こんな時間なのが、まだ連休が抜けきってないです。
明日やばい。
「ふぇぇぇえええーーーーーん!!」
会ったらどうしようとか、まるで考えてなかった。ただただ、また会えたことを喜ぶだけだった。
「「…すまんかったなあ」」
二人が同時に謝罪の言葉を述べて来た。…駄目だよ、許さないよ。
阿修羅の方の方相氏が、仮面を外す。その下から現れたのは、阿修羅の顔だった。
「…人の頃の記憶を、思い出したんだ」
阿修羅が、静かに語り始めた。
「…まあ、とは言っても、ロクなもんじゃあなかったがな。
貧乏農家の七男、口減らしで捨てられる前に出て行って、そこからは生きていくために何でもやったもんさ。
ちょうどその頃は、幕末の動乱期だったからな。幕府側と維新側、どっちでも良かったんだが、生まれを問われなかったから、新選組に入った…」
「えっ!? 新選組? すごいっ! 誰々?」
「…くく、お前はそこに食いつくのな。まあ、歴史に名を残せる程、偉くもなければ、強くもなかったよ。
京都に縁があったのには驚いたが、あの頃の京都は、毎夜どこかで人が死んでいた。それこそ、鬼がいるから夜は外に出るなって言われてたくらいだ」
勝った側が歴史を作る。新選組は極悪非道の組織のように言われているけど、実際はどっこいどっこいだっただろう。
実際に京都に住んでいると、維新志士のほうがひどかったという声もよく聞く。
「…で、まあ、新選組と維新志士がやりあっている時に、あの方が現れて、まあ両方皆殺しにして、俺だけが鬼として生まれ変わったってわけだ」
それが、人だった頃の阿修羅の人生か。
「…まあ、あの方を追っていたのか、あるいはたまたまなのかは知らないが、鬼殺隊の柱も京都にやって来ていて、その柱と黒死牟様の戦いを見たのが、俺の鬼としての全ての始まりだったわけだ」
「そのころからの目標ってわけだ」
私のその言葉に、阿修羅がコクリと頷いた。
「…まあ、それからは黒死牟様の技の再現と、強くなるためになんだってやった。
そう言ってしまうと、人間だった頃と変わらないな。記憶はなかったんだがな」
そこで、阿修羅が静かにこちらを見詰めて来た。
「…正直なところ、俺をやった鬼殺隊にも特に恨みなんてない。…まあ、そんなもんだろうなって、腑に落ちたもんさ」
「…ただ最後に、お前に感謝の気持ちを伝えておきたかった」
「…感謝って」
「…闘争しかなかった、俺の人生と鬼の生、暖かかったり、柔らかい気持ちをちょっとだけでも持てたのは、お前のおかげだった」
「…阿修羅…」
「…ありがとう。…最後にそれだけは伝えたかった」
「…最後って!」
「…儂は少し違ったかな」
私の言葉に被せるように、方相氏の仮面を外した山坊主が話を始めた。
幕末コソコソ噂話
「阿修羅の過去は、新選組隊士でした。
京都の治安維持に、京都守護職の会津藩主、松平容保(かたもり)は二つの組織を作ったよ。
一つが、京都見廻組で、旗本、御家人の武士しかなれなかったけど、
もう一つの新選組は町民、農民でもなれた。
でも、組織としては、京都見廻組に数段劣る、会津藩預かりの非正規組織だったんだ。
今では、新選組の方が知名度が断然上だけどね」