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その後は、ぽつりぽつりと何かの話題で盛り上がったり、何もなければ、静かに馬車は進んでいった。
そこに、最初の息苦しさはなかった。
馬車の揺れに乗じて、猗窩座様にもたれかかったりする。むふふ…
てへへって笑うと、笑い返してくれる。ああ、幸せ…
じっとりとした目で、山坊主と阿修羅がこっちを見てくる。
「ちっ…」
「…こいつ、舌打ちしおったぞ」
「…最悪だな」
岡山に着いた。
途中、私の生家への分かれ道もあったが、今更もう用はなかったので、素通りした。
「…お嬢さんを俺に下さいってのも、まあ、いらないしねえ」
ニマニマとそんなことを考えていると、阿修羅と山坊主が呆れたような顔でこっちを見ていた。
うー、こいつら、ほんと邪魔! 誰だよ、呼んだの! …私だよっ!!
旅籠に荷物を置き、とりあえず下見に向かう。
自称冒険家の川口氏が張り切っている。
備中鍾乳穴は、岡山でも海沿いではなく、山の方にある。
非常に有名な鍾乳洞ではあるのだが、場所的にも時間的にも、あんまり人は居なかった。
下見だったので、張り切っている川口氏を先頭に、鍾乳洞の中へと入っていく。
カンテラで照らし出された光景は、非常に美しかった。
「…きれいだなあ」
自然が作り出した天然の洞穴は、まさに神秘的としか言いようがないものだった。
本で読んで、知ったつもりになっていたが、実際に見るそれは、想像をはるかに超えるもので、百聞は一見にしかず…とはまさにこのことだ。
鍾乳洞内は、大体一キロもない長さだったが、見所がたくさんあって、自然の神秘を堪能しました。
「…これが、例の川…なのかな?」
そこは、川と言うか、崖と言うか、奈落を思わせるもので、カンテラの光ではその底は見えなかった。
滝になっているようで、大きな水音がしており、川って言われれば、川なのかなあ。
「…ちょっと降りて、見て来よう」
猗窩座様が、カンテラを持って、降りて行った。
さて、私達はどうすべきかと思っていたら、すぐに戻って来た。
「行き止まりだな。水の中を潜ったら、何かあるかもしれないが…」
「水中に咲いているものではないですから、そこまで見なくてもいいと思います」
それもそうかと言うことで、今回の下見はここで終了。
川口氏を一人、馬車で旅籠まで帰らせて、話が出ていた模擬戦です。
四人で、更に山の奥へと繰り出します。
疲れたと駄々をこねて、猗窩座様に背負ってもらいます。役得です!
山坊主と阿修羅のもの言いたげな視線は、無視です、無視!
「この辺でいいか」
山の中腹の、少し開けたところが、今回の戦場に決まりました。
私はもう少し遠くても良かったんだけどなあ…と思いながら、猗窩座様の背中から降ります。
猗窩座様対、阿修羅と山坊主という形になりました。
上弦の参対、下弦の壱と弐、数字だけを見れば、悪くない対戦です。
数間の間合いをあけて、一人と二人が立ちます。
「じゃあ、私が手を叩いたら、はじめということで」
私の提案に、三人が頷いて了承の意を示しました。
「…行きます!」
ぱぁーーん!!
零余子ちゃん、ちょっと恋に浮かれております。