べべんっ!
「ふー…」
面談が終わって、自分の部屋に戻ると、息を吐く。
「…ううう」
胃がキリキリと痛む。精神的なものだと思うけど、内臓から殺しに来るとか、無惨様ひどすぎる。
「…さて…と」
日記を取り出して、サラサラと書く。あまり長くはない。ちょっと思った雑感とか、ちょっとしたメモみたいなものだ。
その後、部屋にある姿見を見る。鏡に映った自分と会話する。
ここまでが、もう日課になっている。
「…今から動き出して、会社ができるのは来年…再来年? …研究所から先に作ったほうが早いね。あれを再現するのが優先だけど、胃薬も必要だね。そっちも大至急だ」
私はもう底なし沼に足を突っ込んでしまっている。沈み切る前に、前へ前へ、進んでいくしかない。…例えその先が、あまり良くなさそうであってもだ。
青い彼岸花の研究、研究所設立、会社設立の準備…と大忙しの中、一番しんどいのは、間違いなく無惨様との面談と言える。
もう一週間程度じゃ、大して進んでませんよ、勘弁してください。
べべんっ!
「面を上げろ」
「はっ!」
間違いなく、この一年で二番目に無惨様と会ってるよ。…一番目は鳴女さんに間違いないけどね。
さすがにこれだけ会ってると、名前くらいは知ったよ。…会話はあんまりしないんだけどね。
「…以上となります」
頭でつらつらと余計なことを考えていても、口はちゃんと仕事をしております。
すごくない? …並列思考とかそんなんなのかな?
まあ、それでやっている考えが余計なことなところが、ちゃんと使えてない感じなのだけど。
「…ところで、お話は変わりますが」
「なんだ?」
「…入れ替わりの血戦とか、やられないんでしょうか?」
割と頻繁に行われて、挑まれまくるのではないかと考えていたのだが、私が阿修羅とやってからは一度も行われていなかった。
「あまり頻繁に入れ替わられるのも面倒だからな。よほどでなければ許可していない」
「なるほど。ありがとうございます」
私が行った入れ替わりの血戦は、特別措置だったということだ。
質問に答えて頂いたことと、特別措置を取って下さったこと、両方に対して感謝の言葉を述べた。
「それに…」
「…それに?」
「貴様は、三度目くらいで負けよう…とか思ってそうだからな」
「…そ、そんなことありませんよう」
私の心の中が、無惨様にバレバレすぎるんですけどー!
「では、また今度の報告まで」
べべんっ!
…しかし、次に会ったのは、その報告の面談ではなかった。
下弦の参…大太さんが、鬼殺の剣士に殺された。
そろそろと平和?な時間が終わりを告げようとしております。