やがてSSSレートに至る化け物を育てるRTA、はーじまーるよー。
前回は功善ニキからエトを引き取ったところで終わりましたが、現在ホモくんはというと原作同様に東京大地下こと24区に身を寄せております。
テレビもねぇ!ラジオもねぇ!どころか、電気もガスも水道も含めありとあらゆるものがねーです。でも喰種捜査官は一月一度来る!
いや、私だって畜生じゃないですからもうちょっとマシな所で住まわしてあげたかったんですけどね…だってほら、ホモくんVに顔割れてますし…離反者扱いだから普通に命狙われてておっぶえおっぶえ。エトしゃん守りながらだと100死ゾ。
って感じなので魔境と化した24区先輩以外のとこだと常に死の危険が付き纏います。
少なくともエトが自立するまではこんなクズ底暮らしのホモエッティ状態が続くんで…ざっと10年くらいですかね。ホモくんの20代は劣悪環境での子守バイトに消えるのだ。
可哀想だけどガチでこれが最適解なので我慢しろよホラホラ男だルォォン?!
てことで、ホモくんには向こう10数年はモグラ叩きにやってくる捜査官を食糧に生き延びる生活をしてもらいます。しばらく(何のイベントも起き)ないです。ひたすらに心を無にして日程を消化しましょう。あ、画面は倍速でお送り致します。
てことで、はい、よーいスタート(棒読み)
チカレタ…(小声)
さてと、そろそろ10年が経ちますね。現実時間では2時間くらいかかってますかねぇ……はーつっかえ…このRTA頭おかしいよ……
と、私感ですがこのチャートの最大の難所はここと言っても過言じゃないです。同じ作業を延々とこなすだけなのでここで一気に集中力が持ってかれますし疲れも溜まります。
それによってこれから先でとんでもないガバをしでかして泣く泣く再走なんてことも…
戦闘中の多少のミスとかなら見逃すんですけどね。5、6秒のロスなら誤差ですよ誤差。やけどお前、好感度管理ミスとかルート分岐でミスるのはあかんやろお前(3敗)
エトのフラグ管理忘れててうっかりCCG滅ぼした時は虚無りましたね。もうどうでもよくなっちゃってそのデータで生まれて初めて全員殺害のGルートやっちゃいました。エウデッテデッデーデデデデ
元を辿ればこんな思いしてるのもノロのせいだから。シウサマに熱いヴェーゼをもらって、どうぞ。
さて、愚痴もここらへんにしておいて本編に戻りまっしょい。
まあ10年も経ったってことでね。うちのエトさんもね、可愛らしく育たれて。母親似でよかったですね。顔で殺し屋バレしてそうな父親似じゃなくてよかったよかった。
語彙力が天元突破してらっしゃるので同年代の童と比べると若干ふてぶてしいですけど、それも含めてエトしゃんの魅力よな(娘全肯定bot)
と、そんな麗しの彼女ですがここで重大イベントが発生します。
その名も闇堕ちイベ、とか言われてるやつです。
まあ一応闇堕ちさせないルートもありはしますが…好感度カンストさせてホモくんに依存させる腑抜けルートってやつですね。いや、そっちのルートは別の方向に堕ちてるやんけお前…と。
エトを絶対にハッピーエンド行きにさせない制作者の鋼の意思を感じる。まあエトは生まれたこと自体が不幸ってそれ1。
……とかく、知らない方がほとんどだと思いますので簡単に説明しますと、原作の方でエトが自らのことやVのことを知るきっかけとなった『くぜんさん学習ノート』こと憂那さんが遺したノートですが、原作と違い今回のチャートではホモくんが保管しております。
まあ、当たり前っすね。大人がいるなら大人が管理するでしょうと。
今回のイベントは、言ってしまえばそのノートをエトがたまたま見てしまうというだけの内容です。
そこで親の事やこの国の闇を知ってしまって、原作同様アオギリ結成、CCGと敵対という流れになります。
どうしてホモくんそんな簡単にノート見つけられてしまうん…?
仕様だからしようがないんですけどね(激うまギャグ)
……闇堕ちに関しては若干どころかかなりのご都合を感じますが、原作の方でもそんな感じなんで見逃してください何でもしますからってやつ。
原作でも、エトの行動の規模に対して動機が弱いっていうのは色々な人の考察の種になるくらい謎な部分で。
確かに父親が母親を殺した等憤慨するポイントは有りはしますが、一度も会ったことない親ですし、Vのことにしろ10歳そこらの少女が完全に理解するのは無理がないかな、と…
生まれた時から、自らの存在を認めてくれる者さえもいない。何もかもを失っていた、これ以上失う物が無かったからこそ軽率に復讐に自らの存在価値を落としこんで、気づけば引き返せなくなっていた……なんてのは私の妄想ですが。
そんな妄想が捗るくらい原作でも謎な部分なのでご都合は仕方ないと思います。変にオリジナル設定入れると『それは違うよ!』とか文句を言い出す厄介ファンは多いですし。
話が脱線しましたが、このイベントが起こることによってアオギリ結成はほぼ確実。ここに関しては絶対に原作通り結成させた方がいいです。
この東京喰種という作品、途中から殆どの出来事にアオギリ、もしくはエトが絡んでくるのでアオギリ結成を阻害したりすると、後々のシナリオが原作と大幅に乖離しますからね。対処は出来ますが運要素が出てきたり、特に有馬辺りのフラグ管理が死ぬほど面倒くさくて長引くのでタイム的にここは触れないが吉です。
お、そんなこんなで解説してたらゲーム画面の方はイベント結構進んでますね。ホモくんとエトさんの問答ももう中盤くらい。内容は見飽きて興味ないのでA連打。おら会話あくしろよ!
『私は、功善もVも、私を貶めた何もかもを赦さない!顔も知らない奴等のせいで私の生が左右される道理はない!それがこの世の理などとは認めない!そんなものは、片っ端から壊れてしまえばいい…!』
カットインが入って意味深な台詞と共にイベントは終了。
この後エトに付いて行くか、エトの下を去るかの2択を選べますが、今回は付いていく方を選びます。
ワンワン!僕は忠犬だワン!と尻尾を振りましょう。芥子の時にもこんなんやった記憶がありますめぇ…
とまあ、そんな過去のことは置いておいて、どっち選んでも全員生存は可能なんですけど多分アオギリに寄生した方が早いんですよね。
アオギリには好感度上げてイベント起こしまくらないとすぐ死に急ぐ面倒な奴いますし。タタラって言うんですけど。
どうしてタタラくんすぐ法寺さんに喧嘩売るん?
試走で流島攻略戦含め色々カットしたチャートで走ってたらタタラさん最終決戦の時に法寺さんに奇襲かけた挙げ句反撃で普通に逝きましたからね。
試走の時はこんな面倒なこと知らなかったので呆気にとられたなあ。ほんとアオギリはチャートブレイカー多くて困っちまうよ~頼むよ~
とまあ、とりあえず、これからはエトを超強化して化け物一歩手前くらいまで育成した後、この陰気な地下を抜けて原作開始までは各地のサブイベをこなしていきます。
原作開始までまた10年以上あるんでイベントは回収しつくして大丈夫です。というかそれ以外することないんで誰でも全回収すると思われ。
さて、これからの方針も語り終えたところで、今回は早いですがここら辺で終わりとします。サブイベまで全部纏めてたらめちゃくちゃ長くなっちゃいそうなんで。
おそらく過去編はサブイベだけ等速でお送りして後は全部倍速じゃないっすかね。
その後は皆さんお待ちかねの原作開始なのでお楽しみに、というところで終わり。
お疲れ様でした。
親と呼ぶにはいささか頼り甲斐がない。それに親なのかという問いに彼は否と答えていたし、親と呼ぶのは不適。かといって兄と呼ぶには歳がいきすぎている。これも違う。
だから私は彼を『おじさん』と呼んでいた。
彼は、物心ついた時から私のそばにいて、私にとって彼がいる日常は当たり前だった。
今思えばあの地下は酷い所だった、という言葉以外の形容は見つからないが、幼く、その場所と彼と愛すべき文字の群れしか知らなかった私には、そんな最底辺の生活でも人並みには幸せだった。
だが、そんな生活はいつまでも続かなかった。
一つ釘を刺しておくと、これは幸福の終わりを意味しているのではない。そういう意味では今も昔も私の人生に変わりはない。変わらず幸せだとも。
ただ、無知であった私が知恵を手にし、己が生の在るべきところ、向かうべきところを定め、歩み始めたというだけの話である。
話を戻そう。
過程、時、場所。そんなものはとっくに忘れてしまったが、あるとき、私はその身に余る事実を得た。それだけは確かだ。
幼い頭では全てを完全に理解する事は不可能だったが、しかし、それでも私は、私だけはその事実を決して赦してはならぬということは完全に理解した。
そして、私の思いは簡単にその本能とも啓示とも呼べるものの指し示す方向に傾いた。
何故なら、私には敬愛する彼と愛好する文字と、それだけしか無かったから。それだけでいいと他でもない私自身が考えていたから。更に、それらは自分が手放さない限り失うことはないと思っていたから。
つまるところ、私は『そちら側』を選ぶリスクを実感することができなかったのだ。
ただ愚かに、軽率に選んだだけなのに、おそらく同年代の人より少しだけ利口だった私は、尤もらしい理屈で選んだ風に思っていた。
「私は、功善もVも、私を貶めた何もかもを赦さない!顔も知らない奴等のせいで私の生が左右される道理はない!それがこの世の理などとは認めない!そんなものは、片っ端から壊れてしまえばいい…!」
その日、私は反逆者と成った。
彼の目前で、半ば自らに言い聞かせる様に高らかに言い放ってみせた。
とはいえ、彼にとってはそんな私の姿は子供の癇癪にしか見えなかっただろうが。
それ故か、それとも私の思いが本物と解ってかは知らないが、結果的に彼はそれをやんわりと止めたのだった。
曰く、一時の感情に身を任せるのは危険だ、私の往こうとする未来は想像以上に残酷だ、と。
今となってみれば尤もだ。駄々をこねる子供には尤もな理屈だった。
だが、その言葉はおおよそ正しいだけでしかなかったのだった。欲望も信念も全て捨て置いて、ただ理性と常識の枠に当て嵌めたつまらない単語の羅列。
そんな言葉は、決まって最後の最後で力に欠けるものなのだ。その時の彼の言葉は私を止めるだけの力は持たなかった。持てなかった。
そして、私はそれを良いことに更に彼を追い詰めたのだった。
「確かにそうかもしれない。危険で残酷なのかもしれない。いや、絶対にそうだと私も思う」
「けど、私は自分の人生を生きられない方がよっぽど酷だと思ってる。奴等に見つからないように生きる、怯えながら生きる。それでは余りに自由がない、救いがない。そんなものは死んでいるも同然でしょう」
ならば私は抗う、と。
我ながら狡い言い方だった。そんな感情は彼だって理解できないものではないのだから。
私たちはVによって排斥された喪失者であるからして、Vに対してそういった感情を抱くことは不可解でも何でもない。ただ、それを妄想に留めておくに飽きたらず、行動に移すことのリスクを考えたからこそ彼は止めたのだ。
対する私はどうだ。感情論に次ぐ感情論、正論ではあっても現実を見ていない。
端的に言って愚かだった。他の話題なら、ここで彼が無理にでも止めて、馬鹿だと笑われて、それで私が少し拗ねて。それでもまあいいか、と終わっていた。
だがこればっかりは終わらなかったのだ。終わらなかったからこそ地獄は今尚続いている。結局のところ、彼も私も似たようなものだったということだろう。私の熱に、きっと彼も狂ってしまった。
心の奥底では彼もそう思っているだろうという当時の私の都合のいい解釈は、一途な想いは、ここでは寸分違えることなく当て嵌まってしまっていた。
彼の顔が見るからに悲痛そうに歪む。それはきつく閉じられた唇と対照的に、饒舌に彼の心情を物語っていた。
しかし、それでも彼は、お前がそれをする必要はないと言った。
お前の存在はまだ組織にはバレていない。だから、足跡の付かない戸籍を手に入れ、自立できる年齢になり、俺の下を離れれば人並みに暮らせる、と。
でも、それは駄目だ。それでは駄目なんだ。
「___それじゃ、おじさんが報われない」
絶句、それがトドメだった。
確かに、それなら私は助かるのだろう。だが断じて幸せなどではない。
彼を犠牲にして、変わり身にして。彼は鎖に繋がれたままで。それで私だけ生き延びて、暮らして、死んで。そんな一生が果たして幸せであろうか。そんな醜い生き方が幸せと呼べるのだろうか。無論、それだけは許されないだろう。
その結末を否定する為の言葉は、恐ろしく早く口を衝いて出てきたのだった。
さて、そんな私の言葉を聞いた彼の顔はといえば、それはもう本当に愉快という言葉に尽きる。悲哀という下地に諦感で輪郭を描き、驚愕で色を付け、感激でグラデーションした、そんな色々な感情が内混ぜになった酷くだらしのない顔だった。
そして、彼は頭を掻き掻き、言うのだ。本当に後悔しないのかと。
それに私は首肯する。瞳を輝かせながら、その内に憎悪の灯りを大事に抱えながら。
彼は、ふぅと息を一つ吐いて、吸って、向き直って。獰猛な瞳が私を貫いて、私は___あぁ、もう戻れないのだ、と悟った。
「___なあ、エト。お前が俺の幸福を望んでくれている様に、俺もお前の幸福を望んでいる。だからこそ止めた。お前の選ぼうとしていた道は、数多の屍を積み上げて、踏みしめて進んでいくものだからだ。俺がかつて迷い込んだ道だからだ。どんだけ覚悟してようが、結局は辛いし、苦しいし、何より罪深い」
もう彼に、迷いや躊躇は見当たらない。そこにあったのは親代わりとなってくれた、頼もしく暖かいだけの姿というより、寧ろ___
「もう一度言うが、俺はお前に幸せになって欲しい。ああ、そうさ。だから、お前にとっての幸せがその道の先にあると言うのなら、俺はせめてお前が進むにあたってぶつかるだろう過酷から全身全霊で守ろう。お前に降りかかる苦難も困難も全て払い除けよう、お前を殺そうとする輩は例え神様でも殺してくれよう」
「今日から俺とお前は共犯者だ。精々頼れ、な?」
___そう。寧ろ、ただ優しいだけでなく軽口を叩き合う様な、絆で繋がっている悪友、共犯者としての彼。
今までより良いも悪いも無いのだが……あぁ、これはしかし。
何か彼にとって特別な存在になれたようで、とても気持ちの良いものだった。そう記憶している。
彼はやがて、私の手を取った。
物騒なことを言っていたのに、綺麗に笑う彼があんまり楽しそうだったので、私もつられて笑ってしまった。
___私はこの思い出を死んでも放さないだろう。
「共犯者、なんてよく言ったもんだよねえ。全く」
「この年齢になって思い返してみたら、おじさんってば頼れ頼れって言うばっかり。自分が頼ることは想定なんてしちゃいない」
全くもって詐欺だよ、と呟く。
エトの自分語りを散々聞いてくれていた相手は、話が一段落付いたと見るや長い溜め息を吐いた。
「……終わりました?」
エトが肯定で返すと、青年は立ち上がり、伸びをしながらに言う。
「……話があるっていうから作戦のことか何かか、と身構えて聞いてみればただの昔話とは。まあ、貴女方の昔話には興味が惹かれたので最後まで聞かせてもらいましたが」
「結局、目的は何なんですか。貴女、何の考えも無しにそういうのするタイプじゃないでしょう」
青年は如何にもといった呆れ顔で言う。
深読みをした彼に反して、エトにはその実何の裏も無かった。ただ、聞いて欲しかっただけである。
エトが正直にその事を告げると、更に青年は深く溜め息を吐いて、目に見えて肩を落としてみせた。
その姿があんまり可愛らしいと、エトの顔に思わず笑みが溢れる。
「あはは、すまなかったって。もうすぐ全部終わりかと思うと少し感慨深くてね。アオギリは話が合う人が少ないからさ。主に知能レベル的な意味で。そんな時に君を見つけてしまったものだから。無駄話に花を咲かせてしまおうというものだ」
___お礼に今度直筆サインでも書いてあげよう。
エトがそう言うと、青年は眉根をぴくりと動かして、言質取りましたからねとはにかんだ。その実、この青年は作家であるエト、もとい高槻泉のファンなのだ。
エトにとって、こういう昔と変わらない無邪気な振る舞いはとても好ましかった。口こそアオギリの雰囲気の影響か、はたまたおじさんの影響かで多少悪くはなったが、そこに明確な敵意はなく、それすらもいっそ魅力の様。
このようなギャップもまた青年が人を惹き付けさせてやまない原因であるのだと、大変だったろうに良くやるものだと、エトはそう考え、目を細めた。
「やっぱ主人公くん、だなあ」
「…は、誰が」
「君が、に決まっているだろう。そうだな、本当にただの無駄話であったのだけれど……君がそこまで言うのであれば、この話に目的を付けさせてもらおうか。幸いなことに今しがた、君に私から頼みたいことが出来た」
乱暴だ、と青年は若干後ずさる。
___ふふふ、青年よ、意見を通すのはいつも乱暴なヤツで、私は乱暴なヤツなのだよ。
「私の願いはただ一つ。難しいことかもしれないが、けして危険なことではないから安心してくれ」
生唾を呑む。
「___おじさんを救ってやってくれないか。ついぞ私だけではどうにも出来なんだ。まあ、具体的にどうしろってのは無いのだけど」
たった一言だか二言だかというのに、喉から絞りだすのにこうも力むものかとエトは己のことながら嘲った。これでは自らにとって彼の存在がどれ程か白状している様なものである。
幸い、そんな風にして内心焦るエトに対して当の青年は言葉を噛み砕いている途中であり、エトの心配は察されるまでもなく早々に杞憂に終わっていたのだが。
やがて、まだ納得しかねるといった様子で青年は口を開く。
「……意味が解らない。それに、彼に対して貴女に出来ないことが僕に出来るとは、到底」
「いいや、出来るさ。青年、私を買い被っている様だがな、むしろ単体なら君の方がまだ可能性は高いぞ?」
疑問符を浮かべる青年。
「私は産まれた瞬間から、というか私の存在自体が彼の後ろめたさとして彼を縛っている。私が生きている限り、彼は自らの生を謳歌することなど出来ないし、私が死んだら死んだで罪悪感が彼を縛り続ける」
『芳村 愛支』という存在がこの世に在り続ける限り、『彼』に幸せになって欲しいというエトの原初の願いは本当の意味で叶うことは無い。
「そんなに背負わなくていいと何度か言ったことはあるが…その度にはぐらかされ、成果は0だ。終いにはエトの幸せが俺の幸せだ、なんて宣ってきたよ」
___きっとその言葉は嘘ではないのだろう。きっと彼は果てで幸せだと笑うのだろう。それは嬉しいが、違うだろう。それだけじゃ、駄目だろう。
「かつて、私は能動的に彼に執着したが、彼は違う。その時の状況に、我が親の望みによって彼は彼の意思と関係無く、強制的に私に縛り付けられた」
___もう充分だ。私は彼から沢山貰ったのだから。そろそろ解放してやるべきだ。
「しかしそのことに、彼自身気が付いていない。あたかも自分の意思でそうしているのだと疑わない。気付かせようにも原因が私な分、私の言葉だけでは彼は揺るがない。だから、その時が来たら君にも言ってやって欲しいんだよ」
エトはそう、一息で言い切った。息が切れる。動悸が速くなる。ふと、言い切った後になって不思議と怖くなった。果たして何が恐ろしいのやらとエトは思考する。答えはすぐに見つかった。
___否定、か。
これを言って青年に杞憂を嘲われるのが怖いのだ、と理解した。エトがこの感情を他者に吐露することは一度も無かったため、否定されることもまた、無かった。
故に耐性が無い。いっそ途中から『彼』の為に闘ってきた部分のあるエトであるが、その原点を否定される経験が無かった。そしてそれは、エトにとってとても怖いものに思えたのだ。
なまじ頭が回るだけ、こんなことにまですぐ気付いてしまう。思い返してみればそんなことばかりがエトの脳裏をよぎった。白痴であれば良かろうものを、籠の鳥は不釣り合いな頭と翼を手にしてしまった。
やがて錆び付いた機構の様にゆっくりと顔を上げ、エトは青年の顔を覗き見た。
青年は___
「……そういうことなら、喜んで」
___微笑んでいた。
柔和に、穏やかに、『嘲っている』のではなく『笑っていた』
青年は確かに、裏表の全く無いこの上なく晴れやかな笑顔で、エトの生を肯定したのだった。
___たったそれだけで、どこか救われた気がした。
エトとホモくんについての掘り下げ回でした。
今回はRTA要素少なかったですね。そちらを楽しみにしていた方は申し訳ないです。
如何せん過去編は内容が薄いのと、筆者の喰種で最も好きなキャラがエトでして…小説パートでゴリゴリに書きたいという欲が合わさった結果の産物でした。
一応ですが、誤解を招かない様に言っておくと、エトがホモくんに向けている感情は親愛であって恋心ではないです。loveではなくlikeです。
あと、小説パートはエトが青年くんに過去のことを話している、という設定です。次系列飛び飛びで見辛くてすみません。
青年くんって一体誰なんでしょうね(すっとぼけ)