この間には、誰も入り込めませんなw
吉田神社への三万圓寄付については、いろいろありましたが、まあ、なんとかなりましたよ。
もちろん、こっそりなんかじゃなく、大々的に寄付しました。
新聞にも載りましたし、他にもいろいろと、うまいことやってくれましたよ。宣伝部の皆さんが、ですけどね。
方相氏との約束は、こうしてキッチリと果たしました。
山坊主と阿修羅の体についてですが、もちろん鬼の体とは全然違います。
方相氏の体と同じように、血肉ではなく、なんかよくわからない堅いものでできています。その割には、滑らかに動くようで、実に謎です。
食事は必要ないようで、普通の食べ物も、人の血肉も必要ないみたいです。
もちろん、鬼の体じゃないから、血鬼術は使えないようです。山坊主は不動金縛りの術も、粉砕爆破の術も使えなくなりましたし、阿修羅も月剣擬はもちろん、六本腕自体になれなくなったようです。
でも、そういったデメリットをしのぐ、メリットもあります。
まず、攻撃力がすごく上がったみたいです。
そして、防御力もすごく上がったみたいです。…いや、私のことじゃないし、伝聞になるのは仕方ないじゃん。
…でも、なによりも大きいのは、鬼よりも更に死ににくくなったことです。
太陽の下でも、燃えないです。…その代わりに、石像みたいになって、動けなくなるようです。
日が沈むとまた動けるようになるので、ある意味、太陽を克服したと言えるかもしれません。
また、おそらく日輪刀で首を刎ねられても、死なないだろうと…言ってました。こちらは試してませんから確実ではないですが、二人共にそういう実感があるようです。
こうして、パワーアップをした山坊主と阿修羅は、私の護衛になりました。
猗窩座様もいるし、完璧な陣容です!
柱が二、三人で襲ってこようとも、へっちゃらです!!
山坊主と阿修羅の件、無惨様にどう報告しようかと思っていたところ、それどころではない研究成果が報告されました。
紫色の彼岸花ができました!
山本君が中心になって見つけた古文書の解釈から、作成できたらしく、その薬効もすばらしいものでした。私も右腕を犠牲にした甲斐があったというものです。
四半刻だった赤紫色の彼岸花よりも、その効果時間は四倍の一刻にまで伸びました。
この彼岸花を青くした成分は、太陽の光と反応するらしく、その反応は鬼の体が太陽の光で燃える反応よりも優先されるため、この成分が体に残っている間は燃え上がらないとの説明を受けました。
一株から抽出できる成分で、トータル二時間、太陽の光が克服されるわけなんですが、じゃあ、四株から抽出した成分だと八時間になるかというと、そうではないらしく、二時間までみたいでした。
それ以上の成分は、体に残らずに排出されるのだろうとのことです。
この成分を注射した鬼に、一時間太陽の光を浴びせ、次の日にも一時間太陽の光を浴びせると、焦げだしたので、そこで実験を中断し、また成分を注射して実験したところ、再び二時間もつことがわかりました。
一時間太陽の光を浴びせた段階で注射してみても、そこからもつのは二時間でしたので、効果時間の最大値は二時間で、但しその間に何回か注射することで、一日もつことも可能だとわかりました。
これ、もう完成したと言ってもいいんじゃね…と思わなくもなかったのですが、無惨様からは、ここまで来たんだ、あともう少し頑張ろうぜ…みたいなことを言われたので、研究は続けます。
報告の際に、十本の薬を収めたのですが、早速一本取りこむと…
「ちょっと席を外すぞ」
…と、そわそわと上機嫌で出て行って、一時間ほど放置されましたが、鳴女さんとしょうがないなあ…と苦笑をしたものです。
山坊主と阿修羅の件の報告は…まあ、いいか。
東京大正博覧会に行くことになりました。
そういや、東京出張を入れてたなと、すっかり忘れておりましたよ。
東京府が上野公園でやっている博覧会で、それなりに盛況らしく、初日には一万五千人ほどの入場者だったみたいです。
そこに行くのは、仕事といえば仕事だし、遊びといえば遊びと言えます。
基本的に外に並びまくることになるので、鬼が行くのは普通はありえないんですが、私には紫の彼岸花の薬と、魅了があります。
少々の屋外もなんのそのだし、VIP待遇で並ばず、いろんなところが見れるので、猗窩座様とのデートにもピッタリです。…ああ、いや、お仕事ですよ?
(思いっきりデートって、思ってました!)
うるさい幽霊です。
ちゃんと仕事もしますよ。最新の医療機器や実験機器も展示されているので、まずはそこから行きますか。
「ささ、猗窩座様、行きますよ」
「…お、おう」
(何をさらっと、腕を組んでるんですかー!)
聞こえませーん!
「…今のって?」
「…どうしました、しのぶ様?」
「…いえ、なんでもありませんよ」
変なフラグを残しつつ、青い彼岸花の完成は近い。