第五問
時に食用出来る地下茎を持つ、英語で「lily」という名の植物を答えなさい。
姫路瑞希の答え
『ユリ』
教師のコメント
正解です。流石ですね、姫路さん。
地下茎は鱗茎と呼ばれ、養分を蓄えて厚くなった葉で、ネギやらっきょうなども鱗茎に含まれます。
岡崎大悟の答え
『純潔 高貴 威厳 飾らぬ愛』
教師のコメント
誰も植物の花言葉を書けとは言っていません。
吉井明久の答え
『山芋! ジャガイモ! サツマイモ!』
教師のコメント
『食用』以外にも注意を向けてください。
―――side明久
「吉井! 木下達がDクラスの連中と渡り廊下で交戦状態に入ったわよ!」
ポニーテールを揺らしながら駆けてきたのは同じ部隊に配属された島田さん。こうして改めて見ると背も高くて美脚なのにどこか女性としての魅力に欠ける。何が足りないのだろうか。
「ああ、胸か」
「アンタの指を折るわ。小指から順に、全部綺麗に」
ヤバい。何か踏み込んじゃいけない領域に踏み込んだみたいだ。
「そ、それよりほら!今は試召戦争に集中しないと!」
何とかさっきの失言を身ぶり手振りで誤魔化す。
今僕たちFクラスはDクラスとの試召戦争の最中。現在の状況としては秀吉が率いる先行部隊が前線で戦い、そことFクラスの間に僕達中堅部隊が配置されている。
そして僕は中堅部隊の隊長だ。つまり部隊の皆を導く役目がある。気を引き締めていこう。
「まずは戦場の雰囲気を確認しなくちゃ。一体どうなっているかーー」
耳を済ませて、前線部隊の様子を聞き取る。
『さぁ来い! この負け犬が!』
『て、鉄人!? 嫌だ! 補習室は嫌なんだっ!』
『黙れ! 捕虜は全員この戦闘が終わるまで補習室で特別講義だ! 終戦まで何時間かかるか分からんが、たっぷりと指導してやるからな』
『た、頼む! 見逃してくれ! あんな拷問耐え切れる気がしない!』
『拷問? そんなことはしない。これは立派な教育だ。補習が終わる頃には趣味が勉強、尊敬するのは二宮金次郎、といった理想的な生徒に仕立て上げてやろう』
『お、鬼だ! 誰か、助けっーーイヤァァーーーー(バタン、ガチャ)』
「ーー島田さん、中堅部隊全員に通達」
「ん、なに? 作戦? 何て伝えんの?」
「総員退避、と」
「この意気地無し!」
島田さんの強烈なチョキが僕の目に深く突き刺さった。
「目が、目がぁっ!」
「この馬鹿! アンタは部隊長でしょう!臆病風に吹かれてどうするのよ!」
「その覚ますべき目に激痛がぁっ!そういうことはせめてグーかパーで殴った後にいうべきじゃないかっ!」
僕は目を押さえながら島田さんにそう抗議した。
「いい、吉井? ウチらの目的は木下の前線部隊の援護でしょう? アイツらが戦闘で消耗した点数を補給する間、ウチらが前線を維持する。その重要な役割を担っているウチらが逃げ出したりしたら、アイツらは補給が出来ないじゃない。それにこうしてる間にも、瑞希や岡崎も頑張っているのよ」
確かに島田さんの言う通りだ。僕らは今擬似的なものとはいえ戦争の真っ最中だ。働き次第では戦況を大きく左右させてしまう。
そういえば、前に大悟も言ってた。
『いいか明久。戦争だろうが喧嘩だろうが、負ける奴ってのは共通点がある。それは弱い奴でも俺達Fクラスみたいな馬鹿でもない。臆病者だ。勝つか負けるかっつう状況で、ちょっとでも敗北に臆した奴からやられんだよ。』
今の僕は大悟の言葉通りの奴になっていた。幾ら状況が厳しいからって、戦死ペナルティの補習が怖くて逃げようだなんて‥‥‥!
島田さん!大悟!間違いに気づかせてくれてありがとう! 何故だか涙が止まらないよ!
「ごめん島田さん。僕が間違っていたよ。そうだよね!今はこの戦争に勝利する事だけを考えよう!」
「その意気よ、吉井!」
「島田!吉井!前線部隊が後退を開始したぞ!」
「総員退避よ」
島田さん!?さっきと言ってる事が全然ちがうじゃないか!
「吉井、それで問題は無いわね?」
うーん、何か大きく問題がある気がする。けどきっと気のせいだろう。
「よし、逃げよう。僕らには荷が重すぎた」
「そうね、ウチ等は精一杯努力したわ」
そして僕らはクルリと方向転換すると、本陣に配置されている筈の横田君がいた。
「代表より伝令があります」
メモを見ながら横田君はハキハキと告げた。
「『逃げたらダイゴブックスの契約を取り消す』」
「「全員突撃しろぉーーっ!!!」」
気がつけば僕達は戦場に向かって全力ダッシュをしていた。それもこれもFクラスの勝利の為だ。決してメチャクソ可愛い秀吉が『ピー』してる同人誌の為なんかじゃないからね!
でも、どうして島田さんまで僕と同じような反応をしているんだろうか。
ーーー
「島田、明久! 援護に来てくれたんじゃな!」
前方から美少女がこちらに向かって走ってくるのが見えた。おっと、よく見たら秀吉だった様だ。なんていうか、いつ見ても可愛いなぁ‥‥‥。
「秀吉、大丈夫?」
「うむ。戦死は何とか免れておるが、点数はかなり厳しいところまで削られてしまったわい。召喚獣も疲労困憊でこれ以上の戦闘は無理じゃ」
「そっか。それなら秀吉達は一旦下がろう。早く戻ってテストを受け直してこないと」
「そうじゃな。全教科は無理でも、一、二教科でも受けてくるとしよう。済まぬが二人共、少しの間任せたぞい」
言うや否や、秀吉達先行部隊は教室に向かって走っていった。出陣した人数が前より少ないのは戦死して補習室へと連行されてしまったのだろう。
「吉井、見て! 五十嵐先生と布施先生よ! Dクラスの奴ら、化学教師を連れてきたわね!」
島田さんに促された方を見ると、二学年化学担当の五十嵐先生と布施先生が渡り廊下にいた。現在は総合科目での勝負だけど、立会人が学年主任だけだから勝負に時間がかかる。だから立会人を増やして一気に片をつけるつもりか!
秀吉達が予定よりも早く撤退したのも納得だ。
「島田さん、化学に自信は?」
「全くなし。60点台常連よ」
うーん、流石はFクラス。お世辞にも良い点数とは言えないな。
「よし、それなら五十嵐先生と布施先生に近づかないよう注意しながら学年主任のところに行こう」
「高橋先生の所ね? 了解」
僕らは目立たない様に渡り廊下の端っこに移動する。よし、このままーー
「あっ、そこにいるのはもしや、Fクラスの美波お姉さま! 五十嵐先生、こっちに来て下さい!」
ーーと思ったらDクラスの一人に見つかってしまった。
「げっ!?美春!マズイわよ、吉井!」
「分かってるよ。島田さん、ここは君に任せて僕は先を急ぐから!」
「ちょっ‥‥‥! そこは普通『ここは僕に任せて先を急げ』じゃないの!?」
「そんな台詞はアニメや漫画の中だけで、現実世界じゃ通用しない!」
「よ、吉井! このゲス野郎!」
僕はそう吐き捨ててその場を離れた。くそ!クラスメートを置いていかなくちゃならないなんて!戦争とはなんて残酷なんだ!
「お姉さま! 逃がしません!」
既に召喚獣を召喚していた相手が島田さんに迫る。
「くっ、今はやるしかないようね‥‥‥!」
「―――
島田さんの喚び声に応えて彼女の足元には幾何学的な魔方陣が現れる。教師の立会いの下にシステムが起動した証だ。
そこから姿を現したのは、身長は80センチ程度の軍服にサーベルを持っているという点以外は、ポニーテールと気の強そうな目の島田さんにそっくりな召喚獣だ。
「もう! いい加減ウチの事は諦めてよ!」
「嫌です! お姉さまに捨てられて以来、美春はこの時をずっと待っていたんです!」
「来ないで! ウチは普通に男が好きなの!」
「嘘です! お姉さまは美春の事を愛している筈です!」
「このわからずや!」
そして、二人の召喚獣の距離が詰まる。
「はあぁぁっ!」
「やあぁぁっ!」
二人の気合いと共に、召喚獣が正面からぶつかり合い、力比べが始まった。
ーーー
―――side秀吉
「雄二、今戻ったぞい」
儂ら先行部隊は本陣であるFクラスへと戻ってくる。そこには儂らの代表である雄二と近衛部隊のクラスメート何人かが待機していた。
「秀吉か。 戻ってきたってことは点数の補充だな。戦況はどうなってる?」
「うむ、Dクラスは化学教師を連れてきたようじゃ。恐らく一気に勝負をつけるつもりなのじゃろう。今は明久達が応戦してくれておるが、そう長くは持たんじゃろう」
「ま、Dクラスの方が実力は上だからな。長期戦になるよりはそうした方が手っ取り早く片がつく。」
召喚獣の強さはテストの点数がそのまま反映される。加えて儂らFクラスとDクラスとでは大きくはないにしろ実力差がある。ならば長い戦闘で無駄に点数を消費するよりも短期決戦で一気に叩いた方が効率的じゃろうし、儂らにとっては苦戦となる。
「取り敢えず、目的の時間まで明久達がなんとか堪えてくれるのを期待するしかねぇ。こっちも策はある。秀吉達は早くテストを受けてきてくれ」
「了解じゃ」
「(だが驚きだ。まさか大悟が、あれほどやる奴だったとは。能ある鷹は爪を隠すとはよく言ったもんだな‥‥)」
そして、儂らはテストを受けるためにクラスへと入る。すると教室内には既に回復試験を受けておる者が二人いた。一人は此方の切り札とも呼べる存在である姫路。もう一人は兄貴こと儂の親友の岡崎大悟だ。
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
二人とも此方には目もくれず、真剣な表情で解答用紙と向き合っている。クラスが違ったというのもあるが、姫路は兎も角、昔から付き合いがあるとはいえ、大悟がここまで何かに集中して取り組むのは二次元以外で見たことがなかった為、少し驚きだ。
「(流石、やるべき時はやる男じゃのう。さて、儂も早く前線に復帰しなくてはの)」
「(早く点数を稼いで、私も参加できるようにならないとっ!)」
「(‥‥やっぱり姫路と島田か?いや、秀吉も組み合わせた3Pでもイケるか!?)」
ーーー
―――side明久
「このっ!」
「負けませんよお姉さま!」
鍔迫り合いを繰り広げる二人の召喚獣。
しかし、向こうはDクラス。点数はこっちの方が不利なので真正面からぶつかれば勝ち目は低くなる。しかも初めての戦争だ。観察処分者の僕とは違って召喚獣の扱いには慣れていない。
そう思っていると、島田さんの召喚獣が押し倒されてしまう。
Fクラス 島田美波 53点
化学 VS
Dクラス 清水美春 94点
召喚獣の頭上には二人の点数が表示された。ていうか島田さん、60点にすら届いていないじゃないか。
そして、刀を喉元に突き付けられる島田さんの召喚獣。召喚獣の体は人間と同じであり、腕や足を攻撃された位ではダメージを負うーー点数が減るだけだけど、首や心臓をやられれば即死だ。
「さ、お姉さま。勝負はつきましたね?」
「い、嫌ぁっ! 補習室は嫌ぁっ!」
「補習室? ‥‥‥フフッ」
清水さんは楽しそうに笑いながら島田さんの手を引っ張る。あれ? そっちには補習室は無いよ? あるのは保健室だよ?
「ふふっ。お姉さま、この時間ならベッドは空いていますからね。大悟さんから色々なプレイを学んでおいて正解でした‥‥‥」
「よ、吉井!早くフォローを! なんだか今のウチは補習室行きより危険な状況にいる気がするの!」
何故清水さんの口から大悟の名前が出たのかはさておき、僕も同感だ。
「殺します‥‥‥美春とお姉さまの邪魔をする人は、誰であろうと殺します‥‥‥」
けど、僕はソコに飛び込む勇気はないっ!
「島田さん、君の事は忘れない!」
「ああっ! 吉井! なんで戦う前から別れの台詞を!?」
「邪魔物は‥‥抹殺します!!」
そして、清水さんは召喚獣と共に此方に向かってきた。ヤバい! このままじゃ僕の命まで危ない!
「吉井、危ない! ―――
と、脇から割り込んできた声と共に、クラスメートの須川君が召喚獣を呼び出した。
Fクラス 須川亮 76点
化学 VS
Dクラス 清水美春 41点
須川君の召喚獣が敵を斬り倒す。それにより清水さんの点数は0点になった。
ありがとう須川君! 今の君はまるで救世主の様だよ!
「ありがとう、助かったわ須川。西村先生、早くこの危険人物を補習室へお願いします!」
「おお、清水か。たっぷりと勉強漬けにしてやるぞ。こっちに来い」
清水さんは鉄人に担がれ、補習室へと連行されていった。これが『戦死』といわれる状態だ。
「お、お姉さま! 美春は諦めませんから! このまま無事に卒業出来るなんて思わないで下さいねぇーーーー!」
とても危険な捨て台詞を残して、清水さんは補習室へと連行されていった。
「島田さん、お疲れ。取り敢えず一旦戻って化学のテストを受けてくるといいよ」
「吉井」
「須川君、行こう。戦いはまだ始まったばかりだかーー」
「吉井ぃっ!!!」
「は、はいっ!?」
「‥‥‥ウチを見捨てたわね?」
「‥‥‥記憶にございません」
「「‥‥‥‥‥」」
「死になさい、吉井明久!! 試験召ーー」
「誰か! 島田さんが錯乱した! 早く本陣に連行してくれ!」
「島田!落ち着け! 吉井隊長を殴るのは別に構わないが今は戦争中だ!後にしてくれ!」
「違うわ! コイツは敵! ウチの最大の敵なの!」
‥‥‥どうしよう、否定が出来ない。取り敢えず、今彼女と一緒にいると危険なので須川君に連れていって貰おう。
「早く連れていって! その禍々しい視線だけで殺されるっ!」
「こら、離しなさい須川! 吉井! 絶対に許さないからね!殺してやるんだからぁー!」
物騒な捨て台詞と共に、恐怖が遠ざかっていった。これでひとまず僕の身の安全は確保されただろう。
「よし、とにかく秀吉達が補給をしている間、前線を維持するんだ! もうすぐ僕達の『最終兵器』も動き出す! 絶対にここを死守するぞ!」
『『『うおぉぉぉぉっ!!!!』』』
「いいか皆! この戦争に勝利した暁には、ダイゴブックスのお宝がタダで手に入る! そんな尊い目的の為にも、死ぬ気でいくぞおぉぉぉ!!!」
『『『ダイゴブックス! ダイゴブックス! よっしゃあぁぁぁーー!!!』』』
僕の怒声に男達が気合いの入った声で返す。
さあ!ここが僕達の正念場だ。気合いを入れていこう!
ーーー
「吉井隊長! 横溝がやられた! これで布施先生側は残り二人だ!」
「五十嵐先生の通路もまともに戦えるのが俺一人しかいない! 援軍を頼む!」
「藤堂の召喚獣がやられそうだ! 助けてやってくれ!」
想像以上に劣勢を強いられる僕達。やはりいくら士気が上がったとはいえどもDクラスとでは実力に差がある。
けれど本陣に応援を要請すれば作戦につぎ込む時間が無くなってしまう。ここはなんとか僕らだけで持ちこたえるしかない!
「布施先生の人達は防御に専念して! 五十嵐先生の人達は総合科目の人と交代しながら効率よく勝負をするように! 藤堂君は可哀想だけど諦めるんだ!」
『『『了解!』』』
皆が僕の指示に従い陣形を組み始める。
「Fクラスめ、明らかに時間稼ぎが目的だ!」
「何を待っているんだ!?」
ヤバいな‥‥向こうがこっちの意図に気づき始めている。流石に防御に重視させ過ぎたか。
「大変だ! 斥候からFクラスに世界史の田中が呼び出されたって報告が!」
「世界史の田中だと!? 田中は採点に時間が掛かる代わりに採点が甘い‥‥Fクラスの奴等、長期戦に持ち込む気か!」
すると、先程島田さんを連れていった須川君が戻ってきた。
「吉井、本陣からの情報だ。Dクラスは数学の木内を連れ出した様だ」
木内先生か‥‥採点は厳しいけどその速さは群を抜いている。どうやらこちらとは対称的に一気に仕留めに掛かりに来ているみたいだ。
でも、そう易々と突破される訳にはいかない。僕らはこの前線を長く保たなくちゃならない。
「須川君!」
「なんだ?」
「偽情報を流してほしいんだ。時間を稼ぐ為に」
それにはまず、有利な状況を作らないといけない。
ーーー
「‥‥何? 偽情報だと?」
「ああ。それを流して先生達を他の場所に向かわせるように隊長からの指示が出た」
「成る程な‥‥明久も中々頭が回るじゃねえか。それでどんな内容を流すんだ?生半可なモンじゃ教師陣を騙すことは出来ねぇぞ?」
「分かってる。だからその道のエキスパートに聞きにきたんだ。何か妙案は無いか‥‥‥兄貴?」
「‥‥ほう、面白ぇじゃねえか。ならあの先生の性格と立場を利用するか。絶対に騙せる筈だ、が、明久にゃあ悪いがな」
「よし、内容は大悟に任せて、それを放送で流してくれ」
「分かった」
そこには、怪しい笑みを浮かべ何かを企む三人の姿があった。
ーーー
『塚本、このままじゃ埒があかない!』
『もう少し待っていろ! 今数学の船越先生も呼んでいる!』
なっ‥‥船越先生だと!?
僕らにとって好ましくない会話が聞こえた。船越先生(45歳♀独身)を呼んだのは恐らく、採点目的じゃなくて立会人になってもらう為だろう。けどこれ以上相手に戦線を広げられると更に実力差が表に出る。けど肝心の須川君もまだ動きを見せない。
くそ!どうすればいいんだーー
ピンポンパンポーン《連絡致します》
聞き覚えのある声で校内放送が流れた。
「この声は須川君! そうか! 職員室じゃなくて放送室に向かったのか! それならDクラスの生徒に見つかる可能性も低い! ファインプレーだよ須川君!」
《船越先生、船越先生》
しかも呼び出し相手は話題に上がった船越先生。いいぞ!
《吉井明久君が体育館裏で待っています》
‥‥‥ん? 須川君?
《生徒と教師の垣根を越えた、男と女の話があるそうです。最後にこれは吉井君からの伝言です》
《『僕はもう、船越先生に対する想いを押さえきれなくなりました。もし船越先生が許してくれるなら、僕の全て(意味深)を捧げても構いません。先生‥‥どうか僕が大人の階段を昇る為のエスコートをして下さい!』》
ひぃぃぃ!!!! なんて危険な事を言うんだ須川君!!! 相手はあの船越女史だよ? わかってる? 婚期を逃しに逃しまくって遂には生徒に単位を盾に交際を迫るようになったあの船越女史だよ? 確かに確実に体育館裏に向かってくれるだろうし、僕が来るまで何時間もその場を離れないだろうけど、その分僕の貞操が大変な事にいぃぃ!!
「吉井隊長‥‥アンタぁ男だよ!」
「ああ。俺達の勝利の為にそこまでやってくれるなんて‥‥感動したよ!」
「ち、違うんだ! 僕はそんな指示を出した覚えはない!」
『おい、聞いたか今の放送』
『ああ。Fクラスの連中、本気で勝ちにきてるぞ』
『あんなに確固たる意思を持つ奴等に勝てるのか‥‥‥?』
ああっ! 誤解が益々広がっていく! お願いだから本気にしないで! 戦場に良い影響を与えている分否定がしにくくなってるじゃないかぁっ!
「皆! 吉井隊長の死を無駄にするな!絶対に勝つぞーっ!!」
「隊長の分まで俺達が戦うんだーっ!!」
「‥‥‥」
「隊長、いけますよ! この勢いでDクラスを押し返しましょう!」
「‥‥‥」
「‥‥‥隊長?」
「‥‥‥す」
「す?」
「須川ぁぁああああああああっ!!!」
どうやら僕は、この手でクラスメートを葬らないといけないようだ。
ようやくDクラス戦スタートです!
今回あまり大悟出てないな‥‥
原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?
-
入れろ、絶対に
-
別に入れなくてもいいよ