一話一話が短いとはいえ、よく頑張りました! 自分を盛大に褒めますw
成宮未来…そいつの話は、先生から嫌と言うほど聞かされていた。
先生と同じ雷の呼吸で、同じく元鳴柱でもある…成宮透さんの弟子だということで、成宮さんに散々自慢されたらしく、先生の鼻息も荒かった。
なんでも、かの霞柱の時透無一郎に匹敵する天才剣士で、わずか半年で雷の呼吸の型を全て習得したとのこと。
そして、まだ隊士になったばかりの下っ端のはずなのに、既に次代の鳴柱の最有力と噂されている。
イラつく。
会う前からイラついていたのだが、一目見ただけで、そのイラつきは倍増だ。
何も考えてなさそうな顔が、あのヘタレと重なる感じがあり、尚のことイラつかせてくる。
「お前の噂は聞いているが、俺の方が階級が上で先輩だ。ここでの指揮は俺が取る」
最初が肝心。まずは、どちらが上かを教えておく必要がある。
そうしたら、目の前で大きくため息をつきやがった。
「弱い犬にキャンキャン吠えられるのは、気分が悪いですね」
「なんだとっ!」
カッとなって言い返す俺を、鼻で笑うと続けて言ってきた。
「階級がどうとか、先輩だからとか、男だとか女だとか、下らないプライドで上からモノを言われるのは、気分が悪いです。
どっちが上かは、こいつで決めましょう」
ポンポンと日輪刀の柄に手をやり、ニヤリと笑ってきやがった。
「いいだろう! 表に出やがれ!!」
安い挑発だとはわかっていたが、それに応じない理由はなかった。
この藤の花の家紋の家には大きな庭があり、更には鬼殺隊の訓練場としても解放されている。
その庭に、このクソ生意気女を連れて来た。そして、ちょうどよく壁に立てかけてあった木刀の一本を取ると、奴へと放り投げた。
「その長く伸びた鼻をへし折ってやる」
もう一本手にしていた木刀を、奴へとまっすぐに向けて、そう宣言する。
「私も、あなたの噂は聞いてますよ」
受け取った木刀で、首のあたりを叩きながら、嘲笑の笑みを張り付けた顔で、言ってはならんことを言ってきやがった。
「壱ノ型だけ使えないって、ぷーくすくす!」
「ぶっ殺す!」
それが合図だった。
…雷の呼吸 弐ノ型 稲魂(いなだま)…
ガ……ガ…ガ……ガ…ガァン!!!
互いの中央で、五連撃を打ち合う。
「ははっ、リズムが悪いよ、先輩っ!」
「抜かせっ!」
…雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい)…
互いに回り込もうと、木刀を打ち合いながら、その中心を入れ替えながら、回転を繰り返す。
「駄目駄目駄目! ダンスはもっと呼吸を合わさないと!」
「やかましいわっ!」
…雷の呼吸 陸ノ型 電轟雷轟(でんごうらいごう)…
更に回転を上げ、無数の斬撃を繰り出すのだが、余裕の笑みを浮かべたまま、その全てを打ち落としてきやがる。
「はっはーー! もっともっといくよーー!!」
「糞がぁぁっ!!」
…雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃(へきれきいっせん)…
こちらの体勢が一瞬崩れたところを、いとも簡単に懐に飛び込んで来やがる!
…九連…
俺の死角へ死角へと消えながら、ついでとばかりにぼっこぼこに木刀を打ち込んで来る。
…なんて、容赦のない女だ、クソが…
体を支える力と気力を失い、その場に倒れ伏せる。
…ドサ……ぎゅっ
「ぐえっ」
その倒れ込んだ俺の背中の上に、座ってきやがった。可愛げとか優しさとか言うモノがないのか、こいつは…
記念すべき百話でやったことが、獪岳をぼこっただけという…
ええんや、それが零余子日記なんや…
ちなみに零余子ちゃんは隊服の上に、黄色地に黒の雷紋(ラーメン丼の柄)の半纏を羽織ってます。
これは成宮さんが用意して、八神鳴ちゃんも羽織ってます。三人お揃いです。
桑島先生が成宮さんにされた自慢で、一番悔しかったのがそれだったりします。