特に何かしたわけでもないのに、おかしいなあ(爆)
「…一人を残して、全滅…ですか」
昨晩の警察が動いた結果、それは想定をはるかに超える、最悪だった。
「…その一人も、見逃されたのだと、そう考えて間違いないでしょう」
警察とは言え、鬼を相手に敵うわけがないとはわかっていた。
…それでも、サーベルを持った屈強な警察官十人規模が、一当てでほぼ全滅することになるとは、さすがに想定していなかった。
「…蛇のような不気味な生き物だったということで…異形の鬼だったと推測できます。
そして、確認はできていませんが、血鬼術も使用できる可能性は高いです」
最終選別試験で出会った、あの腕ばかりの鬼…あるいはそれ以上の力を持っていることは間違いないだろう。
「…あなた達の実力を把握できているとは言えませんが、癸(みずのと)の新人にはさすがに手が余ると判断しました。
柱か、それに準ずる剣士の派遣を求めることにし、既に連絡も飛ばしています」
…もしも、ここに居たのが、未来だったならば、その判断は変わったのだろうか?
いや、それは考えても、仕方のないことだ。
「…では、私たちはどうすればいいでしょう」
「…私たちが漁村に向かうことはありませんが、万が一、鬼がこの町にまで来た場合に備える必要はあります。
その場合には、この町の警察と協力して、住民の守護および避難を助けることになります」
「…避難って、どこに」
「…それを考えるのは、私たちではないです」
少し遠いところでの初任務、浮かれていたわけではないが、こんなことになるとは想定していなかった。
「…人の世をここまで大きく騒がせるような動き、これまでの鬼とはまるで違います。何かが大きく変わったのかもしれません」
「…鬼殺隊を滅ぼすのに、わざわざ本部を狙うだけなのも、芸がないよな」
「その… 試験だと…?」
パチン…
角道を開けるように、無惨様が歩を一つ前に進める。
「…関東から遠方で、鬼が騒ぎを起こせば、どうなるかな」
ス…
応じるように、こちらの角道も開ける。
「鬼殺隊… 政府とも… 繋がっている… 無視は… できない…」
自分の角を駒置き場に置き、こちらの角をひっくり返す。
「…その鬼が、想定よりも手ごわい…いや、十二鬼月かもしれないとなったら」
馬となったその角を、銀で取る。
「柱… あるいは… それに近い剣士… 送らざるを… えない…」
スー…
王の前へと、飛車を移動させてくる。
「日本は広い。じわじわと、連中の手足を引きちぎって行けばいい」
角道で空けた場所に、桂馬を上げる。
「なるほど… では… 柱が複数… 来た場合は…」
気にせずに、飛車前の歩を上げてくる。
「無駄に粘る必要はないな、退けばいい。…それも、玉壺向きだな」
こちらも飛車前の歩を上げる。
「上弦でも… 退きますか…」
無惨様が、少し考えられる。
「そのための移動術だ。柱を数人引っ張って来たのなら、それだけ連中の手は足りなくなるだろう」
更に真ん中の歩を上げ、盤の中央に進める。
「案外、零余子でなく玉壺の奴が、連中の本拠地を見つけるかもしれんな」
無惨様も黒死牟様も、将棋はほぼほぼ素人です。
二人共、そっちにかまけている暇なんて、ありませんでしたからねえ。
もちろん、作者も将棋は素人ですw