なーんか、僕が思う零余子ちゃんと違うなーと思ったあなた!
その僕が思う零余子ちゃんを書きましょう!
零余子タグをつけてくれたら、読みに行きます。
「ないわー、野宿ないわー」
ホーホーと梟がなく山道をとぼとぼと歩く。
昼間は、獣臭い洞穴で寝た。
ここ数日、そんな感じだ。
あと、熊の血は美味しくなかった。ぺっぺした。
「服を着替えたい。お湯で行水したい。あったかいお布団でゴロゴロしたい」
ちょっと前までは、文字通りの箱入りのお嬢様だったのだ。
こんな生活耐えられない。ハッキリ言えば、グータラしたい。
ガラッ! …ヒヒーン! …ガラガラ…ガッシャーーーン!!
向こうから、大きな音が聞こえた。馬のいななきも聞こえた。
特に目的地もなかったので、そちらに向かった。
「あららー」
山道が土砂崩れを起こしていた。
数日前にまとまった量の雨が降っていたから、地盤が緩んでいたんだろう。
崖下には、馬車が落ちているのが見える。…あと、血の匂いがした。
「かなり立派な馬車だねえ」
横倒しになっている馬車は、黒漆塗りに金細工がこれでもかと入っていて非常に豪華なうえ、二輪ではなく四輪になっているので走行時の安定性も悪くないだろう。
二頭立ての馬車で、非常に立派な毛並みの馬だったが、両方とも既に死んでいた。
御者はどこかと探してみたら、転落時に投げ出されたらしく、さらに運の悪いことに途中の木に串刺しになって死んでいた。
「南無南無」
少しひしゃげて開きにくくなっていた扉を、力任せに強引に開ける。
バキィッ!
「どなたか生きてますかー?」
馬車の中には、スーツを着込んだ紳士がいた。
豪華な馬車の耐久性のおかげか、息はあった。
…ニヤリ…
「もしもし、大丈夫ですか?」
肩をゆすりながら、声をかける。
「…ぐっ」
どこかが痛んだのか、苦しそうな声と共に、紳士が意識を取り戻した。
胸の痛みで、目を覚ます。
「…こ、ここは?」
ぼやける視界に、美しい少女の顔が入った。
「どこか痛みますか?」
「…胸を打ったようだ。呼吸をすると苦しい。あとは足が…こちらは折れているかもしれない」
だが、少女の声を聞いているうちに、痛みが和らいでいくように感じる。あと、なんだろう、いい匂いがする。すごく安らぐようだ。
「私があなたをお宅までお送りしますよ。あなたのお名前はなんですか?」
華奢で可憐な少女に、そんなことができるだろうかと、ボンヤリと思いながらも、素直に聞かれたことに答える。
「…私の名前は、上星譲二(うえほし じょうじ)だ…」
私の答えを聞いて、白い少女が優しく微笑む。
「じゃあ、上星卿のお宅はどちらにありますか?」
「…この山を抜けた…町の…一等地に…」
急激に意識が遠のいていく。…その意識の最後に拾ったのは…
「はい。よくできましたー」
これが、零余子と上星一族との長い闘いの歴史の始まりだったのだ!
(ズギャァアァーーン!)
…ということはないですし、上星卿の息子が波紋法を使うこともないです。