満点以上をとるとは、無惨様も思ってませんでしたよ。
べべんっ!
「面をあげろ」
「はっ!」
今日はもう十何回目かになる、零余子の報告を聞く日になる。
これまでよくわかっていなかった”青い彼岸花”について、…というよりは、”不老不死の霊薬”について、さまざまなことがわかってきた。
古代中国…秦の始皇帝の時代からの禁書の写しが、遣唐使により口伝にて持ち帰られたこととか。
時代時代により、さまざまな材料を用いられた…中には、完全な毒薬だったこともあっただとか。
その霊薬について、さまざまな人体実験も行われたことだとか…ただし、その実験についての詳細は既に廃棄されているらしいこととか。
初代陰陽寮の祖、安倍晴明の末裔も調査に加わっているとか。
中には、陰陽師の暗号や隠語などが数多く含まれている為、さまざまな考察ができることにより、時間がかかっているとの言い訳も含まれている。
「…では、また一週間後に」
「ははっ!」
口では了承を示しているくせに、内心ではえぇー…と思っている。
だが、そんなことはまあいい。問題ない。
ここまで遅々として進まなかった青い彼岸花の捜索は、この零余子により驚くほど速く進んでいるのは間違いない。
戦闘能力は大したことないが、その能力は特異であり、さらに情報収集能力に至っては、これまで私が作って来た鬼の中でも随一と言っていいだろう。
有能で、優秀だ。ある程度は目をこぼすことはしてやろう。
有能で、優秀なくせに…
…無惨様って、私のことが好き過ぎじゃない?
…どうして、そうなる!
ここまで全く進んでいなかったものが、進みだしたのだ。私も少しは機嫌が良くなる。…それは、しょうがない。
こいつのことはあんまり好きじゃない…むしろ、嫌いなほうだが、功労者なのは間違いない。少しは褒めてやるし、ちょっとくらい調子に乗るのも許してやろう。
だが、なんで私がこいつのことを好きだという結論になる!
馬鹿なのか? …有能なくせに、馬鹿なのか!?
「…そうでした。一つお願いしたいことがございました」
「…なんだ、言ってみろ」
ちょっとずつ調子に乗っているのか、たまにこんなことを言ってくる。
「研究所を作りたい、と考えております」
「…ほう」
「青い彼岸花の調査研究も進んできましたし、いろいろと実験したいことも増えてきました。個人宅で行うには手狭になってきましたし、そもそも無給でやってもらうのも…と、様々なことを勘案するに、研究所が必要だと至りました」
「…なるほどな」
零余子の言いたいことはよくわかる。有能なんだ。…馬鹿だけど。
「…金が必要というわけだな」
「…いえ?」
「えっ? …違うのか?」
キョトンとした顔の零余子に、聞き返す。
「研究所を作るにあたって、会社を作りたいと思います。製薬会社です」
にへらっと笑って、そう答えてきた。
「…京都…いえ、関西圏の政界、財界、軍閥に至るまで、既に根回しは終わっております。必要な人材、土地も確保は完了しております。
あとは無惨様の許可さえあれば、いつでも着手できます」
研究所を作るために、会社を作る。そんなことを簡単に言ってきやがった。
こいつ、有能なんだよ。優秀なんだよ! 馬鹿だけどっ! 馬鹿のくせにっ!!
「…わかった。好きにしろ」
「ははっ、ありがとうございます」
殊勝に頭を下げているが、その脳内のお花畑では…
…いやー、やっぱり愛されているね、私…
…とか、考えていやがるっ!
べべんっ!
「…ふっ」
奴が消えて、鼻から息をもらす。
「ふっざけるなぁあぁぁーー!!!」
後ろにあった座椅子を蹴り壊す。
「貴様なんか、大っ嫌いだぁぁぁああぁぁーーーーーー!!!!!」
零余子ちゃん、ちょーっとばかり、調子に乗ってきてますw
無惨様、だいぶイラついてますけど、我慢してます。
ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろかいって位にはイラついてます。
…まずいです。無惨様だと、実際にやろうと思ったらできてしまいます。
そんな描写、R-15ではおさまらないので、あんまり調子に乗らないで欲しいなw