短いですけどっ!!
「…す、すごい…」
私の隣でお姉さんが驚いている。…まあ、実際のところ、私も驚いてはいるんだけどね。
「ぬぅん!!」
「はぁあぁっ!!」
山坊主の金棒、更には阿修羅の二刀が、次々と連携して襲い掛かってくる中、ふわりふわりと柳のように、…あるいは、蝶のようにひらひらと優雅に躱している。
武器もないのに…いや、武器がないからこそ、回避に集中できているとはいえ、あそこまで綺麗に躱せるものなのか?
「ああっ、もう! なにやってるのよっ!!」
奪った日輪刀を振り回して、山坊主と阿修羅に文句を言う。
私だったら当てられるとは言わない。まあ多分、間違いなく当たらないと思うけど、しゃくなのでそれは無視して文句を言う。
もちろん、こうして武器を奪っている以上、負けはない。
それに、相手は人間なんだから疲労する。疲れてきたら、あんな風に回避するのだって覚束なくなるはずだ。
そう、負けはないんだから!
「……あれ?」
…そこに、違和感を覚えた。
武器は奪った。…そもそも、毒も効かない。絶対に負けはない。
…逆に言えば、向こうには、勝ちの目がない。それなのに…
「…なんで、逃げないわけ?」
…ふっと、横の茂みを見た。それは、意味なんてなくて、本当になんとなくで…
…瞬間、少女が飛び出してきた!
「…ひっ!」
…花の呼吸…肆ノ型…紅花衣(べにはなごろも)…
「…ひぃぃいいぃぃ!!」
右腕が跳ね飛ばされた! …けど、首は斬られてない。せーふ…セェーーッフ!!
「「零余子っ!!」」
ひるがえって、こちらに駆け寄る二人を横目に、こちらもなんとか回避に専念せねば…そう、右腕から流れる私の血を利用して…
…惑血…視覚夢幻の香(しかくむげんのこう)…
少女と私の間を、目くらましで覆う。
この血鬼術に攻撃力は一切ないけど、視覚…とついでに、嗅覚に強力な幻惑をかける。私が開発した、私独自の術だ!
「…!?」
「カナヲ、冨岡さんと合流します!」
女がその言葉を言ったと思ったら、少女も鮮やかに山坊主と阿修羅を飛び越えて女と合流すると、即座にその場を離れていく。
…逃げられたっ!?
「阿修羅は追って! 山坊主は私たちを護って!」
「「わかった!」」
私の言葉で、阿修羅が追い、山坊主がこちらに向かってくる。
やられはしなかったけど、こちらも何の攻撃も当てられていないので、痛み分け…というか、痛いのは私だけだったけどなっ!!
「…はぁぁあぁぁーーーーー!!」
再生した右手をぐっぱぐっぱしながら、大きく息を吐く。
「……よしっ! 私たちも、猗窩座様と合流するよ」
零余子ちゃんがドヤ顔でオリジナル技アピールしてますが…
もちろん、皆さんご存じの珠世さまの血鬼術です。
習ったわけでは、もちろんありません。たまたまです。
技名も一緒なのは、珠世さまと感性が同じだったということでw
変な技名でもないので、かぶることもあるある!