受ける前は、熱出たら会社を休んでSS書いてやろうとか計画してましたが、とてもとても。
倦怠感がすごくて、何もやる気になりませんでしたよ。
それは、まるで映画のようだった。
血鬼術とは、こんなことまでできるの!? …これが直接戦闘に用いられるような能力ではないことが、逆に怖ろしかった。
「さて、続けて二つ目です」
べべんっ!
上弦の零の言葉に、鳴女と呼ばれた鬼が琵琶を鳴らす。
「うわっ!」
二つ目の池の水面に大きく映し出されたのは、男の顔のアップだった。
そのアップに驚いた後、上弦の零が無惨へと視線をやる。
「…やれやれ」
無惨からなんらかの指令が行ったのか、男の顔が遠ざかり、全身が見えてくる。
にこにこと笑うその鬼と、忌々し気な上弦の零の顔が、対照的で…
ドクン…
…頭から、血をかぶったような鬼だった…
ドクン…
…にこにこと屈託なく笑う…
ハァ…ハァ…
…その鬼の使う武器は、鋭い、対の扇…
「…おやぁ? 大丈夫ですかぁ?」
ひらひらと目の前で手を振られ、冷静に…
…など、なれるはずがない!
「姉さんの仇!」
「ぅわっと!」
池に飛び込もうとしたところを、後ろから抱き止められる。
「はなして! あいつは絶対に!」
体格はそう変わらないと言うのに、どうやっても抜けられそうになかった。
「…冷静そうに見えて、実はすごい激情家なんですねえ」
やれやれと言わんばかりに、耳元でため息を吐かれた。
「あの水面に映しだしてはいますけど、あそこに飛び込んだところで、ただ濡れるだけですよ」
聞き分けのない子供に言うように、そう諭される。
「それに、もし行けたとしても、あなたでは勝てませんよ」
そんなことはわかっている。それでも、それでも!
「…いまは、ね」
耳元でささやかれた言葉に、ハッとする。
振り返って見えたのは、ニンマリと笑った顔。
「あなたが自身を毒へと変じようとしているのは知ってます。…でも、それでも足りませんよ。それに、今では太陽さえも通じない。困りましたねえ」
再び後ろから抱き締められる。
「今はどうしようもありませんが、今後は…そう、新生鬼殺隊で、いろいろ実験したら、なんとかなるかもしれませんよ?」
耳元でささやかれるのは、話に聞いた悪魔の誘惑に他ならない。
「…珠世さんも探してみましょう? …なんだったら、私も手伝ってあげてもいいですよ?」
ああ、わかっている。これは、悪魔の取引だ。人を堕落させる甘美な誘惑だ。
「ふふっ、私も嫌いなんです、あいつ」
最後に笑ってそう言って、上弦の零が離れる。
「さて、次なる対戦は、上弦の弐…童磨と、私が独断と偏見で二番目に強いと判断した柱です!」
水面に映し出されたのは、見知った柱…
「二つ目の池にてお見せするのは、上弦の弐…童磨対、風柱…不死川実弥となります!」
まずは、先手必勝だ!
…風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵嵐(しょうじょうさじんらん)…
ひらりと、躱される。
「あー、ノらないなあ。女の柱は二人居たって聞いてたのに、どっちも零余子ちゃんに取られちゃったか」
そいつは、やる気なさげにそうつぶやく。
「はっ! テメェがノろうがノるまいが、関係ねェ!」
…風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ(じんせんぷう・そぎ)…
「いやあ、なかなか速いね! 今まで会った柱の中で一番かも」
すんなりと躱しておいて、下らねェことをほざきやがる。
「あー、でも、あの子も結構速かったなあ、花の呼吸を使ってた女の子…」
あァ!?
「優しくて可愛い子だったなあ。朝日が昇って喰べ損ねたんだよねえ。ちゃんと喰べてあげたかっ…」
ザンッ!!
…風の呼吸 陸ノ型 黒風烟嵐(こくふうえんらん)…
「…た、っと。今のは一番速かったね。首を斬るには至らなかったけど」
へらへらと笑うこいつが…こいつがァ!!!
「許さねェ! 許さねェ! 許さねェェ!! ぶち殺してやらァァ!!!」
前話とは逆に、零余子ちゃんへの十二鬼月(+α)の評価
無惨 … 千年の集大成。相変わらずな部分はあるが、まあ個性か。
黒死牟 … 縁壱とはまた別の天才。考えがよくわかるところはとっつきやすいな。
童磨 … なかなかに興味深い。いろんな意味で気に入っている。
猗窩座 … 手のかかる妹のような感じ。側にいると懐かしくも優しい気持ちになれる。
半天狗 … ほぼほぼ絡んだことがないので、あまり気にしていない。
玉壺 … 捜索系の鬼ナンバーワンを自負してたし、上弦の順位も抜かれて気に入らない。
堕姫 … 小娘に無惨様のお気に入りナンバーワンをかすめ盗られて、気に入らない。
妓夫太郎 … 功績を考えたら当たり前だなと、妹は相変わらずバカだなあと思っている。
魘夢 … 鬼のくせに能天気に笑っている顔が、気に入らない。
轆轤 … 強さもやったこともすごいと思うのに、なぜか感じるシンパシー。
病葉 … 同上。
累 … すごいとは思うんだけど、会うと絡んできて、ウザい。
釜鵺 … シンパシーは感じるんだけど、たまに養豚場の豚を見るような目で見られて怖い。
鳴女 … 十二鬼月になったと思ったら、状況をどんどんと激変させて、少し怖い。