零余子日記   作:須達龍也

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オリンピック終わりましたね。
なんだかんだ言われましたが、私個人としては楽しみました。



鬼殺隊壊滅作戦4

 …柱合会議…それは、鬼殺隊当主と柱による、鬼殺隊が今抱えている課題と、今後これからを話し合う、重要な会議である。

 基本的には定期的に行われるが、重要な案件が出た場合には、臨時で開催されることがある。

 

「…それでは、柱合会議を始めよう」

 庭を一望できる場所に、娘たちの手を借りて座した男…産屋敷耀哉が、そう口を開いた。

 

「いろいろなことが、この数日のうちに起きたのだが、まずは東京浅草のことについて話をさせてもらいたい」

 

 まず切り出したのは、まさに今回の本題とも言えることだった。

 

「いろいろな調査の結果、そこに珠世さん…以前に話した、鬼の女性が棲んでいることがわかった」

 前回の柱合会議で飛び出た、その鬼の女性の話は柱の面々にも印象深かったので、そのことを覚えていない者などいなかった。

 

「そして、前回の会議で決まったように、しのぶに出向いてもらった」

 

 そう、そこまでは確かに決まっていた。

 決まっていたことではあるのだが、その結果どうなったかを知る者達は、いかんともしがたい感情を抱かずにはいられなかった。

 

「しのぶの鴉からの報告では、互いにさぐりさぐりの状態ではあるが、協力体制を築くことは可能ではないか…とのことだった」

 

 その報告に、不死川実弥が何かを言いかけ、それを止めて再び聞く体勢に戻った。

 

 

「…そんな折、上弦の鬼の強襲を受けた」

 

 

 柱全員に緊張が走る。

 

「聞いている者も多いと思うが、それが上弦の零…今回初めてその存在を聞いた、最上位の上弦の鬼だ」

 

 これまで報告のあった上弦の鬼の最上位は、上弦の壱…黒衣の侍の鬼だった。

 その上に立つであろう、零番を持つ上弦の鬼…いきなり現れたその鬼は、まさに凶報をもたらす存在と言うしかなかった。

 

「…しのぶが相対したが敗北、その後は、…まだ確認できていない」

 

 しのぶの鎹鴉は、しのぶの敗北は報せたが、その生死については何の報告もなかった。故に、生存の可能性も、ないわけではなかった。

 

「…その後の調査に、無一郎と蜜璃、それにまだ新人ではあるが、その実力を高く評価されていた…成宮未来の三名を送った」

 

 その命令も、大きく誤っていたとは言い難い。

 言い難いのだが、そのことがもたらした更なる凶報は、その命令が間違いだったのではないかと思わせるほどのものだった。

 

 

「…その現場にて、上弦の零、並びに上弦の壱が現れ、戦闘となり…敗北した…とのことだった」

 

 

 わずか二日…たったの二日で、柱三名を失うという、最悪の事態になってしまっていた。

 

「…信じない、信じない、信じない…」

 伊黒小芭内は地面をにらんだまま、ただブツブツとつぶやく。

 

 

 ガンッ!!

 

 

 そのいかんともしがたい感情をぶつけるように、実弥が地面に拳をぶつけた。

 

「お館様! その珠世とか言う鬼が、上弦の零と通じていたのは、状況から見て、明らかです!!」

 

 それは、実弥の考えだったが、この場に居た柱全員の考えであると言っても、過言ではなかった。

 それに対して、耀哉の勘は、そうではないだろうと告げていたが、…さすがにそれをこの場で口にすることはなかった。

 

「俺に浅草への調査を命じてください! 草の根を分けてでも、必ず見つけ出して参ります!!」

 

「不死川、一人では駄目だ。俺も連れていけ」

 ブツブツとつぶやいていた小芭内が、顔を上げて、それだけを言った。

 

「最低でも三人は必要だ! 俺も参ります!!」

 煉獄杏寿郎も、浅草調査に名乗り出た。

 

「上弦の鬼達が連携をしだしているのは、東北の件でも明らかだ。俺も派手に参加するぜ」

 宇随天元も、参加を表明した。

 

「………」

 ジャリジャリと数珠を鳴らしながら、悲鳴嶼行冥は口を開かなかった。

 浅草の調査も大事だが、全員でここを空けるのも、それはどうかと思ったからだ。

 

「……」

 しのぶの件で思うところのあった冨岡義勇であったが、さすがに出遅れたことを自覚して、参加の表明はできなかった。

 

 

 

 そんな中…

 

 

 

 

 

「…わざわざ来なくとも、こちらから出向いてやったぞ」

 

 

 

 

 

 突如上がった声に、全員の意識がそちらに向いた。

 

 

 仕立ての良いスーツに、黒いコートを羽織った男だった。

 

 

 いつから居た? どこから入った? そもそも何者だ?

 

 全員の頭の中で、疑問がぐるぐると回る。

 

「産屋敷に、残りの柱もそろっているのか?」

 

 その問いに…

 

「…えーと、ひの、ふの、みに、よと、…ええ、話に聞いていた通りの容姿です。産屋敷の当主と、残りの柱は全員そろってますね」

 

 男の背後から現れた女が、そう答えた。

 その正体は、スーツの男とは違い、明らかだった。

 なぜなら、その両目に、その答えが書いてあったのだから。

 

 

「「「「「上弦の、零!!」」」」」

 

 

「懐かしい… 空気だな…」

 

 騒然としてくる場に、黒衣の侍が忽然と現れた。

 その侍の正体も、その六つの目の二つに描かれている。

 

 

「「「「「上弦の、壱だとっ!!」」」」」

 

 

「なんだなんだ、男しかいないじゃないか。女の柱も居ると聞いて楽しみにしていたのに、残しておいてくれてもいいじゃないか」

 

 新たに現れた男は、そう言いながら、あからさまにがっかりした。

 その男の両目に書かれているのは…

 

 

「「「「「上弦の、弐!!」」」」」

 

 

「………」

 

 上弦の弐の背後から現れた新たな男は、静かに…守るように、上弦の零の横に立つ。

 そして、杏寿郎と天元に気付くと、ニヤリと笑った。

 

 

「「上弦の、参!!」」

 

 

 鬼殺隊本部に、忽然と現れた上弦の鬼が四体!

 ならば、それに囲まれて立つスーツの男の正体も、推測できないわけがなかった!!

 

 

 

「…太陽は、…太陽は、出ていないのか!?」

 

 

 

 ガタガタと震える両隣の娘に、耀哉がそれだけを聞いた。

 

 その言葉を聞いて、柱達が一斉に空を見上げる。

 

 今更見上げなくても知っている。…それでも、確認をせずにはいられない!

 

 

「…なんだ、もう目も見えていないのか」

 

 

 興覚めだと言わんばかりに、スーツの男が口を開く。

 

 

 

「現在は正午だ。燦燦と輝いているぞ」

 

 

 

 そして、太陽の下で、笑顔でそう言った。

 

 

 

 

 

「「「「「「「鬼舞辻、無惨!!!!」」」」」」」




柱合会議に、乱入です。
そろそろ、完結に向けて動き出しました。

一部完の時は、その辺を濁したのですが、今回は白黒はっきりさせた完結になると思います。
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