零余子日記   作:須達龍也

144 / 148
前回よりはお待たせしないかわりに、格段に短くなってしまいました(爆)


新しい鬼殺隊4

「がああああぁぁぁぁーーー!!!」

 

 魅了の暴走をさせると、その瞬間に奇声を発することが多い。

 脳内のスイッチを切り替える証なのだろうか、割と興味深い。

 

「さて、初手はどうくるかな?」

 

 獪岳は大きく咆哮を上げるように奇声を発した後、脱力したように前方へと倒れ込んで…

 

 

 

 …雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃(へきれきいっせん)…

 

 

 

 ガキィィーン!!

 

 

「……いきなり来たね」

 

 頸を狙って来た日輪刀を、こちらの日輪刀で受け止める。

「なんだいなんだい、あっさり使えるようになってるじゃん」

 ギリギリとつばぜり合いをしながら、獪岳にそう声をかける。もちろん、それに応えられはしないんだけど…

 

 

 

 …雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい)…

 

 

 

 互いに回り込もうと、日輪刀を打ち合いながら、その中心を入れ替えながら、回転を繰り返す。

 この辺の流れは、前回の時と同じだ。

 前と違うのは、獪岳のリズムが格段にスムーズに、速く、静かになっていることだ。

 

「いいじゃん、いいじゃん!」

 

 

 

 …雷の呼吸 陸ノ型 電轟雷轟(でんごうらいごう)…

 

 

 

 更に、更に、更に! どんどんと回転が上がってくる。

 こちらは血鬼術による底上げで、反射速度と運動能力をかさ上げしているのだが、全集中の呼吸だけで、人の身でここまで上げてくるなんて…

 

「…あんた、まじで天才じゃん」

 

 軽口と言うよりは、まぎれもない称賛と感嘆を込めて、そうつぶやいた。

 

 

 

 ガガガガガガッッ…ガアアァンッ!!!

 

 

 

 剣戟の音と言うよりは、まさに轟雷といった感じの音を立てて、距離をとる。

 

 

 ぺろりと、唇を舐めて…

 

「…次、行くよー!」

 

 

 

 …雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃…

 

 

 

 開いた距離を、互いに一瞬で縮めて…

 

 

 

 …二連…三連……四連……五連………六連………七連…………八連…

 

 

 

「はははっ! ほんとにさっきまで壱ノ型を使えなかったのかよ!? 着いてくるじゃんよー!!」

 

 十三連で、なんとか獪岳を突き放すと…

 

 

「見せてあげる! 今の最強を!!」

 

 

 

 …雷の呼吸 漆ノ型… 

 

 

 

 一息よりも短い時間…火打石を打って、火花が出るまでと同じくらいの時間…見るものからは瞬間移動したかのような速度で、獪岳の懐に飛び込んで…

 

 

 

 …雷光…

 

 

 

 …ズドンッッ!!

 

 

 …居合抜いた柄頭で、獪岳の鳩尾を強打する。

 

 

「…っがはっっ!!!」

 

 

「…見せるって言ったのは嘘。…だって、その時は死んじゃうからね」

 

 

 鳩尾を強打されたことで、呼吸ができず…つまりは呼吸法の底上げを失って、獪岳が気絶する。

 

 

 

「…想像以上、今すぐにでも柱になれるよ。お疲れ様」




獪岳が強くなったことを示す、再戦でしたが…

強くなったねえ、零余子ちゃん(ホロリ)

でも、半泣きでガクブルする零余子ちゃんも、久しぶりに書きたいなあw

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。