零余子日記   作:須達龍也

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煉獄さんの円盤が届いたのですが、まだ開封してません。
ちょっと開封のタイミングがありませんでした。よし、来週見ようw


浅草の鬼10

「…ここがその鬼の家ですか?」

 

 まあ、昨夜も来たんですけどね。

「玄関は特に荒れてないですね」

 そりゃ、ちゃんと丁寧に伺いましたからね。

「表でまごまごしていても仕方ない。さっさと中に入ろう」

 霞柱がそう言って、さっさとドアを開ける。

 

 

「…これは…」

 

 

 玄関から裏口までまっすぐに伸びた廊下は、改めて見てもひどい状態だった。

 

 蟲柱が踏み砕いたのもあるが、大体は私が縦横無尽に飛びまくったせいで、床も壁も…天井まで、ぼっこぼこだ。

「ここで戦闘があったのは、間違いないですね」

 まあ、一目瞭然だね。

「何か手掛かりがないか、探そう」

 

 そんなものを残しているわけはない。ちゃんと片付けてくれている…はず。長子ちゃんがね。

 

「玄関に比べて、裏口はひどく壊れてます。ここから逃げたんでしょうね」

「廊下はぼろぼろになっているけど、特に血痕が残っていることもない」

 

 まあ、峰打ちですからね。

 

「…しのぶちゃん」

 沈痛そうな顔で、恋柱がそう呟いた。大丈夫、ちゃんと生きてますよ。

「これという手掛かりは何もなさそうだ」

「じゃあ、どうします?」

 

 

「「…………」」

 

 

 いきなり、行き詰ったようだ。割と行き当たりばったりだな。

 

「無策で捜索するんですか?」

 

 一応つっこませてもらいますよ。付き合わされる方は、いい迷惑なので。

「が、がんばれば…」

 根性論かよ。勘弁してほしいね。

「…一応、無策ではない」

「…と、言いますと?」

 霞柱の言葉に、一応聞いておく。

 

「ここを逃亡したとは言え、監視の目は置いてある可能性は高い。こちらから捜索するのはもちろんだが、向こうからの接触もある…と思う」

 

 なるほどねえ、まるっきりの無策ってわけでもないと。

「…でもそれって、向こうにその意思がある場合に限りますよね」

 

「「…………」」

 

 出たとこ勝負にも、程があるな。

 

「それに、逃亡した鬼も監視しているかもですけど、逃亡させた方の鬼も、監視している可能性はないですか?」

 

 まあ、こうして監視してますしね。

 

 

「…それはそれで、手掛かりになる」

 

 

 なかなかに強気な発言だね。

 

 壊れた裏口から出た霞柱の動きが止まる。

 

「…どうしたの、無一郎くん?」

 

 そう言って続いて出た恋柱の動きも止まる。

 

 私も、その後に続いて、日が落ちた屋外へと出る。

 

 

 

「うむ… やはり… そうか…」

 

 

 

 昇りだしていた、わずかに欠けた月を背後に、漆黒の侍が一人佇んでいた。

 

 霞柱と恋柱の動きが止まったのは、気圧された…ビビったからに間違いない。

 

「お前… 名は… 何という…」

 

「! …時透…無一郎」

 

「成る程… お前が…」

 

 そう言えば、黒死牟様は霞柱を妙に気にしていたな。

 

 

 

「私が… 人間であった時代の名は… 継国巌勝…」

 

 

 

 …え!?

 

 

 

「お前は… 私が… 継国家に残して来た… 子供の… 末裔…

 つまりは… 私の子孫だ…」

 

 

 

 なんだってーーー!!!!!

 

 

 当事者の霞柱も驚いているし、恋柱もあわあわしているけど、私だって、びっくりだよ! 初耳だよ!!

 

「うむ… 精神力も… 申し分… ないようだ…

 ほんの一瞬で… 動揺を… 鎮めた…」

 

 あわあわしている女二人を背後に、霞柱は真っ先に衝撃から立ち直ったようで、黒死牟様から褒められている。

 

 

 

 …霞の呼吸 弐ノ型 八重霞(やえかすみ)…

 

 

 

 …それどころか、即座に黒死牟様に斬りかかる。さすがの強さだ。

 

「なかなかに良き技だ… 霞か… 成る程… 悪くない…」

 

 更にさすがなのは黒死牟様、霞柱の技もあっさりと…

 

 

 

 …伍ノ型 霞雲の海(かうんのうみ)…

 

 

 

 …次に繰り出された技も、フッとすり抜ける。

 

 いやいや、顔に似合わず、好戦的だな! 会話とかしようよ、会話大事よ!!

 

「…無一郎くん、一人で突出しないで!」

 

 恋柱が、霞柱と並び立って、黒死牟様へと向き合う。

 

「ほう…」

 

「上弦の鬼に、一人で立ち向かわないで、三対一よ」

 

 

「ざ~ん、ねぇん!」

 

 

 顔の擬態を解きつつ、二人の後ろに立つ。

 

 

「二対二でした」

 

 

「…えっ!」

「…なっ!」

 

 

「「上弦の零!!」」

 

 

「はぁい、どもども」

 にこやかに返事をする。第一印象は大事ですからね。

 

「…まさか、未来ちゃんが…」

「…くっ…」

 

 衝撃を受けている二人の向こう、黒死牟様に視線を向ける。

 

「じゃあ、霞柱は黒死牟様にお任せしますね」

「ふむ… 任されよう…」

 そこで思い立って、お願いを追加する。

 

「あーっと、五体満足でお願いしますね」

 

「ぬ… 何故だ…」

 これは、手足の一本くらいはいいだろうって、思ってたね。

「いろいろと…あるのですよ。なので、手加減して下さい」

 

「そうか… 了解した…」

 

 

 黒死牟様の了解を得て、再び視線を二人に戻す。

 

 

 

「ではでは、一対一をふたつということで」




原作と大きく異なり、浅草がものすごい激戦地に様変わりをしてしまいました。
朱紗丸ちゃんとか、矢琶羽さんは、ここではどうしているんだろう?w

追記
次話に予定していた部分が、おさまりが悪かったので、こちらに追加しました。
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