これにて我が家の零余子ちゃんは、全部食べちゃいました。
今度はいつ食べるかな。
その一報は、またまた、京都にある藤の家紋の家で聞いた。
「…そう…」
鵺さんとも、話はしたことがない。大太さんと同じく、あそこで何度か見かけただけの関係だった。前ほどの衝撃ではないけれど、あれからそんなに時間が経っていないことが衝撃だった。
鵺さんを殺したのは、音の呼吸を使う剣士だったとのこと。…音の呼吸ってなんだよ、初耳だよ!
その功績をもって、音柱になるだろうとのこと。
岩柱に続いて、柱がまた生まれることに、鬼殺隊は盛り上がっているとのこと。
盛り上がっている藤の家紋の家は、やっぱり居心地が悪かった。
べべんっ!
呼び出されたのは、一報を聞いた夜だった。
私の他には、累君と阿修羅、それに山坊主がいた。
阿修羅と山坊主は、何で呼び出されたのかをなんとなく感じ取っているのか、神妙な顔をしていた。
累君は、やっぱりあんまり変わった様子は見られなかった。
べべんっ!
「面を上げろ」
「「「「はっ!」」」」
声から察するに、相当機嫌が悪い感じだった。…当たり前だけど。
「鵺が殺された。下弦の弐だ」
事務的な中に、怒りを隠していない。
鵺さんが殺されたこともそうだが、続けて下弦の鬼が殺されたことに怒っているように感じられた。
その怒りは、ここに並んだ下弦の鬼達全てに向いているのかもしれない。
「お前たちを一つずつ上げる。下弦の陸も、また補充する」
続く無惨様のお言葉は、前回と同じものだった。
「…お待ちくださいませ」
「…なんだ?」
続く私の言葉を予想しているのか、無惨様の機嫌がより一層悪くなる。予想通りなんだけど、予想通りなんだけどっ!!
「私はこの中では一番弱い身のままです。このまま下弦の肆に居たいと存じます」
「ちっ、またそれかっ!」
舌打ちをして、無惨様が怒る。
「…本当に、本当に申し訳ないことなのですが、現状頂いている任務に、差支えが出てしまいます」
「…ぐっ」
早くも伝家の宝刀を抜いて、固辞をする。…前回も受けなかったんだから、今回も受けるわけないと、むしろわかってほしいよ!
「…ちっ、しょうがない。…では、累と阿修羅と山ぼ…」
「あっ、やっぱり僕も下弦の伍のままでいいです」
なんか、もう、累君はすごいね。
無惨様のお言葉を遮るとか、言い訳もないし、なんか気安いしさ。すごいよ、うん。
「そうか、わかった」
うん、知ってた。
累君はいいんだよね。累君は許されるんだよね。依怙贔屓なんだよね。うん、知ってたよ。
「何か、言いたいことがあるのか?」
「…イエ、ナニモナイデスヨー」
べべんっ!
無惨様の気配がなくなる。
「そうだ、零余子」
なんだ? 今度はお姉ちゃんか?
「…なに?」
「僕のお婆ちゃんになってよ」
そう来たかー!!
「母さんとか姉さんはちょっと違うなというか…無理だけど、お婆ちゃんだったら、ギリギリ許せるかなって思って」
子供もいないのに、いきなり孫ができたよ、やったーー!! …って、なるかぁーー!!!
大体、累君私より絶対に年上だよね? 子供の見た目してるからって、調子に乗るなよ? 無惨様のお気に入りだからって、なんでもかんでも思い通りになると思うなよ! こんちきしょー!!
「僕の力を分けてあげたんだけど、やっぱり弱いからさ。他にも強い鬼がもう一人くらい欲しいから、零余子でもしょうがないかなって」
これ、喧嘩売ってるよね? 絶対に売ってるよ! なんでそんな上から発言できるのか!?
「絶対になるかぁー!! ばかーーー!!!!!」
べべんっ!
鳴女さんの転送時機、芸術的だよね。
「うがあぁぁぁあああぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!」
…結局、阿修羅が下弦の弐、山坊主が下弦の参になり、私と累君はそのまま。下弦の陸には指剣鬼くんがなったみたいだ。それが良いのか悪いのかは、わかんないんだけどね。
天丼回ですな。
前よりも零余子ちゃんは遠慮してませんけどw
そろそろ本編はスタートしそうです。