はめふらを見てて思いつきました。
「ワニ時空の破滅フラグしかない下弦の肆に転生してしまった…」
おや、このSSとほとんど内容が変わらないぞw
そこからは、全てが一瞬のことだった。
…蛇の呼吸 壱ノ型…
…水の呼吸 参ノ型…
…風の呼吸 漆ノ型…
…炎の呼吸 壱ノ型…
…音の呼吸 伍ノ型…
…岩の呼吸 壱ノ型…
柱達が一斉に飛びかかり、技を出そうとし…
黒衣の鬼が刀に手をかけ…
儀礼服を着た鬼が二振りの扇を開き…
無手の鬼が静かに構えを取り…
紅の着物の鬼が、そそくさと無惨の背後に隠れた。
…そして、柱六名と、上弦の鬼三名の真下に、開かれた障子戸が現れた…
「…さて、初めましてだな、産屋敷」
何事もなかったかのように、無惨が口を開いた。
「…なぜ? …どうやって…」
常にすべてを見透かしているかのようだった耀哉からもれるのは、戸惑いを示す疑問だった。
「はっ、それでは何が聞きたいのかわからんな。まあ、想像できなくもないがな。
なぜここへやって来たのか? どうやってここがわかったのか? …あるいは、どうやって太陽を克服したのか? …かな?」
かたや、その姿が見たかったとばかりに、楽しそうに無惨が尋ねる。
「まあ、大体はこいつが理由だな」
「ぐえっ」
しれっと自分の背中に隠れていた零余子の首根っこを引っ掴んで、産屋敷に見せびらかす。
「さて、こいつが理由でない最初の一つに答えてやろうか。
…やはり、直接留飲を下げたかった…というのが、大きいな。この千年間、ずっとまとわりついてきて、実に腹立たしかったからな」
「…そう、か…」
無惨の答えに、耀哉が肩を落とす。…あるいは、ずっとあった肩の力が抜けてしまったのかもしれない。
「…なんか、無惨様に似た顔をしてますね?」
猫の子のようにぶら下げられながら、零余子が空気も読まずにそんなことを言った。
「…そうか?」
何を言い出すのかと思いながら、無惨が耀哉の顔を見るが、その内容には納得しかねるようだった。
「…私の目も見えていませんから、わかりませんね」
零余子の言葉は、両者から同意を得ることはできなかった。
「ただ、君は知らないかもしれないが、君と私は同じ血筋なんだよ」
その言葉に、零余子が無惨の顔を見上げるが、その表情には特に何の感慨も浮かんでいなかった。
「何が言いたいんだ? 同族だから見逃せとでも?」
「それこそ、まさかだよ」
耀哉からは、己の生への執着はまるで感じられなかった。
それは、達観なのか? …あるいは、諦観なのか?
「君のような怪物を、一族から出してしまったせいで、私の一族は呪われていた」
とつとつと語るこれは、恨み言なのだろうか? …それとも、遺言なのか?
「生まれてくる子供たちは皆、病弱ですぐに死んでしまう。一族がいよいよ絶えかけた時、神主から助言を受けた。
同じ血筋から鬼が出ている。その者を倒す為に、心血を注ぎなさい。そうすれば一族は絶えない」
耀哉からは見えないが、零余子は何言ってるんだこいつって顔をする。
「代々神職の一族から妻をもらい、子供も死にづらくなったが、それでも我が一族の誰も、三十年と生きられない」
「迷言もここに極まれりだな、反吐が出る。お前の病は頭にまで回るのか?
そんな事柄には、何の因果関係もなし」
引っ掴んでいる零余子とまったく同じ顔で、無惨が断じる。
「なぜなら、私には何の天罰も下っていない。何百何千という人間を殺しても、私は許されている。この千年、神も仏も見たことがない」
「君は、そのようにものを考えるんだね。だが、私には私の考え方がある」
そもそも理解してもらおうとはしていないのだろう、耀哉も特にそれ以上は言わなかった。
「…んー? さすがに神仏の呪いなら、無惨様にも効くんじゃないですかね?」
「今度は何だ?」
打ち切った話に、零余子が食いついたので、無惨がため息をつく。
「えーっと、…要するに、人を呪うのは、人ってことですよ」
「…ほう?」
「あくまでも推測ですけど、むかーしむかし、無惨様を呪った奴がいました。それも呪術全盛の平安時代の強力な呪術師です。
でも、その呪いは無惨様には効かなかった。そうなると普通は、呪った奴に帰るもんなんですが、その呪いは呪術師が身命を賭した強力なものでした。つまり、帰るところがありませんでした。
だったら、消えてくれればいいもんなんですが、呪いってのは厄介でして、絶対にどこかの誰かに行きつくんですよ」
「…つまり」
「無惨様と同じ血筋だった、産屋敷に行ったんじゃないですかね」
「…そんな、ことは…」
「呪術ってのは、その内容を知ると、更にその効果が上がるんですよ。私の推理ですと、その神主は怪しいですね」
零余子がドヤ顔で推理を披露した。
「…そんな、はずは…」
適当な、でまかせだ。当てずっぽうな、与太話に過ぎない。
「はははっ、同じ与太話でも、お前の方が面白いな!」
そう、傍から聞いた分には、同じように突拍子もない話で、それでも、産屋敷の一族がこれまですがってきた…ここまで、縛られてきた、道しるべなのだ…
「…それで、産屋敷はこれで全部か?」
話はここまでだとばかりに、無惨がそう聞いた。
「…産屋敷の現当主の子供は、五人って話です。三人いませんね」
その零余子の言葉に、無惨がため息を一つ吐く。
「…仕方ないな。お前の案を採用しよう」
零余子ちゃんの推理は、とりあえず言ったもん勝ちですw
実際、証明のしようがない、あやふやなものですから。
ただ、無惨様はしてやったりな気分ですw