さすがに、ページ配置ミスってるねえ。でもコピーも可とは思い切りましたね。
べべんっ!
十二鬼月の上弦と下弦…全員が呼ばれたようだ。…いや、全員…ではない。上弦の参及び、下弦の肆がいない。
「…下弦の肆、…零余子が消えた。…上弦の参、猗窩座もだ」
無惨様の機嫌は目に見えて悪い。…まあ、そうだろうね。
「お前達全員で、捜索を開始しろ、あらゆる任務よりも優先、最優先でだ!」
無惨様のその言葉に、あんまりしたくはなかったが、手を挙げる。
「…累、なんだ?」
その顔は、どうでもいいことだと、お前でも許さんぞと言っているようだった。
「…会いましたよ、昨日、両名に」
「…はぁ?」
私達は、那田蜘蛛山に来ていた。
「累君、おひさ!」
「…しばらく」
「久しぶりじゃのう」
「…よう」
累君は、ちょっと暗い空を見上げた後に…
「…いろいろと聞きたいことはあるんだけど…さ、…何しに来たの?」
「うん! 大事な話なの!」
そう、大事な話があって、こんなところまでやって来たのだ。
「…えっとね、話は長くなるかもしれないんだけど…」
「…できるだけ簡単にお願いするよ」
久しぶりに会ったけど、累君は相変わらずだ。
「…まずね、なんか、いろんな美味しいものが食べたくなったのよ」
「…うん。…うん?」
「…いろいろいじって、甘いものは食べられるようになったけどさ、美味しいものって他にもいっぱいあるじゃない? …うん、人間の欲望ってキリがないね」
「…突っ込みどころしかないけど、…とりあえずお前は人間じゃないからね」
「…そうやって、二十三子(ふみこ)ちゃんをいじってたらさ」
「…いや、知らないし」
「…なんか、無惨様の呪いが外れたのよ」
「…あー、なんと言っていいのか…」
「…正直さ、無惨様の呪いって、怖いじゃない?」
「…まあ、うん、そーだね」
「…私ってば、うっかり無惨様の名前を言ってしまいそうな、そんなドジなところがあるじゃない?」
「…ああ、うん、うっかり言いそうだね」
「…だからさ、長子ちゃんにも呪いを外す処置をしてもらった後、私も処置したのよ」
「…へー」
大事な話をしているんだけど、どうも累君の反応は軽い気がするなあ。
「…でもさ、そこで気付いたのよ」
「…何に?」
「…私、ほぼ毎週、無惨様に会う必要があるということに!」
「…あぁ」
「…無惨様に会ったときにさ、…あれ、こいつ呪い外れてね? …すわっ、裏切ったか!? …って、思われるかもしれないじゃない!」
「…思われるかもしれないね」
「…これはまずいってことで、影武者を用意する必要があったわけなのよ。
それで、私に背格好が近いのって、まずは長子ちゃんなんだけど…ああ、長子ちゃんはこの子ね」
ついでに長子ちゃんを紹介しておく。
初めましてとかしこまる長子ちゃんと、どうでも良さそうに鷹揚に対応する累君。
「…長子ちゃんはいい子だから可哀そうだし、それに既に同じように呪いを外しているから、影武者にはなれない。
そこで、別に、十七子ちゃんを影武者にしました」
「…いや、知らないし」
「…背格好は同じくらいだったんで、顔だけいじって、魅了で強力な暗示をかけたんだけど…」
そこで言葉をためる。
「…暗示が効きすぎて、お馬鹿さんになっちゃったのよ」
「…ああ、そう」
「…とりあえず、まずいなあとは思いつつ、私の左目を移植したんだけど、…そしたら、なんか、再生した私の左目と繋がっているようで、視界が共有できてて、更に更に、十七子ちゃんを私が自由に動かせたり、喋らせたりできるようになったのよ!
ついでに物も聞こえたし、脳を乗っ取ったのかもね」
「…ああ、そーなんだ」
ここ、すごく重要なことなのに、累君は感情が死んでいるんじゃないの?
「…まあ、おかげで、急場をしのぐことはできたんだけど、さすがにずーっとは無理じゃない?」
「…まあ、そーだろーね」
「…なんとかしないとダメなんだけど、そしたらさ、そんなゴタゴタの間に、青い彼岸花もできちゃって」
「…いや、…それ、…軽く言ったね」
さすがの累君も、これには反応した。
「…これは報告しないとダメなんだけど、私は直接行けないし、青い彼岸花が完成したら、大体のことは許してくれそうだけど、呪いを外すのはちょっと微妙かもって思うし」
「…微妙だね」
「…とにかく、何も思い浮かばないし、とりあえずクリスマスだから、パーティーはしようと思って…」
「…うん、その流れはおかしいよね」
冷静に突っ込んできた。うるさいなあ、仕方ないんだよ。
「…まあ、それで、影武者の十七子ちゃんにケーキを受け取りに行ってもらったら、帰りに鬼殺隊士と出くわしたのよ」
「…はー」
「…最初はやばいって思ったんだけど、…これって、ある意味チャンスじゃね?って逆に思ったのよ」
「…へー」
「…そこで、猗窩座様にも呪いを外す処置を始めて、その時間を捻出するためにも粘ろうとしたんだけど、いやあ、その剣士が強くって、心臓に突きを食らって、私の血が流れ出して、十七子ちゃんの魅了が解けたときには、これはまずいって思ったんだけどさ」
「…ほー」
私が一方的に話しているわけなんだけど、累君はもうちょっと真剣に聞くべきだと思う。
「…そこで無惨様に救出されて、でも、毒を食らってたから…そう、毒なんだよ! …鬼にも効く毒なんてあるんだねえ。
おっと、話がそれたけど、解毒の為に無惨様が血を分けてくれたんだけど、それがトドメになって、…とりあえず、その間に猗窩座様の処置はなんとか間に合ったんだよ」
「…ふーん」
「…それでまあ、影武者の死を目くらましにして、すたこらさっさと、とりあえず国外に逃げれば平気かなと…」
「…うん、大体の流れはわかったけどさ、最初の質問の答えじゃないよね? …何しに来たの?」
「…うん、つい逃げちゃったけど、あ、これ完全に裏切った流れじゃねって思って、その、…うん」
そこで、持ってきていたカバンを、累君の目の前に置く。
「青い彼岸花の薬が三つと、その研究レポートが入ってます」
「…うん」
「…どうか、うまいこと、無惨様に言っておいてください」
綺麗な土下座を披露しました。
「…まあ、一応、今聞いたことを話すけどさ、一つ良いかな」
「…うん、何かな?」
「…さっき言ってた、国外に脱出…だっけ? …日本からいなくなったら、さすがに追いかけようがなかったと思うんだけど、なんでそのまま逃げなかったの?」
累君は変なこと聞くなあ。
「…いやあ、さすがに日本に戻ってこれないっていうのは嫌だったし、それに…」
「…それに?」
「…私、無惨様のことは怖かったけど、嫌いじゃなかったしさ」
まあ、詰め込んだんですけど、終わりませんでした。
あとちょっとだけ続くのじゃ。