神剣が選ぶもの(旧ありふれた魔王に勇者ときどき転生者) 作:くろから
第八次世界大戦『火の7日間』その戦いの中彼らは死んだ筈だった、尋常ではない大きさの爆発に巻き込まれ時空転送装置が故障し世界の狭間に取り残された、
はずだった
そこには白い世界が広がっていた
真っ白い地面に自分の体躯が転がっているのが分かる
「おい起きてるか?」
隣には馴染みの顔があった
「どこだここ」
「ここはワシの世界じゃよ」
すると虚空から白い髭を蓄えた好々爺が現れた
「えっ神?」
驚くのも無理はない、彼らの世界は神を巻き込み破滅に向かったのだから
「死んだはずじゃ・・・」
その問いに老人ら微笑みながら答える
「違う世界の神じゃ、お前らを転生させようと思うてな」
少年が疑問を投げかける
「何故だ?俺たちは何億って人を殺してきた、そんな俺たちをなんで転生させようと思うんだ?」
その問いに、神は流れるように回答した
「それはな、君たちが強いからじゃ、聞いたことはないか?一人殺せば殺人鬼だが万人殺せば英雄じゃ、お前さんたちのようになれば欲しがるものもおるわ」
そして顔を少し曇らせ、声の調子を落として言う
「それに目に余る行いのものがあるのでな、止めて欲しいのじゃよ、
」
少し驚いた顔でまた少年の口から素朴な感想がこぼれる
「神にもクズっていたんだな」
「恥ずかしいことじゃが、な、それはともかく転生には特典がつく、
お前さんたちは何を望む?壬無月 刃、風間 未来」
肩をすくめてため息を吐くと、老人は二人の少年の望みを尋ねる
未来はこう答えた
「じゃあ刺青を残したまま記憶を消して、才覚はそのままにしてくれ」
刃もまた、同じ考えで答える
「俺も同じく、あんな記憶忘れたいんだよ」
少し意外そうな顔をして老人が問う
「ならば何故刺青を残すのじゃ?」
二人は遠くを見ながら答える
「消したら大佐に申し訳がたたない」
「俺たちの戦った証であり、抗った証だから」
「そうか・・・最初の設定と記憶はこちらで弄らせてもらうぞ、」
老人は納得したようで、そのまま話を進める、神の仕事など毛ほども知らない彼らは口を揃えて
「「任せる」」
と答えた
老人は静かに頷くと持っていた杖で地面をトン、叩いた
すると二人の足元に魔法陣が現れ、光に溶けるように二人ごと消えた
「さて、エヒトのやつはどうなるのかの、全く他の世界に自分の娯楽のために干渉するとは、予想外じゃったわ、とんでもない非礼と今までの罪、償ってもらおう」
〜ありふれた町〜
ひどい雨の日だった、まるで泣いているかのような雨だった、いや、違う、多分泣いていたのは僕の心だったんだろう、お爺さんが死んでしまった、僕のヒーローが死んでしまった、正しい人だったのに殺されてしまった何故だかわからないああ、お爺ちゃん・・・・
「どうしたんだい?」
「お爺ちゃんが死んじゃったんだ、正しい人だったのに、なんでだよ・・・・悪人が・・・」
「僕も家族がいないんだ、そうだよな、家族がいなくなるのは、辛いよなぁ、でもさ、世の中悪人も善人もないよ、良いことをするか悪いことをするかだ」
「そっか、僕は、良いことをする側になりたいなぁ・・・・君の名は?
」
「僕?僕はさ、風間 未来って言うんだ、君は?」
「僕は、天之川 光輝」
「ん・・」
光輝は少し浅い微睡の中から覚醒する
「大丈夫か?光輝」
「ああすまない、未来、昔を思い出してた」
未来は