零余子日記   作:須達龍也

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上弦の上から決着が着いていってます。
参の次は肆ですね。


それぞれの決着4

「……」

 哀の鬼の槍を躱しつつ、怒の鬼と楽の鬼の様子をうかがう。

「かかかかっ!」

 喜の鬼達が高速で飛来してくるのを確認し…

 

 

 

 …水の呼吸 拾壱ノ型 凪…

 

 

 

 喜の鬼の体を切り刻みつつ、小さくなっていた喜の鬼の分身体をさらに細かくする。

 

 

「…なるほど。大体わかってきた」

 

 

 怒の鬼と楽の鬼の頸を斬った後、さらに分裂した時には辟易したものだが、主要な分裂はそこまでで、それ以降は、喜の鬼だけが分身体を生み、その他の鬼は再生するだけなことが確認できた。

 その喜の鬼の分身体も、ある程度小さくなると攻撃能力も飛行能力も持てなくなることもわかった。

 

「空喜! 邪魔くさい、小さいのをどけろ! 儂の雷が通らん!」

 

「儂の風にも邪魔だ!」

 

 怒の鬼の雷、楽の鬼の風…この二つの遠距離攻撃が、とりわけ厄介なのだが、周囲に喜の鬼の分身体を飛ばしていると、牽制になることもわかってきた。

 哀の鬼の槍、喜の鬼の爪…この二つの近距離攻撃は、そこまで躱すのは難しくない。喜の鬼は、口から音波を発することもあるが、これも近づかなければそこまででもない。

 

 

 …ただ問題は、倒し方がわからないことだ。

 

 

 頸は何度も斬った。ただ、他の部位と同じように再生するだけだった。

 そもそも、頸を斬られることに無頓着すぎる。

 他に条件があるにしても、頸を斬られることでわずかでも滅びる可能性があるならば、少しは動揺するはずだ。

 

 対処できるうちに、その条件を見つけないと…

 

 

「…ん?」

 

 

 そう言えばという程度の違和感だが、この部屋の隅から隅まで駆け巡っているが、ある一角だけは抵抗が大きくなり、行けてない。

 

 ならば…

 

 

 

 …水の呼吸 拾ノ型 生生流転(せいせいるてん)…

 

 

 

 …何があっても押し通るつもりで、型を繰り出す。

 

「くっ! こいつっ!!」

 

 怒の鬼の雷が飛んでくるが、構わず斬りおとす。

 

「行かせるかっ!」

 

 楽の鬼の風が真上から押しつぶさんと降ってくるが、ねじりの速度を上げて斬り返す。

 鱗滝さんのように鼻が利けばと思わなくもないが、こいつらの反応を見る限りでも、そこに何かがあるのは間違いない。

 

 

 

 ゾクリ…

 

 

 

 背後からの殺気が倍以上に膨れ上がった!

 

 

 

 ドン!

 

 

 

 何がどうなったかわからないが、背後から巨大な木の竜が襲い掛かってくる。

 

 竜には龍と、生々流転にて迎え撃つ。

 

 

 

「光栄に思え、この儂、憎珀天が相手してやろうぞ!」

 

「ふん、五体目か」

 

 喜怒哀楽の四体の鬼の姿がないことから、奴らが合体でもしたか? …ただ、それでもこいつが本体だとは思えない。

 本体はまずあの一角にあるのは間違いない。焦って、一番強い鬼を出したというところだろう。

 

「あの御方もご覧になられている。ひねりつぶしてやる!」

「能書きはどうでもいい」

 

 

 

「ざっんねーっん! 時間切れでぇーすっ!!」

 

 

 

 突如現れた気配が、そう言った。

 

 目指そうとしていた一角に、そいつらは居た。へらへらと笑っている上弦の零と、その側にいるのは上弦の参、そして…

 

「…胡蝶、か!?」

「お久しぶりです、冨岡さん」

「時間切れだと? 初耳だぞ」

「ま、言ってませんでしたけどね。でも、時間制限くらい当然あるでしょ」

「……」

 

 予想外だった胡蝶の登場に混乱したが、上弦の肆の混乱のほうが大きいのか、戦闘は完全に中断していた。

 

「無惨様がご覧になってるんですよ、決着をダラダラといつまでも待ってられないでしょ?

 今回は引き分けです。水柱の健闘が光りましたね! わー、ぱちぱちぱち」

 

 これはどう取るべきだ?

 上弦の肆の抗議もどこ吹く風と、のんきにこちらに拍手をしてくる上弦の零。

 それに対して、無表情で佇む上弦の参に、苦笑気味な胡蝶と…本当に、どういう状況なんだ?

 

 

「……了解した。ここは退こう」

 

 

 諦めたように、上弦の肆がそう言った。

 刻々と変化する状況だが、戦況が有利とはとても見えないので、警戒のみは続けたまま、刀を納める。

 

「大丈夫ですか、冨岡さん」

 駆け寄って来た胡蝶が、そう聞いて来た。

「…ああ」

 それはこちらの言葉なのだが…と思いつつ、そう返事をする。

「…一体、どういう状況なんだ?」

「あー…えっと、何と言いますか、詳しい話はあとで必ず…」

 たははと、言葉を濁された。

 上弦の零と現れた時は混乱したが、胡蝶は胡蝶のようだった。

 

 

「…そうか。とりあえず無事で良かった」

 

 

「んっ! んーーーー…ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

「…意外とあっさりと退きましたねえ」

「なんだ、喧嘩を売ってたのか」

「別にそういうわけでも…まあ、素直に言うことを聞いてくれる分には、それでいっか…」




猗窩座様vs炎柱の決着が着いたので、残りはそこで時間切れ終了です。
無惨様を言い訳にしてますが、全部零余子ちゃんの都合ですw

あと、どうでもいいですが、作者はぎゆしの派ですw
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