零余子日記   作:須達龍也

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煉獄さんの映画、そろそろ発売日ですね!
私はufotableさんで、予約しております。届くのが楽しみです!


浅草の鬼9

「はじめまして、恋柱の甘露寺蜜璃です」

 

 実ににこやかに自己紹介をされた。

 ほわほわとした笑顔から察せられる性格も、長身ではあるが実に女性らしい体格も、とても戦闘向きには見えない。

 

「…霞柱、時透無一郎…」

 

 こちらは打って変わって、実にそっけない。

 無感情で無表情で…うん、これはあれだ。累くんと同類だな。

 

「…成宮未来です」

 

 一人だけ役職がないのが寂しいね。

 零余子で名乗るときは、”上弦の零”って威張れるのになあ。鳴柱(予定)とか、言ってみても良かったかもしれない。

 

「未来ちゃんは、話はどこまで聞いてますか?」

 恋柱の言葉に、気持ちを戻す。

「いいえ、なんにも、まったく」

 キッパリと言っておく。

 今日の昼過ぎに起きて、街にふらっと出かけて、甘味を食べ歩きして、四時くらいに戻ってきたら、柱二人が到着していた次第だ。

「…とりあえず、明るいうちに現場を確認しておきたい。時間がもったいないから、歩きながら話そう」

 霞柱は見た目の印象通り、無駄な事が嫌いなようだ。

 その言葉通り、三人で目的地へと向かう。方向からして、珠世さんたちが居た家が目的地なんだろう。

 

「…この街には、鬼が棲んでいました」

 

 いや、説明は恋柱がするんかい!

 まあ、霞柱が説明をしてくれるとは、一言も言ってなかったけどさ。

「これから向かうのは、その鬼が棲んでいた場所になります」

「柱が二人も来た…ということは、その鬼は強いんですか?」

 わかってはいるが、一応聞いておく。

「…えーっと…」

「その鬼は、討伐対象じゃない」

 説明に迷った恋柱の補足をするように、霞柱が簡潔に言った。

「討伐対象じゃない鬼…ですか?」

 問い返す私に、困ったような顔をする恋柱と、無表情なままの霞柱。…ようは、この二人はそのことに納得しているってことだ。

 

「お館様のお話では、悪い鬼ではないみたいなの。むしろ、協力できるんじゃないかって」

 

 

「鬼と協力…できるんですか?」

 

 

「うーーーーん、…相手、次第かなあ?」

「できるならするし、できないならしない」

「…なるほど」

 

 二人の考え方が、良く分かった。

 

 この二人は…いや、蟲柱まで含めた三人は、鬼殺隊の柱としてはかなり穏健派になるんだろう。

 鬼殺隊の極致である柱なのに、鬼と協力できる…そう考えられるだけで、かなり異端なのではないだろうか。

 この任務にこの二人が選ばれたのも、適当な無作為ではないだろう。この二人だからこそ、選ばれたと見るべきだ。

 

「それで、この三人でその鬼の勧誘に行くわけですか?」

「…そういうんじゃなくて…」

「これは、俺たちも聞いたばかりなんだけど、既にその鬼のところには蟲柱の胡蝶さんが行っていたんだ」

 説明に迷いがちな恋柱と違って、霞柱は簡潔で迷いがない。

「では、胡蝶様と合流を?」

「…そうでもなくて…」

「事態が大きく変わったから、俺たちが派遣されたんだ」

 

「大きく変わった?」

 

 

「上弦の鬼に襲われた」

 

 

 うん、知ってた。

 

 それで、どういう報告がされているのかって、話になる。

「どうなったんですか?」

「しのぶちゃんの鴉からの報告では、珠世さん…その例の鬼になるんだけど、その女性を逃がすために、しのぶちゃんが上弦の鬼と戦って…」

 

「…敗れた」

 

 言い淀む恋柱の言葉を、霞柱が言い切る。

「…それでも、例の鬼の逃亡は成功したようなので、その捜索をし保護をするのが任務になる」

 

「保護…ですか。…何から、ですか?」

 

「………」

 私の言わんとすることがわかったのか、恋柱が表情を変える。

 

「もちろん鬼と、…鬼殺隊の一部からだ」

 

 霞柱のほうは、きっぱりと言った。

 

 

「…わかりました」

 

 

 

 いろいろと、ね。




浅草にやって来たのは、甘露寺さんと時透くんでした。
零余子ちゃんは、未来と何かにつけて比較されている時透くんに興味津々なんですが、時透くんは実にそっけない。
累くんで鍛えられた打たれ強さで、ぐいぐい行けるのか!?w
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