零余子日記   作:須達龍也

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通販で頼んでいた零余子が届きました。

…なんか、見た目は、豆というか…第一印象は正直なところ、これで二千円かと…

まあ、また「零余子 食べ方」で検索しますよ、うひょひょw



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 そこから私の快進撃が始まった! …というわけでもなかったりする。

 

 山坊主との戦いは、悔しいけどまだ五分五分に近い。

 私に不動金縛りの術の仕組みを見破られたせいか、その後は適当に使いだしたのだ。

 特に機会を伺うでなく、それも連続でコンコンコンって感じで使ってくる。

 前のように完全に金縛り状態になるわけじゃないけど、こちらの動きは完全に邪魔されてしまう。…こっちの使い方の方が強いって、なんかずるい!

 

「現状でも、下弦の陸には勝てると思うがの」

 

 …というのが、山坊主の感想だけど、下弦の陸の弱さを過信しているところがある気がするので、油断はできない。

 私の見た目は、ハッキリ言って強そうではない。むしろ弱そうだろう。…まあ、私のような可憐な少女は、どうしてもそう見えてしまう。

 そうなると、どうなるか?

 十二鬼月に入ったとしても、入れ替わりの血戦を挑まれまくるのは、想像に難くない。その上で、下弦の陸だったなら、挑戦者の数は更に倍増すること間違いない。

 

 山坊主には悪いけど、狙いは下弦の肆、阿修羅なのだ。

 

 山坊主と阿修羅の力量差が、当時のままなのか、縮まっているのか、それとも広がっているのかは、わからない。

 でも、阿修羅に勝とうというなら、せめて山坊主には圧勝しておきたい。

 

 

 そんなことを言ったら、ほっぺたをつねられるのはわかっているから、言わないけどね!!

 

 

 

 

 ある晩、夜空を飛んでいる烏を見かけた。

 割と遠い上、夜空だったのに、私の感覚、かなり上がっているな。ふふふ。

 

 

 

 

「…と言うわけで、連れてきました」

「いきなりじゃな」

 じゃじゃんとばかりに、早速紹介する。

「鬼殺の剣士、山田太郎君です。階級は壬(みずのえ)です。下から二番目ですね」

 私がそう紹介しても、山田君はぼーっと突っ立ったままです。しょうがないんですけどね。鎹鴉の方は、タオルに包んでしばってます。私は学ぶ女ですから。

「で、そっちのは?」

 山坊主が、もう一人の方も早く紹介しろとせかします。

「こちらは三つ隣の山に棲んでた鬼さんです。名前はまだないそうです」

 体格も普通の人間くらいで、まだ数人しか人を食べてないそうだ。

「この鬼さんを追っかけて、こちらの山田君が派遣されたみたいです」

 ぼーっと並んで突っ立っている鬼と鬼殺隊士を、うろん気に山坊主が見ています。

「それで、そいつらをどうするつもりなんじゃ?」

 はい、実にいい質問です!

 

「私の修行に使います!」

 

 私の答えに、更にうろん気な目をしてきます。

「そいつら、戦えるのか?」

「はい、戦えませんね。元から弱いのに、魅了にかかると、更に弱くなります」

「じゃあ、駄目じゃないか」

 山坊主の言う通りです。

 魅了で戦力増強できるのではないかと思いつき、試しに山田君を魅了した後、名無しの鬼と戦わせたら、たちまちのうちにやられて、慌てて止めに入りましたよ。

 

「ふふふ、奥の手があるんですよ」

 

 自信満々な私の態度に、山坊主がますますうろん気な顔をする。

 今回、魅了をかけていて、気づいたことがあったのだ。

 これ以上、深くかけたらまずいなと、感じたのだ。

 私の魅了、更に進化している。つまり、先があるのだ。

 

 まだ試してないけど、なんとなくわかる。それ以上の魅了をかけたら、タガが外れる。暴走状態になるのだろう。

 

「まあ、理性が飛ぶんで、どれくらい強いかはわかりませんが、腕の数はこれで合わせて六本です」

 

「ほほう、三対一でやるつもりか」

 山坊主が、ちょっと怖い顔をする。

「さ、最終的にですよ! とりあえず、まずは様子を見ていて下さい」

「…わかったわい」

 

 魅了を深くかけたら、暴走状態になるだろう。

 理性を飛ばして、私に襲い掛かってくるだろう。

 

 

 それは、わかってた。…つもりだった。

 

 

 

「ぎゃーーー!!!!」

 

 あの名無し鬼、血鬼術使ってきた! 使えないって言ってたのに!!

 

「わっ、やっ、ちょっ!!」

 

 山田君が流れるように刀を振るってくる。お前、下から二番目って言ってたじゃん! 階級詐欺だろ!

 

「ひっ、まっ、待って…」

 

 段々、こいつら、連携しだした。鬼と鬼殺隊士が息の合った連携するなよ!

 

「やっ、まっ、おちっ…」

 

 

 怖い。すっごい目がギラギラしてるし! …えっと、これって、負けたらどうなるの? どうなっちゃうの!?

 

 

「た、助けてー!! 山坊主ーーー!!!」

 

 

「…ほんと、やれやれじゃな」

 

 

 

 

 

「…魅了怖い。鬼殺隊怖い。鬼怖い。男怖い」

 

 あの後、山田君は私が、名無し鬼は山坊主がなんとか倒した。

 一対一だったら、問題はなかったのだが、それでも、滅茶苦茶怖かった。

「…これは、さすがに封印かな」

 だって、すんごい怖かったもん。

「そうなのか? どっちも実力以上に能力を跳ね上げられとった。使い勝手がなかなか良さそうに感じたのじゃがな」

 山坊主が、そんなお気楽なことを言う。

「襲い掛かられる方の身になってから言ってよ。無茶苦茶怖かったんだからね!」

「さすがに、それはわからんがな」

 

 

 まあ、相手を誘導できるなら、使えるかもしれないけどさ。

 

 

 

 …えー、あれもっかいするの? …怖すぎるんですけど!




量的には、料理二回分くらいしかなので
美味しく頂けるようにしっかり検索しますよー!
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