バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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バカテスト 英語

以下の英文の(  )内に単語を入れて正しい文章を作り、訳しなさい。
『She(  )a bus』


姫路瑞希の答え
『She(took)a bus』

教師のコメント
正解です。他に“bus”に使われる単語としては“get”などがありますね。


吉井明久の答え
『She( is )a bus
 訳:彼女はバスに乗りました』

教師のコメント
なんて訳すのでしょうか。一見文章として正しく見えそうですが、明らかに間違いです。日本語として訳せないような文章を書くようではまだまだ―――


土屋康太の答え
『訳:彼女はブスです』

岡崎大悟の答え
『訳:彼女はブスです』

教師のコメント
目から鱗が落ちました。





第六十一問 第二次Dクラス戦 ~終結~

―――side明久

 

 

Dクラス  清水美春   112点

 世界史   VS     

Fクラス  吉井明久   41点

 

 

「どうしてお前のような下郎がお姉さまの傍にいるのです! どうして気持ちを弄ぶ下衆がお姉さまと言葉を交わしているのです!」

「ぐっ……!」

 

 駄々っ子のように振り回される清水さんの召喚獣の剣。

 その一撃一撃全てが、僕の腕を痺れさせるほどに重かった。

 

「どうして、お姉さまを利用する為に平然と嘘をつく外道が友人面をして近くにいられるのです!」

 

 清水さんの言うことは、何も間違っていない。

 美波が泣く羽目になったのも。

 僕らが美波を利用していたのも。

 そして……故意じゃないとはいえ、僕が美波を傷つけてしまったことも、全て事実だ。今更それらを訂正するつもりもない。

 でも、

 

「……確かに、僕は君の言う通り、人間として酷い男なのかもしれない……何を言ったところで薄っぺらい妄言に聞こえるかもしれない……けど!」

 

 でも、それでも僕は……!

 

「たった一度だって僕は……嘘なんてついて……いない……!」

 

 ガッ!

 

「なっ!?」

 

 相手の剣を木刀で受け止める音が響く。

 そして、僕の召喚獣は鈍い音を立てながらも、木刀で相手の剣を弾いた。 

 

「僕みたいなバカにだって、言っていい嘘と悪い嘘くらいわかる!! 昨日のあれは、紛れもない僕の本心だ!!」

 

 そもそも僕は……あんな場面で嘘をつけるほど器用な人間じゃない!

 

「っ!! まだそんな戯れ言を……!!」

「戯れ言……そうだろうね。君にはそう聞こえても仕方ない。けど、例え君が何を言おうと、僕をどれだけ罵り、貶し、否定しようとも、僕の美波に対するこの気持ちは……絶対に揺るがない!」

 

 剣を真正面から受けたせいで木刀が折れかかっている。

 おおよそ三倍近い点数差がある相手と押し合ったせいでかなり消耗している。こんな状態で勝ち目なんてあるわけない。

 

「と、とことん美春の癪に障るブタ野郎ですね……貴方は!!」

「けど、負けるもんか……!!」

 

 

 

 

 

 

「「試獣召喚(サモン)!!」」

 

 

 

 

 

「「えっ?」」

 

 

 不意に屋上に響く召喚の声。

 目をやると、そこには―――

 

 

Fクラス  岡崎大悟   630点

 世界史   &

      姫路瑞希   338点

 

 

 それぞれの召喚獣を携えた大悟と姫路さん。そしてその二人を従えた雄二の姿があった。

 一気に混戦状態の廊下を抜けてここまで来たのだろうか。

 

「よぉ、楽しそうだな。俺達も混ぜてくれよ」

 

 そう言って不適な笑みを浮かべる大悟。

 その横では姫路さんがゆっくりと前に出てきていた。

 

「岡崎先生……!? どうしてここに、まさか……伏兵……!?」

 

 清水さんが驚愕した表情で大悟を見つめている。伏兵ってことは、まさか―――一騎討ちに来た清水さんを二人がかりで潰そうとしているのか!? そんなのあまりに卑怯すぎるじゃないか……!

 

「雄二! 大悟! いくら大事な勝負だからって、そんなやり方は間違ってるよ! それに姫路さんまで連れてくるなんて……!」

 

 僕がそう訴える。しかし、

 

 

「悪いが、これは勝負じゃなくて戦争なんだ。俺にはクラスを守る義務がある」

「卑怯? 間違ってる? それがどうした。勝ったヤツが正義、負けたヤツは悪……それが戦争ってもんだろ。あんまり甘ぇこといってんじゃねぇぞ、明久」

「ということですので……ごめんなさいっ! 手加減は一切しませんからっ!」

 

 

 そんな血も涙も無いような言葉が三人から返される。

 すると、大悟と姫路さんの召喚獣は僕と清水さんを取り囲むように間合いを取った。学年トップクラスの成績を誇る姫路さん。社会科目においてだけなら右に出るものはいない程の点数を持つ大悟。そんな二人に清水さん一人が敵う訳がない。

 

 

「行くぞ、姫路!」

「はいっ!」

 

 

 指示を受けた二人の召喚獣は、それぞれの武器である金棒と大剣を持ち直し、構えた。

 

「や、やめるんだ姫路さん! 大悟―――」

「やれ」

 

 僕の制止が入る間もなく、大悟と姫路さんの召喚獣が一気に仕掛ける。

 そして、金棒と大剣による最大級の威力を持つであろう攻撃が、巨大な衝撃と共に激突した。

 

 

ズガァンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――僕の召喚獣に。

 

 

「……………え?」

 

 頭が一瞬思考を放棄する。

 そして、段々と状況を理解し始めた時、僕の全身に強大な何かが迸るのを感じた。

 

 

「いっっったぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああっっっ!!!!!!?」

 

 

 意識が混濁するほどの激痛……いや、最早“痛み”という概念を遥かに超越したような感覚が全身を暴れ回る。

 それに耐えきれず、思わず地面に倒れてのたうち回る僕。

 

「このままいくぞ姫路! 俺に合わせろ!!」

「分かりました! 息を合わせましょうっ!」

 

 すると、再び大悟と姫路さんの召喚獣が構えた。

 え、ちょっと待っ―――

 

 

「おりゃぁぁぁあああああああああ!!!」

「やぁぁぁああああああああああ!!!」

 

 

 ズバグシャバキザシュドゴブシャゴトシュビボゴッ!!!

 

 

「ぁぁぁああああああぁぁぁああああああ!!!? なんでぇぇええええ!?」

 

 

 互いの得物が僕の召喚獣を前後ろからサンドバッグのように連続で殴り付け、斬りつける。僕の召喚獣は一方的にボコボコに打ちのめされていった。

 当然、僕にもその衝撃や痛覚がフィードバックで来る為、その想像を絶する苦痛を否応なしに味わなければならない。

 な、なんで……特に姫路さん……! どうしてこんな事を……!?

 

 

「こ、これも私と明久君の距離を近づける為なんです……鈍感なラブコメ主人公は正ヒロインに一度は酷くボコられる物だって岡崎君が言っていたんです……! 大丈夫……きっとうまくいきます……っ!」

 

 

 姫路さんがボソボソ何か言っているようだが、痛覚によって僕の聴覚は殆ど機能していないようで、全然聞き取れなかった。

 だが少なくとも、絶対に他人を傷つけるような真似をしない優しい姫路さんが自らこんな行動をするとは到底考えられない。ということは……あのバカ共に何か吹き込まれたかぁっ!

 

「これでトドメだ! 力込めろよぉ姫路ぃっ!」

「はいっ!! 岡崎君っ!」

「ま、待って姫路さん! 駄目だよ! 君は騙されてる! そんなキモオタの虚言に惑わされな―――」

 

 必死になって命乞いで言葉を放つ僕。

 しかしながら僕の切なる願いは届かず、二人は全力で攻撃を叩き込んできた。

 

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁああああああぁぁぁああああああっっっ!!!」」

 

 

 グシャァ……

 

 

 僕の召喚獣の頭部は金棒によって潰され、胴体は姫路さんの大剣によって貫かれていた。

 

「な、なし……て……? 僕が、一体……何をした……と……?」

 

 無惨な姿に変わり果てた自らの召喚獣の隣で、僕は痛みで意識を失いかけていた。

 そんな様子をずっと静かに見ていた雄二が口を開く。

 

「清水。この通り全ての元凶は粛清した。これで今回の件を水に流しては貰えないだろうか」

「……そうですね。まだまだ美春の怒りは収まりませんが……先生と姫路さんがそこまでしてくれたのです」

 

 彼女は大きな溜息をついて、

 

「この豚野郎を放課後まで補習室に軟禁すると言うのなら休戦を受け入れましょう」

「約束しよう。明久はこれで戦死したから補習室行きだ。あとは放課後になるまでそれぞれの教室で点数補充でもやって時間を過ごせばいい。その間コイツはずっと鉄人の餌だ」

 

 な、なんという外道な取引なんだ……!

 この痛みの上に、更に鉄人の地獄のフルコースを放課後まで受けていろって言うのか!?

 

「……まぁ、もしあの言葉が嘘だったとしたら、この程度では許しませんでしたが、今回はこの辺で勘弁してあげましょう」

 

 その発言と共に、落合先生の召喚フィールドが消えた。

 

「よし! それじゃ交渉も成立したし教室に戻るか。お前ら! 引き上げるぞ!」

「うーい! あーやっと終わった」

「そ、それじゃあ明久君。また後でっ」

「補習室で自分の過ちを反省し、たっぷり懺悔することですね」

 

 屋上からぞろぞろと四人が去っていった。痛みに悶え苦しむ僕を置いて。

 

「ま、まさか姫路さんにまでやられるなんて……最悪だ……」

 

 そう呟き、全身の突っ張るような痛みに耐えながら身を起こすと、

 

 

 PON

 

「ん?」

 

 

 突然僕の肩に手が置かれる感触がした。

 その掌の大きさと強さに嫌な予感がしつつもゆっくりと振り向く。そこには―――

 

 

 

「ウェルカム」

 

 

 

 嫌な笑みを浮かべた鉄人の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――放課後

 

―――side大悟

 

 

「このクソ大悟! よくもあんなにボコボコにしてくれたな! しかも優しい姫路さんにまでバカな事吹き込みやがって! 今度という今度は許さない!!」

「うるせぇクソ明久! もとはと言えばテメェが撒いた種だろうが! むしろあの程度で済ませてやっただけありがたく思いやがれバーカ!」

「なんだとキモオタコラ!」

「文句あんのか観察処分者コラ!」

 

 

 補習室からボロボロになって帰ってきた明久がいきなり俺に掴みかかってきた。

 どうやら俺と姫路にメタクソに叩きのめされたことを相当根に持っているようだ。

 

「まぁまぁ落ち着くのじゃ二人とも」

 

 俺と明久の間に入り喧嘩を仲裁する秀吉。

 それにより明久も少し冷静になったのか、俺の胸ぐらから手を離した。ああもうやめなさいよ。せっかくのお気に入りTシャツにシワがつくでしょうが。

 

「……仕方ない。大悟とは後で決着をつけるとして……」

 

 上等だコラ。

 

「四人とも、まだ帰ってなかったんだね?」

 

 現在は授業時刻も全て終わり放課後。

 勿論Fクラスの野郎共はとっとと帰ってしまい、教室に残っているのはいつもの五人しかいない。

 

「ああ。ちょっと気になることがあったからな」

「気になること?」

「うむ。何でも、ムッツリーニが面白いものを聞かせてくれるらしいのじゃ」

「同志が面白いっていうくらいだからな。期待が膨らむんじゃないか?」

 

 隣では秀吉も雄二同様満面の笑みを浮かべていた。凄く楽しそうにしてやがる。

 俺もまだ詳しい内容は知らないが、概要だけ聞くとメチャクチャ中身が気になることだけは間違いないだろう。

 

「……………明久も聞いていくといい」

 

 そう言って同志は卓袱台の上に小型の録音機を置いた。

 

「面白いものねぇ……。なんだろ?」

「まだムッツリーニも詳しく中身を聞いてはいないようだが、面白いことは間違いないらしい」

「……………保証する」

「(0゚・∀・)wktk」

 

 自信満々に頷く同志。

 じれったいなぁ、早く聞かせてくれよなぁ~頼むよ~。

 

「ねぇ、ところで中身はなにかな?」

「ああ。ムッツリーニ曰く、とある男女の会話らしいぞ」

「男女の会話……?」

「ワシらが気になっていた一件の顚末がよくわかる会話じゃ」

 

 そしてニコニコと笑顔で明久を見た俺達四人。

 それを見て、ようやく明久も俺達が何か企んでいるのではないかと思ったようで、少しだけ表情が固くなった。

 そんな中、同志がレコーダーのスイッチを入れて中身を再生した。

 

 

Pi

 

 

『この話し合いに何の目的があったのかは知りませんが、美春はもう貴方を恋敵として認めるようなことはありません。お姉さまの魅力に気づかず、同性として扱うだけの豚野郎に嫉妬するなんて時間の無駄ですから。……お姉さまの魅力がわかるのは美春だけです』

 

 

 レコーダーからは聞き慣れた女子生徒の声が聞こえてくる。これは……、

 

「あれ? この声って……」

「Dクラスの清水の声じゃな」

 

 

『……なんです? 美春に何か言いたいことでもあるんですか?』

 

 

 清水の声が続く。

 うーむ、声色から察するにご機嫌ななめの様だな。まぁ、状況が状況だったから仕方はないのか。そのまま静かに聞いていると、突然明久が狼狽え始めた。

 

「って、ちょ、ちょっと待って! この会話ってまさか!」

「ご名答。これは、お前と清水が昨日の放課後に何を話していたのか、その一部始終を録音したものだ」

「いやぁぁああーーっ!」

 

 

『うん。一つだけ。清水さんの誤解を解いておきたいんだ』

『誤解? 何がです? お姉さまと付き合っているというのが演技だという話なら既に知っていますけど?』

『いや、そうじゃなくて……その……美波の魅力を知っているのはキミだけじゃないってコト』

 

 

 お、ここで明久選手! 負けじと清水選手に言い返したー!

 

「ちょちょちょちょっと! なんて物を再生してくれてるのさ! 冗談じゃない! 早く止め―――」

「大悟、秀吉」

「ほいよー」

「了解じゃ」

「むぐっ!? んむーーっ!!」

 

 俺は明久を羽交い締めにして動きを封じ、秀吉が明久の口を手で塞いだ。

 よし、これで邪魔が入らず静かに明久の言葉が聞けるな。おらわくわくすっぞぉ!

 

 

『何を言ってるんですかっ! いつもお願いに悪口ばかり言って、女の子として大切に扱おうともしないで!』

『うん。それは清水さんの言う通りかもしれない』

『だったら、お姉さまの魅力の何を知っていると言うんです!』

『確かにお姫様みたいに扱っているわけじゃない。男友達に接するみたいに雑な態度になっているかもしれない。けどね―――』

『けど、なんですか?』

 

 

 明久がこれ以上はヤバいと思ったのか、より一層激しく暴れる。

 だが残念だったな。貴様ごときのパワーでこの俺の自慢の逆三角形から逃れられると思うなよ。

 そして、レコーダーからは―――

 

 

 

 

 

『―――けど、僕にとって美波は、ありのままの自分で話ができて、一緒に遊んでいると楽しくて、たまに見せるちょっとした仕草が可愛い、とても魅力的な―――女の子だよ』

 

 

 

 

 

「「「「……………」」」」

 

 まさかの混じりっ気なしのド直球ヒロイン堕とし宣言。

 いつもの明久からは考えられない程の男らしさ溢れる言葉に、俺を含めた四人全員が驚いた顔をして明久を見つめていた。笑ってやろうと思ったのに、その気持ちは一瞬にして消え去ってしまった。

 当の本人は恥ずかしさのあまり頭から湯気が出ている。

 

「な、なんていうかアレだな。反応に困るな……」

「……あ、ああ。意外だった……」

「う、うむ……。もう少し婉曲に言ったものとばかり思っていたが……」

「……………直球勝負」

 

 明久を放すと、コイツはその場にドタッと膝をついて崩れた。

 

「き、聞かれた……。よりにもよってこの四人に……」

 

 相当キている様だな。

 

「明久。お前、意外と言う時は言うんだな」

「な、なぜかワシも鼓動が速くなって凄いのじゃが……」

「……………男らしい」

「さすが明久。ラブコメ主人公としての能力がカンストしてやがるな」

「忘れろっ! お前ら全員、さっきまでの記憶を一つ残らず消し去れぇぇええっ!!」

 

 そう言って明久がやけくそ気味に拳を振り上げてきた。俺がそれをいなす構えを取ろうとすると、突然同志が何かの気配を感じ取ったらしく、廊下に飛び出していった。

 

「ん? 急になんだってんだ同志よ」

「……………油断した」

 

 戻ってきた同志は苦々しくそう呟く。

 話を聞くと、どうやら先程までの音声を誰かに聞かれてしまったようだ。わーお、なんて良くも悪くもナイスなタイミングだろうか。

 それを聞いた明久は咄嗟に同志に詰め寄った。

 

「ムッツリーニ! 相手は誰!?」

「……………多分、張本人」

「「「え」」」

 

 張本人と聞いて、明久はホッとした表情を見せる。

 おそらく清水あたりだと勘違いしているのだろう。だが俺と雄二と秀吉は分かってしまった。それは清水じゃない。ヤツがもうここにくる理由などないし、仮に聞いていたとしたら何かしらの行動を起こすだろう。ただ聞いてその場から逃げ去るなんて清水らしくない。

 つまり、同志のいう『張本人』とは………

 

 

「………ああ、す、すまねぇな明久。まさか聞かれているとは思ってなくてよ……悪戯が過ぎたぜ」

「すまん明久。まさかこれほどの物とは思わなかった」

「すまぬ明久」

「……………ごめん」

「え? どうして皆が頭を下げて謝ってるの?」

 

 

 まさか()()()がまだ学校に残っていたなんてな……全く気がつかなかった。

 

「まぁ、別にいいよ。張本人が相手なら。それより、悪いと思うんなら美波との仲直りに協力してよ。アレ以来ずっと険悪なままなんだから」

「いや、それは多分大丈夫じゃろうな」

「そうだな。仲直りどころか……」

「……………うん」

「よかったな明久。またハーレムに逆戻りだ」

「へ?」

 

 明久は分かっていない。だがそれでもいい。

 コイツが分かっていなくても、向こうは明久の本心を知ることができた。それだけで、()()の心にポッカリと空いた穴は塞がった。ならそれでいいじゃないか。ヒロインというのは一度や二度の傷を受けてようやく一人前なのだ。それは二次元も三次元も変わらない。

 まぁつまり……何が言いたいかというと……、

 

 

「姫路。お前の恋敵(ライバル)は一皮剥けたぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――とある場所

 

 

「んむーーっ! んぐーーっ!!」←(猿轡&ロープで縛られた根本)

 

「いやはや~、今回もまぁやってくれたもんだねぇ? 根本クン?」

「さて、この野郎には邪魔をしてくれたお礼をたっぷりしてやらないとな」

「……お義母さんや岡崎の妹さんを利用するなんて……許せない」

「そうね。アタシも前々からコイツは気にくわなかったし、遠慮も要らないわよね」

 

 根本を取り囲むように立つ俺、雄二、霧島、優子の四人。

 目的は勿論、このクズ野郎の抹殺だ。

 

「んぐ……! むぐぅーーーっ!!」

 

 激しく抵抗する根本だが、猿轡のせいで言葉が出ていない。

 さぁ、早速始めようか。

 

「さて、お前にはこれから前回よりも更にレベルアップした仕置きを受けてもらうんだが……今回それを担当するのは残念ながら俺達じゃない」

「……!?」

「ああ。丁度お前に会いたいという人達がいてな。話をしたら喜んで引き受けてくれたよ」

「……既に待たせてある」

「てことで、早速呼ぶわね。どうぞー!」

 

 

ガチャリ

 

 

「あ~~ら♡♡ ようやく出番かしらぁ♡♡ もう待ちくたびれちゃったわぁぁん♡♡」

「私もうムラムラして我慢の限界なのよぉ~~♡♡」

「それで大悟ちゃん? 例の恭二ちゃんはどこにいるのかしらぁぁん♡♡」

 

 

 扉を開けて現れたのは、俺と同志による共同作品である根本の女装写真集のファン達だ。ちなみに全員心は女性(♂)の筋骨隆々マッチョマンである。

 

「……」

 

 一気に顔が青ざめた根本。どうやらこれから何をされるのか察したようだ。

 

「大悟ちゃん。あの子、本当に好きにしちゃっていいのかしら?」

「遠慮なく骨の髄までタベちゃうわよ、私達?」

「いいですよ。これは悪いことをしたアイツへの仕置きなんで、手加減せずにバンバンやっちまって下さい」

「ありがとう大悟ちゃん。それじゃ、これは約束のお礼よ。少ないけど、皆で美味しい物でも食べてくるといいわ」

「毎度ありー」

 

 ファンの一人から報酬金を受け取った。あとは彼ら……いや、彼女らに任せるとしよう。

 

「よーし、帰ろうぜ野郎共ー」

「「「はーい」」」

 

 そのまま根本とファン達を残して俺達は立ち去る。

 後ろで何かギャアギャアわめいているようだが、そんなにファンとの交流が楽しみなのか? 喜んでくれているようで良かった良かった。

 

 

 

「「「それじゃあ……楽しいコトをしましょうね恭二ちゃぁぁぁああん♡♡♡♡♡」」」

 

「ーーーーーーーーーーーっ!!!!」

 

 

 

 その後、根本恭二を見た者は誰もいないという……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――学園長室

 

 

「失礼します、学園長」

「おや、来たね高橋先生。それで、例の企画はどこまで進んでいるんだい?」

「はい。既に如月ハイランドパーク及びテレビ局との打ち合わせ。参加者である生徒への支給品の準備。そして……()()の開発も完了しています。あと一日程あれば始められるでしょう」

「ご苦労。それじゃあ引き続きよろしく頼むよ」

「わかりました」

 

 ガチャッ

 

「さて……いよいよ開幕さ。あのバカ共の存在とその有り余る行動力……大いに有効活用させて貰おうかね」

 

 

『文月学園×如月グループコラボ企画 ~~逃走中~~ 』

 

 

 




これにて原作四巻のストーリーは終了です! 
次回からはアンケートで一位になったオリジナルストーリーになります! お楽しみに!


今回の登場人物
明久←かなり酷くボコられたが問題は解決。
大悟←明久をボコった。ハーレム系主人公はヒロインを誑かすので一回ボコりたかったからちょっとスッキリ。
姫路←盛大に勘違い。明久をボコった第二号。島田に負けず劣らずの暴力系ヒロインの素質あり。
島田←お姉ちゃんね……もう、どうしようもないくらい人を好きになっちゃったかも……。
清水←まぁまぁスッキリした。
雄二&秀吉&ムッツリーニ←明久の本心を知りちょっと見直した。
根本←知らん。


感想、意見などありましたらよろしくお願いいたします。

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ
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