バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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今回のストーリーは本家同様全話通してナレーション視点で物語を進めていきます。ご了承ください。


幕間 俺とハンターと地獄の鬼ごっこ 弐

『どうやら、第一ステージは無事全員がクリアしたようですね』

『ふん、当然さ。そうでなきゃアイツらを選んだ意味が無い。それにさっきの第一ステージはあくまでも小手調べ……あの程度で躓くようじゃ、全てがレベルアップした第二ステージを生き残るなんてのは夢のまた夢ってもんだからね。それよりも、準備の方はどうだい?』

『はい。全て滞りなく完了しております。後は逃走者の到着を待つのみです』

『そうかい。なら、アタシも本格的に動こうじゃないか―――さぁジャリ共、覚悟しな。ここから先が、本当の戦いさね』

『では、私もそろそろ』

『ああ、よろしく頼んだよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――第二ステージ開始前。

 移動した新エリア、如月ハイランドパークのスタート地点では、第一関門を突破した十二人の逃走者が集められていた。

 

「ははっ! 次の舞台はここか。確かに逃走中を行うにゃうってつけの場所だな」

「如月ハイランドパークを丸々なんて、さっきとは打って変わって壮大なスケールだね」

「……………向こうの本気度が伺える」

「よっぽどこの企画を盛り上げたいんじゃろうな。じゃが悪くないの。自然とワシも胸―――心が踊るわい」

「おう。正直あのババァの思い通りになるのは非常に気に入らんが、全ては賞金百万円の為だ。ここまできたら最後まで逃げ切ってやろうじゃねぇか」

 

 それぞれやる気に満ちている逃走者達。

 だが、一時の休息はここまでだ。何故ならこの後彼らは再び、この悪夢のゲームに囚われてしまうのだから。 

 その事実を告げるように、どこからか放送が聞こえる。

 

 

《逃走者諸君。第一ステージ突破おめでとう。そしてこれより、第二ステージを開始したいと思う。そしてその舞台となるのはここ、如月ハイランドパークだ》

 

 

 多くの客で賑わう遊園地、如月ハイランドパーク。

 老若男女全ての人が楽しめるレジャーランドとして人気を博し、マスコットキャラクターのフィー、ノイン、アインちゃんを筆頭とした多くのキャラクターがゲストを盛り上げる。

 

 

「ね、ねぇ。あれって、さっきもあったハンターボックスよね?」

「はい……それも四つも……まさかいきなりあれが放出されるんですか?」

 

 彼女らのいう通り、逃走者の前には、四体のハンターが閉じ込められたハンターボックスがある。だが何もそのまま放出されるわけではない。

 ―――そして彼らはこれから、恐怖のオープニングゲームに挑む事となる。

 

 

《それではこれより、オープニングゲームを始める。全員目の前のハンターボックスに注目したまえ》

 

「……ハンターボックスの前に何かある」

「ホントだ。あれは……鎖だ。鎖がいっぱい箱から垂れさがってるみたいだね」

 

 そう。それが今回のオープニングゲームの内容だ。

 逃走者とハンターボックスまでの距離はおよそ二十メートル。そしてハンターボックスの前の箱には、十二本の鎖がぶら下がっている。逃走者達はこれから、一人ずつ順番に前に移動し、そのうちの一本の鎖を引き抜かなければならない。

 

 しかし、十二本のうち一本はハンターボックスのロックを解除する外れの鎖。これを引くと即ハンターが放出され、ゲームスタートとなる。

 更にその中の四本にはドクロマークがついており、これを引いてしまうと、残された逃走者達は二メートルずつ全身しなければならない。

 

「つまり、当たりの鎖を引けば安全に逃げられるってことなんですね」

「へぇ、つまり外れを引かないだけの運が必要になるってわけね」

「ま、そういうこった」

 

 逃走者の全員が内容を理解したところで、早速オープニングゲームが始まった。

 

 

 

――――――オープニングゲーム開始。残りの鎖、十二本

 

 

 

「それじゃ、最初はボクだねっ」

「愛子! 最初から外れとか引かないでよね!」

「頼んだぞ、工藤」

「みるくたそならやってくれると信じているっ!」

「ダイジョブダイジョブ♪ それじゃ、行ってくるよ~」

 

 

 一人目に鎖を引くのは、Aクラスの工藤愛子。

 勉強は勿論、自称『保健体育の実技』が得意だと豪語する彼女だが、果たして無事にゲームをクリア出来るのか?

 ハンターボックスの前に立ち、鎖を見つめる工藤。

 

「うーん……それじゃあ、これにしよっかな!」

「愛子! 何色にしたの!?」

「うん! ボクは緑でいくよー!」

「緑ー!? なんでー!?」

「なんか緑って安全そうな色だからー! 多分ダイジョブだよねっ!」

 

 そう言って工藤は、両手で緑の鎖を掴む。

 もしこれが外れの鎖なら、ハンターが全て放出。一気に工藤に襲いかかることとなるが……果たして!?

 

 グッ

 

「……ちょっと不安だけど、いくよー! ええいっ!!」

 

 

 

 ガランッ ジャラジャラジャラ

 

 引いた鎖は……当たり。

 工藤愛子、無事クリアだ。

 

「よしっ! 成功したよー!」

「ホント!? 良かったぁ~……」

「さすがみるくたそ! 俺達に出来ないことを平然とやってのけるっ! そこに痺れる憧れるぅぅううっ!」

「ありがと♪ それじゃ、ボクは先に行くねー!」

 

 当たりの鎖を引いた逃走者は、ハンターボックスから離れた位置でスタート出来る。

 皆に頑張ってねと手を振り、工藤は遊園地の中へと走っていった。

 

 

――――――残り鎖、十一本

 

 

 

「……………次は俺の出番か」

「しくじるなよ! 同志!(グッ)」

「ムッツリーニなら大丈夫だって信じてるからね!(グッ)」

「……………任せておけ。同志、明久(グッ)」

 

 次に鎖を引くのは、Fクラス男子、土屋康太。

 保健体育の科目では右に出るものはおらず、先程の工藤をも圧倒するほどの膨大な知識量とその性格から“寡黙なる性職者(ムッツリーニ)”という異名を持つ彼だが、無事に成功し、ハンターから逃れることが出来るのか!?

 

「……………決めた。水色だ……!」

「その理由は?」

「……………理由はない。ただ、俺の本能がこの色なら大丈夫だと告げて―――」

「ムッツリーニ。今日水色の下着を着けているのは誰だ?」

「姫路」

「ふ、ふぇっ!? な、なんで知っているんですかっ!?」

「あれだろ。さっき一緒に走ってた時にシャツの襟から紐が見えてたからだろう同志?」

「そ、そうなんですか!? 土屋君っ!?」

「……………!(ブンブン)」

「同志、感想を一言で述べよ」

「チラ見せは良い文明(グッ)」 

「やっぱり見てたんじゃないですかーっ!?」

「……………!!(ブンブン)」

 

 速答。そして今更な全力否定。さすがはムッツリスケベを体現したような男。その異名は伊達ではないようだ。

 

「ねぇ大悟? その言い方だとアンタも姫路さんの下着を見たって風に聞こえるんだけど?(ニッコリ)」

「記憶にございません(ポキッ)」

 

 岡崎の手の甲の骨が砕かれたところで、ムッツリーニこと土屋が水色の鎖を握る。

 果たして、成功か? ハンター放出か?

 

 

「……………っ!!」

 

 ガランッ ジャラジャラジャラ

 

「……………任務、完了(ドヤッ)」

 

 引いた鎖は……当たり。

 土屋康太、クリアだ。

 

「……………それじゃあ、俺は先にいく」

「ああ、行ってこい。俺達もすぐに追いつくぜ」

「……………(コクリ)」

 

 仲間達に別れを告げ、ムッツリーニは戦場へと駆け出した。

 

 

 

――――――残りの鎖、十本

 

 

「……次は、私」

「頼んだわよ。代表」

「……うん。頑張る」

 

 三番目に鎖を引くのは、霧島翔子。 

 文月学園二学年主席という天才的な頭脳に加え、絶世の美貌を持つ彼女は、ハンターの恐怖を乗り越えられるのか!? 

 ゆっくりと、ハンターボックスの前まで歩く霧島。

 

「……それじゃ、これにする」

 

 霧島が選んだのは……赤の鎖だ。

 

「ちなみに聞くけど、理由は?」

「……今日の星座占いでラッキーカラーが赤だった。それに……私が凄く好きな色でもあるから(ポッ)」

「ああ、だろうな(チラッ)」

「なんとなく予想はしておったわい(チラッ)」

「全く、代表はホント一途なんだから(チラッ)」

「良かったですね、坂本君(ニコッ)」

「そうよ坂本。こんなに女の子に愛されるなんてそうそうないことなんだから(ニコッ)」

「やめろ! そんな温もりのこもった視線を俺に向けるんじゃねぇ! ついでに明久は血が滲むほど下唇を噛んで悔しがるな!」

「やっぱり貴様は……ここで殺すべき……害悪だっ!!(ギリッ)」

 

 どうやら彼女は、坂本雄二にゾッコンの様だ。だが今は、色恋沙汰にうつつを抜かしている場合ではない。

 宣言通り、赤の鎖を握る霧島。果たして……!?

 

『『『……………(ゴクリ)』』』

「……えいっ!」

 

 

 ガランッ ジャラジャラジャラ

 

「……良かった。外れじゃない」

 

 霧島が引いた赤の鎖は―――当たりだ。しかし……

 

「……あっ。でも、ドクロマークが……」

 

 鎖の先には、ドクロマークがつけられていた。

 これで逃走者達は二メートル前進。ハンターボックスに近づかなければならない。

 

「……ごめん」

「心配するな。そういうこともあるさ」

「そうよ。逃走中じゃよくある事だし、別に代表を恨みなんてしないから」

「……うん。ありがとう、岡崎、優子」

 

 

 霧島がその場から離れ、逃走者達は二メートル進む。ハンターボックスとの差は……十八メートル。

 

「二メートル近づいただけでも結構変わるわね……」

「そうですね……」

 

 距離が狭まったことで、ハンターの恐怖がより一層逃走者達に迫る。

 そしてこれから、連続してオープニングゲームに挑んでいく。

 

 

「……よし、これじゃっ! ―――良かった! 当たりじゃ!」

「よぉしいいぞ相棒! さすがは俺の将来の嫁さんだ!」

「それは婿の間違いじゃろう?」

「どっちも違うと思いますけど……」

「そもそも前提条件が間違ってると思うな? 大悟? 秀吉?」

「「」」

 

 

―――四人目、木下秀吉 クリア

 

 

「……えいっ! あっ、や、やりました! 成功しましたっ!」

「良かったね、姫路さん!」

「ありがとうございます、明久君っ」

(……なぁ雄二。もしここで姫路が失敗したら)

(……まぁ、確実に姫路は脱落してただろうな)

 

 

―――五人目、姫路瑞希、クリア

 

 

「ふぅ……これはかなり緊張するものだね。けど……(チラッ)」

「久保くーん! 頑張ってねー!」

「……彼が見ている前で無様な真似は出来ない。よし、いくぞっ! ―――はっ! 良かった、外れではないようだ」

「久保君。セーフだったんだね! 僕は信じていたよ。久保君ならやってくれるって」

「ほ、本当かい吉井君!? 信じていたよ……つまりそれは、遠回しに僕は君と両思いだという事を伝えているのか……!?」

「???」

「……なぁ、明久は久保の真意にマジに気づいてないのか?」

「……やめておけ。この世には知らない方がいいことだってある」

 

 

―――六人目 久保利光、クリア

 

 次々とクリア成功し、エリアへと散っていく逃走者達。

 残る逃走者は……六人。外れの鎖を引いてしまうのは、一体どの逃走者なのか!? それともオープニングゲームをクリアし、全ての逃走者が安全に現在を始められるのか!?

 

 

 

――――――残りの鎖、六本

 

「次は私です! 見ていて下さいお姉さま! 貴女の美春が華麗に勝負を決めてくるところを!」

「だってよ島田」

「はいはい。どうでもいいからさっさと行ってきなさい美春」

 

 七人目は、唯一のDクラスからの参戦。清水美春だ。

 果たして、彼女は無事にオープニングゲームをクリアし、憧れの島田美波にいいところを見せられるのか!?

 

「……では、美春はオレンジ色にします!」

「理由はなんでだ?」

「はいっ! 今日のお姉さまの下着の色がオレンジ色だからですっ!」

「きゃぁああっ!? なんでアンタがそんなこと知ってんのよーっ!?」

「しかもそれは卸したての新品ものですよ!?」

「美春ーーっ!?」

 

 真っ赤な顔をして叫ぶ島田。

 しかし、公衆の面前にも関わらず女性のトップシークレットなことを赤裸々に暴露するとは、清水美春……恐るべし女だ。

 

「いいから早く引きなさい! これ以上余計なことをいう前にっ!!」

「分かりましたっ! いきますっ!!」

 

 鎖を握る清水美春。

 果たして、ゲームクリアか? それとも、ハンター放出か……!?

 

 

『『『……………(ゴクリ)』』』

「………はぁっ!!」

 

 

 ガランッ ズドォンッッ

 

「あ」

 

『『『うわぁぁぁああああーーーっ!!!?』』』

 

 

 清水美春が引いたのは―――外れの鎖。

 それによりハンターボックスの鍵が外れ、四体のハンターが放出。残った逃走者に一斉に襲いかかる。

 

『『『『……………(ドドドドド)』』』』

 

 そしてハンター達の視界にとらえたのは―――

 

「えっ! ちょっ!? いきなりですか!? あっ!? 待ってくださいお姉さまぁああーっ!!」

「ゴメン美春! ウチにはどうすることも出来ないのっ! 後は任せたわよ!」

「そんな殺生なぁぁあーー!!」

 

 逃げ遅れた、清水美春だ……。

 

『『『『……………(ドドドドド)』』』』

「いやぁぁあーー! 来ないでくださいぃいいーーっ!!」

『『『『……………(ドドドドド)』』』』

「ああああああああああああああーー!!」

 

 

 PON……

 

 

《清水美春 確保 残り11人》

 

 ハンター四体から狙われてしまえば、生き残る術は―――ない。

 大好きなお姉さまの前で、あえなく―――撃沈だ。

 

「そ、そんなぁぁあーー!! まだお姉さまに良いところを見せれていないというのにぃぃいいーーーっ!!!」

 

 

 

 

――――――

 

 

 プルルルルル……プルルルルル……

 

「あれ? 携帯がなってる。何だろ……うわっ! パーク入り口付近にて清水美春確保!? 早くない!?」

 

「まあ、あの状態じゃ仕方ないわよね……」

 

「……………始まったか……」

  

「どうやらオープニングゲームにやられたようじゃの。ということは、ハンターも放出されおったか……」

 

「遂に、始まってしまったんですね……」

 

 

 四体のハンターから逃げた時間に応じて、賞金を獲得できる。それが―――

 

 

 ―――run for money 逃走中!!

 

 

 

――――――

 

 

「始まったな。欲望渦巻く地獄の鬼ごっこがよぉ……」

 

「出来るだけ人目のつかない遠くに行った方がいいわよね……」

 

「……うわっ、あそこにハンターがいるじゃないか。ここは危なそうだな……」

 

『ようこそ! 如月ハイランドパークへ!』

『ママー! ぼくジェットコースターのりたーい!』

『あ、あそこでソフトクリーム売ってるよ!』

 

「結構人が多いな……これはしっかりと周囲を警戒しておいた方が良さそうだね」

 

『あっ、そこの綺麗なお姉さん! アイスクリームはいかがですか!?』

「……ごめんなさい。今、お金が無い」

 

「それにしても広いなー。さっきの第一ステージとは大違いだよ」

 

 ここ、如月ハイランドパークは、ジェットコースターや観覧車、お化け屋敷といった様々なアトラクションがあり、それぞれメインエリア、シティエリア、ストリートエリアの三つに分かれている。

 更にその中の一つであるメインエリアには大きなコンサート会場があり、そこでは歌手やアイドルによるライブやアニメ、ヒーローショーなど様々なイベントが開催されている。

 その広さは、第一ステージの文月学園よりも大幅に増加しており、東京ドームおよそ十個分の広さを持つ。

 これから逃走者達は、この広大な場所を縦横無尽に駆け回り、ハンターから逃げなくてはならない。

 

「お、もう賞金が2万円になってるじゃねぇか。コイツはモチベーションが上がるな」

 

 賞金は一秒200円ずつ上昇。

 制限時間は90分。全ての時間を逃げきれば、合計180万円が手に入る。

 

「……………あれが、自首用の電話ボックスか」

 

「うーん……自首か。本当は逃げきりたいところだけど、もしもの時にはそれもアリだよね」

 

 更に、このゲームでは自首が可能。

 エリアの二ヶ所に設置されている自首用の電話ボックスから申請すれば、その時間までの賞金を獲得できる。

 ただし、エリアには四体のハンター。確保されれば即失格。賞金は―――ゼロ。

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

「結構賑わってんだな……遊園地とはいえここまで人が集まるモンか?」

 

 堂々とパーク内を歩く岡崎大悟。

 かつては数多の不良達から『閻魔大王』という異名で恐れられるほどの喧嘩の腕前と、限界まで鍛え上げられた鋼の肉体を持つ男は、どのような逃走劇を見せてくれるのか?

 

「ったく、こんな三次元のリア充ひしめく場所は好きじゃねえんだが―――ん?」

 

『ママー! あたしメリーゴーランドのるー!』

『こらこら、あまりはしゃぐと転んじゃうわよー』

『だいじょーぶー♪』

 

「……………ほう。悪くないな(ニタリ)」

 

 道行く小さな女の子を見て、気持ちの悪い笑みを浮かべるリーゼント頭のロリコン。

 どうやら、彼は平常運転のようだ。

 

 

 

 

 

「……………(キョロキョロ)」

 

 一方、岡崎とは真逆にの茂みに身を潜めるムッツリーニこと、土屋康太。無闇に動かず、ハンターに気づかれるリスクを減らしているようだ。

 

「……………!(スッ)」

 

 突然何かに気づき、携帯電話を取り出した。その視線の先には―――

 

『ねぇねぇ! アンタちょっと露出し過ぎじゃない?』

『そうかな? 私はそうは思わないけど?』

『いやいや、絶対露出多いって! 膝は股下まで出てるし上はへそ出しだし……特にこことかさっ!』

『きゃっ!? ちょ、ちょっとっ!? なんでいきなり胸なんか揉むなっての!』

 

「……………!!(ダラダラダラ)」

 

 ―――二人組のセクシーな服装をした女性だった。

 それをカシャカシャと素早く写真に修めるムッツリーニ。彼にはハンターの恐怖よりも性欲が勝っているようだ。

 

 

 

 

 

 

「……雄二、どこにいるの……?」

 

 辺りを見回しながらそれぞれのエリアを回る霧島翔子。

 どうやら、坂本雄二を探しているようだ。

 

「あっ、代表! ここにいたのね」

「……優子」

 

 そんな彼女の所に現れたのは……友人の木下優子だ。

 

「……雄二を探してた。どこにいるか知らない?」

「え、坂本君? うーん……今のところは見てないけど……それにアタシも今大悟を探してるのよね」

「岡崎を?」

「ええ。オープニングゲームの時に別れてからそれっきりなの」

 

 意中の相手を探す、恋する乙女の二人。

 しかしエリアには四体のハンター……無闇に動けば彼らに発見されるリスクが高まる。捕まれば……捜索どころでは、無い。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

『ほら! 早くしないと始まっちゃうよ!』

『ごめんごめん! 待って! そんなに急かさないでってば!』

 

「ん? 何だろ? やけに騒々しいけど……」

 

 

 現在、如月ハイランドパークの中央エリアには多くのゲストが集まっていた。

 

 

『折角倍率五倍の壁を乗り越えて手に入れたんだ! この一世一代のチャンス! 精一杯楽しもうぜ野郎共!』

『『『おうっ! 隊長!』』』

 

「む? どうやらコンサート会場に人が集まっておるようじゃの……すまぬがそこの方、この騒ぎは一体なんなのじゃ?」

 

『え!? あなた知らないんですか!? 今日如月ハイランドパークで行われるビッグイベントのことを!?』

 

「ビッグイベントじゃと?」

 

 

 

 

『ええ! 今日はあのアニソンの女王こと―――水樹カヤ様とLiNA様のスペシャルライブがあるんです!!

 

 

 

 

 




ゲーム終了まで、残り86分 現在の賞金額 4万8000円

確保された逃走者
・清水美春


残り逃走者
・吉井明久  ・姫路瑞希
・坂本雄二  ・島田美波
・岡崎大悟  ・霧島翔子
・木下秀吉  ・木下優子
・土屋康太  ・工藤愛子
・久保利光


次回は第一ミッションとミニドラマ開始。お楽しみに。

感想、意見などありましたらよろしくお願いいたします。

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ
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