零余子日記   作:須達龍也

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漫画ではよく見て、思いますよね。
この敵の能力、使い方をもっと考えれば、すっごい強いのにって。

そういうもんですw



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「…うー…あー…」

 

 三条邸の私に与えられた客室の布団の上で、おなかを抱えて苦しんでます。

「…あー、吸いすぎたー。…三百人からあとは、数えてないわー」

 おなかが、ちゃぽんちゃぽん言っている気がする。

「…千人は行ってないよね? …五、六百人くらいかな。…まあどっちにせよ、一日での最高記録だよ」

 自分は頑張った、よくやった、褒めて褒めてと訴えているのに…

 

「食べ過ぎ…というか、飲み過ぎで苦しんでいる鬼は、初めて見た」

 

 …あれぇ? …若干どころか、かなり呆れられてますよ。…解せぬ。

「…まあ、今日頑張ったから、明日からはここで待ってればいいだけですよ。

 そのうち…」

 

「…零余子様に、お客様がお見えです」

 

 ふすまの向こうから、そう呼びかけられた。

「…ほーら、ねっ!」

 

 

 

 

 

「…あー」

「…なんじゃ、その顔は」

「…山坊主だったな」

 玄関に居たのは見知った顔、山坊主だった。

「…どうしたの?」

「…拠点を移すついでで、…まあ、顔を見に来たというか…」

 何か、歯切れが悪い。

 

「…ふん、どうせ、私との差が広がっているのに、焦ったんだろう」

 

「…ぐっ」

 煽るような阿修羅の言葉に、山坊主が反論せずに黙り込む。

「…そうなの?」

「……ぐぐ…」

 

 …まあ、そういうことなんだろう…

 

 山坊主には恩がある。

 そうだというのなら、仕方がない。

 そもそもが、私の感傷に過ぎないのだから…

 

 

 …魅了が介在しない関係が、一つくらいあったらいいな…だなんて。

 

 

「…いいよ。暴走させるマトも、ちょうどあるしね」

 阿修羅を見ながらそう言うと、阿修羅も全然構わんとばかりに頷いた。

「…ただし…」

「…ただし?」

 

「山坊主はお風呂に入ってからね。…なんか、酸っぱい匂いがするし」

 

「…す、すっぱ…」

 山坊主ががっくりと肩を落とすが、これだけは譲れないね。

 

 

 その後、近くの山で、魅了の暴走をやってあげました。

 山坊主の能力もかなり上がりましたよ。…ええ。私よりずっと強くなりましたよ、だからなんですか? 悔しくなんかないですよ! へへーんだっ!!

 

 

 …ちなみに、それでも阿修羅よりは弱いですけどね。ざまぁ!

 

 

 

 

 

 数日待っていたけど、あんまり本来のお客さんは来なかった。

 

 ”青い彼岸花”を聞いたことがあるだけでは、なかなか条件が厳しかったのかもしれない。

 そう反省し、他に”鬼”についてある程度知識があるとか…

 ”陰陽道”にある程度関わりがあるなどでも、訪ねてくるように条件を緩和しました。

 

 

 …たくさん古文書みたいな本が家にある…も、ありにしました。…趣味も兼ねてて、何が悪いか!

 

 

 

 その際、吸い損ねていた大学関係者も、二百人くらいは血を吸ったので、京都帝国大学の関係者は、ほぼ網羅し終えたと思う。




零余子ちゃんは、今で言うビブリオフィリアです。
できれば本に囲まれて、ただただ本を読み続けるだけの生活がしたいと思ってます。
ジャンルにもあまりこだわってません。
冒険活劇でも、恋愛小説でも、小難しい専門書でも、なんだっていけます。
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