零余子日記   作:須達龍也

31 / 149
無惨様、ああ無惨様、無惨様。

しかし、無惨様の悪あがきっぷりの凄まじさよ。そこにシビれる!あこがれるゥ!



31

「止まれぇーーー!!!」

 

 

 首元から離れた後、阿修羅に向かって命令する。

 

 私の命令に従い、こちらに向かっていた…鳴柱を殺そうとしていた阿修羅が止まる。

 

 

 べしゃり…

 

 

 重力に従って、私の頭が地面に落ちる。

 

「はぁはぁ…」

 

 両腕を再生する。

 

「はぁはぁ…」

 

 転がっている頭を拾って、乗せる。

 

「はぁはぁ…」

 

 辺りには、そこかしこに阿修羅の腕が転がり、止まれと言った時の姿のまま静止している阿修羅がいる。

 

 近くには、私の腕が転がっている。少し向こうに、男の右足首から下が転がっており、目の前には、鳴柱が膝をついている。

 

 

「…勝った」

 

 

 パシャンとしりもちをつく。

 

 

「…生き、残った…」

 

 

 空を見上げると、既に雨は上がっており、満月が見えていた。

 

 

 

「…助かったー…」

 

 

 

 

 

 …では、恒例の尋問開始です。

 

 鳴柱、成宮透さん。鬼殺隊戦闘部隊の頂点の一人です。

 なんで大阪まで来ていたかと言うと、神戸の山に現れた僧兵の鬼の確認とのこと。…山坊主、あいつのせいだったか…

 任務前の息抜きで街を散策してたら、強い鬼の気配…阿修羅に気付いて、つけたとのこと。…阿修羅、お前のせいか…

 

「…まあ、終わりよければ…ってことで、許してやるか…」

 

 鬼殺隊の本拠地はどこか? …それは、柱でもわからないとのこと。

 おそらく関東のどこかではないかとは、思っているとのこと。

 

「…ふむ、柱にも秘匿していると。…慎重ですね…」

 

 …あの方と同じくらい…と、続く言葉を飲み込んだ。

 

 だが、これは考えようによっては悪くない。むしろ良かったと言える。

 だって、ここで連中の本拠地がわかったらどうなるか?

 総力を挙げて、本拠地を襲うことになるだろう。…少なくとも、十二鬼月は全員参加で間違いないだろう。

 

 

 はっきり言って、無理。死ぬ。

 

 

 …はい。気を取り直して、次の質問に行きます!

 

 …鬼殺隊は、あの方のことをどこまで知っているのか?

 

 …かなりやばい質問かもしれない。

 でも、あの方は鬼にもあまり情報を教えてくれない。ひょっとしなくても、敵対組織である鬼殺隊の方が、いろいろ知っている可能性は高い。

 

 …鬼舞辻無惨…千年前から存在すると言われている、鬼の開祖。

 現在存在している鬼は、すべてが彼の手によるものらしい。

 そして、鳴柱自身は、会ったことがないとのこと。

 

「…それだけ?」

 

 私の質問に、首を縦に振る。

 

「…青い彼岸花は知っている?」

 

「…知らない。聞いたことはない…」

 

「…ふむ、なるほどね…」

 正直、あんまり知らなかったな…というのが感想だった。

「…さて、どうするか…」

 聞きたいことは聞いた。

 彼は柱だ。殺すべきだろう。そうしないと…

 

「…また相対するとか、今度こそ死ぬし…いや、魅了の効果は残る…か…」

 

 …あれ? …それって…

 

「…このまま帰したら、こいつは本拠地にいずれ戻る…よね?」

 

 …そうなったら、こいつの印から…

 

 

 

 …本拠地がわかってしまう!

 

 

 

「…殺そう」

 

 うん、こいつは柱だ。殺すべきなんだ。

 

 その辺に落ちている阿修羅の刀を拾う。刀の使い方はうまくないが、首を刎ねるなり、胸を刺すなりすれば、死ぬはずだ。…何も難しくない。

 

「…おぇぇ…」

 

 気持ち悪い。気分が悪い。頭がガンガンする。

 

 …駄目だ。殺すのに抵抗感がある。しんどい。

 

 ふと見ると、静止したままの阿修羅が目に入った。

 

「…そうだ…」

 

 何も私がしなくてもいい。阿修羅にやらせればいい。

 

 ふらふらと阿修羅のところに歩く。足取りが重い。気持ち悪いのが止まらない。

 

「…あ、あしゅ…」

 

 

「…あぁぁぁあああぁぁーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 ビクッ!

 

 鳴柱が急に雄たけびを上げた。…えっ? …魅了がとけたの?

 

 …ギロッ!

 

「ひっ、ひぃぃ…」

 

 睨み付けられた。やばい。まずい。死ぬ。

 

 

 ヒュッ…

 

 

 一歩で大きく距離を取ると…そのまま刀を杖のように使い、ものすごい速さでいなくなった。

 

「…助かった…逃げた…よね?」

 

 

 そして、気づく…

 

 

 

「…あぁぁーーーーー!!! 逃げられたぁぁぁーーーーーー!!!!!!」




刀鍛冶の里ですら、柱は場所を知らないので、本拠地も知らないと思います。

みんな、本拠地に帰るときは、隠リレーなんですかね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。