神剣が選ぶもの(旧ありふれた魔王に勇者ときどき転生者)   作:くろから

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フハハッ
書きたいことが書ききれてないんだぜ
恵理と刃の関係、未来と優花の関係はどっかに無理やりつっこむかも


ありふれた始まり

〜幻想郷、博麗神社、宴会にて〜

「君らの話もしなよ」

酒が入った赤髪の少年がハジメに話を振る

それに紫髪の長身の少年がそれに乗っかる

「そうだな、なんか未来にも刃にも嫁がいるし、気になるぜ」

光輝がちびちびとビールを飲むハジメに発言を促す

「南雲、ここは僕たちが話すところじゃないのかな?」

少し赤い顔でハジメが言葉を零す

「めんどくさいよー」

白と赤の巫女服を着た少女が重ねて質問する

「あんたたちもそれなりに激動の人生だったんじゃないの?龍牙の仲間だったんだし」

「ごもっとも」

話の槍玉に上がった少年がドヤ顔で答える

「刃と未来と光輝の転生に巻き込まれただけなんだけどね、僕たちは」

二人が少し目を逸らす

「月が綺麗だね」

「そうだな」

「話すよ、でもお君たち話してね・・・。」

〜ありふれたとある街で〜

 

 

 

 

月曜日。それは一週間の内で最も憂鬱な始まりの日。きっと大多数の人が、これからの一週間に溜息を吐き、前日までの天国を想ってしまう。

 

 

壬無月 刃と風間 未来も例外ではない、二人は朝の課題をこなしながらクラスメートがそろうのを待っていた

「最後に来るのは誰だと思う?俺は清水に二千円」

机から乗り出して賭けにのる刃

「乗った!南雲に千円」

数分後、清水幸利が教室に入ってきた

「よっしゃ!俺の勝ち!」

「ちっ!おら、二千円」

「やったね♪」

その更にあと、南雲ハジメが始業チャイムぎりぎりに登校し、ふらふらと席に着いた。

その瞬間、教室の男子生徒の大半から舌打ちやら睨みやらを頂戴する。

女子生徒はもはやこのクラスの高齢となっているので関心を向けはしない。無関心ならまだいい方で、あからさまに侮蔑の表情を向ける者もいる。

 

 

 極力意識しないように自席へ向かうハジメ。しかし、毎度のことながらちょっかいを出してくる者がいる。

「よぉ、キモオタ! また、徹夜でゲームか? どうせエロゲでもしてたんだろ?」

 

「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~」

いったい何が面白いのかゲラゲラと笑う

「お前らほんとに毎日毎日・・・・不快なんだよ、フ・カ・イ」

「お前こそ文句あんのか?壬無月」

「こっちのせりふだぞ、檜山ァ!」

「うっ・・・このくらいにしといてやる」

「キミ、よく南雲君に助け舟出すよね」

刃「いや、後ろでさ?毎日毎日あんなムードになられるとさすがに精神やられてくるし」

恵理「いやまあ、彼女のせいなんだけどね」

香織「南雲くん、おはよう! 今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」

 ニコニコと微笑みながら一人の女子生徒がハジメのもとに歩み寄った。この事態の原因である。

 

 

 名を白崎香織という。学校で二大女神と言われ男女問わず絶大な人気を誇る途轍もない美少女だ。腰まで届く長く艶やかな黒髪、少し垂れ気味の大きな瞳はひどく優しげだ。スッと通った鼻梁に小ぶりの鼻、そして薄い桜色の唇が完璧な配置で並んでいる。

 いつも微笑の絶えない彼女は、非常に面倒見がよく責任感も強いため学年を問わずよく頼られる。それを嫌な顔一つせず真摯に受け止めるのだから高校生とは思えない懐の深さだ。

 

 

 そんな香織はなぜかよくハジメを構うのだ。徹夜のせいで居眠りの多いハジメは不真面目な生徒と思われており(成績は平均を取っている)、生来の面倒見のよさから香織が気に掛けていると思われている。

 

 

 これで、ハジメの授業態度が改善したり、あるいはイケメンなら香織が構うのも許容できるのかもしれないが、生憎、ハジメの容姿は極々平凡であり、〝趣味の合間に人生〟を座右の銘としていることから態度改善も見られない。

男子のハジメに対する認識は「ゲームが上手くていい奴」と言う認識で檜山達以外は平たく言えば悪ふざけ半分である、なので原作と違って放課後ハジメはクラスの誰かと遊ぶこともある(特に清水)、因みに女子に関しては、会話すればただただいい人で優しいので悪く思われてはいない、どちらかと言えば檜山達の方が軽蔑されている、当の檜山達は全く気がついていないが、

 

 

「あ、ああ、おはよう白崎さん」

 

 

未来「スワッ、殺気か?」

ハジメの頬が引き攣っらせて挨拶を返す

それに嬉しそうな表情をする香織。

刃、恵理、((いや、なぜそんな表情をする!))

ハジメは、更に突き刺さる檜山からの視線に冷や汗を流した。

刃「なーんで学園一の女神様が南雲にかまうのかねぇ」

恵理「いやわかんないの?キミ、」

刃「へ?」

恵理「・・・・・・そういうとこだよ」

刃「っていうか白崎はこの殺気の視線にきずかないのかね?」

未来「いやー、あいつ鈍いしなぁ、天然だし」

恵理「そういうところも香織の魅力だよね!」

未来「あー、光輝だ」

刃「この流れ何回目だ?」

 

雫「南雲君。おはよう。毎日大変ね」

 

光輝「香織、また彼の世話を焼いているのか? 全く、本当に香織は優しいな」

 

龍太郎「全くだぜ、そんなやる気ないヤツにゃあ何を言っても無駄と思うけどなぁ」

 

「おはよう、八重樫さん、天之河くん、坂上くん。はは、まぁ、自業自得とも言えるから仕方ないよ」

 

 

 雫達に挨拶を返し、苦笑いするハジメ。檜山の「てめぇ、なに勝手に八重樫さんと話してんだ? アァ!?」という言葉より明瞭な視線がグサグサ刺さる。雫も香織に負けないくらい人気が高い。

 

 

未来「(おほっ怖っ)そこまで言うことないだろ、光輝」

光輝(じゃあどうすればいいんだよ!前に「南雲が迷惑してる」って言ったらものすごい目で見られたんだぞ!?)

未来(あー・・・・・ウン、あれはやばかった、後ろになんかみえたし)

優花「毎度思うのだけどその間は何?」

未来が園部優花に耳打ちする

未来「視線で会話してる」

そんなやり取りが交わされる中、われらが女神が特大の爆弾を落とす

「? 光輝くん、なに言ってるの? 私は、私が南雲くんと話したいから話してるだけだよ?」

未来、雫、光輝(((なぜそうなる!)))

 

 ざわっと教室が騒がしくなる。男子達は最早恒例行事となった彼らのやりとりを面白そうに眺め、檜山達四人組は昼休みにハジメを連れて行く場所の検討を始めている。

 

 

「え? ……ああ、ホント、香織は優しいよな」

引き攣った顔で光輝が言う、ここで下手に反論するとスタンドが現れるため反論できない

ハジメは刃と未来に助けを求めるが触らぬ女神に祟りなしといわんばかりに二人は目をそらす、

ハジメ涙目である。

 

 そうこうしている内に始業のチャイムが鳴り教師が教室に入ってきた。教室の空気のおかしさには慣れてしまったのか何事もないように朝の連絡事項を伝える。そして、いつものようにハジメが夢の世界に旅立ち、当然のように授業が開始された。

 

 

~~~~~~~

刃「おらっ!起きろ居眠り常習犯!」

ハジメが寝ている間に昼になっていた

恵理「よく寝ててその成績維持できるね・・・」

南雲「割と何とかなるモンだよ」

ハジメは十秒チャージできるゼリー飲料をごそごそと取り出しながら言う

――じゅるるる、きゅぽん!

南雲「壬無月くんは・・・・」

恵理「僕と一緒に食べるんだよねっ!」

刃「いつも別に俺の分まで造ってこなくていいって言ってるだろ」

恵理「いいのいいの~どっちかって言ったらボクの方がお世話になってるんだからさ」

そんな全国の非リアに呪い殺されそうなやり取りを聞いた後、もう一眠りするかと机に突っ伏そうとした。だが、そうはさせまいと我等の女神が、ハジメにとってはある意味悪魔が、ニコニコとハジメの席に寄ってくる。

恵理(あーあー捕まっちゃった、いつもは目だたないとこで寝てるのにね)

刃(どうせ徹夜でもしたんだろ、さて、邪魔しないように俺らはおいとましますかね)

恵理(がんばれ!カオリン!)

香織(恵理ちゃん、刃君ナイス!)「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当? よかったら一緒にどうかな?」

 

 再び不穏な空気が教室を満たし始める中、ハジメは心の裡で悲鳴を上げる。いや、もう本当になしてわっちに構うんですか? と意味不明な方言が思わず飛び出しそうになった。

 

 ハジメは抵抗を試みる。

 

南雲「あ~、誘ってくれてありがとう、白崎さん。でも、もう食べ終わったから天之河君達と食べたらどうかな?」

 

 そう言って、ミイラのように中身を吸い取られたお昼のパッケージをヒラヒラと見せる。断るのも「何様だ!」と思われそうだが、お昼休憩の間ずっと檜山の殺意の中にいるよりは幾分マシだ。

 

 しかし、その程度の抵抗など意味をなさないとばかり女神は追撃をかける。

 

香織「えっ! お昼それだけなの? ダメだよ、ちゃんと食べないと! 私のお弁当、分けてあげるね!」

 

(もう勘弁して下さい! 気づいて! 周りの空気に気づいて!)

 

 

 刻一刻と増していく圧力に、ハジメが冷や汗を流していると救世主が現れた。状況を見かねた光輝達だ。

光輝「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」

未来(うわ、くせぇ)

香織「え?何で光輝君の許しがいるの?」

優花と雫がふきだす

未来(こうかはいまひとつのようだwwwww)

光輝は困ったように笑いながらあれこれ話しているが、結局、ハジメの席に学校一有名な五人組+一人が集まっている事実に変わりはなく視線の圧力は弱まらない。

未来(あーもうこいつ異世界召還とかされないかな?これだけ受難体質なら異世界転生したってなんの不思議も・・・・)

刹那、空気が凍りつく

 

光輝の足元に純白に光り輝く円環と幾何学きかがく模様が現れたからだ。その異常事態にいち早く気づいた刃と未来が恵理と優花の手を引っ張り教室を出ようとするが、扉が開かない、それ以外の生徒は金縛りにでもあったかのように輝く紋様――俗に言う魔法陣らしきものを注視する。

 

 その魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。

 

 自分の足元まで異常が迫って来たことで、ようやく硬直が解け悲鳴を上げる生徒達。未だ教室にいた愛子先生が咄嗟に「皆! 教室から出て!」と叫んだのと、魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。

 

 数秒か、数分か、光によって真っ白に塗りつぶされた教室が再び色を取り戻す頃、そこには既に誰もいなかった。蹴倒された椅子に、食べかけのまま開かれた弁当、散乱する箸やペットボトル、教室の備品はそのままにそこにいた人間だけが姿を消していた。

 

 この事件は、白昼の高校で起きた集団神隠しとして、大いに世間を騒がせるのだが、それはまた別の話。

 

 

 




かけなかったときのための保険でさわっとかいときます、
恵理と刃はよく家で一人である刃の家に恵理が家出して駆け込んでたりする(ただし現時点では恵理は光輝ラブです)
未来と優花は優花の家の店(名前なんでしたっけ?)でよく未来がアルバイトしていて面識がある、といった感じ
7月二日、クラスのハジメに対する認識を変更します、前のままだと、ハジメがクラスに戻ろうとする理由が薄いので、

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