バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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幕間 俺とハンターと地獄の鬼ごっこ 伍

 ―――side 工藤

 

ハンターボックスの指紋認証装置にLINAの指紋を読み込ませ、一個目の鍵をロックすることに成功した工藤愛子。   

 しかし状況はさほど変わっていない。何故ならミッションクリアにはもう一ヶ所の装置も処理しなくてはならないからだ。

 

 ミッション終了まで……残り30秒。

 

「うーん……、たどり着いたのはいいんだけどあと一つあるんだよね。……ってカウントダウン始まってるよ!? このままじゃ―――」

「ねぇ! 愛子さん!」

「はい?」

「ありがとね! あなたのおかげで無事にコンサートに間に合いそうだよ!」

「え? あっ、いえいえ。どういたしましてっ」

「あ、でもまだカヤが来てないみたい……どこにいるのかな?」

「カヤちゃんって、この指紋認証にある名前の人?」

「うん。私と一緒に合同ライブをやる予定の子なんだけどね……。まだ来てないみたいなの」

「なるほどね。つまりミッションクリアにはLINAさんとその水樹カヤさんを連れて行かなきゃダメって事だったんだ。でももう時間的に間に合いそうにないな……」

 

 そう、彼女の言う通り、今からこの如月ハイランドパーク内のどこにいるとも分からない水樹カヤを探してここに戻ってくるには、明らかに時間が足りなすぎる。

 万事休すか……。そう思った彼女だったが、

 

 

 

 

「うぉぉぉおおおーーー!!」

 

 

 

 その時、どこからか誰かの雄叫びのような声が聞こえた。

 

「ん? 今何か聞こえなかった?」

「はい。ボクにも聞こえ―――」

 

 

「どけどけゴラァァァアアーーー!!」

 

 

 その声はどんどん大きくなっている。

 つまりその声の主がこちらに近づいてきていることを示していた。

 

「誰か来てるみたいだね」

「……あれ? この声ってもしかして―――」

 

 工藤が振り向くと、その先には、

 

 

 

「オラァァァ!! 天下のカヤ様のお通りじゃァァああ!!! 道を開けやがれボケカスどもぉぉおおーーっ!!」

「あっははー! はやいはやーい! いけいけ走れ風のようにー!」

「仰せのままにぃぃいいカヤ様ぁぁああーーっ!!!」

 

 

 

「「ええええええええっっ!!?」」

 

 巨漢のリーゼント男―――岡崎大悟が水樹カヤをお姫様抱っこしこちらに向かって全力疾走していたのだった。

 その凄ましさたるや、獲物めがけて一直線突進する猪、もしくはブレーキの壊れた暴走機関車のようである。

 

「ちょっ! 岡崎君声が大きいよ! ハンターに気づかれるって!」

「あっ! LiNAちゃん! お待たせー!」

『あ! 水樹カヤ様ですね! お待ちして―――』

「どけっつってんだゴラァァああああ!!」

『ぎゃぁぁああああーーっ……!!』 

「「ええええええええーーっ!?」」 

 

 

 ヒュゥゥゥウウ~~……キラーン。

 

 

 岡崎に勢いよく激突された警備員はどこかに吹っ飛んでいった。

 

「む? 今何かにぶつかった様な気がするが……まぁいい。それよりもお待たせいたしましたカヤ様。無事コンサート会場に到着いたしました」

「うん。ありがとうね岡崎君」

「はうぅっ……!! 貴女様ともあろう御方が自分ごときめの名前を口にしていただき、あまつさえ感謝の御言葉まで与えられるなんて……不肖岡崎大悟、感謝光栄の極みっ!! ―――濡れるッ!!!」

「う、うん……」

  

 そう深々と彼女に土下座する岡崎。

 ちなみにミッション終了まで残り20秒。

 

「工藤さん……この人は?」

「あ、えっと……彼がさっき話した岡崎君です」

「え、嘘っ!? マッチョにリーゼントって、私が想像してたイメージと全然違うんだけど……!? アニメ好きなオタクですっていうからもっとそれっぽい感じの人だと思ってた……」

 

 確かに知らない人が彼を見て、まずオタクだなんて思わないだろう。

 

「ええっと……岡崎君?」

「ん? 俺の名を呼ぶのは工藤―――じゃなくて間違えた。みるくたそじゃねぇか。こんなところで何をやっている?」

「そろそろその呼び方なんとかならないかな」

「わかった。みる工藤」

「優子に言いつけるよ」

「すんませんマジ勘弁してください」

 

 さすがに彼女もエロゲーのキャラ名で呼ばれることに鬱陶しさを感じているようだ。

 

「何してるもなにも、ここがミッションクリアの為の場所だからね。ほら、アレが指紋認証装置」

「指紋認証装置か―――ってありゃあハンターじゃねえか!? うじゃうじゃいて気持ち悪っ!」

「岡崎君も早くカヤさんに指紋を認証してもらってきてね。じゃないとハンターが放出されちゃうからさ」

「すまねぇ。カヤ様との至福の時間に頭がいっぱいでミッションのことなんてすっかり忘れてたぜ。カヤ様。申し訳ございませんが再びお手数よろしいでしょうか? あちらの装置に認証を」

「認証?」

 

 そう言って岡崎と水樹カヤは指紋認証装置に向かう。

 ミッション終了まで、残り10秒。

 

「さぁ、こちらによろしくお願いします」

「ここに手を置けばいいんだね。こう?」

 

 

『指紋認証成功』

『ハンターボックス OFF』

 

 

「よっしゃあ! セーフ!」

 

 制限時間ギリギリのタイミングで指紋認証に成功。

 残る鍵がロックされ、これにてハンターの放出は完全に阻止された。

 

「やったね、岡崎君!」

「おう!」

 

 そう言ってハイタッチをする工藤と岡崎。

 同時にミッション成功のメールが全逃走者に送信される。

 

 

 『MISSION 結果

 岡崎大悟と工藤愛子の活躍によりミッションクリア。

 ハンターは今まで通り4体のままでゲーム続行』

 

 

 

「ん? メールだ……おっ! ミッションクリアだって!」

「……愛子、岡崎。凄い」

「ふぅ、なんとか最初の関門を切り抜けたようだね」

「……………さすが同志(グッ)」

 

 

 ―――牢獄

 

「うぅ……ミッションクリアは喜ばしいですけど、私も貢献したかったです……」

「お姉さまぁぁ!! 美春を早く救い出してくださいませぇぇええ!」

 

 

 ミッション成功に多くの逃走者が喜びと安堵に満ちている(数名はそうでもないが)。

 しかしエリアには相変わらず4体のハンターがいる。ミッションをクリアしたとはいえ、まだ油断は出来ない。

 

 

「岡崎君。私をここまで連れてきてくれてありがとねっ」

「なっ! ありがとうだなんて、なななななな何を仰られれれれれますかっ!? じ、自分は当然の事をしたまままままま……!!」

「もー、そんなに畏まらないでってば。もっとフランクに接してくれていいんだよ?(ギュッ)」

「あっ―――」

 

 

「◆♡☆▽♤♢▨◣◉!!!?(ドババババ)」

 

 

「ええっ!? ちょ、また出血!? 誰か! スタッフ呼んで!! 救急スタッフーーっ!!」

 

 

 ……………本当に、油断が出来ない。

 

 

 

 

 ―――side 雄二

 

 

「さて、これでしばらくミッションは来ねぇだろうから、さっきより気兼ねなく移動できるぜ」

 

 そう告げたのは文月学園のFクラス代表、坂本雄二。

 その運動神経は岡崎大悟にも引けを取らず、またかつては“神童”と呼ばれていたほどの天才的な頭脳の持ち主。今回の逃走中における逃走成功者の有力候補だ。

 

「しっかし、あのババァはホントになに企んでやがるんだ。こんな大がかりなイベントにわざわざ俺達を参加させるなんてよ。オマケにテレビ中継まで入れるとは……」

「単なる学園の売名目的……だけとは考えられないな」

 

 歩きながら顎に手を当てて考える坂本。

 どうやらこの企画自体に疑問を抱いているようだ。

 

「……まぁいい。ここで色々考えても仕方ねえ。とりあえず必要分の金だけ貰ってさっさと終わらせよう」

「……となると、わざわざ時間いっぱい逃げ切る必要はねぇか。このまま自首しちまうのが俺にとっちゃ最善なんだが」

 

 それはテレビ的につまらなくなるのでNGだ。

 

「いや駄目だ。金はかけれるだけかけねえと。アイツに生半可なセキュリティは通用しない」

「…………」

「窓はとりあえず全部特殊な防弾ガラスにするとして……あとは警報器も欲しいな。ドアは勿論簡単にブッ壊せないように鉄製のオートロックか……」

「…………」

「ったく、本当ならもっと別の使い方があったのによ。それもこれも全部翔子が手間をかけさせるからだよな」

「……………」

「しかも最近はお袋まで手篭めにしてきやがる……。全く、話の通じない阿呆を二人も相手にすると本当に疲れ―――」

 

「雄二」

「えっ」

 

 

 振り向くと、いつの間にか雄二の後をついてきていた霧島翔子がいた。気のせいか、少しだけ彼女の目が黒く濁っている様に見える。

 

 

「……………いつからいた?」

「……『あのババァは』の辺りから」

「そうか」

「……うん」

「……………」

「……………」

 

 

「翔子、二手に分かれよう。固まって行動してたらハンターに見つかりやすぎゃぁぁあああっ!」

「……妻への隠し事は、許さない……!」

「待て待て待て! 隠し事ってこれはれっきとした正当防衛だろ!? というかそもそもはお前が勝手に部屋に侵入してくるからいけなぁぁあああ!」

「……旦那の生活を管理するのは妻として当然の役目。それを遮ろうとするのは浮気の疑いがある」

「ねぇよ! 一ミクロンもねぇよ! てか誰が旦那だぁぁああ!」

 

 

『ママー、あの女の人なにしてるのー?』

『あらあら、仲睦まじいカップルで羨ましいわねぇ。つい昔を思い出しちゃうわ。私もああやって夜中に布団の上で……ねぇ貴方?』

『コラコラ、子供の前でそんな話はよさないか』

 

 

 坂本の顔面を握り潰さんばかりの勢いで鷲掴む霧島。それを見てニコニコと微笑む一組の家族連れ。

 ……ふむ、最近の学生はこういった色恋沙汰にもとても積極的なようだ。彼女の坂本に対するこの行動も一つの愛情表現、ということなのだろう。

 

「これのどこが愛情表現!? ただの一方的な虐待行為だろうがぁぁああ!」

「……私から距離を置こうだなんて、そんな悪い考えを持つ雄二にはお仕置きが必要」

 

 そのままずるずると彼を連れていこうとする霧島。

 どうやら人目につかない所で折か―――失礼。お仕置きをするようだ。

 

「おい馬鹿よせ! こんな所で騒ぎを起こすような真似したらハンターに気づかれちまうだろうが!」

「……大丈夫。雄二と一緒ならハンターも怖くない」

「全然答えになってねぇ! 分かった! 分かった翔子! さっきの発言は取り消す! 取り消すから一旦落ち着いてだなへぶっ!?」

「……くどい」

 

 そのまま二人は、近くの茂みの中に消えていった。

 しばらくすると、その奥から何かをポキッと折るような音と男性の悲鳴らしき声がこだましたが、それは一体なんだったのだろうか……真実は闇の中である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――side ムッツリーニ

 

「……………どこだ」

 

 エリア内をスタスタと小走りで移動しているムッツリーニ。

 

「……………酒は、他にどこに売っているんだ……(キョロキョロ)」

 

 どうやら、先ほどの女性警備員から頼まれたお使いに向かっているようだ。

 しかしむやみやたらに動けばハンターに見つかるリスクが高まる。

 

「……………クソ、どうしてこんな目に……」

 

 そう苦言を呈すムッツリーニ。

 現在彼がいるのはコンサート会場前の売店から遠く離れたシティエリアにいる。

 何故本来向かうべき場所に行かず、それと正反対な場所にいるのかというと、

 

『……………すみません。お酒をください』

『申し訳ありませんお客様! お酒はもう切らしてしまっているんです……』

『……………え?』

『実は……先ほど女性の警備員の方が来店された時に『とりま酒をあるだけくれ! え、金? じゃあ文月学園のツケで』って全部持っていってしまって……』

『……………pardon?』

『警備員の女性がお酒をかっさらっていきました』

『……………つまりここにはもう?』

『ないです』

『……………(ポカーン)』

  

 

 ……こうなっていたからである。

 

「……………なんで……! そういうことを、するんだ凜花さんは……っ!(ギリギリ)」

 

 どうやら既に彼女がパーク内の酒を買い占めていたらしく、その事をすっかり忘れたままムッツリーニに酒を買ってくるよう依頼してしまったらしい。

 

 なのでしばらくパーク内を探していたムッツリーニであったが、やはり彼の言う通り、あそこの売店以外にはお酒は売っていないようだ。

 

 しかも途中で数回ハンターに見つかるという災難にも見舞われ(距離があったので捕まりはしなかった)、

 

『……………!!(ダダダダダ)』

「……………っ、はぁ、はぁ……!」

 

 更には道行くお客さんにコンサート前の売店以外で酒が売っていないか尋ねてみたりもしたが、マトモな情報は全く得られないという始末なのだ。

 

「……………仕方ない。もう正直に事情を話すしか……」

 

 

 

 

『酒が無かっただ?』

『……………はい』

『そうか。なら代わりにお前の脊髄をもらう(ガシッ)』

  

 

 

「……………いや、駄目だ。そんな真似をしたら……死は、免れない……!(ビクビク)」

 

 

 アルコールが切れて怒り狂った彼女によって首の骨を割り箸のように容易くへし折られる姿を想像して恐れ戦き、やっぱり頑張ろうと心に決めた。

 

「……………だが、どうすればいい。このままでは……」

 

 一旦立ち止まり、方法を考え始めるムッツリーニ。すると、

 

 

 

「はぁ~~……。どうしようかな、コレ……」

「?」

 

 

 

 声に反応して視線をあげると、そこにはセーラー服を着た一人の中学生らしき女の子が困ったような顔で立ち尽くしていた。

 

「……………おい(チョンチョン)」

「ふぇっ!? あ、あの……誰ですか?」

「……………陽向、何してる」

「確かに私の名前は陽向ですけど……どうして私の名前を知っているんですか」

「……………いや、知ってるもなにも……いや、いい」

「?」

 

 話しても無駄だと思ったのか、ムッツリーニは無理な詮索をやめた。

 

「それで、私に何か用ですか?」

「……………いや、別に用は―――っ!? 待て、それは……!」

「あ、これですか? あはは……やっぱり気になりますよね」

 

 彼女が重たそうに抱えていたもの―――日本酒の一升瓶を見て大きく目の色を変えるムッツリーニ。

 

「実はさっきコンサート会場前の売店でくじを引いたらコレが当たったんですけど……見ての通り私まだ未成年ですし、あいにく家族にもお酒を飲める人がいないので……どうしようかと思って」

「……………くじ引き、そういえばあった」

 

 そう、コンサート会場前の売店では現在くじ引きが行われている。

 当たり賞品もマスコットキャラクターのぬいぐるみセットやアトラクションの優先パス、万単位の商品券など豪華揃いだ。

 

「はい。かといって捨てるのも勿体ない感じがするし……」

「……………なら、俺に譲ってもらえないか」

「え?」

「……………今、どうしても酒が必要なんだ。頼む、陽向」

「……………」

 

 彼女にそう頼み込むムッツリーニ。

 

「……わかりました。何があったのかは知りませんが、いいですよ」

「! すまな―――」

「ただ! さすがにタダというワケにはいきませんけどね」

「……………何?」 

 

 すると、続けて彼女はこんな事を言ってきた。

 

「私、本当ならくじ引きでアインちゃんのぬいぐるみが欲しかったんです。なのでもし貴方がそれを当てることが出来たら交換でこのお酒を差しあげます」

「……………交換?」

「はい。どうしますか?」

「……………(ウーン)」

 

「……………わかった(コクリ)」

 

 くじ引きというやり方上、確実に結果が出るワケではないしリスクも大きいが他に方法はない。

 それに女性警備員からはかなりの額のお金を預かっているのでチャレンジに関しては問題ないし、あの大きさで更に高級そうなお酒なら彼女も満足してくれる事だろう。

 

「交渉成立ですね。じゃあ私はここで待っていますので、もし当たったらもう一度ここに来てください。期待してますよ?」

「……………(コクリ)」

 

 そう会話を終えると、ムッツリーニは再びメインエリアへと向かう。

 果たして彼は、ハンターを上手く掻い潜り無事におつかいをクリアする事が出来るのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――一方、コンサート会場では主役の二人が遅刻しかけるというアクシデントはあったものの、イベントは順調に進んでいた。

 

 

「会場の皆様!! 大変長らくお待たせいたしました!! これより今回のメインイベント!! 水樹カヤ&LINAによる合同ライブを開催しまーすっ!!!」

 

『おおーーっ!! 待ってましたーーっ!!』

『もう興奮がおさえられねぇよーーっ!!』

『早く始めてくれぇーーっ!!』

 

「それでは、早速登場してもらいましょう!! どうぞーっ!!」

 

 

「じゃ、行こっか。カヤちゃん」

「そうだね。LINAちゃん」

 

 

 シュゥウウウウ……バンッ!

 

「残高溶解!」

「海面蒸発!」

 

「「不思議なステッキ一振りで―――魔法少女ららこになぁれっ☆」」

 

『『『おおおおおおおおおおおおおおおおーーーっ!!!!』』』

 

 

「みーんなー!! お待たせー!!」

「たった一度の合同スペシャルライブ!! 最後まで全力で楽しんでいこうぜーーっ!!」

 

 

『おおおおおおおおおおおおおおおおーーーっ!!!!』

 

    

 

 

 

 

 しかし、そんな盛り上がりの裏で―――

 

 

「……クソ、クソッ!! 許さねぇ……!!」

 

「手紙やプレゼントもたくさん送って、握手会じゃスタッフに止められようとも、俺の好きだっていう気持ちをこれでもかと伝えた。一生懸命に頑張ったのに……それなのに、お前らはそんな俺の好意を踏みにじりやがった!! 俺達三人は相思相愛な筈なのに……!!」

 

「ブチ殺してやる……!! お前らがわるいんだ……!! おれの怒りを思い知れ……水樹カヤ!! LiNA!!」

 

 

 コンサート会場から離れた場所でスナイパーライフルを構える、一人の男。

 この後、二人に新たな災いが降りかかろうとしていた。

 

 

  

 

 

 

 

 ―――???

 

『……へぇ。序盤とはいえ、一人も脱落者を出さずにミッションクリアとは中々やるじゃないか』

『岡崎君と工藤さんは見事なファインプレーでしたね。あの僅かな時間の中かつノーヒントで正解に辿り着いたんですから』

『いいじゃないか。これこそ逃走中の醍醐味ってやつさ』

『それで学園長。次のミッションはいかがしますか?』

『そうさねぇ……二度続けて同じような内容じゃ芸がないからねぇ……。よし、なら次はちょっとひねったミッションにしようじゃないか』

『ひねったミッション……ですか?』

『ああ。最近の逃走中じゃあまりやってるのは見かけないけど、アタシは結構好きでね。逃走者共が慌てふためく姿を見るのが楽しいのさ』

 

 

『さて、小童共……次はお前らの“信頼度”がどれ程のものなのかを、たっぷり見せてもらうからね』

 

 

 そして、藤堂カヲルにより新たな通達が逃走者達に送られる。

 

 

 

「ん? メールだ」

「まさか、もう新しいミッションが発生したとかじゃないでしょうね……」

「嫌な予感……」

 

 

 

『通達①

 君達逃走者の中に―――裏切り者が紛れている。気をつけたまえ』

 

 




ゲーム終了まで、残り71分 現在の賞金額 22万8000円

確保された逃走者
・清水美春
・姫路瑞希

残り逃走者
・吉井明久 ・島田美波
・坂本雄二 ・霧島翔子
・岡崎大悟 ・木下優子
・木下秀吉 ・工藤愛子
・土屋康太
・久保利光


感想、意見などありましたらよろしくお願いいたします。


原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ
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