神剣が選ぶもの(旧ありふれた魔王に勇者ときどき転生者) 作:くろから
吹き飛ばされた場所は、少し大きな部屋で、数多の武器が散乱していた、
恵理「んん・・・ここは?あっ!・・・あーぁ・・・」
事前に巫術 皮硬化を使っていたことと、咄嗟に剣を盾にして威力を弱められたことで助かったらしい、全身がバラバラになりそうなほど痛かったが、しかし、国の宝物家からもらった剣は見る影もなくひしゃげ、ところどころにヒビが入っていた、これではもう使い物になりそうにない
恵理「うわぁ、これは・・・」
なんの思い入れもない、むしろ刃が倒れてからは何故か使いにくかったが、王国の人には申し訳ないと思った、武器が壊れてしまっては戦えないので、痛む体に巫術をかける
恵理「巫術 『胎動』」
少し頭が和らいだ
恵理「いてて・・・やっぱり香織ちゃんみたいにはいかないか・・・」
恵理「優花ちゃんはどこに行ったんだろう?」
その時、後ろから巌のような声が響いた
???「其方のような女子がこのような場所に何用か」
恵理「え?」
???「兄者、可憐な娘にそのような硬い喋り方をしてどうするのだ、」
???「お前もいえたものではない、弟よ」
恵理「ええっと・・・どこ?」
何もない場所から声が聞こえた、幻聴か?と思った矢先、答えが返ってきた
???「目の前におる」
恵理「え?まさか・・・これ?」
喋っていたのはありの目の前に突き刺さった巨大な二対の半月刀らしい、刃は鋸のようになっており、つかの先に顔のような装飾が施されている
???「いかにも、ところで其方、武器が壊れてしまったようだな」
恵理「え?まあ・・・」
???「我らを使ってはくれまいか?」
恵理「え?うーん、ぼくには大きすぎるよ」
???「問題ない」
そう言うと半月刀は恵理にも使いやすい大きさに縮んだ
恵理「なんか、ゲームみたいだなぁ、でもなんで?ぼくなんかに」
???「なに、其方のような小柄な娘で、しかも、最近闘いを知ったとなれば、心配になるものだ、老婆心のようなものよ」
恵理「そんなことまでなんでわかるの?」
???「何千年と生きてきたのだ、色々な顔を見るのよ」
恵理「そんなものかい?まぁ、わかったけど、多分、うまく使えないよ?」
???「なに、其方が為そうとしていることに比べれば、安いものよ」
恵理「・・・・調子崩れるなぁ」
???「ふふふ、そうか、だが、礼を言いたい」
???『我々は長い間待っておったのだ」
???『そう、待っていたのだ』
???『われらを使うにふさわしきものを』
???『覚悟を持ったものを』
???『我が名アグニ』
???『我が名はルドラ』
アグニ『我らを使うがいい』
アグニ・ルドラ『『我ら兄弟が其方の刃となろう』』
恵理「わかった、でも一つ条件をつけさせて」
アグニ「なんじゃ」
ルドラ「言ってみろ」
恵理「ぼくの目的は秘密にしてね?」
アグニ・ルドラ「よかろう、汝がそれを望むなら」
ズッ
恵理はアグニとルドラを引き抜いた
アグニ「ほう・・・」
ルドラ「兄者、これは・・・」
恵理「どうしたの?」
アグニ「我らは良い使い手に巡り会えたらしい、」
ルドラ「娘、我らを振うてみよ、その心の赴くままに」
その言葉とともに体が浮いたような感覚に襲われる、まるで鬼に抱かれているようだ、だが不思議と気分が良い
恵理「あぁ・・・・」
恍惚とした表情で剣舞が始まる、
剣閃が武具を薙ぎ、風が空を斬る、火炎が焼き焦がす
心地よい、あぁ、心地よい、
魂の赴くまま剣を振る
それは舞、火炎と風爪が焼き裂く巫女の舞、それは彼女が愛する鬼に捧げられる激しくも哀しい虚な舞である
ひとしきり待った後、恵理は双剣に問うた
恵理「なんで・・・?ぼく、武術なんてやったことないよ・・?」
アグニ「ふふふふふ・・・其方は愛されているな・・・・」
ルドラ「何、疑問に思うことはない、それが望んだ結果とは違えていようが、貴殿の目標の助けになろう」
〜〜〜〜〜少し時を戻して〜〜〜〜〜〜
優花「いったぁい、でも、恵理のおかげで助かったわね」
優花「恵理は・・・・別の場所か、」
優花の目の前には悪魔の翼の様な意匠のおかしなものがあった
優花「えぇ・・・何この悪趣味なデザイン・・・」
そして興味本位でそれを触ると
優花「ヴっ?!」
魔力回路を別の魔力が駆け巡る
別人の魔力が体を駆ける不快感に耐えていると、徐々に不快感が引いていった
完全に不快感が収まると、自分の背中に重みを感じて首を後ろを向けると、背中に先ほどのおかしなものが背負われていた
優花「えぇ?!これってどうゆう・・・!」
「どうゆうこと」と言い切る前に、何かが頭に流れ込んできた
その映像は赤い外套を着た青年が背にあるものから細剣を次々に取り出し、投げていく映像だ、映画なので、何を言っているのかわからないが、その動きは大人の遊びのような妖艶さがあった
優花「ふぅん、私に使えってことね?」
こんこんと壁を叩きながら1人ごちる
向こう側は空洞になっているようだ
優花「あの人みたいには行かないけど、私にはピッタリの武器かもね」
その言葉とともに背中の魔具『無尽剣ルシフェル』が翼のように展開し、そこから鍔の無い簡素な剣が飛び出した
優花はそれを取り出し壁に向かって次々と投げる
剣がダーツのように飛んでいき深々と突き刺さる
優花「これでいいかしら」
そう言うと優花はおもむろに指を弾いた
すると小気味良い音を立てて剣が爆発し、壁に大きな穴が空いた
その先には魔法陣と、恵理がいた
優花「うん、上出来ね」
恵理「カッコいい・・・・!」
デビルメイクライより『炎風剣アグニ・ルドラ』と『無尽剣ルシフェル』が登場、優花は、もう一つのアレを持たせても良かったんですが、なんか違うと思ってやめました