零余子日記   作:須達龍也

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続いては、上弦の伍…玉壺と、蛇柱…伊黒小芭内の戦いです。


それぞれの決着5

「これでどうだ!」

 

 

 

 …血鬼術 水獄鉢(すいごくばち)…

 

 

 

 ようやく捕らえた!

 

「窒息死は乙なものだ、美しい。そして頸に刃を当てられてヒヤリとする感じ。これはとてもいい…」

 

 水獄鉢に閉じ込めた鬼狩りの柱の色違いの目を見ながら、どうしてくれようかと考える。

 

「鬼狩りの最大の武器である呼吸を止めた。もがき苦しんで歪む顔を想像すると堪らない。ヒョヒョッ」

 

 

 

 …蛇の呼吸 壱ノ型 委蛇斬り(いだぎり)…

 

 

 

 うねるような一閃が、水獄鉢を切り裂く。

 

「柱を封じるには、芸がないな」

「何おぉ!!」

 

 もう怒った! 骨の髄まで喰らいつくしてやる!!

 

 

 

 …血鬼術 一万滑空粘魚(いちまんかっくうねんぎょ)…

 

 

 

「一万匹の刺客がお前を骨まで喰いつくす!!

 私の作品の一部にしてやろう!!!」

 

 

 

 …蛇の呼吸 伍ノ型 蜿蜿長蛇(えんえんちょうだ)…

 

 

 

 大きく蛇行しながら、ついでとばかりに粘魚を切り裂くが、一万匹を殺しつくすには足りないぞっ!

 

 …いやっ、粘魚との正面衝突を避けるのが目的で、本命は…

 

「ちぃいっ!!」

 

 

 

 …蛇の呼吸 参ノ型 塒締め(とぐろじめ)…

 

 

 

 ほとんどの粘魚を無視して、こっちを狙ってきやがった。

 

 いいだろう! この私の真の姿を見せてやろう!!

 

 脱皮をして奴の攻撃をかわすと、新たな壺から登場する。その際、一万匹の粘魚を奴との間の幕のようにし、私の真の姿をもったいぶる。

 

「お前には私の真の姿を見せてやる。この姿を見せるのはお前で三人目」

 

「……」

 

「私が本気を出した時、生きていられた者はいない」

 

 粘魚を消して、私の真の姿を見せびらかせる。

 

 

「この透き通るような鱗は、金剛石よりも尚硬く強い。私が壺の中で練り上げた…この完全なる美しい姿に、平伏すがいい」

 

 

 

「いえ、美意識の違いかなあ、その姿もやっぱり生理的に無理!」

 

 

 

「どういうことだー!!」

 

 

 蛇柱だと思ったら、成り上がりの糞女と、猗窩座の野郎が居た。

 

「胡蝶! どういうことだ!?」

「お久しぶりです、伊黒さん」

「では、ならばっ、甘露寺もっ!?」

「ええ、無事ですよ」

 

 他にも、柱の女も連れてきていて、何を考えてやがる!

 

「時間切れです、残念でした!」

 ケラケラとバカ女が、何も考えていない笑顔で、そうのたまいやがった!!

 

「ふっざけるな! これから私の真の姿の美しさと強さを…」

 

「時間切れは時間切れです。上弦の零からの命令ですよ、ぐだぐだと文句を言わないで下さい」

 

 

 ぶっちーーーん!!!

 

 

「こないだまで下弦だった雑魚が、入れ替わりの血戦もせずに、上弦の零だとぉ!!」

 

「…無惨様が決めたことですよ」

 

「捜索は私が一番なのだ! ぬけがけで成果を得たようだが、いずれは私が…」

 

 

 

「……ぁあっ!?」

 

 

 

「…!?」

 

 なんだ、この威圧感は!?

 

「…言わせておけば好き放題、なめられてる? …なめられてるよね、私?」

 

 パリィッ…パリパリパリ…

 

「…ぬけがけ? よくもまあ、私の苦労を…」

 

 パチ…パチパチパチ…

 

「…阿呆が…」

 

 

 

 ヒュッ…

 

 

 

 …雷の呼吸 漆ノ型…

 

 

 

「…はへっ?」

 

 

 

 

 

 …雷光赫花(らいこうしゃっか)…

 

 

 

 

 

 何だ? 何だ!? 何が起こった!!

 

 視界が、視界が回る!

 

 がしっ…

 

「…お前は、上弦の零を怒らせた」

 

 猗窩座!? 一体何がっ!?

 

「…だからこの結末は、全てお前の責任だ」

 

 

 そう言って見せられるのは…

 

 

「あ、ああっ、あああぁぁっっ!!!」

 

 

 

 崩れゆく、私の…私のっ! 体だったものだ!!

 

 

 

「…さようならだ、玉壺」




現段階での零余子ちゃんの最強奥義…雷光赫花です。
原作の善逸の奥義…火雷神(ほのいかづちのかみ)とコンセプトはほぼほぼ同じです。

超神速の一撃で首を刎ねる! …非常に単純ながら、究極の一撃です。

速さを希求してきた雷の呼吸の奥義として、最終的な形はそこに至るのでしょう。
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