ああ、猗窩座様、優しいし、かっこいいし、素敵すぎです!
「私は阿修羅です。現在は下弦の壱を任されております」
「儂は山坊主です。同じく今は下弦の弐をやっております」
阿修羅と山坊主が割り込んでくる。
「ああ、前の零余子との血戦も覚えているし、お前ら二人がやった血戦も覚えている。
あの頃は、山坊主はもう上を目指してなさそうだったからな、阿修羅が勝つだろうとは思っていた」
「…そうでしたか」
「…お見通しでしたか」
嬉しそうな阿修羅と、恥ずかしそうな山坊主。
「…でも、今は二人共あの頃よりもずっと強くなっているな。
今晩目的地についたら、どっかで戦りあってみるか?」
猗窩座様が少年のような笑顔でそう言った。
うわぁ、かわいい! 好き!!
「おお、是非!」
「お願いします!」
…こいつら、邪魔だなあ…
「…なんじゃ、その目は」
「…一応言っておくが、我らを呼んだのはお前だからな」
「別に、邪魔だなあ…とは思ってないよ」
「思っとるじゃろ!」
「…お前ってやつは」
「はははっ! 仲がいいんだな、お前たちは」
「…ええ」
「…まあ」
「…そんな感じです」
三人とも、まあ否定はしない。
「切磋琢磨することは悪いことじゃない。まあ、傷を舐めあうようなのはどうかと思うがな」
「そう言えば、上弦の皆さんは、あまり仲は良さそうに見えないですね?」
思い切って聞いてみる。
「ああ、仲は良くないな。でも、それでいいだろう」
猗窩座様は、なんでもないように、そう答えた。
それは、鬼として…ましてや、上弦の鬼としては、当たり前なことなのかもしれない…
「…でも、それって、寂しくはないんですか?」
強くなる、ただ強くなる。その為には、そんな感情は余計なのかもしれない。
それでも、私は耐えられない。私だったら無理だ。孤独には…耐えられない。…もうあんなのは、いやだ。
「…お前は、へんな鬼だなぁ」
苦笑するような表情で、そう言われた。
「…まあ、こいつは変じゃな」
「…その通りだな」
…うう、みんなに変って言われる…
「猗窩座様は、黒死牟様とは戦われたことは?」
「そりゃ、何度かはあるさ」
阿修羅が別な話をして、それに猗窩座様が応じられる。
「そういや、お前の剣は、…どっかで見たことがあったのか?」
「はい。名前が付く前に。…鬼になる前のことは覚えておりませんが、鬼殺隊の柱と黒死牟様の戦いは、いまだに鮮明に覚えております」
阿修羅の目にあるのは、子供のような憧憬の光だった。
「…まあ、強くなりたい理由はそれぞれだ。否定はしないが…限界を決めてしまえば、そこまでしか行けないぜ」
「…それは、そこまで行ってから考えます」
猗窩座様の忠告に、阿修羅がまっすぐに返した。
「…ははっ、違いない」
猗窩座様がカラリと笑った。
初めて見たときは、無関心で無表情な方だと思ってたのに、すごくいろんな表情を見せてくれる。…好き。
「山坊主はどうだ? 誰か目標にしている奴とかいるのか?」
猗窩座様のその振りに、山坊主が少ししょげたように見える。
「…儂は、止水様に憧れておりました」
ああ、やっぱりだ。前に十二鬼月の話を聞いたとき、そういう印象があった。
「…上弦に立ち向かう姿に、憧れていたのだと思います」
山坊主は下弦の肆になった後、上を見るのを諦めたと言っていた。上弦に立ち向かう止水様に、自分の代わりに…みたいなことを思っていたのかもしれない。
「…なるほどな。奴も悪くはなかった。
俺は何人かの水柱と戦ったことがあるが、そいつらと比べても、止水のが強かった気はする」
そんなに強かった止水様でも…
「じゃあ、お前が止水の仇を討ってやれよ。…とりあえずは、それを目標にしたらどうだ?」
「…儂が、止水様の仇を…」
山坊主は、今までそんな気はかけらもなかったのだろう。猗窩座様の言葉に衝撃を受けたようだった。
「…ああ、なるべく早くしろよ。そうでないと、俺が先にもらっちまうぜ。…実際、興味あるしな」
「…わかりました」
猗窩座様の言葉に、山坊主は決意したようだ。
「鬼は不老不死だ。傷だってすぐに回復する。どこまでも強くなれるんだ。
…上を目指さなければ、何の為の鬼だ」
猗窩座様のその言葉は、グッサリと私の胸に突き刺さった。
「…あうう、すみません」
とりあえず謝った私に、猗窩座様はキョトンとした顔をする。
そして、カラリと笑って…
「…お前はいいさ。とりあえず、自衛ができるくらい強ければ、それでいい」
なんでもないように、そう言ってくれた。…はぁ、ほんと好き…
ドキドキ! 十二きづきっ☆ミ
猗窩座様ルートに入ろうとしてますw