神剣が選ぶもの(旧ありふれた魔王に勇者ときどき転生者)   作:くろから

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ハジメが出せない( ^∀^)


異世界転移

地獄を見ていた

肉片が飛び、血が吹き出し、人が人を喰らう、死闘に次ぐ死闘、負け戦に次ぐ負け戦

刃・未来「「なんだよ・・・これ・・なんだよ!こんな記憶俺は知らねえ!」」

 

 

 

刃・未来「ハアッ!、」

恵理「大丈夫?刃」

優香「どうしたの?未来」

刃「ああ、大丈夫、ちょっと嫌なもんを見ただけだ」

未来「ここどこだ?」

まず目に飛び込んできたのは巨大な壁画だった。縦横十メートルはありそうなその壁画には、後光を背負い長い金髪を靡かせうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。

 

 背景には草原や湖、山々が描かれ、それらを包み込むかのように、その人物は両手を広げている。美しい壁画だ。

優香「広間・・・かしら?」

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

 そう言って、イシュタルと名乗った老人は、好々爺然とした微笑を見せた。

〜〜〜〜〜〜〜〜

優花「何かのきらびやかな作り・・・・」

未来「晩餐会でもやるとこなんじゃないか?」

恵理「誰も何にも喋らないね・・・」

刃「現実に頭がおっつかないんだろ、それでもパニックを起こさせないのはさすが光輝だな」

光輝「何もしてないけどね俺は・・・」

全員が着席すると、絶妙なタイミングでカートを押しながらメイドさん達が入ってきた。そう、生メイドである! 地球産の某聖地にいるようなエセメイドや外国にいるデップリしたおばさんメイドではない。正真正銘、男子の夢を具現化したような美女・美少女メイドである!

 

 こんな状況でも思春期男子の飽くなき探究心と欲望は健在でクラス男子の大半がメイドさん達を凝視している。もっとも、それを見た女子達の視線は、氷河期もかくやという冷たさを宿していたのだが……因みに刃と未来は全く興味を示さない、それどころか警戒してすらいた。

未来(色仕掛けとはまた古風な)

刃(まあ、俺らガキだからなぁ)

その隣では優花が他の女子とはまた違った気持ちでみらいに氷柱(氷と言うにはいささか尖りすぎていた)の視線を送っていた

なおハジメも傍に来て飲み物を給仕してくれたメイドさんを思わず凝視……しそうになってなぜか背筋に悪寒を感じ咄嗟に正面に視線を固定したことをここに書き記しておく

優花「味は素人なんだね」

未来「そりゃそうだ、大方このためだけに呼んだんだろ」

恵理「えっそうなの?」

刃「いやあ、わかりやすくて助かる」

恵理「みんな見事に引っかかってるけど・・・」

 

全員に飲み物が行き渡るのを確認するとイシュタルが話し始めた。

 

「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」

未来・ハジメ・刃「テンプレだな」

 

 

イシュタルの話を要約するとこうだ

 

まず、この世界はトータスと呼ばれている。そして、トータスには大きく分けて三つの種族がある。人間族、魔人族、亜人族である。

 

 人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配しており、亜人族は東の巨大な樹海の中でひっそりと生きているらしい。

 

 この内、人間族と魔人族が何百年も戦争を続けている。

 

 魔人族は、数は人間に及ばないものの個人の持つ力が大きいらしく、その力の差に人間族は数で対抗していたそうだ。戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きていないらしいが、最近、異常事態が多発しているという。

 

 それが、魔人族による魔物の使役だ。

 

 魔物とは、通常の野生動物が魔力を取り入れ変質した異形のことだ、と言われている。この世界の人々も正確な魔物の生体は分かっていないらしい。それぞれ強力な種族固有の魔法が使えるらしく強力で凶悪な害獣とのことだ。

 

 今まで本能のままに活動する彼等を使役できる者はほとんど居なかった。使役できても、せいぜい一、二匹程度だという。その常識が覆されたのである。

 

 これの意味するところは、人間族側の〝数〟というアドバンテージが崩れたということ。つまり、人間族は滅びの危機を迎えているのだ。

 

イシュタル「あなた方を召喚したのは〝エヒト様〟です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という〝救い〟を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、〝エヒト様〟の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

刃(狂信者か)

未来(従わないと面倒そうだな)

刃と未来が今後の方針について考えていると突然猛然と抗議する者が現れた

愛子先生だ。

 

愛子「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」

 

 ぷりぷりと怒る愛子先生。彼女は今年二十五歳になる社会科の教師で非常に人気がある。百五十センチ程の低身長に童顔、ボブカットの髪を跳ねさせながら、生徒のためにとあくせく走り回る姿はなんとも微笑ましく、そのいつでも一生懸命な姿と大抵空回ってしまう残念さのギャップに庇護欲を掻き立てられる生徒は少なくない。

 

 〝愛ちゃん〟と愛称で呼ばれ親しまれているのだが、本人はそう呼ばれると直ぐに怒る。なんでも威厳ある教師を目指しているのだとか。

 

 今回も理不尽な召喚理由に怒り、ウガーと立ち上がったのだ。「ああ、また愛ちゃんが頑張ってる……」と、ほんわかした気持ちでイシュタルに食ってかかる愛子先生を眺めていた生徒達だったが、次のイシュタルの言葉に凍りついた。

 

イシュタル「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」

 

 場に静寂が満ちる。重く冷たい空気が全身に押しかかっているようだ。誰もが何を言われたのか分からないという表情でイシュタルを見やる。

 

愛子「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」

 

 愛子先生が叫ぶ。

 

イシュタル「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」

刃(マジかよ)

未来(奴隷よかましだろ、丁度初めも同じ様なこと考えてたらしい)

パニックを起こしかける生徒達とは裏腹に、ハジメは冷静に構えていた

未だパニックが収まらない中、光輝が立ち上がりテーブルをバンッと叩いた。その音にビクッとなり注目する生徒達。光輝は全員の注目が集まったのを確認するとおもむろに話し始めた。

 

光輝「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」

それを聞いて未来が立ち上がる

未来「ちょっとまて光輝テメェ、俺たちで戦争に参加するつもりか」

光輝「そうだ」

未来「俺や刃ならまだいい、だがここにいる全員を人殺しにするつもりか?

光輝「それ以外に帰る道が思いつくのか?!!」

未来「志願制にするなりいくらでも・・・!!」

イシュタル(その場合は心苦しいですが異端認定させていただきますが)

イシュタルが頭に直接話しかけてきた

未来は歯がみする、異端認定されればどんな扱いになるかしれている、奴隷としてこき使われる

未来「わかった」

引き下がるしかなかった

光輝「ありがとう、未来」

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。……俺もやるぜ?」

「龍太郎……」

「今のところ、それしかないわよね。……気に食わないけど……私もやるわ」

「雫……」

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

「香織……」

未来は目線でメッセージを送る

未来(生き残って帰る保証はあるのか?)

光輝(自分達のステータスを信じるしかない、人を殺す覚悟ができるのかもわからない、でもこれが僕の選んだ最善だ、)

未来(こんなところで人生最大のバクチするはめになるとはな・・・)

結局、全員で戦争に参加することになってしまった。おそらく、クラスメイト達は本当の意味で戦争をするということがどういうことか理解してはいないだろう。崩れそうな精神を守るための一種の現実逃避とも言えるかもしれない。

その光景を見てイシュタルは心底満足そうにしていた

光輝(結局思い通りに運ばれてしまったけど、次があれば思い通りにはさせない)

未来、光輝、刃は一連のやり取りから、ハジメはイシュタルの反応から彼を要注意人物としてきおくするのだった




そういえば今まで言ってなかったんですが感想いただければ励みになります!参考にもします!ご自由に書いてくださいお願いします!
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