ製作)に金をかけているため、明久を責めることはしない。けどよ‥人間にとって食は必要最低限の行為なんだからもうちっと考えて金使えよ。

だから明久の家に遊びに行くときは決まって食材を持っていくのが俺の定番となっている。明久は料理は出来るのにな‥宝の持ち腐れだ。

 

 

「でも!僕の食費が少ない原因の一端は大悟とムッツリーニにもあるんだよ!」 

「あぁ?何でだよ」

「‥‥説明を求む」

「毎回ムッツリ商会とダイゴブックスが素晴らしい商品を取り揃えているから僕がついつい買ってしまうんだ!そのせいで僕の秘蔵コレクションが増えてきているんだよ!?」

 

 

なんだそりゃ。追い詰められた犯人の言い訳より酷いぞそれ。

 

 

「‥‥‥言い掛かり」

「‥‥あのなあ明久。別に俺等はお前に買ってくれなんて一言も言った覚えはねえ。悪徳商法やってる訳じゃねえんだから、そっちが希望するものを用意してるだけだ。しかも値段も良心的に抑えてるし、最終的に買うのはそっちの自己判断な筈だぜ?それとも‥‥俺のやり方にケチつけようってのか?」

「‥‥‥業務妨害」

 

「ぐっ!正論過ぎて何も言い返せないっ‥‥!」

 

 

明久が悔しそうにしていると、突然姫路が声をかけてきた。

 

 

「‥‥‥あの、吉井君。良かったら私がお弁当作ってきましょうか?」

 

「ゑ?」

 

 

姫路の優しい心遣いに明久はポカンとなる。ふむ、手作りのお弁当を好きな男子に‥‥やっぱり姫路は二次元におけるヒロインの要素がこれでもかと詰め込まれた貴重な存在だ!

そしてそんな存在から好意をもたれる明久‥‥うん、やっぱり死ねばいいと思う。

 

 

「本当に良いの? 僕、塩と砂糖以外以外の物を食べるなんて久しぶりだよ!」

「はい。明日のお昼で良ければ」

「良かったじゃないか明久。手作り弁当だぞ?」

「うん!」

 

 

喜ぶ明久。だがその横で面白くなさそうな表情をする奴が一人いた。

 

 

「‥‥‥ふーん。瑞希って優しいのね。吉井だけに作ってくるなんて」

 

 

棘のある言葉でそう言った島田の顔は何か不満げだ。

 

 

「あ、いえ!その、皆さんにも‥‥」

「俺達にも?いいのか?」

「はい。嫌じゃなかったら」

 

 

嫌な顔一つせずに承諾する姫路。オイオイ。全員分の弁当って自分の分も合わせたら七人分だぞ?それを朝早くから作ろうってのか?

なんて良い子なんや。明久ごときにはマジで勿体無さすぎるぞ!!

 

 

「それは楽しみじゃのう」

「なら、お言葉に甘えるとすっか」

「‥‥‥‥(コクコク)」

「‥‥‥お手並み拝見ね」

 

 

姫路の手料理か。同じクラスでそこそこ付き合いがあったとはいえ、手料理を作ってくれるなんてことは無かったから楽しみだ。島田は何か腑に落ちない様だったが。

 

 

「姫路さんって優しいね」

「そ、そんな‥‥優しいだなんて」

「今だから言うけど、僕、初めて会う前から君のこと好きーー」

「おい明久。今振られると弁当の話は無くなるぞ」

「ーーにしたいと思ってました」

 

 

 

‥‥‥‥。

 

明久の一言で変な空気が流れる。

  

 

 

「明久。それでは欲望をカミングアウトした、ただの変態じゃぞ」

「‥‥‥それはちょっと引く」

「明久。それは二次元だから許される事だ。現実でやったら大問題だからな?」

「違うよ!別にそんなつもりで言ったんじゃないんだ!これは生きる為の行動で、全て貧乏が悪いんだ!」

「そーかそーか」

「クソッ!その抜けた返事、全然信じてないな、大悟!」

 

 

ーーー

 

 

「さて、話が逸れたな。試召戦争に戻るとしよう」

「雄二。気になっていたのじゃが、どうしてDクラスなんじゃ?段階的にするならEクラスじゃろうし、勝負をかけ?ならAクラスが妥当じゃろう?」

「そう言えば、確かにそうですね」

「どうなんだ、雄二?」 

「まあな。当然考えがあっての事だ」

 

 

雄二が説明を始める。

 

 

「色々理由はあるが、Eクラスを責めない理由は簡単だ。戦うまでもない相手だからだ」

「あ?だが俺達よりはクラスが上だろう?」

「ま、振り分け試験の時点では確かにそうかもしれないな。けど、実際のところは違う。周りの面子をよく見てみろ。」

 

「えーっと‥‥美少女二人と馬鹿が二人とムッツリが一人とオタクが一人いるね」

「誰がオタクだこの野郎!」

「えぇ!?雄二が何で反応するの!?どう考えたって大悟の事じゃないか!」

 

 

なんて事を言うんだこいつは。俺はオタクじゃなく二次元を愛する普通の男子高校生だというのに。解せない。

 

 

「ま、要するにだ。内には幸運にも姫路という最大戦力がいる。姫路に問題の無い今、正面からやりあってもEクラスには勝てる。Aクラスが目標である以上はEクラスなんかと戦っても意味が無いということだ」

「わざわざ分かりきってる勝負を敢えて避けることで、無駄な労力を使わなくて済むって事か。」

「? それならDクラスとは正面からぶつかると厳しいの?」

「ああ。確実に勝てるとは言えない。そこで姫路の出番という事だ。」

 

 

ふむ‥‥姫路をどう使うことでDクラスへの切り札とするか‥‥‥確かにクラス替えをしてまだ一日目だ。クラスの情報なんて出回ってる可能性は限りなく低いし、あの姫路がFクラスなんてのは誰も思わないだろう。

馬鹿ばかりと油断しきっている所に姫路をぶつけて確実に仕留める‥‥それは分かった。

 

 

「‥‥だが雄二。確かに姫路を最後の砦として起用するのは分かったが、確か召喚獣の点数ってのは最後に受けたテストの点数がそのまま召喚獣の強さになるんだろ?」

 

 

俺の言葉に雄二以外の奴等があっ、とした表情になる。

 

 

「そう言えば、姫路さんの点数って‥‥」

「はい。私は試験を途中退席してしまって0点なんです‥‥」

 

 

そう、俺達が最後に受けたのはクラス分けの振り分け試験。姫路はその途中高熱を出して退席してしまった為、無得点扱いになってしまっているのだ。

 

 

「大丈夫だ。試召戦争にはテストを受け直して点数を補充できる回復試験というルールがあるからな。これなら姫路も戦争に参加できる様になる」

「成る程な。それなら問題はねえか」

「でも雄二、だったら最初から目標のAクラスに挑もうよ」

「初陣だからな。派手にやって今後の景気づけにしたいだろ? それに、さっき言いかけた打倒Aクラスの作戦に必要なプロセスだしな」

 

 

言いかけた?そういやさっき教室を出ていったが雄二の奴、明久と何か話し合ってたのか?

 

 

「俺達なら勝てる。いいか、お前ら。ウチのクラスはーーーー最強だ」

 

 

雄二の言葉には、根拠が無いにも関わらず、何故かその気にさせる力があった。

何か‥‥いける気がする!

 

 

「いいわね。面白そうじゃない!」

「そうじゃな。Aクラスの連中を引きずり落としてやるかの」

「Fクラスの喧嘩の華、派手に咲かしてやろうじゃねえか!」

「‥‥‥‥(コクッ)」

「が、頑張りますっ」

 

 

打倒Aクラスという荒唐無稽に等しい目標。だが人生というのは何が起こるか分からない。俺が文月に編入出来たように、この世には不可能に近いことはあっても不可能なんざありはしない。

今ここに、俺達の戦いが幕を開けたのだった。

 

 

「そうか。それじゃあ今から作戦を説明するぞ」

 

 

 

 




最後まで読んでくれてありがとうございます!


次回から対Dクラス戦です。

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ
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