神剣が選ぶもの(旧ありふれた魔王に勇者ときどき転生者)   作:くろから

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できたよ!大変だったよ!


反逆者の住処、

未来は、体全体が何か温かで柔らかな物に包まれているのを感じた。随分と懐かしい感触だ。これは、そうベッドの感触である。頭と背中を優しく受け止めるクッションと、体を包む羽毛の柔らかさを感じ、ハジメのまどろむ意識は混乱する。

未来(天国か・・・・?)

そう思いながら目を開けると迷宮らしくない明るさに目が眩んだ

未来「うっ・・・・眩しっ・・・・」

目を瞑って手探りをすると、少し前まで人がいたかのような暖かさを感じた

未来「んん?」

理解できずにさらに混乱する未来、いい加減目も慣れてきたので目を開けると、そこはパルテノン神殿の中央のような空間だった

未来「おいおい、本当に死んだんじゃないだろうな」

すると部屋の奥からカッターシャツ一枚のロリが現れた

未来「ユエも死んだのか?」

ユエ「・・・・死んでない」

未来「そうか」

ユエ「・・・・・」

未来「?どうした?不服そうな顔して」

ユエ「・・・・未来は、何も思わない?」

未来「なにがだ?」

ユエ「・・・・つまんない」

未来「だからなんで不機嫌なんだよ!」

ユエ「もういい、ついてきて」

 

 ベッドルームから出た未来は、周囲の光景に圧倒され呆然とした。

 

 まず、目に入ったのは太陽だ。もちろんここは地下迷宮であり本物ではない。頭上には円錐状の物体が天井高く浮いており、その底面に煌々と輝く球体が浮いていたのである。僅かに温かみを感じる上、蛍光灯のような無機質さを感じないため、思わず〝太陽〟と称したのである。

 

ユエ「……夜になると月みたいになる」

未来「マジか……」

ハジメ「あっ、起きたんだ」

未来「俺どんくらい寝てた?」

ハジメ「うーん?ざっと僕が起きてから二日くらい?」

ユエ「・・・・ハジメが起きるのに1日かかったから、かなりのねぼすけ」

未来「悪い」

ハジメ「すごいところだよ、多分此処が『反逆者の住処』なんだろうね、大体の部屋は調べて置いたんだ」

ユエ「・・・開かない部屋も結構あった」

未来「扉ごとぶっ壊しゃよかったのに」

ユエ「・・・私もそう言った」

ハジメ「そんな空き巣みたいな真似できないよ・・・」

未来「ま、だろうな」

ハジメ「でも少し気になる部屋があったんだ、3階の奥なんだけど」

未来「まずいってみっか」

 

 三人は三階の奥の部屋に向かった。三階は一部屋しかないようで。奥の扉を開けると、そこには直径七、八メートルの今まで見たこともないほど精緻で繊細な魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた。いっそ一つの芸術といってもいいほど見事な幾何学模様である。

 

 しかし、それよりも注目すべきなのは、その魔法陣の向こう側、豪奢な椅子に座った人影である。人影は骸だった。既に白骨化しており黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている。薄汚れた印象はなく、お化け屋敷などにあるそういうオブジェと言われれば納得してしまいそうだ。

 

 その骸は椅子にもたれかかりながら俯いている。その姿勢のまま朽ちて白骨化したのだろう。魔法陣しかないこの部屋で骸は何を思っていたのか。寝室やリビングではなく、この場所を選んで果てた意図はなんなのか……

 

ユエ「……怪しい……どうする?」

 

未来「・・・・・成る程、」

ハジメ「どうしたの?」

未来「いや、取り敢えず入る」

そう言うと未来はおもむろに魔法陣の中に入った

純白の光が爆ぜ、部屋を白く染め上げる

 まぶしさに目を閉じる未来。直後、何かが頭の中に侵入し、まるで走馬灯のように奈落に落ちてからのことが駆け巡った。

 

 やがて光が収まり、目を開けた未来の目の前には、黒衣の青年が立っていた。

中央に立つ未来の眼前に立つ青年は、よく見れば後ろの骸と同じローブを着ていた。

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」

 

 話し始めた彼はオスカー・オルクスというらしい。【オルクス大迷宮】の創造者のようだ。驚きながら彼の話を聞く。

 

「ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを」

 

 そうして始まったオスカーの話は、ハジメが聖教教会で教わった歴史やユエに聞かされた反逆者の話とは大きく異なった驚愕すべきものだったため、ユエとハジメは目を見開いている。

オスカーの話をまとめるとこうだ

①  神代の少し後の時代、世界は争いで満たされていた。お互いを神敵

②自分たちは『解放者』何百年と続いた戦乱に終止符を撃たんとする集団である

③神は戯れに魔人と人間を争わせているだけである

④神に操られた魔人と人間に神敵とされ敗北し、大陸の果てに迷宮を作り潜伏することにしたこと

ハジメ「なんか・・・・すごいこと聞いちゃったね」

未来「悪いお知らせがひとつ」

ハジメ「いいお知らせない?」

未来「ない」

ハジメ「ぇぇ・・・」

未来「俺は2回目、転生者だ」

ハジメ「は?」

未来「俺は他の世界で死んだ後にハジメたちの世界の神に依頼を受けた

『この世界の神を殺せ』と、」

ハジメ「そんなこと急に言われてもわかんないよ・・・・」

未来「本人に聞くか?」

ユエ「・・・・え?」

未来「そこで見てんだろ」

神「バレておったか」

そう声が聞こえると何もない空間から白い髭を蓄えた老人が出現した

ハジメ「なんか・・・・ゲームっぽいね」

神「む、そういえば名乗っておらんかったわ、我が名は神日本磐余彦、まあ、世に言う神武天皇じゃな、」

ハジメ「ええええええええええええ!!!!!!!」

ユエ「誰?」

未来「えっそれ神じゃない・・・・・」

神武「まあ、言うなれば半神じゃな、まあ、ほとんど神みたいなもんじゃ、兄と同じく母上の血をよく受け継いだものでな」

神武「さて、本題に入ろう、この世界の神、エヒトルジェじゃな、がやっていることはオスカーが言っていた通りじゃ、此処までなら見過ごせる、古代法にそのような記述はないからのう、じゃが、あやつは他の世界に手を出した、これがいかんのじゃよ神々はお互いの世界に基本的に不可侵の取り決めとなっておるでな」

ハジメ「それって、神同士で決着つけるものなのでは」

神武「わしが出てしまうと全てが焼け野原になってしまうでな、それに今は油断ならん状況が続いておっての・・・・他の世界に侵攻する余裕などないのじゃよ、エヒトはきずいておらんようじゃが、自分の世界を守ることで手一杯じゃ」

未来「・・・・そう言うことか、それで俺たちに」

神武「掬い上げたのは2人だけじゃがな」

未来「そう言うわけで、どうする?俺はこう言うわけで絶対に神を殺さなきゃならない、正直、厳しい戦いになると思う付き合うか?」

ハジメ「・・・・・」

ユエ「ハジメ・・・・」

ハジメは難しそうな顔をして考えている

ハジメ「やるよ、どうせぼくたちだけ帰っても今度はもっと強引な方法で連れ戻される可能性の方が高い、そうですよね、陛下」

神武「見抜いておったか、確かに、彼奴は君たちが死ぬまで駒にし続けるだろう」

ハジメ「一つ条件が」

神武「なんじゃ」

ハジメ「もしエヒトを殺したら、ぼくに世界を自由に渡る権利とユエが僕たちの世界で生きる権利をください」

神武「いいじゃろう」

神武「さて、そろそろエヒトにバレるやもしれぬ、貴殿らの旅路に幸あらんことを・・・」

そう言うと神武天皇は光になって消えた

ユエ「・・・・どう言うこと?」

ハジメ「ユエに、帰る場所はないんでしょ、なら一緒に生きよう、僕たちの世界で」

ユエ「・・・・ありがとう」

未来「そーいえば、魔法もくれたな、ハジメ、お前にピッタリの魔法だぜ」

ハジメ「えぇー・・・・」

ユエ「・・・・未来、今は黙ってるところ」

ハジメ「・・・ぼくも乗ってみようか」

ハジメが魔法陣に乗ると、ハジメの頭の中にも膨大な情報が流れ込む

ハジメ「これは・・・・神代魔法?」

ユエ「……ホント?」

 

 信じられないといった表情のユエ。それも仕方ないだろう。何せ神代魔法とは文字通り神代に使われていた現代では失伝した魔法である。ハジメ達をこの世界に召喚した転移魔法も同じ神代魔法である。

ハジメ「生成魔法・・・・確かに、錬成師のためにあるような魔法だね、鉱物に魔法を付加して特殊な鉱物が作れる」

ユエ「もしかして・・・・アーティファクト作れる?」

 そう、生成魔法は神代においてアーティファクトを作るための魔法だったのだ。まさに〝錬成師〟のためにある魔法である。実を言うとオスカーの天職も〝錬成師〟だったりする。

 

未来「ユエも覚えたらどうだ? 何か、魔法陣に入ると記憶を探られるみたいなんだ。オスカーも試練がどうのって言ってたし、試練を突破したと判断されれば覚えられるんじゃないか?」

ユエ「……錬成使わない……」

ハジメ「まぁ、そうだろうけど……せっかくの神代の魔法だし? 覚えておいて損はないんじゃないかな?」

ユエ「……ん……ハジメが言うなら」

そうしてユエも生成魔法を習得し、

ハジメ「さて、と」

未来「穴掘るか」

ユエ「ん、肥料」

ハジメ「いやそうじゃなくて!!!」

未来「え?違うのか?」

ハジメ「いや、墓穴だよ、曲がりに多分、この人ぼくの先輩だからね、敬意を払いたいんだ」

未来「ああ、そーゆーことかそーゆーことなら本人にやるか?」

ハジメ「どういうこと?」

未来「こーゆーこと、『析』」

未来はモナドをオスカーの死体に当ててつぶやく

未来「でもって、よっ」

いつからもっていたのか神結晶の欠片に生成魔法で文字を刻んだ

ユエ「何をしたの?」

未来「ん?この人の遺伝子情報を刻んだ」

ハジメ「と言うことは・・・」

未来「ホムンクルスが作れるな」

ハジメ「それ、大丈夫なの?体の一部持っていかれたりしない?」

未来「どこの国家錬金術師だよ、それ、つか真似しといて言うか?」

ハジメ「これ以上欠損するのはごめんだよ・・・」




解放者復活フラグが立ちました、あれ?おかしいな?ウチに零ないしこれ以上小説買う金はないぞ?あれ?
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