忘れていたけど、鬼殺隊って、たったの数百人だったのか…
そりゃあ、関東近辺だけで手一杯だなあ。
九州とか北海道あたりを根城にしたら、鬼殺隊は怖くないなあ。
まあ、一番怖いのは無惨様だけどなw
二人の新居うんぬんは、残念ながら猗窩座様がのってくれなかったので、東京での拠点を作る予定だと説明して…
拠点を作っていいかどうかは、聞いてみないとわからないと言われて…
自然製薬の東京進出の方がメインだと言い張って、あの方には今度の面談で聞いてみますと、なんとか押し切った。
…ちなみに、どんな場所だったら便利ですかと、意見を聞く。…いえいえ、参考です、あくまでも参考ですから!
東京のちょっと郊外に、ちょうどいい邸宅があったので、購入しました。…もちろん、風呂付です。
ついでに、週一で掃除に来てくれる女中さんも雇いました。更に魅了もしたので、ばったり猗窩座様と会っても大丈夫ですね。
えっ? 一緒に物件を回らなかったのかって? …一人で見ましたよ、ちくしょー!
(私も見ましたよ)
幽霊は数えません!
べべんっ!
本日は無惨様との面談です。
「面を上げろ」
「はっ」
このやり取りにも大分慣れました。
「この度は、またお願いしたいことがございます」
「…なんだ、とりあえず言ってみろ」
無惨様の機嫌がちょっと悪くなりましたが、致し方ありません。
「青い彼岸花関連なのですが、新たなアプローチをしたいと考えております」
「ふむ、言ってみろ」
「太陽光についての研究、また人体と鬼の体との違いについての研究、その両方から攻めてみようと考えております」
結局、青い彼岸花研究の目的は、太陽光の克服に他ならない。
それなら、太陽光の何が鬼の体を殺すのか、そっちから調べてみるのも手だ。
「そのため、鬼の医者…のようなものが必要だと考えました」
私自身も医学書を見ながら、鬼の体を切り刻んでは見てみたが、所詮は素人の真似事、どこがどう違い、その違いがどうつながるのかとかまでは、まるでわからなかった。
「…鬼の、医者か…」
無惨様が私の言葉を聞いて、悩まれる。
そもそも、鬼はどんな怪我でも治るし、病気にもならないから、鬼の医者というのは、おそらくはいないだろう。
「私もそういった存在はいないとは、思ってます」
「…う、…うむ」
「そこで、外科手術も何度かしたことがあるという、人間の医者に心当たりがあります。この人間の医者を鬼にしてもらえないでしょうか?」
「…それは、どうだろうな。…まず、そもそも鬼になれるかわからないし、死ぬかもしれん。また、鬼になれたとしても、人だった頃の記憶や知識が残るかどうかもわからないぞ」
「それはわかっております。…ですので、まずは三人ほど試していただけないでしょうか?
全員が鬼の医者になれればいいですが、一人だけでも成功すれば御の字です。全員失敗しましても、何度か繰り返せば、一人くらいは成功すると思います」
「…うぅむ、そうだな…まあ、いいだろう」
「ありがとうございます。…あっと、もう一つ…」
ペコリと頭を下げたあと、たった今思い出しましたとばかりに追加する。
「…東京の郊外に、自然製薬の名義で拠点を一つ用意致しました。
私が関東の方に行った際に使おうかと思って購入したのですが、現状はほとんど使用する予定がありません」
「…ふむ」
「…ですので、関東近辺で動かれている上弦の方々に使用して頂いてはどうだろうかと愚考致します」
…顔も知らないような木っ端に使われるのは癪なので、上弦の鬼に限定する。…具体的には猗窩座様です。
「…黒死牟はいくつか拠点を持っているから必要はないし、童磨のやつもいらんだろうが、…猗窩座はどうしているのか、わからんな」
「猗窩座様には、岡山の際にもお世話になりましたので、是非是非、使って頂ければ幸いです」
「…猗窩座が使うかどうかはわからんぞ。前に童磨の奴が…猗窩座に拠点をいつでも使っていいよと言っているのに、一度も来たためしがない…と言っていたからな」
…それは、あのクソ野郎の拠点を使うのが、嫌だっただけだと思います。
「…なんだ、お前も童磨の奴は苦手なのか?」
突然、無惨様がそんなことを聞いてきた。…気のせいでないならば、ちょっと面白がっているようにも見えます。
「はい。正直なところ、合わないです。…というか、二度と会いたくないです」
きっぱりと伝えておく。
「なんだなんだ、異常な鬼同士、気が合うかと思っていたが、お前でも合わないか?」
「…無惨様のお言葉ですが、ハッキリキッパリバッサリと否定させて頂きます!」
「はっはっはっは、そうかそうか」
何がおかしいかー!!
うちの無惨様、ちょっとだけ優しい気がするw
無惨様、零余子ちゃんには珠世さんのことは秘密にしてます。
珠世さんに零余子ちゃんを殺されることも恐れてはいるのですが…
それよりも、零余子ちゃんが珠世さんのように逃れ者になることを恐れてます。