バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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バカテスト 保健体育

問 過度のアルコール摂取によって引き起こされる身体への悪影響を書きなさい。


姫路瑞希の答え
『がん、脳梗塞、高血圧、アルコール依存症』

教師のコメント
正解です。特に未成年での飲酒は大人よりもそういった疾患を患うリスクが高く、また法律でも厳しく禁止されている行為ですので絶対にやってはいけませんよ。


土屋康太の答え
『一夜の過ち』

教師のコメント
君ならそう書くと思っていました。


吉井明久の答え
『死ぬ』

教師のコメント
突飛し過ぎです。


岡崎大悟の答え
『野球拳』

教師のコメント
君の周りの大人達は一体どんな飲み方をしているのですか。



第六十六問  Vamos!!

 ―――side大悟

 

 明久の家での勉強会(+愚か者への粛清)を終えた次の日。

 放課後の教室でいつものように雄二と駄弁っていると、明久がトテトテとこっちにやって来た。

 

「雄二、大悟。今日も楽しく勉強会をしよう!」

「……明久。似合わない台詞が気持ち悪いぞ」

「笑顔なのが更にキモさを加速させてるな」

「なんとでも言ってよ。今の僕には体裁を気にしてる余裕は無いんだから」

 

 俺と雄二の煽りをそう軽くいなす明久。

 まぁ、今回の期末試験の結果で明久は折角の一人暮らしが終わるかどうかが決まっちまうからな。オマケに同居相手はあのクセの強い玲さんときた。

 イチイチ俺らの悪口なんかに付き合ってられないほど切羽詰まっているのだろう。

 

「ちなみに明久。もうてめェで分かりきってると思うが次あんな下らねえ嘘を付きやがったら―――」

 

 指をポキポキと鳴らして威嚇する。

 

「わ、分かってるよ。もうあんな嘘は―――」

「―――コイツで貴様をコロス(ペラっ)」

「天地天命に誓ってもう二度とあんな嘘はつきません! だからその破壊力抜群のウイルス兵器を僕に見せないで!」

 

 船越女史のリョナグロイラスト(獣+触手+拷問)を少しだけチラ見させると、明久は凄い勢いで俺に土下座した。よっぽど精神的にクるのだろう。だが元はと言えばエロゲー2000本などという甘い誘惑で俺を騙したのが悪いんだからな。

 今までは抑止力としてしかコレを所持していなかったが、これから明久が俺に何か不都合な事をやらかしやがったらドンドン使っていくことにしよう。

 

「なんじゃお主ら。今日も明久の家で勉強会かの?」

 

 鞄を持った秀吉もやって来た。相変わらずの可愛さだ。

 

「僕の家? う~ん……。今日からは姉さんが仕事でいないから、それでもいいんだけど……」

「けど?」

「今日は雄二か大悟の家にしようよ。たまには僕以外の家にも行ってみたいし、何より僕の部屋には参考書とかの勉強道具があまりそろってないし」

 

 え、俺ん家か。

 

「いいよね、二人とも。昨日は無理を押して僕の家に来たんだし」

 

 明久がそう念を押して聞いてくる。

 確かに昨日は玲さんの事を知らなかったとはいえ、無理矢理押し入ったのだ。なら俺達の方も条件を揃えないと不公平だろう。

 

「どうする、雄二?」

 

 俺は雄二の方に顔を向ける。

 

「俺は別に構わないが、お前の方こそ大丈夫なのか?」

「俺もダメってワケじゃないな。ただ店の方での物音やらが若干聞こえることはあると思うが」

「じゃあこうしよう。まずは俺の家に行って、もし何か理由があってダメになったら大悟の家に行く。それでいいか?」

「わかった」

 

 雄二の提案を二つ返事で承諾する。

 

「それならば、ワシも同行させてもらっていいかの? 一人では勉強をする気がおきんのじゃ」

「勿論オーケーだ。というか、どうせいつものメンツが来るんだろ? それならさっさとしようぜ」

「そうだね。おーい、ムッツリーニ、姫路さん、美波ー!」

 

 明久がまだ教室に残っていた三人を呼んだ。

 

「はい。なんでしょうか明久君?」

「何か用?」

「……………どっかに行くとか?」

「うん。今日は雄二か大悟の家でテスト勉強をしようと思うんだけど、良かったら―――」

 

 

 ―――電話だよお兄ちゃん♪ 電話だよお兄ちゃん♪

 

 

「む?」

 

 急に俺の携帯が鳴った。見ると母さんからの電話だった。

 

「こんな時間に珍しいな、なんだ?」

 

 着信ボタンを押して携帯電話を耳に当てる。

 

「もしもし? 俺だけど」

『おお大悟! いきなりで悪ィんだけどよ! 今日は寄り道とかしねェで真っ直ぐ帰ってきてくれ!』

「は? なんでだ?」

『それが他の従業員のヤツらが体調不良やら休養とかで来れなくなっちまってよ! これからピーク時だってのに人手が足らねェんだ!! だから手伝え! 天にもそう言っとくからよ!』

「そうか。なら仕方ねェな。りょーかいよ」

『おう! 頼んだぜ―――っておいそこのハゲ! ビール瓶はこっちだよ! その酒はアタシの晩酌用だから勝手に開けてんじゃ―――』

 

 通話を終えて携帯をしまう。

 

「どうしたのじゃ? 大悟よ」

「あー……悪い。今日はちっと勉強会は俺行けねぇわ。なんかウチの店の従業員が穴開けちまったらしくて、手伝わなきゃならねえんだ」

「あ、そうなの? それは大変だね」

「確か岡崎君のお家は中華料理屋さんなんですよね?」

「おう、だからもう帰るわ。勉強会は俺抜きでやってくれ」

 

 まぁ別に俺がいなくなったところで雄二や姫路がいるし、何の支障もあるまい。

 鞄を持って教室を出ていこうとすると、

 

「待て。それじゃ今回は大悟の家にしないか?」

 

 そう雄二が言った。

 

「人手に困ってんだろ? それなら俺達もお前の店の手伝いに協力しようじゃねえか」

「え、いいのか?」

「その代わり、勉強用のスペースを借りたい。あの店の広さならこの人数でも余裕で足りるだろ。どうだ?」

「まぁ、閉店後なら問題ねェと思うが……俺としてはありがたい話なんだが、他の連中はいいのかよ?」

 

 そう言って皆の方に視線を向ける。

 すると皆は断るどころか嫌な顔一つ見せず口々に言った。

 

「確かにいい考えだね。僕は全然構わないよ」

「他ならぬ相棒のピンチとあらば、ワシも喜んで協力させてもらうぞい」

「そうね。それに昨日はご飯まで御馳走になったんだし、そのお礼も兼ねてってことで」

「凜花さんや天ちゃんにも会えますしね」

「……………任せておけ、同志」

 

 チクショウ、なんていいヤツらなんだ。

 ほんの少しだけ目頭が熱くなっちまったじゃねぇか。

 

「なら頼もうか。母さんには俺から伝えておくぜ」

「よしっ! そうと決まれば早速移動だ! 凜花さんも首を長くして待ってるだろうからな!」

「「「おー!」」」

 

 雄二の号令に全員が一丸で返す。

 ―――ま、いいか。そこまでおかしな事にはならんだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――side明久

 

「ここが俺の家だ」

 

 学校から歩くこと約30分。

 住宅街の一角にある大悟の家―――もとい中華料理屋に到着した。

 

「こ、ここが岡崎のお店なの……?」

「と、とっても綺麗ですね……」

 

 姫路さんと美波が店の外観を見て驚嘆している。

 確かにそれは無理もない。玄関の門は提灯で明るくライトアップされ、龍や亀などの四獣を象った青銅の置物や装飾で飾り付けられている。更にその横にはガラス張りで様々な中華料理のサンプルが展示されている。

 そして上の看板には赤い枠に店の名前である『中国料理 劉玄』という文字が大きく黄金に刻印されていた。それはまるで横浜にある高級中華料理屋みたいな煌びやかさだ。

 

「なに驚いてやがる。清涼祭の時も似たようなモン見ただろうが」

「そ、それはそうだけど……」

「お店はやっぱり高級なんですか?」

「いや、そんなことねぇよ。値段もリーズナブルだし、学生の客も結構多い。見た目は母さんの完全なる趣味だな」

「趣味?」

「あの人は昔からなんでもかんでも派手なのが好きでな。だから店の外観も内装も豪華にしたかったらしくて、その結果こうなったんだよ」

 

 なるほど、確かに凜花さんの性格なら納得だ。

 でも、周りが一般住宅ばかりだからちょっと変に浮いちゃってるけどね。

 

「ワシは何度も来とるからもう見慣れたものじゃ」

「……………同じく」

「え? ムッツリーニもよく来るの?」

「……………作戦会議によく使わせてもらってる。料理も美味しい」

 

 料理はともかく、作戦会議って一体なんの作戦を会議してるんだろうか。

 

「ま、だからって気負いするこたぁねえ。ありふれた大衆食堂だからよ、お前らも全然普通にダチの家に来た感じでいてくれて構わねえから」

「うん。わかったよ」

 

 ガチャ

 

 大悟が玄関の扉を開ける。

 

「ただいまー。今帰ったぞ母さ―――」

 

 

 

 

「「「アウトォ!! セーフッ!! よよいのッ―――」」」

 

 

 

 

 大勢の半裸の男達がバカ騒ぎをしていた。

 

 ―――ピシャッ

 思わず扉を閉める僕。

 

「おい明久。なんで閉めんだよ」

「いや……なんか今、この世のものとは思えない幻覚が見えて……」

「なに言ってんだお前」

「どうしたのじゃ、明久よ」

「入らないんですか?」

 

 いや、入りたいのは山々なんだけど……、

 

「ね、ねぇ……ウチにも今ちょっとだけ見えたんだけど、裸じゃなかった……?」

 

 美波にも僕と同じものが見えたらしく、動揺した様子を見せる。

 いやいや、そんなワケがない。アレは恐らく僕の精神的ストレスが引き起こした幻覚症状に違いない。だってあんな驚天動地な光景が現実に起こってるなんて―――

 

「オラ、いつまでも突っ立ってねぇで入るぞ」

「あ、ちょ―――」

 

 ガチャ

 

 

 

「「「よよいのよいッ!!!」」」

 

 

 

 再びさっきと同じ光景が目に入った。

 

「やっぱり現実じゃないかぁぁああーーっ!!!」

 

 そう叫んで僕はその場に膝から崩れ落ちる。

 大悟の嘘つき! これのどこがありふれた大衆食堂なの!? これでどうやって友達の家に来たテンションでいろっていうのさ!!

 

「―――ん? おお大悟!! やっと帰って来たか!! それに秀吉達もよく来てくれたな!!」

「母さん。ただいま」

「お邪魔するぞい。凜花さん」

「……………同じく」

「そうか! んじゃ早速頼むわ! 男共は厨房で秀吉と女共はホールに回れ!」

「「「了解」」」

「ちょっと待って! なんで三人は平然としてられるの!? 明らかに摩訶不思議な事が目の前で起こってるのに!」

「「「? 摩訶不思議……?」」」

 

 キョロキョロと周りを見回す秀吉と大悟とムッツリーニ。 

 

「常連のオッサン達が楽しそうにドンチャン騒ぎしてて……」

「床には酒瓶がたくさん転がっておって……」

「……………料理の良い匂いが漂ってる」

「「「……………」」」

 

「「……………特に変わったことはねぇぞ(ないぞい)(ないが)?」」

「はいダウト! 今言ったことムッツリーニの以外明らかにおかしいからね!?」

 

 もうこの決して一般的な中華料理屋では起こらないであろう珍妙不可思議な光景に何の違和感も感じていないらしく、三人は僕の言った事に首を傾げた。

 大悟やムッツリーニはともかく、比較的常識人の秀吉にまでそんな反応をされるなんて……。

 

『よっしゃー!! 俺の勝ちじゃぁぁぁああーーっ!!!』

『あーあ、今日はついてねぇぜ』

『全くだ』

 

 ボロンッ

 ボロンッ

 ボロンッ

 

「ちょっとぉぉおおおおおーーっ!!?」

「「きゃぁぁあああああーーーっ!!!」」

 

 いきなりオジサン達が次々とパンツを脱ぎ、堂々と股間を晒し始めた。

 それを見て絶叫する姫路さんと美波。女子が目の前にいるのになんて真似をしているんだこの変態親父達は!!

 とにかく姫路さん達だけでもこの場から退避させないと! 

 

「姫路さん! 美波! 急いで目を塞いで店を出るんだ! 雄二、ここは一旦逃げよう!」

「あ、ああ……さすがにコレは俺でも対処の仕様がな―――」

 

 ガシッ

 

 ん?

 

「おい明久に雄二ィ……なに勝手に帰ろうとしてやがんだ? 手伝うって約束だったよなぁ……?」

 

 いつの間にか背後に立っていた凜花さんが僕らを逃がさないよう、右腕を僕らの首に回し、もう片方の腕も反対側から組んでガッチリと掴まれた。ニコニコ微笑んではいるが目は全然笑ってないし威圧感が凄い。

 

「いや、あの、それは……」

「ちょっと俺達、野暮用を思い出して……」

「へェ~……その野暮用ってのはアタシの店よりも大事なことなんか~そっかそっか~……」

 

 ギチギチギチ……!

 

「―――なぁ、ところで知ってッか? 人間は頸動脈を絞められっと大体一分も掛からずに逝っちまうらしいんだよ」

「へ、へぇ……」

「そうなんですね……」

「―――大人しく手伝うかアタシに絞め殺されるか選べ」

 

 更に絞めが強くなる。

 

「「ず、ずびばぜんでじだ……」」

 

「分かりゃいいんだ」

 

 凜花さんの拘束が解かれる。

 ほ、ホントに死ぬかと思った……。お、脅しにしても加減が無さすぎるんだけど……。

 

『おや、君達は大悟ちゃんの友達かい?』

『ははは、はじめましての顔が多いじゃないか』

『どうだ? 挨拶代わりに俺達と一緒に野球拳をして遊ばないか?』

『赤い髪の君は中々良い肉付きをしているじゃないか』

『若いってのはいいなぁ』

 

 ゾロゾロと半裸&全裸のオジサン達が僕らに近づいてくる。

 僕は思った。バイオレンス映画とかでよくある大量のゾンビに襲われる時の感覚はこんな感じなのだろうと。

 

「み、美波ちゃん……!」

「いやぁっ! こっち来ないでよ変態!」

 

 姫路さんと美波が恐怖と不快感で泣きそうな顔になる。

 男の僕でさえこの光景はキツいのだ。年頃の女子にはトラウマ必死だろう。

 

「なに!? 変態だと!」

「そんな不埒なヤツがいるのか! 一体どこにいる!?」

「「お前らのことだぁぁああーーっ!!」」

 

 僕と雄二のツッコミが同時にハモる。

 お願いだから自分達の姿を客観的に見てよ!

 

「なんだ。もしかして君達は俺達が好きでこんな格好をしてると思っているのか?」

「それは心外だな」

「え、違うんですか?」

「「「否定はしない」」」

 

 じゃあやっぱり変態じゃないか……。

 

「まぁ待ちたまえ。これにはちゃんとした理由があるのだ」

「理由?」

 

 一番前にいたスキンヘッドの筋骨隆々のオジさんがそう僕らに言う。

 あの……説明の前にせめてパンツだけでも履いてくれませんかね。

 

「俺達はさっきまで普通に食事を楽しんでいたんだ。だが思ったよりも食ったり飲んだりし過ぎて金が足りなくなったんだ」

「はい」

「だが大人ともあろう俺達が無銭飲食などという非常識な真似が出来るワケがない。そこで話し合った結果、誰か一人がATMで金を卸して立て替えようという事になってな」

「はい」

「そしてその代表を誰にするかをジャンケンで決めようということになった」

「はい」

「そして今に至る」

「待て待て待て! 一番大事な箇所が丸々飛ばされたぞ!?」

「そもそもなんでジャンケンをするだけで全裸になる必要があるんですか!?」

 

「何を言っている。野球拳なんだから服を脱ぐのは当たり前だろう?」

「「アンタらは野球拳以外のジャンケンを知らないんですか(のか)!?」」

 

 まさかここまで倫理観と常識が欠落している大人がいるなんて……。

 下手したら姉さん以上じゃないのか……?

 

「まぁまぁ落ち着けやお前ら。ほら、これでも飲んでクールダウンしろ」

「あ、ありがとうございます……」

「い、いただきます……」

 

 そう言って凜花さんが水らしき液体の入ったコップを渡してくれたので、僕と雄二はそれを一気に飲む。

 

 ふぅ……疲れた体に冷えた水分が気持ちよく循環し、喉にはアルコールの刺激が程よく―――

 

「「ブフゥォッ!!」」

 

 同時に吐いた。

 

「うわっ! きったねぇ!」

「ゲホッ、ゴホッ……な、なんですかコレ! 明らかに水じゃないですよ!」

「何を飲ませやがったんだ!」

「焼酎」

「「酒じゃないか(ねぇか)!」」

「度数25%なんて酒のうちに入らねえよ」

「「んなワケあるか!」」

 

 度数25%で水って……考えがもう人間じゃない。

 普段からこの人はどれだけ強い酒を飲んでいるんだろうか。

 

 ガラッ

 

「ただいまー。お母さーん。大悟兄ー?」

「おう、お前も戻ったか」

「お帰りだ天。おめぇもさっさと準備しろ」

「うん……あれ? なんで明久さん達がいるの?」

 

 扉を開けて入ってきたのは大悟の妹の天ちゃんだ。

 

「あ! 姫路さん! 美波さんも―――え、何この状況」

「そ、天ちゃん! これには色々な事情があって」

「ひ、姫路さん達に全裸のオジサン達が群がってる……えっと、あの……姫路さんに島田さん? その……そういうプレイはこういう公な場所じゃなくて、もっと人目につかない所でやるんですよ……?」

「「違うわよっ(いますっ)!!」」

「なにその盛大な勘違い!? 違うよ天ちゃん!? そんなアブノーマルな事を姫路さん達がしようとするワケないじゃないか!」

「で、でも大丈夫ですっ! こう見えてあたし性癖の理解は広い方ですから! 例え姫路さん達が『ああぁぁんっ! しゅごいのぉぉおおっ! オジさん達の濃厚ミルクがびゅっびゅっびゅびゅしちゃってるのぉぉぉーーっ!! ドプドプって○○にブチ込まれちゃってるのぉぉおおーっ! 着床して受精確実でたくさん赤ちゃん出来ちゃうのぉぉおおっ!!』とか言って腰を振りまくり両手で高速ダブルピストンして溜まりに溜まった濃厚白濁液を体内外で受けて悦に浸るような特殊性癖持ちのドスケベ乱○マニアだったとしても全然平気で」

「可愛い顔でとんでもない発言をするなぁぁああーーっ!!」

「……………ちゃ、着床して、受精……っ!?(ブッシャァァアア)」

 

 どうして兄妹揃ってそういう発言が堂々と人前で吐けるんだ! 

 

「なんだ明久。たかだかその程度のエロ表現で取り乱しやがって―――童貞臭ぱねぇぞ」

「うるさいよ! あんな―――」

「じゃあお前はどういうシチュエーションがいいんだ?」

「え? そ、そりゃあやっぱり最初はお互いキスからじゃないかな」

「そっからは?」

「そ、そっから? え、えーっと…………ちょっと深めなキスをして、そしたら僕が女の子の服を脱がしていっておっぱいを―――ってなに言わせるんだっ!」

「エロ漫画の展開まんまじゃねえか中学生かよ(笑)」

「やっぱり童貞なんですね(笑)」

「シバく! 頭から脳髄をブチ撒けるくらいシバき殺す!」

「やめよ明久! 大悟はともかく天ちゃんに暴力は駄目じゃ! だから椅子を振りかぶるのをやめい!」

 

 

「……あ、明久君におっぱいを……(ムラムラ)」

「……ア、アキにディープキスを……(ドキドキ)」

 

 

 閑話休題

 

 

「てかアンタらさっさと服着て帰れ。もうすぐ他の客入れんだから。まだ飲み足りねぇんなら家でやってな」

『ん? そうか。それは済まねえ』

『女の子の前で裸を晒すなんて、少々配慮に欠けていたな』

 

 凜花さんに従いようやく服を着始めたオジさん達。

 あれだけ醜態を晒してるのに少々どころじゃ済まないと思うけど。

 

『んじゃ明日も朝仕事はえーし帰るわ』

『俺も朝イチで会議だわ』

『じゃ、また来るぜ凜花ちゃん』

『これ全員分の酒代な』

「おう、お粗末様」

 

 そう言い残してオジさん達は店を後にした。

 残ったのは僕らFクラスメンバーと大悟ファミリーだけだ。

 

「すまんな姫路、島田。ウチのバカな常連共が怖がらせたみてぇでよ。大丈夫か?」

「い、いえ……辛うじて平気です」

「ウ、ウチも何とか……」

「ははは、それなら良かったぜ。アイツら酔っぱらうといつもあんな感じでよ。けど根は悪い連中じゃねえからそこは勘違いしないでくれな?」

「「は、はい……」」

「うし、オケ!」

 

 凜花さんが笑いながら二人の頭を撫でる。

 雰囲気といい言葉遣いといい、改めて見ても本当に年の離れたお姉さんにしか見えない。それぐらい凜花さんは内外全てが若々しい。

 

「うし、んじゃ開店準備すっか。おら、大悟も天も着替えてこい」

「うーい」

「はーい」

「あれ? まだお店は開いてなかったんですか?」

「ああ。ウチは昼間と夜の二回に分けてやってっからな。今は休憩時間で一般客は入れてねえ」

「え? じゃあ今の人達は……」

「アレはただ仕事終わりに遊びに来ただけ」

 

 酒飲んで野球拳で全裸になるまではしゃぐことを遊びのカテゴリーに入れていいものなのだろうか。

 

「お前らの服も用意してあっからな」

「お手伝いは何をすればいいんですか?」

「まあホールで客の注文取ったり料理運んだり、厨房でアタシと大悟のサポートに回ってもらう感じだな」

「分かりました」

「へぇ、でもそれだけなら結構簡単そうだね。ねえ雄二」

 

 雄二に向かってそう言う。

 

「そうだな。まぁ、忙しいっつっても文化祭の時と似たような感じだろうからな。上手くやってみせるさ」

「「……………ほう?」」

「ほー、大層な自身じゃねえか。気に入ったぜ。そういう小生意気な態度はアタシは嫌いじゃないからな。じゃあそんなお前らには―――」

 

 

 

 

 

 

「「「―――これから地獄を見てもらう」」」

 

 

 ―――へ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――劉玄夜の部、開店

 

『おねーちゃーん! こっち生ビール4つねー!』

『棒々鶏と油淋鶏3つずつお願いよー!』

『おーい! さっき頼んだ餃子と担々麺まだかー!?』

『芋焼酎お代わりー、水割りとロック二つずつねー!!』

「は、はーい! 今行きまーすっ!!」

「棒々鶏と油淋鶏3つずつじゃな! 承りますぞいっ!」

「ああ姫路さん! 逆です逆です! そのオーダーはこっちの団体様のですよ!」

「あっ、ごめんなさ―――きゃぁぁああっ!!」

 

 ガッシャァァアアン!!

 

「ご、ごめんなさぁぁああーいっ!」

 

 

 

 ―――キッチン

 

「おら明久ァ!! チンタラしてねぇでもっと素早く包丁の手ェ動かさんかボケェ!!」

「す、すいませんっ!!」

「雄二ィ!! 揚げが遅ェぞ!! タイマーが鳴ってからじゃなく鳴ったと同時に上げて皿に移せ!! お前のポジションが一番サイクルが激しいんだからそれを頭に叩き込みやがれよ!!」

「お、おうっ!!」

「いいか! オーダーを受けてから最低でも10分以内に完成させろ!! ただしだからといって手抜きは許さん!! 1秒コンマでも遅れたりちょっとでも適当に仕上げたヤツは即ブッ殺す!!」

「「「「はいっ!!」」」」

 

 

「チッ!! 醤油が尽きかけてやがんな……おいムッツリーニ! テメェ今からダッシュでスーパーかどっか行って大至急醤油買ってきてくれ!!」

「はぁ!? こんなクソ忙しい時に同志に買い出し行かせるだぁ!? だからアレほど在庫確認怠んなっつっただろうが母さんよぉ!!」

「しゃあねぇだろ! 昨日は二日酔いで頭回んなかったんだから! いいからとっとと行ってこい!」

「チッ! 自分勝手なこと言いやがってアル中女が―――」

 

 ボゴンッ 

 

「もういっぺん言ってみろ」

「す、すみませんでした……(ピクピク)」

「……………行ってきます(ガクガク)」

((ず、寸胴鍋が宙を舞った……))

 

 

『ああっ!? テメェが先にガンくれたんだろうが!』

『それはテメェの方だろうが! ブッサイクな顔面しやがってよぉ!』

『『ああっ!?』』

「お、お客様! 落ち着いて下さい!」

「お、岡崎君っ! 大変です! あちらの団体様同士が喧嘩を始めて―――ってあれ?」

「心配要らねぇよ姫路。ホラ」

「テメェらなにウチの店で好き勝手暴れてんだクソ共がぁぁああーーっ!!」

『おぶぉぉおおっ!?』

『ホゲェええっ!!?』

『しかも何枚も食器割りやがって! フザけんな弁償しろやボケナス! もしくはここで死ね!!』

「ちょちょちょお母さん!? やりすぎやりすぎ! 顔面エルボーからの裸絞めはさすがにやりすぎだって!」

「凜花さん! やめるのじゃ! 客の顔がえげつないくらい青くなって泡を噴き始めとる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――そんなこんなで営業終了

 

 

「……も、もう体が動かない……」

「ああ……。想像以上に、過酷な環境だったな……」

「……………疲労困憊」

「だから言ったろうが……地獄を見てもらうってよ……」

「こんな激務を……あの人は毎日続けておるんじゃのぅ……」

 

 後片付けを済ませた僕達男子五人は、あまりの疲労で満身創痍状態になり、それぞれ壁にもたれかかったり床に倒れ伏したりしていた。

 最初の頃はすんなりこなせると鷹を括っていたのだが、その目論みは大きく外れ、自分の予想を遥かに上回る程のお客さんの数と回転の速さで、約三時間ずっと忙しなく動いていたのだ。

 秀吉の言う通り、こんな激務を毎日こなしている凜花さんは本当に凄い人だと思う。

 

「ハァ、ハァ……。だ、大丈夫ですか? 明久君……」

 

 同じく姫路さんが疲れきった様子で僕に駆け寄ってきた。

 

「う、うん。姫路さんこそ、大丈夫……?」

「は、はい。なんとか大丈夫で―――あっ」

「もうフラフラじゃない瑞希。ほら、肩貸して」

「ごめんなさい、美波ちゃん……」

 

 美波が姫路さんを支えてあげる。

 僕ら男でさえこの様子なんだ。女子で尚且つ身体の弱い姫路さんには本当に地獄だったに違いない。

 

「大悟兄ー、あたしも抱っこしてー。いや、いっそのこと抱いてー」

「黙れボケナス」

「なんだとー! それがいたいけな妹に対する兄貴の態度かこらー! そんなんだからいつまでたっても童貞なんだよー!」

「なんだと! テメェこそ年齢=彼氏いない歴の処女の分際だろうが!」

「バカめ! 男の童貞と女の処女じゃ価値が全然違うんだよーバカー!」

 

 あの兄妹は疲れてても平常運転なようだ。

 

「ハハハ! どうだテメェら。これがプロの現場ってやつだぜ」

 

 凜花さんが笑いながら僕らにそう話しかける。

 その様子は開店前とほとんど変わっておらず、息切れ一つすら起こしていない。

 この人にはスタミナという概念が存在しないのだろうか。  

 

「まぁひとまず手伝いごくろうさん。おかげで助かったぜ。ほれ、しっかり水分は取りな」

「すみません……ぷはぁっ」

「い、いえ。それじゃあ……」

「ああ、大悟から聞いてるよ。ここを試験勉強に使わせてほしいってんだろ? いいよ、気の済むまで好きに使いな」

「「「ありがとうございます」」」

 

 凜花さんにお礼を言い、僕らは本来の目的である試験勉強の準備にとりかかる。

 折角こんないい場所を借りれるんだ。かなり疲労はあるけど休んでなんていられない。これも僕の自由気ままな一人暮らしを死守する為なのだから―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――小一時間後

 

 

 

 

「「「―――Vamos(行こうぜ)!!!」」」

 

 

 

 ~♪ ~♪ ~♪

 

「「「Bebe(飲め)Bebe(飲め)Bebe(飲め)Bebe(飲め)

Bebe(飲め)Bebe(飲め)Bebe(飲め)―――」」」

 

 

「「「Piedra,papal,tijera(ジャン、ケン、ポン)!!!」」」

 

 

「だらっしゃぁぁあああーーっ!!! なんぼのもんじゃぁぁぁあああああい!!」

「くそぉぉおおっ!! また俺の負けかぁぁあああっ!!」

「どうしたどうしたぁっ!? この俺のご立派様を御披露目させれるヤツはもういねぇのかぁぁあああああっ!!?(グビグビ)」

「馬鹿を言うな!! どうせ爪楊枝サイズだろぉ!!(グビグビ)」

「負かして確認してやるとするかのぉ!!(ゴクゴク)」

「……………覚悟しろ同志っ!!(グビグビ)」

「じゃあ次は僕が相手をしようじゃないか大悟ぉぉ!!(グビグビ)」

「かかってこいや明久ぁぁ!!!」

「がんばっれくらら~い、明久きゅ~ん!(ゴクゴク)」

「負けんららいわよ~アキ~!(ゴクゴク)」

「がっはははは!!! やっぱり若いってのはいいなぁ!! (グビグビ)」

「やっぱりFクラスの人達ってサイコーだねぇーっ!!(グビグビ)」

 

 

 

 狂宴は朝まで続き、次の日の学校は全員二日酔いで休んだ。

 勿論無断外泊なので姉さんに点数を大幅に減らされたのは言うまでもない。

 

 

 




最後のは実写版ぐらんぶるに出てきたヤツです。アレを明久達がやっていると頭の中でイメージして下さい。


感想、意見などありましたら宜しくお願いします。

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ
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