はい、先に言っておきます。タグにも書いてある通りキャラ崩壊が激しいです。てか、実質別人みたいなものです。
それが許せない方はマジでブラウザバックをお勧めします。
大丈夫という方はどうぞ!
辺りが暗闇に包まれており、時折ある街頭だけが道を照らしている道路を一人男が歩いている。
「ああー、今日も疲れた・・・けど、今日は東方の最新作発売日だしな。くぅー、今から楽しみだなー。」
この男の名前は【
何時もの彼なら死にそうな顔をしながら帰路についているのだが今日は、彼が言うように東方Projectという弾幕STGの新作の発売日である。
このシリーズの生粋のオタクである彼は朝から楽しみで仕方なく仕事も通常の3倍ぐらいのスピードで終わらせることができるぐらいモチベーションが上がっていたのである。しかし、押し付けられた仕事も通常の3倍の量であったため帰宅時間は何時もと同じというまさに社畜の鏡である。
「あらかじめダウンロードも住んでるし後は家帰ってPC付けてゲームをするだけ・・・自機キャラも霊夢や魔理沙だけじゃなくて他にもいるっていう話だし・・・でもやっぱり使い慣れた魔理沙を使うべきか、それとも―――。」
仁がオタク特有の考え事に入ったら暫く考え続けるモードに入ってしまった。
そのため、何時もなら気付くはずの不自然な足元にある穴にも気づかずにそのまま穴の中に入っていってしまった。
「うぉっ!?な、なんじゃこりゃぁぁぁぁ!?」
そう叫んでしまうのも無理はないだろう、何故なら目の前にはぎょろぎょろとこちらを見たり明後日の方向を見たりしている目ん玉が無数にある真っ暗な空間にいるのだから、常人なら気絶ものの恐怖映像である。
だが、彼はその光景に心当たりがあるのか叫んだ後にすぐ思い当たったかのように顔を驚きに染めた。
「こ、これってまさか、紫様のスキマ!?確か、こんな目ん玉がたくさんある空間じゃなかったっけ?」
心当たりは、彼の好きな東方シリーズの2作目、『東方妖々夢』におけるEXステージのボス【八雲 紫】が使っている能力の『境界を操る程度の能力』を使う際における何もない空間に突如として開かれるスキマと呼ばれるものにそっくりだったためである。
「え?え?幻想郷って本当にあったの?フィクションじゃないの!?」
彼は困惑していたが、次第に自分が好きな世界に行けるかもしれないという少しの期待を胸に出口まで暫く待った。
「(現実にいても過労で死にそうだし・・・まあ、幻想郷でも妖怪に殺されて死んじゃうかもしれないけど・・・。どっちにしろ死ぬ可能性があるのなら俺は・・・好きなキャラが見たい!その欲望に忠実に生きてやる!)」
彼はそう決意を秘めて目の前に見えてきた出口を抜けたのであった・・・そしてそこには、スキマを出したとされている大妖怪の八雲 紫にそっくりな、ていうか瓜二つな自分の身長の肩ぐらいまでしかない見た目中学生ぐらいの少女が腕を組みながら立っていた。
「へ?(ど、どういうことだ。これが紫様・・・?いや、でもゲームとかで見る紫様の服装そっくりだから間違いないのか・・・?だが・・・。)」
彼が困惑するのも無理もないだろう。何故なら八雲 紫だが、よく描かれている姿では大人の女性で描かれているからである。だがどうだろう、目の前にいる少女は中学生ぐらいの身長で背伸びしてみても大人という割にはあまりにも不似合いな姿をしていた。
彼が固まっていると、目の前の少女は何処からか扇子を取り出し、勢いよく開けるとその扇子に文字が書かれていた。
「え?・・・ようこそ、幻想郷へ?」
「ええ!ようこそいらっしゃいました!私、この幻想郷という場所の管理人みたいなものをやっております八雲 紫と言いますわ。以後お見知りおきを。」
「あ、ご丁寧にありがとうございます。自分は只野 仁と申します。よろしくお願いします。」
目の前の少女がいきなり自己紹介を始めたのでそれにつられて、しかも、仕事場で使うようなこてこてな自己紹介をしてしまい、ちょっと羞恥に苛まれていると目の前に紫と名乗った少女は扇子をまた、勢いよく開けた。そこには【歓迎】の文字が
「(歓迎・・・。)」
「貴方は、私のランダムに設置したスキマを潜り抜けてこちら、幻想郷側に足を踏み入れました。今、人手というものが不足しておりまして・・・人里というところがうまく回っていない状態ですの。だから、外から誘拐・・・もとい、神隠しとでも言いましょうか。神隠しをして、こちら側に取れてきたのです・・・あ、安心してください。ちゃんと住むところは用意いたしますわ。因みに、連れてきた人物というのも現世側に未練があまりないような方たちを連れ去っているのでご心配はいりませんわ!」
紫は腰に手を当て空いた手を口の方に持っていき、お嬢様な人たちがよくやるような典型的な高笑いをすると、指パッチンをした。
すると、奥の方から九本の狐のしっぽが生えた女性が来た。
「{あ、あれは八雲 藍様。藍様はあまり変わってないみたいだ・・・よかった。)」
「さあ、藍!この、男が住む場所へと案内してあげて頂戴!今からそれに通じるスキマを開けてあげるわ。後は向こうに送り届けてくれれば人里の守護者がやってくれるように話は付けてあるから、送りだけお願いね。」
それだけ言うと、紫は奥の方に入っていった。
仁はそれを見送ると、藍の方に振り向き、頭を下げた。
「そ、それじゃ、お願いいたします。藍様・・・でいいんでしょうか?」
「ん・・・藍でいいよ。」
また、仁は固まってしまった。何故なら、彼が知っている藍という女性はここまで口数が少ないキャラではなかったからだ。主人の世話を焼き、自身の式である【八雲 橙】をかわいがる、非常に出来る女という印象が強い女性だったからだ。
こんなに、表情があまり変化しない鉄仮面のような女性ではなかったと記憶しているからだ。
「(な、何かがおかしいぞ。俺が知っている幻想郷じゃ・・・ない?)」
そんな感じで始まる彼の物語はまだ始まったばかりである。
キャラ紹介
只野 仁 (ただの じん)
ただのひとをもじっただけ。
お気楽な感じの性格。細かいことは気にしない、なるようになれ、ケセラセラをモットーに生きている適当な人である。
逆に言えばそんなお気楽な性格だからこそ過酷なブラック環境を乗り越えれたと言っても過言ではないのかもしれない。
八雲 紫
原作では便利でうさん臭い大人の女性キャラ。
藍をいじったり霊夢をいじったり、つかみどころがない性格のため色んな人からあまり好かれていない可哀そうな人。
この世界の八雲 紫
見た目は中学生3年生ぐらい。見た目通りの元気がある性格で常に扇子を持ち歩いている。
扇子は開くたびに文字が変わっている。
大人の女性を演じてみようと口調から変えていったが、ただの良いとこのお嬢様という感じが漂っているだけ。
だが、原作の紫よりも仕事を真面目に取り組み、しっかりとした性格のためこちらの紫はいろんな人から好印象を持たれている。
強さは少し原作の紫には劣るが本当に少しなので実際はあまり変わらない。
八雲 藍
藍様。自分の式である橙をとても可愛がったり、主人の仕事を大半やる社畜みたいな感じの苦労人ポジとして書かれることが多い。
しかし、紫の式だけあって、戦闘力はかなり強い部類に入る。
やるときはやるお姉さん。
こちらの世界の八雲 藍
無口。無表情。表情があまり顔に出ない。こちらも仕事はバリバリ出来るが、紫がしっかりやっているため、ほぼ全部やるということは無い。
その分料理に力を入れており彼女の料理はものすごく絶品というのは紫談である。
原作通り、橙を可愛がっているがあまり顔に出ないため橙からは怖がれている、そのことに少し悲しんでいるようだ。