バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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バカテスト 物理

第六問

問 以下の文章の( )に正しい言葉を入れなさい。

『光は波であって( )である』


姫路瑞希の答え

『粒子』

教師のコメント

よくできました。


土屋康太の答え

『寄せては返すの』

教師のコメント

君の解答はいつも先生の度肝を抜きます。


岡崎大悟の答え

『地上波で邪魔する嫌な奴』

教師のコメント

それが無いといくら深夜帯でも流せないでしょう。


吉井明久の答え

『勇者の武器』

教師のコメント

先生もRPGは好きです。


第六問 対Dクラス ~決着~

―――side明久

 

 

「工藤信也、戦死!」

「西村雄一郎、総合科目残り僅か!」

「森川が戻ってこない! やられたか!?」

 

 

まずい。段々とDクラスとの戦力差が広がっていく。工藤君と森川君が戦死になったという事は今把握している人数だけでも残り五人。

 

 

「くっ、もう限界か……なら撤退するしか―――」

「明久! あと少し持ちこたえろ!!!」

 

 

すると、後ろから檄が飛んできた。見ると遥か後方から雄二が近衛部隊を引き連れてやって来た。良かった! 援軍に来てくれたのか!

 

 

「援軍だ! 合流される前に吉井達を全滅させろ!」

 

 

Dクラス前衛部隊指揮官の塚本君の声が聞こえる。

確かに、ここと雄二達との距離は随分とある。合流前に全滅なんてさせられたら作戦は台無しになるし、僕らは全員纏めて補習室送りになる!

 

 

「西村雄一郎、戦死!」

「五十嵐先生、Dクラス鈴木が召喚を行います!」

「負けるか! Fクラス田中も行きます!」

 

 

まずい、これで残りは四人だ。田中君も恐らく時間の問題だろう。雄二達は‥‥駄目だ!とてもじゃないけどまだ遠い!間に合わない!けどこのままじゃ僕まで戦死だ。

どうする……考えろ吉井明久!

 

 

『明久。喧嘩ってのはな、何も正面から馬鹿正直に突っ込んでいくだけじゃない。その場の環境や物を上手く利用するのも勝利に近づく為に必要だ。後は相手を上手い言葉で挑発したり動揺させたりするのも一つの手なんだぜ。』

 

 

……そうだ、一つ方法を思い付いたぞ。これなら僕達の戦力を減らすことなく相手部隊を混乱させられる。大悟の言葉が今ここで役に立った!

もう迷っている時間は無い! ここでやらなきゃいつやるんだ!

 

 

「先生、Dクラス笹島圭吾が吉井明久に―――」

 

「ああっ! 霧島さんのスカートが捲れているっ!」

 

『なにいっ!?』

 

 

僕はDクラスの背後を指差して名一杯叫んだ。するとDクラスの男子はおろかFクラスの皆や女子までもが勝負の途中にも関わらず振り返っている。

流石Aクラス代表―――学年首席の才色兼備の霧島翔子さんだ。あの三次元に興味が殆ど無い大悟に『彼女は姫路とは違った魅力のある逸材だ』と言わしめた程はある!

 

そして、皆の注意が逸れた一瞬の内に、僕は近くの窓に思いっきり上靴を投げた。

 

 

ガシャァァン!

 

『な、なんだ!? なにごとだ!?』

 

「うわっ! 島田さん! そんな物をどうする気だよ!」

 

 

僕は小芝居をうちながら壁に備え付けられている消火器を掴み取り、思い切りその場に放射した。

 

 

ブシャァァッ!

 

「う、うわっ! なんだ!」

「ぺっぺっ! これ消火器の粉末じゃねえか!」

「前が見えない!」

 

景気の良い音と共に溢れ出る消化薬の粉末。これで相手の視界は遮ったから戦闘は困難な筈だ。

 

「皆! 島田さんが消火器をぶちまけている間に撤退するんだ!」

『了解!』

「くっ! 逃がすな! 戻られれば本隊と合流される! その前に吉井達に止めを指すんだ!」

「島田さん! 助かったよ! でもそういう事はやっちゃ駄目だと思うんだ!」

 

念の為にもう一芝居打っておこう。これでDクラスの皆はこれを島田さんの仕業だと思うだろう。

 

 

「Fクラスの島田め! なんて卑怯な奴なんだ!」

「許せねぇ! 彼女にしたくない女子ランキングに載せてやるからな!」

「そうだ! 在学中には彼氏の出来ない状況にしてやる!」

「……でも、男らしくてステキ……。お姉さま……」

 

 

……何だか、骨の一、二本じゃ済まない様な事態を引き起こしてしまった様な気がする。

す、すまない島田さん! 君の犠牲は無駄にはしないから!

 

そして、僕達は雄二達本陣と合流し、Fクラスへ撤退していった。

 

 

 

ーーー

 

 

教室に戻り、化学のテストを受け直した後、

 

「明久、良くやった」

「流石は明久。お前ならやれるって信じてたぜ」

 

と、総大将の雄二と回復試験を受けていた大悟がらしくもない言葉を口にした。

その顔はメチャクチャ晴れやかな笑顔だった。それはもう、ムカつくくらいに。

 

「二人とも校内放送、聞こえてた?」

「「ああ。バッチリな」」

 

やっぱりコイツら僕の不幸を笑っている! 許せない!

今すぐにでもコイツら仲良く窓からぶん投げてやりたいけど今の僕は二人に構っている暇はなかった。

 

 

「雄二、大悟。須川君がどこにいるか知らない?」

「あ、須川?そういや放送室に行ったんだったな」

「もうすぐ戻ってくるんじゃないか?」

 

 

そうか! もうすぐ戻ってくるのか……僕の貞操を危険にさらし、学校全体に誤解を広げてくれたクラスメートの須川君には直接お礼をしないといけない。

大丈夫、大丈夫。包丁は家庭科室からパクってきたし、靴下には砂も詰めた。いざとなれば大悟を懐柔して協力させられる。準備は万端だ。

 

 

「やれる、僕なら殺れる……!」

「殺るなっての」

「止めないでくれ雄二。僕にとっての最優先事項は―――」

「ちなみに、あの放送を指示したのは俺で」

「内容を考えたのは俺だ。バッチリだったろ?」

 

「貴様等だぁぁぁぁっ!!!!」

 

僕は鋭く踏み込み、まずは大悟に向かって包丁を―――

 

「「あ、船越先生」」

「チィィィッ!!」

 

クソッ! 撤退だ! 

僕は卓袱台を蹴散らして掃除用具入れに飛び込んだ。これで僕の姿は見えない筈だ。

 

「さて、馬鹿は放っておいて、そろそろ決着をつけに行くか」

「そうだな。俺もそろそろ派手に暴れたいと思っていた所だ」

「ちらほらと下校している生徒も出てきたし、頃合いじゃろう」

「……………(コクコク)」

 

教室から皆が出ていく気配がする。

本来なら僕も行くべきなんだろうけど、外に船越女史がいる以上出られない。

でも、このままじゃ雄二と大悟を取り逃がしてしまう!

 

 

「あー……明久、最後に言っておいてやるがな―――」

 

 

「「船越先生が来たってのは嘘だからな」」

 

 

 

 

 ……………嘘?

 

 

 

恐る恐る覗くと、そこには船越女史どころか、誰もいなかった。

 

 

 

「騙したなぁぁああ!!雄二ぃいーーーっ!!大悟ぉおおーーーっ!!」 

 

 

 

ーーー

 

 

―――side大悟

 

 

明久を置いていき教室から渡り廊下へと向かうと、そこは既に戦場と化していた。

下校を始めた他のクラスの奴等

HRを終えて職員室へと戻ろうとする教師達

そしてそんな教師を立会人として召喚獣を出して戦うFクラスとDクラス。

 

 

「下校している連中に上手く溶け込め! 取り囲んで多対一の状況を作るんだ!」

「そっちから回り込め! 俺はコイツに数学勝負を申し込む!」

「なら、俺は古典勝負を―――」

「日本史で―――」

 

 

俺らのクラス連中がDクラスの連中を取り囲んでいる。下校中の生徒に紛れてDクラスの生徒を多人数で仕留める作戦、どうやら上手くいっているようだ。

 

 

『Dクラス塚本、討ち取ったり!』

 

 

一際大きな声が上がる。この怒号と悲鳴が飛び交う状況‥‥懐かしいな。昔の喧嘩の光景を思い出させる。

 

 

「大悟、秀吉、お前等の役目は分かってんだろうな!?」

「おう。要はここで暴れまくって全員ぶちのめせばいいんだろ! 任せておけ!」

「よし、それじゃあ行くとするかの、大悟!」

「ああ、やってやろうぜ!兄妹!」

「字面がおかしい気がするのじゃが!?」

 

 

そして、俺と秀吉は一目散にDクラスとFクラスがひしめき合う戦場へと駆けていった。

 

 

「おい! あのリーゼント……間違いない、岡崎大悟だ! アイツもFクラスだったのか!?」

「岡崎大悟って……あの『兄貴』か!?」

「それに隣にいるのは木下秀吉だ! アイツら一直線に本陣まで向かってくるぞ!」

「怯むな! いくら相手があの兄貴や木下の妹でも所詮はFクラスだ!落ち着いて対処すれば倒せる!」

『了解!!』

 

 

すると、俺と秀吉をDクラスの奴等が俺と秀吉の行く手を阻む。やっぱりそう易々と攻めさせてはくれねえか。

しかし、所詮はFクラスか……随分と言ってくれるじゃねえかコイツら。上等だ。

 

 

「……大悟、まさかこうしてお主と肩を並べて戦える日が来るとは思わなかったぞ」

「俺もだ秀吉。まさかあの秀吉に背中を預けるなんてな。試験召喚システム……楽しませてくれるじゃねえか!気合い入れてけよ相棒!!」

「そう言うお主もな。来るぞ!」

 

 

すると、Dクラス達は召喚獣を俺と秀吉の前に立ち塞がらせた。

 

 

「木下秀吉! 岡崎大悟! お前達二人に鈴木一郎が勝負を申し込む!」

「Dクラス、山田美香も行きます!」

 

 

試召戦争のルールでは勝負を申し込まれたらそれを必ず受けなければならない。だが元より俺達はそのつもりだ。

 

 

 

「いいぜ。この岡崎大悟、売られた喧嘩は買わせて貰う。試獣召喚(サモン)っ!!」 

試獣召喚(サモン)っ!!」

 

 

叫んだ直後、足元に現れる魔方陣。

そこから現れたのは、注連縄の様なものを腰に巻き、紫色の和装束を着た俺と同じくリーゼントヘアーの召喚獣だ。

そして武器としてその体躯と同じくらいの大きな金棒を持っている。

秀吉の召喚獣は俺と同じく上が白で下が藍色の和装束に武器は薙刀。

正にどっちも、『和』を全面的に押し出したスタイルの召喚獣だった。

 

 

そして、召喚獣の頭上にそれぞれの点数が表示された。

 

  

 

Fクラス  岡崎大悟 & 木下秀吉   447点 & 83点

 

 日本史  VS

 

Dクラス  鈴木一郎 & 山田美香    82点 & 76点 

 

  

 

「はぁああ!? な、なんだあの点数は!? どうみたってFクラスレベルじゃねえぞ!?」

「447点なんて……ほぼAクラスと同じくらいの点数じゃない!!」

 

 

表示された俺の点数を見て明らかに狼狽える相手。まあ、当然っちゃあ当然の反応だわな。だってFクラスの人間だもん、俺。

けど、俺は別にカンニングや不正行為をしてこの点数を取った訳では無い。正々堂々自力でテストを受けてこの点数を掴み取ったんだ。まあ、社会科が俺の得意教科というのもあるのだが。

 

 

「それじゃあ―――行くぞゴラァアアアアア!!!!」

 

 

俺の気合いに応じるように召喚獣が金棒を強く握り締め、相手に向かって走り出す。

 

 

「恋のっ!! マジカル☆プリティぶん殴りぃぃいいいい!!!!」

 

 

そして、そのまま相手の召喚獣二人ともめがけて金棒を叩きつける。それは床を叩き壊さんとする勢いと轟音を生み出し、相手の戦士達を一撃で葬った。

 

 

 

Fクラス 岡崎大悟   447点

 

 日本史 VS

 

Dクラス 鈴木一郎 & 山田美香   DEAD & DEAD

 

 

 

「0点になった戦死者は補習ぅーーーー!!!!」

 

 

「な、なんだあの召喚獣は!?」

「一撃で倒されただと!? なんつう強さだ!?」

 

 

相手のDクラスの生徒達は瞬く間に混乱に陥った。まさかFクラスに一撃で召喚獣が倒されるとは思っていなかったのだろう。

 

 

「相変わらずの点数の高さじゃのう、大悟!」

「それが大悟の召喚獣か! キモオタの癖にやるじゃねえか!」

 

 

テンションが上がっているのか、興奮ぎみにそう言う秀吉と雄二。

 

 

「はっ! オタクが馬鹿だと誰が決めたんだよ! オラァ! こんなもんじゃ俺達ァ止まらねえぞ!!」

「ふむ、大悟を見ておると、儂も高ぶってくるのう!」

 

 

そのまま俺達はそれぞれの召喚獣を連れて別の生徒の所へ向かう。そして再び召喚獣の金棒が猛威を振るった。

秀吉も明久程では無いにしろ召喚獣を上手く扱い、上手く俺のサポートにまわってくれている。正に阿吽の呼吸といったコンビネーションだ。

 

 

 

Fクラス 岡崎大悟 & 木下秀吉  311点 & 41点

 

 地理 VS

 

Dクラス 中野健太 & 笹島圭吾  DEAD & DEAD

 

 

 

俺と秀吉は短時間で一気に相手の戦力を減らすことに成功した。

 

 

「何なんだあのコンビは!? 正に美女と野獣だぁぁああ!!」

「あんなのに勝てるわけ無いじゃない!」

 

 

このままいけば押しきれる! Dクラスには負けない!

 

 

「皆! 援軍に来たぞ! もう大丈夫だ!」

 

 

あれは確かDクラスの代表の平賀! ということはDクラスは遂に本隊を動員したということか。これでこの場所には双方の主戦力が揃ったことになる。

 

 

「くっ! まさかあの兄貴がここまでやる人物だったとは! 本隊の半分は岡崎大悟と木下秀吉を足止めだ! その間にもう半分でFクラス代表の坂本雄二を潰しに行くんだ!」

『了解!』

 

 

平賀の号令のもと、俺と秀吉の召喚獣を取り囲む。

 

 

「木下秀吉はともかく、岡崎大悟はかなりの強敵だ! 必ずここで食い止めるぞ!」

「……秀吉、今ここに何人くらいいるんだ?」

「うむ、ざっと見ても相当な数じゃろうな。それこそ『今ある戦力の半分』ぐらいではないかの?」

「そうか……。なら―――」

 

 

「「―――お前(お主)等の敗けだ(じゃ)」」

 

 

俺と秀吉はDクラスの奴等を指差してそう言い放つ。

俺と秀吉が雄二から託された役割は二つ。とにかくここで暴れまくって敵の戦力を減らすこと。もう一つはそうすることで出てくるであろう本隊の奴等の意識を向けさせることだ。

現に代表の平賀は戦力を削られたことで自分が援軍に出ざるを得ない状況になった。そして自身の近衛部隊の殆どを俺達と雄二に向けた。

 

 

それはつまり……平賀の周りには邪魔物はいなくなる。なんか明久がいるけど無視だ。俺達は『彼女』の出番を作るための前座‥‥アニメでいうなら『主人公が駆けつけるまでのサブキャラ』に過ぎないのだ。

 

 

 

「あ、あの……」

 

平賀の後ろから、我らFクラスのメインヒロインこと姫路が申し訳無さそうに平賀の肩を叩く。

 

「え? あ、姫路さん。どうしたの? Aクラスはこの廊下は通らなかったと思うけど」

「いえ、そうじゃなくて……」

 

もじもじと言いづらそうに身体を小さくする姫路。

 

「Fクラスの姫路瑞希です。えっと、よろしくお願いします」

「あ、こちらこそ」

「その……Dクラス平賀君に現代国語勝負を申し込みます」

「……はぁ。どうも」

「あの、えっと……さ、試獣召喚(サモン)です」

 

 

 

Fクラス 姫路瑞希  339点

 

 現代国語 VS

 

Dクラス 平賀源二  129点

 

 

姫路の魔方陣から現れた召喚獣は背丈の倍はあろうかという大剣を所持していた。うわぁ強そう。

 

 

「え? あ、あれ?」

「ご、ごめんなさいっ!」

 

 

姫路の召喚獣は素早い動きで平賀の召喚獣を真っ二つに斬り捨てた。

 

 

相手の反撃を許さず、一撃でクラス代表を倒し、この戦いは決着した。

 

 

 




Dクラス戦、これにて終了です!
高評価をつけていただいてとても嬉しい限りです!

意外とバカテスの召喚獣に武器が鬼の金棒っていないなって思ったので大悟の召喚獣は金棒と和装束にしました。
見た目は例えるなら、リーゼント以外ワンピースのカイドウをイメージしてください。

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ
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