零余子日記   作:須達龍也

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零余子ちゃんの研究日誌~。



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 助手ができました。

 

 前にお願いをして、貸していただいた鬼の女の子の一人がそうです。

 

 名前は”長子(ながこ)”です。私が付けました。

 

 この子は、お借りした鬼の中では一番弱く、たった一人しか食べてなかったそうなんですが、こちらの言うことを良く聞く素直な子で、また頭の回転も速くて、こちらの望みも良く分かってくれるので、大変重宝しております。

 

 まあ、お気に入りですね。

 

 あとの五人にも一応名前は付けています。

 それぞれ、”自根子(じねこ)”、”芋子(いもこ)”、”長男(ながお)”、”自根男(じねお)”、”芋男(いもお)”です。

 

 …適当過ぎ? 失礼な、無惨様が付けるのと大差ないですよ。

 

 まあ、こいつらが、鬼になったばかりの全能感がそうさせるのか、実に自堕落で、調子に乗っていて、これがまあ、イラつきます。

 やれ、人間が喰いたい、喰わせろ、というか、もう喰う…みたいな感じで、しょうがないから、したくもない魅了をしましたよ。

 

 お前らみたいな実験体よりも、ここの研究員の方が余程大事だというのに、身の程を知れと。

 

 

 …まあ、知らしめてやったんですけどね。

 

 

 一番うざかった芋男に、一番うさんくさかった青い彼岸花の成分を注射して、あぶってあげました。

 

 どれくらいうさんくさかったかというと、青い染料で染めただけの彼岸花です。特有の成分なんてないのは、わかりきってました。

 はい、燃えて消えましたね。予想通りです。まあ、ある種の見せしめです。

 

 あんまりグダグダ言っていると、こうなるよって。

 

 借りている鬼を早速無駄にしていいのかって?

 …無駄にはしてませんよ。必要な措置だったと思ってます。

 

 イヤだ、やめてくれ、助けてくれと泣きながら太陽の下に歩いて行った芋男の姿は、残りの五人にきっと大事なものを残してくれたはずです。ええ、そう信じてます。

 

 

 

 

 

 自然研究所での青い彼岸花の研究は、二つのアプローチでやってます。

 …横文字を使うとか、かっこよくないですか? …ふひひ、できる女って感じがしますね。

 

 まあそれは置いておいて、一つ目は、正攻法である、安倍さん家で見つけた古文書の研究です。

 

 これがまあ、めんどくさいことこの上ない。いろんな専門家を動員しているんですけど、隠語、暗喩、暗号、偽装と、かなり手がかかります。進捗は亀の歩みの如しです。

 

 

 というわけで、そっちだけだと無惨様に怒られるのは分かりきっているので、もう一つのアプローチを用意しました。

 

 

 実験で青い彼岸花を作ろうという方法です。

 

 簡単なのは、土を変えてみたり、水を変えてみたり、あとは染色体がどうとか、遺伝子がどうとか、なんかよくわからないですけど、いろいろと試してます。

 

 いいんですよ、私がわかってなくても、できたらいいんですよ。

 

 

 お前ら、横文字ばっか使うなよ! でぃーえぬえー? …日本語使え、日本語を!

 

 

 まあ、そんなこんなで、四種類の青い彼岸花ができたので、自根子、芋子、長男、自根男に注射して、あぶってみました。

 

 

 

 はい、駄目でした。また六体くらいお借りしよう。




零余子ちゃんは鬼ですよー。
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