バカとオタクとリーゼント   作:あんどぅーサンシャイン

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バカテスト 家庭科
問 一般的な肉じゃがに使われる材料で、肉、ニンジン、ジャガイモ以外を一つ以上答えなさい。


岡崎大悟の答え
『タマネギ』

吉井明久の答え
『白滝』

坂本雄二の答え
『さやえんどう』

教師のコメント
正解です。シンプルイズベストといった解答で、君達三人の料理の腕前なら、舌もとろける美味しい肉じゃがが出来そうですね。


霧島翔子&木下優子の答え
『愛の蜜』

教師のコメント
せめて愛情だけにとどめておいてください。


姫路瑞希の答え
『濃流酸、クロロ酢酸、硝酸カリウム』

教師のコメント
舌どころか色々なものまで溶かし尽くす悪魔の肉じゃがの出来上がり。







第七十四問 貧乳と肝試しと新たなる能力

 

 

 ―――side 大悟

 

 

「……ねぇ、アキ」

「な、なにかな美波」

「この召喚獣、ウチに何を言いたいのかしらね?」

「な、なんだろうね……」

 

 こちらを向かず、背中越しに明久にそう尋ねる島田。

 やべぇよやべぇよ……なんか島田の全身から激おこファイナリックプンプンドリームのオーラめっちゃ出てるよ。背後に阿修羅的なヤツいるんだけど。

 これ下手な事言おうもんなら確実にシバき殺されてデッドエンドルート直行じゃねえか。

 

「……………」

 

 明久が助けを求めるような視線を俺達に向けてくる。

 勿論目をそらす。わざわざ火の中に丸腰で飛び込むような愚かな行為に加担する必要は無いからな。

 

 (お願い大悟! なんとかいい誤魔化し方を教えて!)

 

 そしたらよりによってこの野郎、俺に耳打ちしてきやがった。

 だが答えは変わらずノーだ。

 

 (知るかよ。テメエでなんとかしろ)

 (そんな薄情な事言わないで! 僕らは一蓮托生、苦難も快楽も共に分かち合ってきた仲じゃないか! どうかこの通り!)

 (うるせえ。死ぬなら一人で勝手に死ね)

 (くっ……ならいいさ! もし僕の言うことを聞いてくれないのなら、貴様が女子小学生に土下座してた時の事を葉月ちゃんに包み隠さず暴露する!)

 (はぁ!? ふざけんな! そんな事したら、確実に葉月ちゃんから幻滅されちまうだろうが!)

 (それが嫌なら僕に協力してもらうぞ。君に残された選択肢は二つ。僕との友情を取るか……葉月ちゃんからゴミを見るような目で蔑まれるのを取るか!)

 (ぐっ、このクソ野郎がぁ……っ!)

 

 なんという傍若無人で極悪非道なやり方をしてきやがるんだ。コイツには人の心ってモンがないのか!

 だが、愛しの葉月ちゃんを引き合いに出されては仕方ない。彼女に嫌われることは死と同義だからな。受け入れる他あるまい。ただし明久、テメーは後で確実に潰す。

 

 (しゃあねぇな。じゃあ俺が特別に伝授してやるよ)

 (ありがとう。でも僕から言っておいてなんだけど、大丈夫なのかい?)

 (おう。島田を怒らせねえような発言をすりゃいいんだろ。んなもん簡単だろうが)

 (簡単って、あのぬりかべと美波に共通する特徴なんて、真っ平ら以外僕には思いつかないんだけど?)

 (だろうな。だから逆にこう言ってやるのがベストだ)

 (え?) 

 

 俺は明久にあるキャラクターの台詞を耳打ちで教える。

 そもそも女にとって胸が貧相ってのは世間一般的に見りゃあマイナスポイント……コンプレックスの一つとして捉えられてるのは事実だ。大は小を兼ねるということわざがあるように、胸も無いよりかはある方が女の魅力度はより増すだろうからな。姫路がいい例だ。おそらく島田もそう思ってしまっているからこそ、ぬりかべに変えられた召喚獣を見て怒りを募らせているのだろう。

 だが俺に言わせりゃあその凝り固まった固定概念そのものが大きく間違っているのだ。胸がないからなんだというのだ。胸がないだけで女性の勝ちが決まるのか? 違うだろう。そんなものはあくまでも女性の数ある魅力的な部分の内の一つでしかない。いや、むしろ貧乳であるからこその魅力だってあるんだ。島田はまだそれを分かっていないだけだ。つまり島田には、貧乳であることは決して“卑下”されるのではなく―――“称賛”されることなんだと脳内変換させてやればいい。

 

 (ほ、ホントにいける? もっと怒らせちゃったりしないかな?)

 (案ずるな。女子ってのは二、三次元問わず自分の容姿を誉められりゃ嬉しいモンだ。それが例え自分にとっては耐え難いコンプレックスであろうとな。お前なら出来るさ)

 (そ、そうかな)

 (そうだとも。あとは決して怖じ気づくな。弱気な発言や行動は相手に余計な不快感を与える。ドッシリとした態度で胸はっていけ)

 (大悟……わかった。君を信じるよ)

 (おうよ)

 

 互いに頷いた後、明久は島田に向き直る。

 そしてゆっくりと深呼吸をして、静かに言い放った。

 

「美波」

「うん」

「ひ―――」

「ひ?」

 

 

 

 

 

 

「貧乳はステータスだ!!! 希少価値だ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

「……………」

「……………アキ」

「……………なんだい?」

 

 

 

  

 

「床に這いつくばって歯を食いしばりなさい♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明久はいつもの十割増しでボコられた。

 どうやら島田には俺の想いは伝わらなかったようだ。誠に遺憾である。

 

「そうだ岡崎。お前に一つ報告事項があったんだ」

「俺すか?」

 

 急に鉄人が話しかけてきた。

 

「学園長がお前の事を呼んでいたぞ。せっかくだからこのまま学園長室に行ってこい」

「えぇ……(困惑)」

「そんな露骨に嫌そうな顔をするな。何でも話したい事があるそうだ」

 

 なんだってんだあのババァ。わざわざ俺を名指しして呼び出して話したい事なんてよ。最近は特にやらかしとかはしてない筈だが……。

 まさかアレか? ここんところダイゴブックスの売上が良いからその噂を聞き付けて自分にも何か同人誌を書いてくれとか言われるのか? クッ、そうなると厄介だな。個人的にはババァは人間として嫌いだ。だが客を性別や年齢で差別しない、例え生徒だろうが教師だろうが客であれば平等に扱うことをモットーにしている以上、どうしても無下には出来ねぇ……! だが、あの学園長がどんなエロ同人誌を所望してるというんだ……? ハッ! まさかそんな!

 

「……学園長って、やっぱ高城さんの事が好きなんすかね?」

「……お前も段々、吉井と同じレベルの思考になってきているな」

 

 実に心外だ。訴訟も辞さない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――学園長室。

 

「で、何の用ですかい。学園長さんよ」

「どういうつもりだ学え―――ババァ」

 

「……アタシは岡崎だけを呼びつけたつもりなのに、なんで坂本までいるのかね」

 

 俺は目の前の高級そうな椅子に偉そうに腰掛ける白髪のババァこと、学園長にそう尋ねた。その雄二がいる。どうやら今回のシステムの調整について詳しい事をしてもらうつもりで俺に着いてきたらしい。明久は島田に処刑されてる最中なのでいない。

 あ、ちなみに雄二の召喚獣は狼男だったぞ。特徴は野生だってさ。

 

「断る。お前らみたいな人をババァ呼ばわりするクソガキ共にわざわざ一から話す義務はないからね」

「そうか、それはすまなかったなババァ長」

「その呼び方は今までで一番酷いさね!?」

 

 本当に酷い言いようだ。愛しの高城さん(笑)が聞いたら泣いちゃうかもなぁ。

 

「んで、ババァ。正直なところどうなんだ。きちんと復旧するのか?」

「はぁ? 復旧? 何を言っているんだい。それだとまるで召喚システムに欠陥があるみたいじゃないか」

「いや、明らかに調整失敗しているだろうが」

「いいや、違うね。アレはちょっとした遊び心さ」

「「は?」」

 

 意味がわからず、間抜けた声を出す俺と雄二。

 話を聞くと、どうやらこの調整は季節に合わせた夏仕様であり―――現在企画しているイベント“召喚獣肝試し大会”に向けてのものらしい。

 だがおかしい、普通ならそういうのはあらかじめ生徒や教師に説明しておくべきではないのか。俺達はもちろんのこと、鉄人でさえ調整の詳細は知らされていない様子だった。いくら学園のトップとはいえ、校内イベントの為にシステムの変更なんて大掛かりなことを独断で進めていいワケがない。

 つまりこのババァ……肝試しってのは建前でまた何か別に企んでやがるな。

 

「おい、だとしたらなんで俺の召喚獣がカ◯ドウそっくりなんだ」

「おや、アンタなら喜ぶと思ったんだがね。ちょうどアンタの腕輪の能力とドンピシャだったし。嫌いだったかい?」

「いいや、そんなことはねぇけどよ」

 

 つーか大丈夫なのかよ勝手に使って。文月のスポンサーの中に集◯社とかいたらどうすんだよ、バレたらマジもんで怒られるぞ著作権とかそんなところで。多分土下座の一つや二つじゃ済まねぇぞ。

 

「夏休みでも投稿する可愛い生徒達への、アタシからのささやかなプレゼントさ」

「プレゼントねえ……。ま、ババァがそう言うのならそういうことにしておくか」

「ん? なんだ雄二。お前にしちゃ、やけにあっさり納得するな」

 

 悪知恵が働くコイツのことだ。もっと強く詰め寄るかと思ってたんだが。

 

「別にここでババァに『実は調整失敗だった』なんて言わせたところでメリットはないだろ。だったら、学園長のありがたい心遣いに甘えさせてもらおうぜ」

「え、じゃあ本気で召喚獣使って肝試しなんてするのかよ?」

「ああ。学園長もそれを踏まえた上でのプレゼントだって言ってるんだろ? 俺達に召喚獣の異変がバレた以上、世間体を考えると学校側も何もしないわけにはいかないだろうしな」

「? つまりどういうことだってばよ」

「試験的なシステムという名目で召喚システムを運営している以上、学園側はシステムの調整を失敗したなんて易々と言えないんだ。隠しきれるならそれでよかったが、生徒にバレた以上はどうしようもないだろ?」

 

 要するにスポンサーからのバッシングを避ける為に、わざわざ肝試しなんてものを計画していることにし、調整失敗をうやむやにしてやれって魂胆らしい。

 なんつーか、大人の世界って色々めんどくせえな。いくらプロだからって普通の人間なんだから一度や二度のミスくらいするだろうに。それを快く受け入れられないようじゃ、人の上に立つ資格なんて到底ねえと俺は思ってる。

 

「じゃあ、残り二日の補習期間は肝試しってことでいいんだな?」

「いいや、ただの肝試しなら却下さね。あくまでも学習意欲向上の為さ。見た目だけでワイワイ楽しむのは授業数にはカウントしないよ」

「それなら道中にチェックポイントでも作って、そこで勝負させるか。これなら互いに公平だろ?」

「そうさねぇ……。ま、ルール次第によっては、認めてやろうじゃないか」

「よし、決まりだな」

 

 満足そうに頷く雄二。

 肝試しねぇ……召喚獣がメインとはいえ、あんま気乗りしねえクソイベだなぁ。

 

 

「うし、話は終わりだ。教室に帰ろうぜ大悟」

「あー、俺はまだ学園長に用があるんでな。すまねえがもう少しここにいるわ」

「そうか。なら俺は先に帰るぜ。そろそろ明久の処刑も終わっただろうし、あんまり長いと鉄人の相手が面倒だからな」

「悪いな。俺もすぐ戻る」

 

 

 そう言い残して雄二が学園長室から出ていく。

 そして二人になり、俺は話を切り出した。

 

「んで、俺に対する用事ってのは?」

「ああそうだったね。だがその前に……どうだいその腕輪の調子は? もう半年近く経てば慣れてきたと思うんだがね」

「腕輪? まぁ、確かに前よりは使いこなせてますよ」

 

 そう言って俺は右の手首に装着している腕輪を見る。これは試験のそれぞれの科目においてかなりの高得点をとった生徒にのみ支給され、召喚獣を強化出来るアイテムだ。ウチで言えば俺と姫路、ムッツリーニ、条件の例外として明久が所持している。ただし俺のだけはその中でも特別仕様になっていて、召喚獣を巨大な龍に変身させるという強大な力を備える反面、使用者の体力を奪い取り、とてつもない疲労感を与えるというフィードバック付きの代物だ。

 本来であれば危険過ぎて実用はさせないつもりだったのだが、ちょうど腕輪が完成したタイミングで“青少年育成プロジェクト”を知り、これはチャンスだと思って参加し、当時模範囚であった俺を少年院から引き抜いて文月に転校させたのだ。元々俺の噂を聞いていたババァは真っ先に俺にこう言ってきたのだ。『アタシの研究に力を貸してもらうよ』と。まあ早い話が人体実験である。人よりも体力に優れている俺を実験台とし、この腕輪を使わせて定期的にデータを採取する。当然拒否はさせない。何故なら自分は俺に対して多大なる恩恵を与えているのだから。それがババァの描いた一連のシナリオだったのだ。

 

「最初聞いた時はマジかって思った。人のことモルモットにする気かってな」

「アタシは純粋なボランティア精神であのプロジェクトに参加したワケじゃないからね。前歴持ちの途方にくれているガキに居場所を提供してやってるんだから、それなりに対価は求めてもバチは当たらないさ」

「今の言葉、スポンサーが聞いたらどう思うかね」

「それは言わないでおくれよ。アンタは本来不可能だった高校生活を送れる。アタシは自分の研究成果を余すことなくこの目で見ることが出来る、実にWin-Winな関係だろう?」

 

 まあ、その考えに否定はしない。

 そのおかげで俺は相棒と再会し、明久達に会うことが出来たんだからな。その代償として実験台になるぐらいなら、お安いご用だ。

 

「それで、本題はなんすか? いきなり呼びつけといて経過観察だけってことは無いんでしょうよ」

「ああそうさ。実はね……また新たな腕輪を開発したから、そのテスターをしてもらいたいのさ」

「新たな腕輪?」

 

 そう言ってババァが机の引き出しから取り出したのは、ケースに入った青色の腕輪だ。

 

「これを俺につけろと?」

「そうさ。もちろんこれはアンタにしか使えない―――召喚獣と生身で殴りあう事の出来る馬鹿力と喧嘩の腕をもつ人間にしかね」

「アンタ……知ってたのか」

 

 ババァがからかう様な笑みを浮かべて俺にそう言った。

 強化合宿の時、俺は女子達から覗きの冤罪をかけられ、真の覗き犯を暴く目的で雄二達と共に女子風呂に向かい、道中で行く手を遮る学年主任の高橋と対峙した。圧倒的な実力差を見せられ、万事休すに追い込まれた。

 そこで俺はあえて召喚獣ではなく生身で高橋の召喚獣に挑み、最終的には他の教師に邪魔されて勝てこそしなかったものの、サシの戦いだけでいえば互角以上の結果を残せたのだ。

 

「高橋先生からその話を聞いた時は開いた口が塞がらなかったよ。人間のパワーを遥かに上回る召喚獣、それも教師のに対して無策に拳で渡り合おうとするだなんてね。無謀もいいところさ」

「だろうな。けど俺ァただ、ほんの少しでも勝てる可能性に賭けたつもりだ。点数的にも操作の技術的にもあの人には敵わなかったからな」

「下手したら、怪我じゃ済まない可能性だってあったんだよ? それをわかってるのかい」

「ええ。でも俺にはそれよりも譲れねぇモンがあったんです」

「なんだい」

 

「男の尊厳と誇り。そして……ダチの名誉をこの手で取り戻すことだ。その為ならたかが怪我の一つや二つなんて、上等だってんだよ」

 

「はんっ、アンタらしい実に愚直で青臭い考えだね」

「……………」

「……が、アタシは嫌いじゃないよ。そういう()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そう言って、ババァはケースから腕輪を出して俺に手渡した。

 それを受け取り左手首に嵌める。うん、着け心地は悪くねぇな。

 

「折角だ。今この場で試してみておくれ」

「今だと?」

「ああ、特別にこの部屋にだけ召喚フィールドを展開するから、召喚獣を喚び出して腕輪の能力を使いな。やり方は元あった方と同じ、能力の名称を口にすれば発動するようになってる」

「わかった。だかよ学園長、誤差動とかは大丈夫なのか?」

「それも兼ねての試運転さ。データ上は問題ないけど、まだ人間で試してないからね。心配ない、もし何か異常が発生したらすぐにフィールドを消して被害は出させないようにするよ」

「そうかよ。ならその辺は任せたぜ―――試獣召喚(サモン)!」

 

 学園長室内に召喚フィールドが現れ、それに続いて俺は召喚獣を喚び出す。仕様変更とやらで百獣のカイド◯そっくりと化した俺の分身を。

 そしてババァがその新しい能力の名前を俺に伝えた。……おいおい、マジかよ。

 

「それじゃ、始めておくれ」

「おうよ。さて、どんなものか見せてもらおうじゃねえか。いくぜ―――」

 

 

 

「―――■■!!!」

 

 

 俺はその技名を力強く叫ぶ。

 すると、新しい腕輪が激しく光輝くと共に―――能力が発動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――能力発動後。

 

「……………」

「―――成功、と見てよさそうだね」

「……アンタ、マジでとんでもねぇモン作りやがったな。確かにこの能力は危険過ぎて俺以外じゃ扱えねえってのにも納得だ。というか俺でも使いこなすにはかなり時間がかかりそうだ。ったく、発明家ってのは昔も今も無茶苦茶しやがるんだな」

「それは誉め言葉として受け取っておくよ。それで……どうだい実際に使ってみての感想は?」

「感想? そんなもん決まってんだろ―――」

 

 

 

「―――最高に面白えな。コイツぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――Fクラス教室

 

 

「たでーま戻りやしたー」

「大悟ぉぉおおおおおおーーっ!!!」

「うおっ!?」

 

 新しい腕輪の試運転を終えて教室に戻る。すると入るやいなやいきなり明久に掴みかかられた。顔は島田に散々殴られたのか、アンパ◯マンよろしくふっくら仕上がっている。

 

「お、なんだ明久。ブサイクな面が更に醜くなってんじゃねえか」

「黙れカス! 貴様よくも僕を騙してくれたな! 何が女性はコンプレックスでも誉められたら喜ぶものだ!? 全然真逆の結果だったじゃないか!」

「あんな嘘に騙される方が悪い」

「殺す!! 今日という今日こそは貴様をこの手で殺し尽くす!!」

 

 どうやらさっきの事で相当お怒りらしい。

 やれやれ仕方ないな。俺はそう思いとりあえず金ヅチで俺を殴ろうとする明久を手で制す。

 

「まあそう怒るな明久。お詫びにこれでも見て頭冷やせ」

「なんだよ。今さらエロイラストなんかで僕を黙らせようっていうのか―――」

 

 

 

 

 ペラッ(船越女史の脱糞ア◯ニーエログロイラスト)

 サッ(素早く目を背ける俺)

 ゲゴゴボガボボゴ(盛大に吐く明久)

 

 

 

 白目を剥いて気絶する明久。

 よし、これで大人しくなった。やはり船越女史の破壊力は絶大だな。

 

 

「何してる岡崎。早く席につけ、補習を再開するぞ」

「へーい」

 

 

 俺は席に戻る。

 ……しっかし、肝試しなぁ……。あんまりやりたくねぇなあ……。

 

 




今回の登場人物
明久←フルボッコだドン!
島田←ご立腹。こなたちゃんと果たしてどっちが大きいのか……? 
大悟←新能力を試し、ちょっとワクワクしてる。
雄二←今回ほぼ空気


感想、意見などありましたらよろしくお願いいたします。

原作七巻の野球大会編、入れるかどうか迷ってるんですけどどうしましょう?

  • 入れろ、絶対に
  • 別に入れなくてもいいよ

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